今日も元気だ、セルライトが光る。
やあミキさんだよ。因みにセルライトは光るようなものじゃないので光ることはないよ。
先週投稿した日はクリスマスイブだったな。こっちとそっちは時間の流れ方が微妙に違うからまだこっちは同日になっていないし、なんなら年越しの時期ではないのだけど、地球に合わせてパーティをする。
妻とデートしないのかと思うかもしれないが、俺には三人妻がいるのでパーティをしてしまった方がいいのだ。流石に聖夜に一人だけ特別扱いすると他の二人から怒られる。
「マスター、飾りつけが終わりました」
「ほいありがとう。フラに花の量産をストップするように言っておいて」
「了解です」
ちょうど今飾りつけが終わった頃だ。フラには花の精霊である力を活かして花を生み出して貰っていた。彼女が出した花というのは枯れにくいのだ。
ここのパーティは本物志向だ。なんせツリーだってダイがどこからか伐採してきたものだからな。この世界には針葉樹と呼ばれる類の木はあまりないのだけど、全くないというわけではないのでそれを使用する。地球の木よりも遥かに硬くて太い。
ツリーに飾り付けるのは女性の担当。高いからまずサナが空間魔法を使って圧縮して背を縮ませてから飾りつけをしている。地球のLEDって便利だよなぁ…こっちは化学兵器はあるけど、その科学力が日常生活まで広まってないので生活自体は原始的だ。まあ魔法はあるけど。
さて、女性陣が飾りつけをしている間に俺は別にやることがある。それは街の整理だ。
最初は俺たちだけでパーティをしていたのだが、どこから聞きつけたのかいつの間にか街でも宴会みたいなのをすることになっていたのだ。騒がしいのは好きなのでいくらでも騒いでいいのだが、ルクスって相当大きな街なので誰かが主導しないと宴会ではなく騒動になってしまうのだ。
なので俺が主導している。俺らのパーティの方はメイドたちによる有り余るマンパワーを用いれば俺が手伝わなくても終わるからな。
「ミキさん!これ!」
「あー、はいはい」
ついでに言うと、街の準備の間に商人たちから度々ものを受け取るのだ。飲み物とか食べ物とか、そういうの。そこらへんは宝物庫とは別の、時間経過をしない設定をした空間の中に保存する。あとでキッチンの冷蔵庫の中にでも接続してぶち込もう。
「マスター、今日の開始は日没でよろしいのですね?」
「いいよ。街がそれよりも先に始めちゃうから。メレにはそろそろ戻ってきてもらうように伝えといて」
メレは別の天使メイドであるマナミを連絡係として派遣する。
翼があるメイドって連絡係として優秀なので、こういうときに派遣する要員として非常に助かっている。天使以外にも悪魔とか、吸血鬼とか空を飛べるメイドはいるのでそれなりに人員は豊富である。
メレには街の見回りに行ってもらっている。俺らのパーティも盛大にはするけど、やはり街の規模でやるパーティとは規格が違うからな。他にも元聖女とか元巫女とかを見回りに行かせている。人当たりがいいからね。
うーん、街の方は始まるまであと一時間といったところかな…
そういえば的な話なのだけど、この時空はそもそもとして宇宙論から違う。流石に天体が平面とかいうことではないのだけど、太陽みたいに見えるやつは実際には魔力の塊だとか、この俺が今いる星の公転周期と自転周期が地球と違うという点で宇宙論が異なっている。
あの太陽、核分裂による放熱じゃなくて、魔力爆発による放熱で照らしてるんだよなぁ…まあ紫外線っていうものがないので助かるけど。
え?じゃあどうやって大気が形成されたのかって?そりゃあれだ、世の不思議ってやつだよ。多分大気も魔力で支えられてると思うぞ。
「ミキー、クッキーの型出してー」
「既にキッチンにあるだろ?」
「もっと色々種類が欲しいんだよ私は」
サナがエプロンを付けてこちらに走ってきた。サナは飾りつけじゃなくて料理をしてるんだよな。特製のお菓子を作ってくれるんだってよ。勿論これは惚気だ。地球の非リア充への当てつけでもある。
…
特に記載することもなかったのでパーティの始まりまでカットしたぞ。街の方も別に問題とか起きなかったしな。
「「「「かんぱーい!」」」」
パーティ開始。尚メイドはメイドで別に小パーティをしているらしい。まあこちらにも給仕としてのメイドが何人か残ってるけど。なんか交代しながら参加するとかなんとか…
パーティ料理は様々だ。ピザとかサラダなどの地球の料理もあるし、石みたいな硬さの麺っぽいやつもある。ダイは好んで食べるのだけど、正直言ってダイ以外は手を付けていない。ダイの故郷の料理らしいのだけど…ダイはゴロン族出身なのか?
他にもポーション的な飲み物とかもある。ビールもある。こっちの世界じゃアルコールの規定とかないのでね。子供の頃から魔力酔いなんかもあるのでアルコールに態々規定は作らないのだ。
というかそもそも国が多いので規定とか作らない。もしかしたらどこかの国では規制されてるかもな。
「ミキ、どう?似合う?」
「ああ、めっちゃかわいいぞ」
サナはいつの間にかミニスカサンタになっていた。こっちにサンタはいないので、地球で買ったか自分で作ったかどちらかだろう。
シオンとかナミとかそれ以外の女性たちもミニスカサンタになってる。恥ずかしそうだ。
サナはこういう特殊な恰好はあまり恥ずかしがらずに着るんだよな…どうもビキニ以上の布面積がある服なら大丈夫らしい。
「ミキさん、これを」
「え?ああ、うん」
なぜかメレからトナカイの角を渡されたので被る。カイトから笑われた。
よく見るとメレも笑いをこらえているようだ。そんなに俺を笑いものにしたかったのか?よろしい、ならば戦争だ。
俺はメレの被り物を雪だるまの顔面に付け替える。ふむ、白い天使の白い顔面…面白い。
「ちょっと!酷いですよ!」
「どの口が!」
別に束縛魔法はつけてないので簡単に雪だるまの頭は外れた。尚この雪だるまの顔面は地球で手に入れたものだ。でも何で手に入れたか思い出せねえんだよなぁ…
「いいじゃないですか、ミキさんは何つけてもおかしくないですもん!」
「ほう、俺の服が奇抜と申すか」
「特殊な服も持ってるじゃないですか」
まあそれは否定しない。宝物庫の中には全身タイツとか、モナーみたいなやつとかも入ってる。いつ使うのかって?いつだろうねぇ?
俺らのパーティはこんな感じで進んでいく。騒がしいのは好きだ。
作者「一年が長くて、寿命は地球と変わらないので、地球基準で言うとミキの世界の人々は五十年ほど長生きです」
ミキ「途中で言ったけど、こっちじゃまだ年越しの時期じゃないから年末のイベントはまだ起きないぞ」