雷の皇帝   作:もちゃもちゃの玉ねぎ

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後日談

 

「ここで速報です。ドイツ南西部に位置する山岳地帯であるシュバルツバルトに隕石が落下し、役半分の地帯が消滅、甚大な被害が予想されます。」

 

「うわぁ怖いなぁ」

そんなニュースを見て怖がる少女が1人

 

「どうしたんだ?静花」

そんな妹を不思議に思い声をかける少年が1人

 

「お兄見てよこれ。隕石だって。」

先程のニュースを兄に見せる

 

「隕石ー?うわ!こりゃ酷い。こんなのが落ちて来たって考えると怖いな。」

 

「ほんとそーだよねー」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦♦♦

場所は変わって東京にあるビルのある一室

 

「いつもいつも言っているだろう!君は他の人間に対する迷惑を考えてくれと!」

そう声を荒らげているのは正史編纂委員会の東京分室室長である美青年いや、女性であるが男性の格好をしている男装の麗人で名前を沙耶宮馨という。

 

「うんうん、わかったわかった」

 

「ちゃんと聞いているかい!?」

 

「別に良いじゃん。神が出たら殺してあげてるんだから。その為の練習だよ!うんそういうことにしよう。」

自分で自分に言い聞かせているようだがそれでも被害が甚大すぎて笑い事にならない。

 

「ドイツの魔術結社から多数の抗議文が送られてきているんだ!もう対処するのは僕なんだよ!?「いややるのは私」なんだい?」

 

「いえなんでも、、」

縮こまってしまった男は甘粕冬馬。馨の右腕である。

 

「なぁ馨、お前は俺の事嫌いなのか?」

深夜が悲しそうな目をして馨を見る。まるで捨てられた子犬のよう

 

「もうその手には乗らないよ。フン!」

そんなことを言っている馨だが少し声が上ずっているし愛くるしいくりくりした目をチラチラと見ている

 

「まぁもう10数回引っかかってますからねぇー」

 

「うるさいよ甘粕さん」

 

「はいすいません。」

 

「まぁまずまず俺は王様で君たちはその臣下だ。俺が君たちの言葉に従う必要は無いんだけどね。」

その通りである。彼は王であり、このふたりはその王の臣下。そこにはしっかりとした身分の差がある。

 

「今の僕は君の友として言ってるんだ。君が魔王だとしても敵を作りすぎて良いことなんて無いよ。」

本当に心配しているという顔で深夜に言う。

 

「安心しなよ馨。俺に歯向かう奴は誰だろうと殺してやる。俺が気に入った奴に手を出したヤツも殺す。もちろん君は俺の大切な奴だよ。」

馨の頭を撫でながら深夜は言う

 

「……もう。そういうところずるいよ。」

頬を赤く染め、乙女のような顔をしている馨。

 

「んんっ!私がいるの忘れてませんか?」

 

「空気読めよー甘粕ぅー」

深夜がジト目で甘粕に文句を言い、馨は顔を真っ赤にして黙っている。

 

「嫌々、それを見るこっちの気持ちも考えて下さいよ深夜さん。

あと言い忘れていましたがドイツの魔術結社とはドイツにまつろわぬ神が現れた時ひ深夜さんが代わりに戦うということで話がつきました。よろしいですね?」

 

「まぁ良いよ。神と戦えるなら万々歳だ。」

やはり彼もカンピオーネの例に漏れず戦い好きである。

 

「それにあと少しで冬休みも終わるし高校生活がまた始まるなぁ」

そう、彼は今高校2年生である。しかも生徒会長。驚きである。

こんな感じの深夜であるが学校では頭脳明晰、運動神経抜群、容姿端麗と男女問わず虜にする魅惑の生徒会長として通っているのだ。

 

「それとドニは大丈夫なの?あの執事が連れて帰らないと行けないくらいの怪我を負ってた筈だけど。」

 

「サルバトーレ卿は腕が切断寸前までいっていたそうですが流石はカンピオーネ、もうくっつきそうということです。」

 

「そなんだ。流石俺の盟友だよ。」

ドニと深夜は盟友である。2年前初めて出会いその場で殺し合いどちらとも致命傷を負い死にかけた。元々波長が合っていたのかそれから彼らは盟友となりお前を殺すのは俺だ。他の誰にも譲らないというある意味独占欲を出して片方が殺されそうな時は必ず助けるという約束をしたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦♦♦

それから数ヶ月が経ち深夜は高校三年生となり入学式の生徒代表挨拶を行おうとしていた

 

「新入生の皆さん。このたびは入学おめでとうございます。

私たち在校生一同は、皆さんの入学を心から歓迎しています。

 この私立城楠学院は、歴史と伝統のある学校であるのと同時に、生徒の自主性を重んじる自由な校風を持っています。部活動以外の、自主研究、国際交流も非常にさかんに行われており、実際に学生生活を送っている私たち在校生も、最初は少し驚いたほどです。

 

 生徒の自主的な活動に関する先生方のスタンスは、非常に柔軟であり、私たち校生の自慢でもあります。授業中は眼鏡の奥にするどい眼光を光らせている先生方も、私たちの自主的な研究活動や国際交流に関しては非常に理解を示して下さり、ふだんは決して口出しをなさいませんが、困った時には時には必ず助けて下さいます。

 

 しかし、ただ単に何もせず、どんな活動にも参加せずに日々を過ごしていると、あっという間に時間だけが流れていってしまいます。皆さんの大切な3年間を実りあるものにするためにも、何か夢中になれるものをぜひ見つけて下さい。私たちの愛する私立城楠学院へようこそ。これから一緒に学び、一緒に思い出を沢山作りましょう。

わからないことがあれば何でも聞いて下さい。皆さんが一日も早くこの学校に慣れるよう、在校生一同、応援しています。以上を持ちまして私からの歓迎の言葉とさせて頂きます。

在校生代表白峰深夜。」

 バチパチと拍手が起こる。

「素晴らしい挨拶をありがとう。彼は我が校が誇る生徒会長です。*

校長が深夜を褒めるなか、深夜は頭の中で考えていた

あぁダルかったなぁ。興味ない奴らの前で喋るなんて苦痛なんだよ面白そうだから生徒会長とかなったけどやめてぇー。雑務とかは他の奴らがやってくれるけどあいつらに危ないことが起こったら助けてやろう。

ほんとに彼は生徒会長なんだろうか

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

♦♦♦

それからまた数ヶ月が経ち夏休みが始まった

 

「深夜さん。ドイツにまつろわぬ神が降臨しました。」

 

「りょーかい。行くとしようか!」


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