JoJo's Bizarre SEKAI   作:樺白

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第40話:波紋の応用

穂波ちゃんと、えむちゃんと別れ、再び変わった事ないかを探っていた。

 

何もなければそれはそれで平和だったでいいが...

 

そう考えながら、俺はとぼとぼと街を歩いていた。

 

...とぼとぼってなんだ、なんかぼっちみたいだな。

 

「...んー。」

 

さっきアップルパイを穂波ちゃんからもらったから、腹はすいてないが、のどが渇いてきたな。

 

そういや、セカイにコーラ置いておいたんだったな。

 

メギャン

 

メギャンと言う擬音が聞こえてくるような感じでコーラを取り出す。

 

「ん...ん...ぷはー。」

 

やっぱコーラは美味いな!...これゼロだけど。

 

なんか、普通のコーラより、ゼロの方がすきなんだよな。

 

なんというか、後味がさっぱりしてるというか...これ誰に話してるんだ?

 

「...まあ、そんな簡単に事件なんて起きないか。」

 

どっちかっていうと、俺を狙ってくる奴らの方が多いと思うな。

 

...自分で言って思うが...俺、何でこんなに絡まれる、俺なんか悪いことしたか?

 

「...あれ?」

 

「ん?」

 

どこかの方向から、聞き覚えのある声が聞こえた。

 

...この声は?

 

「きょーすけくん!」

 

「咲希ちゃん...と?」

 

声の聞こえた方向に振り向くと、咲希ちゃんと、後ろの方に、一歌ちゃんと志歩ちゃんがいた。

 

「お兄ちゃんから聞いたよ! ホントに左腕治ったの!?」

 

「あー...うん、腕のいい医者と知り合いでね。」

 

「なんか、マンガみたいでカッコいい!」

 

「あの、響助さん、ホントに大丈夫なの?」

 

「うん、重いもの持っても大丈夫。」

 

一歌ちゃんの質問に適当に答える、

 

...本当の事は言ってもわかんないだろうし。

 

「...」

 

「ん? どうした、志歩ちゃん?」

 

志歩ちゃんは、疑いの目を俺に向けている。

 

「...てことは、前のキズもその医者に?」

 

「...胸の傷の事か?...あれはそもそも違うって言ってただろ?」

 

「複雑骨折をたった1日で治せるんだったら、切り傷ぐらい、治せるじゃないの?」

 

...なんで志歩ちゃんはここまで疑ってくるのだろうか?

 

関係ないだろ、俺の体なんだし。

 

「...さっきから、その人と俺を同一人物として見てるけど、もしその人が俺だったら、いったい何がしたいんだ?」

 

「...お姉ちゃんのことや、私の事を助けてくれたし、だから、少しでも返したい、それに、キズつく事に慣れてることや、背後霊についても話してほしい。」

 

「...そっか...でも、志歩ちゃん達には関係ないじゃあないか?...だからk」

 

 

 

「関係なくない!!」

 

 

 

「っ!...咲希ちゃん?」

 

咲希ちゃんのこんなに大きな声は初めて聴いた...

 

「だって、きょーすけくんは友達なんだよ! 友達を心配するのは当然だよ!」

 

...友達...嬉しいな、俺にはもったいないぐらいだ。

 

「私も同じ気持ちだよ、響助さん...だから、話してほしいな。」

 

「...」

 

...だけど、友達だからこそ、俺が首を突っ込んだことに巻き込みたくない。

 

「そっか、俺もその人に会ったら話しておくよ、じゃあな。」

 

「響助さん!」

 

俺はその場から逃げるように離れた。

 

_______________________________________________

side:志歩

 

「きょーすけくん...」

 

「...」

 

響助さん、何か隠してる...なんで教えてくれないの...

 

「...ねえ二人とも。」

 

「...もしかして、響助さんは何か危険な事に巻き込まれてるのかも。」

 

「危険な事?」

 

...確かにそれなら、こんなにも連続で、胸の切り傷や、複雑骨折等の大怪我を負ってる事に説明がつく。

 

「なんで、きょーすけくんが...」

 

「もしかしたら、私たちに話さないのも、それに巻き込ませないためなのかな。」

 

「...確かにそれなら、ケガの事を話さないのはわかる...けど。」

 

だとしても、ミク達が言ってた背後霊の事はなんなの?......

 

「...っ。」

 

「ん...どうしたのしほちゃん?」

 

「...前にお姉ちゃんから聞いた話なんだけどさ。」

 

「雫先輩の?」

 

「うん。」

 

_______________________________________________

数日前

 

「...よかったわ。」

 

「...どうしたの、お姉ちゃん?」

 

「あ! しぃちゃん!」

 

「誰かに電話かけてたみたいだけど?」

 

「実はね、夢できょーちゃんが出てきたの。」

 

「...え?」

 

...なんで夢に、響助さんが?

 

「それでね...きょーちゃんが出てきたあと......私を庇って、目を斬られちゃったの...」

 

え...斬られた?

 

「そこから、黒いモヤが出てきて、きょーちゃんに襲い掛かってきたの。」

 

黒いモヤ...

 

「それから...きょーちゃんの背後から霊みたいなのが出てきたの。」

 

っ!...背後霊!

 

「...ホントに夢でよかったわ。」

 

「...」

 

...ホントに夢だったの...

 

ミク達が言ってた話と、ほとんど同じ、ホントは夢じゃなくて、実際に起きた事なら...

 

「...しぃちゃん?」

 

「え?...なに?」

 

「体調悪いの? 難しい顔してるけど?」

 

「ううん、気にしないで、ただ考え事してたから。」

 

「そう?」

 

「うん。」

_______________________________________________

 

「...ってことは、しずく先輩のところにもきょーすけくんが?」

 

「お姉ちゃんは、夢って言ってたけど、ミク達が言ってた事とほとんどあってる...てことは。」

 

「響助さんは、背後霊を宿らせてる?」

 

「...! なんか噂であった気がする...たしか『悪霊が憑いている少年』...だったっけ?」

 

「その噂の少年が響助さんだったとしたら...」

 

「...追いかけよう、まだ遠くには行ってないと思う。」

 

「追いかけてどうするの?」

 

「...わかんない、だけど私は、ただ真相が知りたい。」

 

「...うん! アタシも知りたい。」

 

「うん、私も知りたい。」

 

_______________________________________________

 

「確かこっちの方向に行ったはず。」

 

私たちは、響助さんが向かった方向に走っていった。

 

「...あれ? みんな?」

 

「え?...穂波?」

 

「3人でどうしたの?...なんか急いでるみたいだけど?」

 

「きょーすけくんを探してるんだけど、ほなちゃんはきょーすけくん、みかけた?」

 

「うーん...見かけてないかな...響助さんに用があるの?」

 

「前にミク達が言ってた事覚えてる。」

 

「...もしかして、そのことを響助さんに?」

 

「うん。」

 

「...わたしも気になるし、一緒に行くよ。」

 

「わかった。」

 

「響助さんが向かったのはそっちだね。」

 

「ほなちゃん足速いから、もしもきょーすけくんが走った時、追いつけるね!」

 

「え、えー...どうかな~?」

 

それから私たちは、響助さんを探した。

 

...なんでここまで、響助さんを知りたいのか、私自身もよく分からない。

 

あの時に助けてくれたから? 咲希の友達だから? お姉ちゃんに懐かれてるから?

 

...いや、ただこのもやもやを晴らしたいだけ、ただそれだけ。

 

「...! あれ、響助さんじゃない?」

 

「あ、そうだね!」

 

「みんな、行くよ。」

_______________________________________________

side:響助

 

...正直、あいつらにスタンドがバレるのも時間の問題かもしれない。

 

志歩ちゃんに関しては、99%ぐらい、あそこに居たのが俺だと確信している。

 

能力自体は...言った方が良かったかな?

 

まあ、今考えても後の祭りか。

 

「...っ!? きょーちゃん!!」

 

この声は...いや、この呼び方をする人は一人しかいない。

 

「雫さん...っと皆さん。」

 

雫さんの声が聞こえた方向に振り向くと、『MORE MORE JUMP!』のみんながいた。

 

...ん?なんか雫さん、近づいてきてないか。

 

ギュッ

 

「いッ!?」

 

俺の目の前に来たと思ったその瞬間、俺の左腕を優しく握られた。

 

「しぃちゃんから聞いたわ! 骨折が治ったのて本当なの!?」

 

「え...あ...はい。」

 

「信じられないわ...骨折がたった数日で治るなんて...」

 

愛莉さんが至極真っ当な意見を言う。

 

「もしかして、骨折自体が嘘だったとか?」

 

「いや、それはホントだよ遥ちゃん...ほら。」

 

嘘だと疑う遥ちゃんに、俺は数日前にとったレントゲン写真を見せた。

 

「ひっ...ホントにボロボロに折れてる。」アオザメ

 

レントゲン写真を見て、青ざめるみのりちゃん。

 

「だとしたらホントに治ったってことよね?...あまりこんなこと言いたくはないんだけど、アンタ、ホントに人間なの?」

 

「正直自分でもそう思います。」

 

最近、痛覚がなくなってきてるからな...ホントに人間やめそうだな。

 

「...ッ!?」

 

「? どうしたの、きょーちゃん?」

 

「...なんか向こうの方から人の気配が。」

 

「え?」

 

これって...殺気か?

 

「...」クルッ

 

俺は、歩いていた道とは逆の方向の道を振り向いた。

 

振り向いてから、1分とちょっと経った後、人影が見えてきた。

 

「へー...ホントに生きてたんだな。」

 

「...誰、アンタ。」

 

一人の男が、こちらに歩いてきた。

 

言葉的に、今まで俺が襲われてた事を知っている男なのだろう。

 

...ただ、変だ、今まで俺を襲ってきた奴らは、大人数か、ガタイのいい奴か、屍生人(ゾンビ)のどれかだったのだが。

 

この男、そのどれも当てはまらない、どこにでもいる、ちょっとした不良って言う見た目だ。

 

...なにか、ヤバい気がする。

 

「アイドルと知り合いだったのは想定外だったけど...」

 

「それが何か?」

 

「いや、そんなことはどうでもいいや...やっぱガタイが良いとか、近接武器じゃ、殺せないんだな。」

 

「えっ...アンタ、何言ってんのよ!!」

 

クソッ...やっぱ俺を殺そうとしている奴らだったか...この人らは巻き込ませるわけにはいかなかったのに...

 

「まあいいや...とりあえずさ...死んでよ」スチャッ

 

「「「「「ッ!?」」」」」

 

「じゅ...銃!?」

 

殺気を感じたの...確実に俺を殺せると思ってわざと消さなかったのか!

 

「おっと....動くなよ、動いた後ろのアイドル達に当たっちまうなァー...」

 

「チッ...このヤロー...」

 

...いや待て...あの銃は一体どこから手に入れたんだ?...仮定としてコイツが半グレだとしても、銃を手に入れるのは困難だ。

 

「なぁ...冥土の土産教えてくれ、その銃、どこで手に入れたんだ?」

 

「...言うと思うか?」

 

「そう硬い事言うなよ...どうせ後、数秒の命じゃあないか、教えてくれたって、閻魔様は罰を与えないと思うぜ。」

 

「きょ、響助さん!? 何を言っているの!?」

 

少しでも情報を得ないとな...

 

「...上から渡されたとしか言えないな。」

 

「そっか...それだけで十分だ。」

 

上ね...これはあの銃回収した方がよさそうだな。

 

「...あっ、見つけた!!」

 

「えっ、しぃちゃんに、穂波ちゃん!?」

 

「一歌ちゃん!?」

 

「天馬さん!?」

 

「っ!? ダメ!! 近づいちゃダメよ!!」

 

「ッ!」

 

なんでさっきの3人...いや、穂波ちゃんも一緒だ...

 

...もうバレる、バレないじゃあない...この人達は守らなければ!!

 

「チッ...さっさと死んでもらうよ。」

 

「そうはさせるかよッ!!」

 

コオオオオ

 

バババババ

 

バババババと、俺の両手からシャボン玉を出す。

 

まるで、電動のバブルガンを使った後のように、周りにシャボン玉が宙に浮遊している。

 

「シャボン玉だと?」

 

「今、きょーちゃんの手からシャボン玉が...」

 

「そう! これはシャボン玉さ。」

 

「馬鹿にしているのか?」

 

「俺はずっと大真面目だぜ...そしてそのシャボン玉にお前は負けるんだぜ?」

 

「チッ...そんなわけないだろう。」

 

「まあ、信じなくてもいいぜ...ここだここ...しっかり俺を狙えよ...」

 

「っ!? 何言ってるの響助くん!?」

 

みのりちゃんが驚くのも当然だろう...だが、これでいいんだ。

 

「俺は、ここから一歩も動かない...その方が当てやすいだろ。」

 

「ダ、ダメよ、きょーちゃん!?」

 

「じゃあ...お望み通りあの世に送ってやる...死ね。」

 

「っ!? やめて!!!」

 

 

 

パァン

 

 

 

ギャン

 

 

 

発砲音は聞こえた同時に、ギャンと言う音が聞こえた。、確実に響助の俺のどこかには当たるはずだが...俺の体には血がなければ、銃痕も見当たらない。

 

「...なッ!」

 

「んーー...どうした、まさか動いてない的にも当てられないわけじゃあないよな?」

 

「ば...馬鹿なッ、ずれたとしても、体のどこかや、背後の奴らに当たるはずだッ!」

 

「ああ、確かにお前が放った弾丸は、まっすぐ俺の方向に飛んできたが...当たったのは俺じゃあない...お前が当てたのは、シャボン玉さ。」

 

「...は?」

 

まさに鳩が豆鉄砲を食らったような顔をしているな。

 

だが、すべては事実だ。

 

俺がばら撒いたシャボン玉には、波紋を流している。

 

シャボン玉は97%以上が水分、波紋がよく流れるのだ。

 

波紋を帯びたシャボン玉は、銃弾ぐらいなら止めれてしまうのだ。

 

メギャン

 

ゴオオオオ

 

「まあ理解しなくていいや、これでも食らっておけ。」ブンッ

 

「ッ!?」

 

俺は、セカイに置いておいた鉄パイプを取り出し、襲ってきた奴にぶん投げる。

 

ただ、この鉄パイプはただの鉄パイプじゃあない。

 

バヂ

 

「プイパッ!?」ドゴォ

 

バヂっという音が聞こえ、襲ってきた奴の体にぶん投げた鉄パイプが命中した。

 

そう、あらかじめぶん投げた鉄パイプには強い波紋を流しておいたのさ。

 

鉄製の物はよく波紋が流れる、だから手から離れていても、波紋は流れていたのだ。

 

「ふー...よーく味わったかな...さてと。」

 

俺は、周りのシャボン玉をスタンドで吹き飛ばす。

 

俺自身のスタンドには俺から直接波紋を流すことは出来るが、外部からの波紋は、スタンドには流れず、そのまま貫通してしまうのだ。

 

「目覚めても、動けないように縛り付けておくか。」メギャン

 

俺は、セカイに置いておいたロープを取り出し、襲ってきた奴を縛り付ける。

 

「銃は...よし、残っているな。」

 

俺は、襲ってきた奴を縛りつけた。

 

「仗助さんに電話しよう。」

 

ピッ

 

プルルッ

 

『響助、どうした?』

 

「仗助さん、拳銃を持ってる男を捕らえました。」

 

『なッ!? マジか! 拳銃は!?』

 

「しっかり残っています。」

 

『ナイスだナイス!! ベリーナイスだぜェ!! 今からそっち向かう、場所は?』

 

「○○-××-□□です。」

 

『よし、オレ達が来るまで、しっかり見張っておいてくれ。』

 

「わかりました。」

 

プツッ

 

...さてと、こっちも話さないといけない雰囲気だよな。

 

クルッ

 

振り向くと、皆が何か言いたそうな顔をしている。

 

「...響助さん。」

 

そして、その沈黙を破ったのは、志歩ちゃんだった。

 

「もう言い逃れは出来ないよ...全て話して。」

 

「...全ては言えないけど...言える範囲は言うよ。」

 

「響助、アンタさっき手からシャボン玉を出してたみたいだけど...」

 

「ええ、俺は、体からシャボン玉を出すことができます、こんな感じに。」パッ

 

パッっと指先からシャボン玉をだす。

 

「っ! ホントに出た!」

 

「...ただ、これはただのシャボン玉じゃあないんです、このシャボンが触れた物体から一時的に何かを奪うことができるんです。」

 

「何かを奪う?」

 

「そうですね...例えばこの鉄パイプにシャボンを触れさせます。」

 

「そして...」バッ

 

俺は、シャボン玉を触れさせた鉄パイプを手から離した。

 

「っ!? う...浮いた!?」

 

「今、この鉄パイプから、重力を奪いました...それで、このシャボン玉を割ると。」

 

パチッ

 

カランッ

 

「こんな感じに、一時的に奪ったものはシャボン玉の中に入っていて、割れた瞬間、元に戻ります。」

 

「...! じゃあ、アタシが初めてきょーすけくんと出会った時のも?」

 

「うん、あれもそうだよ。」

 

「...じゃあ、周りにあったシャボン玉から電気のようなものが見えたんだけど、それは?」

 

「それは、波紋って言うまた違った能力だね。」

 

「波紋?」

 

「簡単に言えば...太陽光と同じようなエネルギーで。」

 

「特殊な呼吸法をすることで、エネルギーを生み出し、そこからエネルギーを流したり、身体能力を上げたり、治療もできます。」

 

「そんなことができるの?」

 

「うん...ちょっと見せるよ。」

 

コオオオオ

 

「っ! さっきから聞こえてたこの音って、呼吸音だったんだ。」

 

「...ふっ!」バスンッ

 

「っ!」

 

俺は波紋エネルギーを使い、その場で跳躍した。

 

測ってはないが...大体7~8Mぐらいは跳んだかもな。

 

「...っと。」スタッ

 

「...今起こってる事ってホントに現実なの?」

 

「ええ、すべて現実です。」

 

「えっと...この人は...?」

 

「さあ...ただ、俺を殺そうとしたって事だけは。」

 

「っ...アンタね、なんで自分が殺されかけたのに、そんなに冷静なの?」

 

「まあ、慣れていますので。」

 

「慣れてるって...」

 

「...じゃあ...あの場所にいたのは、響助さんだったの?」

 

「...ああ、俺だよ。」

 

「っ!? やっぱり....!」

 

「それと、雫さんが言ってた夢の事も、ホントに起こった事です。」

 

「っ!? じゃ、じゃあ本当に目を...」

 

「はい、今は完治してますよ。」

 

「...そこにいた人から聞いたんだけど...傷つくことに慣れてるって...ホントなの?」

 

「えっ...」

 

「...」

 

「きょーちゃん...ホントなの?」

 

「ええ...そうですね。」

 

「...知人が傷つくより、自分が傷ついた方が良いと思ったりすることもあります。」

 

「...なんで。」

 

「まぁ...昔に色々とあってね...ただ、これだけは話さないよ...これは俺が背負わないといけないから。」

 

「背負うって...」

 

「...ッ!」

 

色々なことを説明していると、車の音が聞こえた。

 

キキッー

 

その車は、俺達の近くに止まり、車から二人の男がおりてきた。

 

「響助!...コイツのことか。」

 

「はい、仗助さん、億泰さん。」

 

「お~響助ェ、久しぶりだなァ...なっ!!」

 

「えっ...どーした億泰?」

 

「な...なんでここに、日野森雫に、桃井愛莉、桐谷遥がいんだァーっ!!」

 

「えッ...その3人ってあまりアイドルに興味ねェ、オレでも知ってる名前だ。」

 

「お、おいッ!! 響助ェーっ!! ど...どういうこったよォ!! それにカワイイ女の子に囲まれてよォーっ!!」

 

「え...いやその、ただの知り合いや友達ですよ。」

 

「知り合いや、友達だとォーーっ!! なんで仗助や康一は、モテたり、彼女いたりすんのによォーっ!! 」ウル

 

「おい、泣くこたねーだろー、なにもよォー...それより響助、銃は?」

 

「これです。」

 

「これかー...見た目は本物にちけェーけど。」

 

「まだ、確証はないですけどね。」

 

そんなこと話をしていると。

 

「...ん...ん。」

 

「お...目覚めたのかよォー...まあ、縛ってるから変わんねェーけど。」

 

「な...なんだこの、ハンバーグみたいな髪形をしたガキは!?」

 

「...」ピタリッ

 

「あっ!!」

 

「ん?」

 

...なんだ...空気が変わった?

 

 

 

プッツーン

 

 

 

「おい...てめェー...」

 

「今、オレの、この頭のことなんつった!」ゴゴゴゴゴ

 

「っ!?」

 

「え?」

 

そこにいる、億泰さん以外が驚いた。

 

『ドラッ!!』

 

「っ!」

 

あれは、仗助さんのクレイジー・ダイヤモンド!?

 

バヂーン

 

「ホゲェーーッ!?」ズドオーッ

 

「っ!?何もない所から吹っ飛んだ!?」

 

クレイジー・ダイヤモンドでぶっ飛ばした奴に、仗助さんが近づく。

 

「オレの頭にケチつけてムカつかせたヤツぁ、何モンだろうーとゆるさねえ!!」ゴゴゴゴゴ

 

「このヘアースタイルが、メンチカツみてェーだとォ?」ゴゴゴゴゴ

 

「え! ぞ...ぞんなこと誰も言って...」

 

ゲシィア

 

「たしかに聞いたぞコラーッ!!!」ゴゴゴゴゴ

 

「お、落ち着け仗助エ...!」

 

「...」

 

やっぱさ...人の外見をさ、何も考えずに否定しない方が良いな...うん。

 

そして...仗助さんだけは、怒らせちゃあだめだとわかった。

 


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