正使では守り抜かれた筈のデュランダルは本作ではどのように扱われるのか?その答えをどうぞ!
永田町の記憶の遺跡からへ移送される予定だった完全聖遺物デュランダルを巡り大混戦が引き起こされた翌朝ルリは潜伏先の拠点にてパソコンを起動してライブ配信をはじめていた。
「【あるけー】ちゃんの錬金術マジックは〜じま〜るよ〜! 錬金術師のみんな〜! あるけーちゃんの姿をし〜っかり見てみんなも自分達の研究に活かしてね〜〜!」
そうしてルリは必要な材料を書き出してモニターに映し出した。
【材料】
・ホムンクルス(及び自分のDNAを記録したモノ)
・自分に適合した聖遺物
・細胞分裂抑制薬(過去配信にてサンプルレシピは公開済)
・各種薬品と血液を保存する容器
「まずは自分の血液を抜き取ってホムンクルスに培養してね〜〜。まぁここまではみんなも準備してると思うから次は肝心の聖遺物を少し削りま〜す! 更に試験管で件の聖遺物と自分の血液を混ぜて………………その血液をホムンクルスに注射しましょう。そして…………詠います。この詠は聖遺物から語られる詠こそが重要です。今回は既に注射済のボディを配信に使用するけど私の場合は凡そ一週間程度でこうなりました〜〜♪」
ルリが画面に映したホムンクルスはその身体が所々剣に侵されていた。その結果骨が剣へと変質して皮膚を突き破っている。
「これが何も準備せずに聖遺物と融合した人間の末路ね? 当然コレは愚行も愚行だからここからが重要です」
ルリはここで明るい声のトーンを真剣なモノへ変え雰囲気が一変した。
「
ルリは変質したホムンクルスを指し示すと先程薬品を混ぜた試験管に注射器を接続した。
「さて…………下準備はコレで終わり。最後に自分の身体に今まで作った血液を注射してね? 内蔵に撃ち込めばより高純度になるよ? 今回私は心臓に注射するね?」
ルリはそう告げると自身の心臓にホムンクルスで濾過したデュランダル入り細胞を注射した。 この行動…………融合症例の量産化配信である。
「世界に残る聖遺物を上手く起動させても消失してしまえば後悔する事ってあるよね…………。でも大丈夫! この方法を使えば
そう言ってルリは全世界の結社支部(ダミー)の連絡先を載せて配信を終了した。その10分後サンジェルマンより怒号の連絡が入る。
『ルリ! 貴女何を配信してるの!? 明らかに過剰なホムンクルス生産オーダーが入ってるじゃない! 』
「あっ……本当に連絡が……しかもバンクレベルで来ました? 流石にそこまでとは……。では私のホムンクルスに対応を一任してください。あっ……カリオストロ様に金額交渉だけさせてみてはいかがでしょう? 聞けば最近はサボりが酷いと嘆いてませんでした?」
『…………貴女のホムンクルスはそこまでできるの? カリオストロの件は順当ね』
「せっかく奇跡の殺戮者から技術を享受しましたので、設備があれば良質なモノを量産できます。あと一体私のホムンクルスをこっちに送ってください。できれば生意気な奴で……」
『………………資金調達の問題がこのタイミングで解消されたのは複雑ね……』
サンジェルマンは呆れながらに通話を切った。
「通話終了……さてさてこの配信ログを見たフィーネはブチギレ確定だろうなぁ♪」
そして…………ルリがホムンクルスを通して融合した聖遺物は後にこの事変で失われるはずの【完全聖遺物
「1度
ルリが二課に忍び込みカ・ディンギルを下見してどんな成果を得たのか……それが明かされるのはいつかの未来の話
「さて…………フィーネへの嫌がらせ計画は順調かな? 1度振り返ろう。
・クリスちゃんの正体発覚前倒し
・デュランダルの破壊及び片割れ強奪
は完了してまだ終わってないのは
・クリスちゃんの救出及びフィーネ敵対への洗脳
・天羽奏の生存発覚(フィーネの大詰め)
・カ・ディンギルの運用妨害もしくは破壊
・
か。奏さんはまだカ・ディンギル屹立後までの隠し玉で、調ちゃんはそもそも未だ転生前だから放置、となるとクリスちゃんか……………………良し! しばらくはリディアン近辺で学生に紛れて遊んじゃおう!」
ルリは響への3度目の襲撃に備える。この戦いが雪音クリスの運命を捻じ曲げるとは……クリス自身も知らない未来。
この配信よりしばらく…………後にフィーネにまつわる事変を【ルナ・アタック事変】と関係者が語る頃世界中に聖遺物との融合症例と言われる人間が現れるのはまた別の話。
【あるけー】は本作の錬金術士が配信用に使う汎用の偽名です。そして明かされたルリのこの後の予定………書いてて頭おかしいなこの女……