転生したら時の王者だった件。   作:ドラゴニック・オーバーロード

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1話 仮面ライダージオウ、生誕。

「ん、うぅ〜ん…」

 

拳銃に撃たれて俺は死んだ、はずだった。なのに何故か体が動く。

目を開けると、そこは森のような場所だった。

 

「此処は一体?俺は確か死んだはずじゃ…」

 

体を触ってみたが、怪我も何もなかった。確かに胸を撃たれたはずなのだが…

 

「う〜ん、特に怪我も何もないなぁ。…あれ?そういえば俺って、こんな華奢な体してたっけ?何か細いし…」

 

自分の腕や胴体を見てみると、何やらとても細かった。俺はそこまでムキムキというわけではなかったが、男らしい胸筋や太い腕はあったはず。それがなぜか細くなっている。まるで女みたいな。それに服もこんな白い服を着ていた覚えはない。

あっ、ちょうど湖がある。これで自分の姿を見てみよう。

 

「どれどれ…」

 

湖を見るとそこには、白いメッシュが入った長い光るような金髪とマゼンタの瞳をした、美少女がいた。

 

「なっ!?おい、君!!そこで何をやってるんだ!?俺に掴まれ!!」

 

俺は急いで、その子に手を伸ばした!

だが、掴むのはその子の手ではなく、水だけだった。

まさかと思い、俺は自分の顔を触ると、彼女も顔を触る。

色んなポーズを取ったりもした、そしたら向こうも全く同じ行動をする。

 

まさか、まさかとは思うが!

 

俺、転生しちゃったー!?

 

 

 

 

 

 

そこから俺は色々と考えた。

そこでさっきまでの記憶を辿る。まず俺は夏休み終盤、夏休みをどう過ごそうかと考えてぶらぶらしていた。そしたら頭のおかしい男が女の子に銃を向けたから、女の子を庇って撃たれて死んだ。

うん、ここまでは覚えてる。

 

次は現状の把握だ。まずここは間違いなく病院ではないだろう。というか、こんな森の建物もない病院などテレビでも見たことがない。どうして此処にいるかは分からない。誰かに運ばれたにしても、森に運ぶ意図が分からない。

 

そして、この姿。俺の容姿はそこまでイケメンというわけではなかった。…何か自分で言ってて悲しくなってきた。だが、こんな華奢な体ではなかった。腕だってもう少し太かったし、身体の線だってこんなに細くなかった。そしてこの顔。俺はこんな美少女顔では断じてなかった。ほんとどこにでもいるような顔、ザ・普通な顔だった。金髪でもなかったし、こんなに長い髪でもなかった。ちなみに性別だが、ちゃんとムスコはあった。つまり男だった。よかった。

 

結論。俺は銃で撃たれて死んで、転生したのだ!

 

そうだ。それだ。それしか考えられない。死んで、病院でもない場所にいて、別の容姿になってるというこの状況を踏まえれば、転生としか考えられない。

 

というか、そもそもどうして俺はこんなことになってるんだ?此処はどこなんだ?

 

「うっ!!」

 

そのとき、俺の頭に激痛が走った。とてつもない量の情報が頭の中に入ってくるのが分かる。

 

「あっ…い…あああああ!!頭が…頭が割れる!!

 

頭の中に浮かんでくるのは俺が昨日見終わった仮面ライダージオウの姿。ジクウドライバー、ライドウォッチ、歴代の平成ライダーなどの情報が頭に流れくる。

 

ああああああー!!

 

 

 

1分後…

 

 

 

痛みが来るのは突然だったが、痛みが終わるのも突然だった。いつの間にか痛みはおさまっていた。

 

だがそのおかげで自分の今の状態が分かった。頭に入ってきた情報を改めて整理する。

分かったのは俺が持つ能力、スキルの使い方、そして俺の状態。

 

ユニークスキル「時之王者(ジオウ)」。

仮面ライダージオウに変身できるスキル。「ジクウドライバー」を出現させ、それを使って俺の肉体を仮面ライダージオウに変える。鎧を着るような感じではなく、クウガとかのような肉体変化型のようだ。あらゆるライドウォッチの能力を使用できる、能力の応用もできる。俺の頭に情報を流し込んできたのは、このスキルだったようだ。

 

ユニークスキル「戦士之記憶(ライドウォッチ)」。

仮面ライダージオウの重要アイテム「ライドウォッチ」を生産できるスキル。だが一部、条件が揃わなければ作れないライドウォッチも存在する。

 

ユニークスキル「王之資格(王ニナリ得ル者)」。

魔王への覚醒を促すスキル。これはまだよく分かんない。

 

ユニークスキル「逢魔之日(オーマノヒ)」。

オーマジオウの力を封印した結果にできたスキル。オーマジオウのオーラや力を少しだけ使うことができる。そして、激しい思いに呼応しオーマジオウへ覚醒するためのスキル。

 

ユニークスキル「守護者(守ル者)」。

魂の系譜で繋がった俺の配下たちのステータスの常時アップ、ダメージ回復が可能。

 

ユニークスキル「模倣者(真似ル者)」。

一度見た技や動き、スキルを模倣できるスキル。

 

ユニークスキル「改造者(作リ変エル者)」。

スキルやあいてむの進化や統合ができるスキル。

 

ユニークスキル「従者(付キ従ウ者)」。

俺のサポートをしてくれる自立型のスキル。解析・鑑定などをしてくれる。

 

ユニークスキル「強キ者」。

戦闘を続けるほどに、ステータスが上昇していくスキル。

 

とまぁ、これが俺の主なスキルだ。

なるほど、要するに俺は仮面ライダージオウに変身できるということか。しかもライドウォッチまで…。

仮面ライダーに変身できるのはライダーファンとしては嬉しいが、俺に扱いこなせるのだろうか。不安だなぁ。

 

「仕方ない。とりあえず進むか。」

 

とりあえず俺は進むことにした。

 

そこから俺はこの森を出るために歩いた。だがやはり、中々出口が見つからない。だが、だからといってこのままというわけにもいかない。

とにかく頑張って、進んだ。 

 

しばらくして…

 

うわぁぁぁぁぁ!!

 

俺は巨大な虎に追われていた。

 

くそっ!どうしてこんなことに!草むらから物音がしたから、それを木の枝でつついたら虎が出てきて!

 

「うわっ!」

 

俺はこけてしまった。そして目の前にはさっきの虎が。

くそ!せっかく転生したのに!俺の人生、ここまでか!

 

「ガルルル…」

「ひぃ…」ブルブル

「ガオォォ!」

「く…来るなぁ!!

「ガウッ!?」

 

俺からいきなり発せられた黄金のオーラに当てられ、虎は吹っ飛ばされた。

 

「えっ!?今のは一体!?」

「ガルルル…」

 

やばい!さっきの虎が立とうとしてる!

 

(どうする!?このままじゃ…!いや、待てよ?そういえば俺、変身できるじゃん!!)

 

そうだ!変身して戦えばいいんだ!とにかく、このままじゃやられる!

戦えるのなら、戦うしかない!

頼む!出てくれ!ジクウドライバー!!

 

『ジクウドライバー!』

 

そう念じると腰にジクウドライバーが出てきた。そして手にはジオウライドウォッチが…

 

「よしっ!やってやる!」

 

ライドウォッチのスイッチを押す。

ポチッ『ジオウ!』

 

ジクウドライバーにウォッチをセットする。待機音が鳴る。そしてソウゴのように構える。

 

変身!!

ジクウドライバーを360°回転させる。時計のような音が鳴る。

 

『ライダーターイム!カメーンライダージオウ!』

 

俺の体が仮面ライダージオウに変化していく。ライダーの文字が顔に装着される。

 

虎が起き上がった!俺はジカンギレードを出す。

虎が突進してきた!俺は飛び上がった。するととてつもないジャンプ力が出た。すごい!虎から追いかけられてたときも思ったけど、俺身体能力がもの凄い上がってる!

俺は虎にジカンギレードで攻撃する。流石に効いてるみたいだ。虎が爪で攻撃してくるが、ジカンギレードで受け止め、弾く。

 

『ジュウ!』

 

銃に切り替えて、虎に攻撃する。そしたら虎は猛スピードで突っ込んできた!ここは回避だ!!攻撃をかわす。

 

「あのスピードは厄介だな。でも俺にはあれを避けられるほどの反射能力はない。なら、これだ!」

ポチッ『カブト!』

 

カブトライドウォッチをドライバーにセットする。そして回転!

 

『アーマーターイム!!チェンジビートル!カブトー!』

ジオウの肉体にカブトのアーマーが装着される。

 

「クロックアップ!」

『クロックアップ』

 

俺はクロックアップしたスピードで、虎に猛攻撃を仕掛ける。このスピードには虎もついていけず、ただただ攻撃を喰らい続けることになる。

『クロックオーバー』

クロックアップが終わった。

 

虎はボロボロだ。今のうちにトドメだ!

ドライバーからジオウライドウォッチを取り外し、剣に切り替えたジカンギレードにウォッチをセットする。

 

『フィニッシュターイム!』

 

虎に向かって走る!

 

『ジオウ!ギリギリスラッーシユ!』

 

虎を居合切りする。虎は爆散する。

 

「よっしゃぁ!!」

 

勝ったぞ!初めての戦闘に勝ったぞ!やったぁ!

そんなふうに喜んでいると、

 

「何すか、今の!?」

「えっ?」

 

緑色の体をした少年が現れた。

 

「今のすっごいカッコよかったっす!どうやったんすか!?それに何すか、その鎧みたいなの!」

「え〜と、君は?」

「オイラ、ゴブタっていうっす!よろしくっす!」

「ゴブタ君か。よろしく。」

 

俺は変身を解く。するとゴブタが驚く。

 

「あ…あんた女だったんすか!?」

「いや。こんな身なりだけど俺は男だよ?」

「えっ!?男だったんすか!?すまないっす。」

「いいよ。女っぽい見た目なのは自覚してるし…」

 

やっぱり他の人から見たら俺って女に見えるんだな。

 

「え〜と、ゴブタ君は人間…じゃないよね?」

「そうっす。オイラはゴブリンっす!」

「ゴブリン!?」

「えっ!?そうっすけど、何で驚いてるっすか?」

「あー、ごめんごめん。ゴブリン見るの初めてだったからさ。」

「そうだったんすか。」

 

ゴブリンって、ゲームとかでしか見たことないけど本物を見たのは初めてだな。

 

「そういうあんたも魔物っすよね。」

「え?俺って魔物なの?」

「そうっすよ?分かんなかったんすか?」

 

へぇー、俺って人間じゃなかったんだ。まさか魔物になってるなんて。

 

「あんた名前は?」

「名前?あー(名前か。どうしよう。この世界では名前ないし…う〜ん…ソウゴ、ソウゴ、そうご、そうが、そうが、ソウガ、そうだ!)俺はソーガだ。」

俺はソーガと名乗ることにした。

「ソーガっすね。誰に付けてもらったんすか?」

「え?いや、自分で名乗ってるだけだよ。」

「あ、そうだったんすか。オイラたちはリムル様(・・・・)に付けてもらったんすよ。」

「リムル様?誰?」

「オイラたちの主人のスライムっす!」

「え?スライムが主人なの?」

「うん。スライムだけどめちゃくちゃ強いんすよ!」

 

スライムがゴブリンの主人か。スライムといえばゲームとかでは雑魚モンスターだが、そんなに強いスライムがいるのか?

 

「よかったら村に来るっすか?」

「え?いいの?」

「うん!あんたは悪い人ではなさそうだったので!どうっすか!」

(う〜ん、このまま一人でいるのも危険だし…よし!ここはお言葉に甘えて…)

「わかった!じゃあ、お邪魔させてもらうよ!」

「そうっすか!よかったっす!じゃあ早速案内するっすよ!それとゴブタ君はやめてくださいっす。ゴブタでいいっすよ!」

「分かったよ、ゴブタ。」

 

こうして俺は死んで、転生して、変身して、戦って、ゴブリンと出会って、ゴブリンの村に案内されることになったのだ。

そして、この先に待っている出会いが俺の運命を大きく変えることになるとは、俺はまだ知らなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




1話を書き終えました。
ジオウをまた観ながら、書きました。やはりジオウは面白いですね。本人出演とかも感動しますよね。
ではまた、次回のお話で。ご機嫌よう!

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