ヒグマさんのイラスト描きたいなーって考えてたら時間がかなりかかりました
「さあ、闘ろうぜ……ニューゲート。」
「仮にも副船長のおめえが抜けるんだ。ケジメは付けてもらうぞ、ハナッタレ。」
「俺ァそれを了承した覚えはねえけどな。」
そう言ってヒグマは己の得物を腰に携えている鞘から刀を引き抜く。その抜かれた刀身は黒く光り輝いている。それを見てニューゲートの眉がピクリと動く。
「相変わらずの存在感だな…その黒刀は。」
「やらねえぞ。こいつはおれがガキの頃から使ってる刀だ。」
「いらねえよ、そもそも俺の身体にはてめえのその小せえ刀は合わねえ。」
「はっは、生意気言うじゃねえか。鼻毛野郎。」
「これはヒゲだ、ハナッタレ」
その切先をニューゲートの方へ向ける。それに応え、ニューゲートも同じように己の得物である薙刀をヒグマへと向ける。一触即発の空気が流れる中、その空気を気にせずに突っ込んでくる男がいた。
「裏切り者の首、取ったりィ〜〜ッ!!──…ガッ………!!」
「早速こっちから行かせてもらうぜ?──ほら、プレゼントだ。」
「邪魔だ……!!」
同じくロックス海賊団の船員だった男がヒグマの首を取り、自分の実力を知らしめようとヒグマの首元目掛け刀を振り下ろしたが、一切視線を向けられずに振り下ろした刀を粉々に破壊された。それに思わず目玉が飛び出しそうな程驚く男は次の瞬間、一撃で意識を失うほどの衝撃に襲われた。
地面に倒れこもうとするが、それをヒグマは許さない。その男の頭を掴み、ニューゲート目掛けて投げ飛ばしたのだ。それを受け止め、辛うじて意識の残っている男に睨みを効かせ、その場から退却させる。
「てめえはあの船でヒグマの何を見てやがったんだ……!!死にたくねえならさっさとこの場から消えろォッ!!」
「……ぁ……ァあ…ッ……!」
「行くぞ、ヒグマァッ!!!……ぬぅゥゥンッ!!」
「流石だなァニューゲートッ!!また一段と覇気が強くなりやがったな!!」
「簡単に受け止めやがって…皮肉にしか聞こえねえぞ……!!」
世界でトップクラスの実力者のぶつかり合いが始まった。当然の様に覇王色を纏う二人は、その衝突で周囲にいる者たちの意識を刈り取っていく。
「ぉぉおおおッ!!!」
「──おいおい、島を沈める気かよ。」
拳を握りしめ、力任せに叩き潰さんとするニューゲート。周囲への被害など気に止めない。全力で目の前の男の相手をしなければ、勝機は限りなくゼロに近いと判断した。だがヒグマは刀を鞘に戻し、その拳を片足一つで受け止めて見せた。グラグラの実による衝撃などまるで意に介さない様に、平然と立っている。
「涼しい顔しやがって、若造が……!」
「そんなに怖い顔してちゃあリンリンの所のガキに怖がられるぜ?ニューゲート。───おらァ!!」
「ぐぅッ……!!」
衝突し合っていたニューゲートの腕を弾き返し、腹部ががら空きになる。すかさず懐へと侵入し覇気を纏った足で蹴り飛ばす。ニューゲートは思わず苦悶の表情を浮かべる。
「やっぱりてめえは他の奴らとは一味違ぇなァ!!」
「ゲフッ……!舐めやがって……この…ハナタレ小僧がよ…ッ!」
そして吹き飛ばされている最中であるニューゲートに追いつき、怒涛の蹴りを連発しそのまま岩壁へとぶつかる。腹目掛け伸ばしていた足を下ろそうとした瞬間、その足を掴まれる。
「まだ意識あったのかよ。」
「……人の腹を何度も蹴りやがって。サンドバッグじゃねえんだぞ……!!」
「おォ……!?──!!」
「ぉぉおおおおッ!!!」
その掴まれた足を起点に振り上げられ、地面へと叩きつけられるヒグマ。その衝撃で地面にクレーターが出来上がる。そこから更に追撃として、ニューゲートの固く握り締められた拳がヒグマの顔面目掛けて直撃する。そこから大気や地面が割れ、広範囲に被害が拡大していく。ヒグマを中心に地面が二つに割れた為、その隙間へと落ちていくヒグマ。
「………!」
「──効いたぜ、少しな。お陰で酔いが覚めた。」
落下途中で体勢を変えて空を蹴り、当然の様に戻ってきたヒグマ。効いた、と言っているが血の一滴も流していない。その表情はまだまだ余裕がある事を暗に示している。
「さ、ここから第2ラウンドの始まり──」
「───ガープ中将がロックスを破ったぞォ〜〜〜ッ!!!我々海軍の勝利だッ…!!」
「ロックスの野郎が…負けたか。ははは、やるじゃねえかアイツら。お前はどうするんだ?ニューゲート。」
「船長が負けた以上、この海賊団は崩壊する……。そういうヤツらの集まりだからな、てめえとの戦いもこれで終いだ。」
一人の海兵が皆に響くような大声で叫ぶ。その知らせにロックスの手下達、更に海兵達も動きを止める。そして一瞬の静寂の後、歓喜の声がそこら中に響き渡る。
「おれァこれから自分の海賊団を作ろうと考えてる……。なあヒグマ。」
「なんだ。」
「お前…おれの息子にならねえか?」
「……そう言われるまでもなくおれァ──いや、これはてめえが死ぬ時にでも伝えてやるよ。じゃあな、またどこかで会おうぜ。」
「……あァ。」
別れの言葉を伝え、その場を後にするヒグマ。そんな男が向かう先は戦いの最中に口約束をしたあの男の元。
「貴様ッ!!海賊──!!」
「あ?おれはこいつから報酬を受け取りに来ただけだ。」
「───」
「……まさか気絶してんのか?──仕方ねえ、起きるまで待つか。」
こうして後にゴッドバレー事件と呼ばれる戦争は終わりを告げた。
ヒグマさんは原作に追い付くと老化デバフがかかるかもしれないで何とかなるかもしれない
高評価と感想待ってるぜい!