JoJo's Bizarre SEKAI   作:樺白

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第44話:新たなる目標・新たなる出会い

瑞希とともに、家から持ってきたP〇5でゲームをしていたが、頭の片隅には、謎の記憶がよぎっていた。

 

瑞希の兄さんもスタンド使いだった、そしてスタンドは、『ソフト&ウェット』。

 

俺のスタンドとまったく同じだ。

 

...スタンドは、精神エネルギーを具現化した能力...つまり、俺と瑞希の兄さんは同じ精神エネルギーを持っている。

 

...本当にそんなことがあり得るのか?

 

いや...違う、あの記憶の俺は、違うスタンドを持っていたはずだ。

 

あの記憶に出てきた瑞希の兄さんは『君がもってるのかっこいいね! 僕のはこんなだからさ。』って言っていた...つまり、『ソフト&ウェット』以外のスタンドを、俺は持っている...

 

複数のスタンドを持つことは可能なのか?

 

いや、その前に、俺のもう一つのスタンドは何なんだ?

 

「...ジョジョ?」

 

「...ん?」

 

「さっきからボーッとしてるけど大丈夫?...やっぱり体調が悪い?」

 

「いや、考え事をしてただけだ、大丈夫。」

 

「...やっぱり、あの記憶の事?」

 

「...ああ、前まではどーでもいいって思ってたけどよ、スタンドや、瑞希の兄さんが出てきたしな...」

 

「...今まで、そんなに過去の自分に興味なんてなかったが...今になって過去の自分がどんな人間で、どんな親から生まれてきたのか気になってきたな。」

 

「ただ、こうも思うんだ。」

 

「なに?」

 

「知らなければ、俺は俺で、このままでいられるんじゃあないかってね。」

 

「っ!」

 

「さっきも言ったが、俺は瑞希の兄さんを殺した可能性がある、もしそれが本当なら、俺は人殺しになるわけだ。」

 

「周りの見る目も変わる。」

 

「...」

 

「正直、そういうのがめんどくさい。」

 

「めんどくさい?...怖いとかじゃなく?」

 

「ああ、そういう気持ちもあった...けどそれ以上に。」

 

「俺の正体を知りたい。」

 

「俺がどんな人間で、どんな人間から生まれたのかを。」

 

「そうじゃないと、俺は前に進めない気がする。」

 

「だから、前へ進むために、俺は、俺の正体を探る。」

 

「......強いな...ジョジョは...」

 

「...でも探るって言っても、もう8年前の出来事だし、記憶も断片でしか覚えてないんだよね?」

 

「正直に言えば、この広いシブヤを自分の足で探すのは、確実に無理だ、コーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実にな。」

 

「なにその例え?」

 

「それぐらい、無理だってこと...だが、一つだけ可能性がある。」

 

「え、あるの?」

 

「瑞希の兄さんと当時の俺は、子供とはスタンド使いだ、よっぽどなことがない限り、行方不明にはならないはずだ...だが事実、よっぽどな事が起こった。」

 

「スタンド使いとスタンド使いはひかれあう...つまり、スタンド能力によって、当時の俺と瑞希の兄さんは襲われた可能性だ。」

 

「そんなこと...いや、その言葉通りに、ジョジョと郷秀くんは出会ったし、仗助さんや、花京院さんとも、スタンドを持っている人なんてそうはいないのに...まるで、糸でつながれたように。」

 

「そして、当時の俺と瑞希の兄さんも、同じように出会った。」

 

「だから俺は、スタンド使いを探して、俺の正体を調べる。」

 

「...でも、危険だよ、今まで会ったことあるのが良い人だったけど、スタンドを持っている人が全員、良い人ではないんだよ。」

 

「すべて承知の上だ、遅かれ早かれ、俺はどうせスタンド使いと出会うことになるだろうしな。」

 

スタンドの矢を調査してるし、いずれはスタンド使いと衝突するだろう。

 

「...意志は固いんだね。」

 

「ああ。」

 

「そっか...じゃあさ、ボクも協力させてよ。」

 

「...はっ?...危険って、自分言ってたじゃあないか、それに俺が瑞希の兄さんを行方不明にした犯人かもしれないだぞ。」

 

「それはわかんないでしょ...それにボクは知りたいんだ、なんでお兄ちゃんがどこに行ったのか...なんで襲われることになったのか...それが知りたい。」

 

「...本気でいっているのか?」

 

「本気だよ...それに、ボクがそれを聞いてそのまま見送るなんてすると思う?」

 

「思う。」

 

「ちょっ!?......そこは思わないって言うところじゃないかな~?」

 

「冗談だ...どうせ俺が来るなって言っても来る奴だろ、お前は...わかった、だが一つお願いがある。」

 

「なに?」

 

「ヤバイッって思ったらすぐ逃げろ...絶対にそれ以上踏み込むじゃあない...それだけは守ってくれ。」

 

「わかってるよ。」

 

今まで、スタンドの矢の調査は、郷秀の復讐の協力のためだったが...新しく目標ができた。

 

俺の正体を探る、そして、当時の俺のスタンドを探る。

 

後で、郷秀にも言わないとな。

 

_______________________________________________

数時間前

 

side:郷秀

 

「さて、久々にここに来たわけだが。」

 

まさか、響助抜きでここに来るとはな...ただどこから入ればいいんだ?

 

ガチャッ

 

「まさか、響助よりも早く、お前が来るとはな、郷秀。」

 

「烏ッ!?...見てたのか?」

 

「ま、そういうことだ...その感じだと、仕事を受けに来たって感じか?」

 

「ああ、暇だったもんで。」

 

「中に来い、いい仕事を紹介しよう。」

 

「...いい仕事?」

 

烏の発言が気になりながら、『RS』の中に入った。

 

「...そういやよォ、ここって前、『FS』とかそんな名前じゃあなかったか?」

 

「...何言っているんだお前?」

 

「いや、忘れてくれ...それより仕事ってのはなんだよ?」

 

「ああ、これだ。」

 

烏は、俺の前に書類を出す。

 

「...ライブハウスの警備?」

 

「ああ。」

 

「俺にピッタリってどういうことだ。」

 

「ここ最近、ここらあたりでクラッカーのような破裂音が聞こえたという情報を聞いてな。」

 

「...銃ってことか?」

 

「ま、確定したわけじゃないが、おそらくはな。」

 

銃か...スタンド能力の可能性があるな。

 

「ま、それもあるが、ここのライブハウスな...カワイイ子が働いてるぞ。」

 

「ぜひ、やらせてください。」

 

最高じゃあないか、カワイイ子と一時的とはいえ一緒に働けるとは。

 

...チョロい?...良いんだよ、それでカワイイ子と働けるなら。

 

「んじゃ、ライブハウスの場所はここだからな、ライブハウスの店長にはこっちで連絡するから、そのまま向かってくれ。」

 

「了解だ。」

 

さーてェ...いっちょ行っちゃいますかね。

 

_______________________________________________

 

俺は言われた、ライブハウスに到着した。

 

「君が、郷秀君だね、今日はよろしくね」

 

「よろしくお願いします。」

 

さてと、かわい子ちゃんどこかな?

 

...ん? 別に仕事を忘れちゃあないぜ、同じバイト仲間だからな、だから一度自己紹介をしないといけないだろ?

 

だから探してるんだぜ、どこにいるかなっとォー...おお!

 

銀髪で緑目で、童顔ながら、一匹狼のようなクールな眼差し...美しい。

 

「初めまして、私、宝来郷秀と申します、本日はよろしくお願いします。」

 

「ど、どうも、日野森志歩です、本日はよろしく。」

 

日野森?...同じ苗字なだけか?

 

正直、嘘をつかれたのかと思ったが、ホントに可愛い子に会えるとは、こいつァ、良い1日になりそうだ。

 

だが、仕事は仕事、これは真面目にやらないとだ、この辺で破裂音...つまり、銃声が聞こえたって事だ。

 

ライブハウスは人が集まる場所だ、無差別に発砲するなら、恰好の的だ。

 

だが、今日現れるかは、わからないし、この場所で起こるかはわからないし、まあ気楽にやりましょうかね。

 

_______________________________________________

 

んっん~、色んなバンドの曲も聞けるし、カワイイ子もいるし、お金貰える。

 

1石2鳥ならぬ、1石3鳥だな。

 

今のところは、怪しい人物はいないみたいだ。

 

このまま平和でいってほしいところだな

 

「...」

 

「ん?」

 

...なんだあの人...なんか違和感があるな

 

それに、ポケットが妙な膨らみを感じる。

 

「あの、すみません、そのポケットの中身を見せてほしいのですが、よろしいでしょうか?」

 

「...」クルッ

 

「っ!?」

 

なんだ、この人の目...普通じゃあない...焦点が合ってねェ...

 

「あの......っ!?」

 

もう一度声をかけた途端、奴の目が鋭くなった...これはマズイッ!?

 

「がぁっ!!」ブンッ

 

「くっ!?」サッ

 

ナイフを隠し持っていたか...いや、ポケットの膨らみが変わってない、ナイフ以外何か隠し持っているッ!

 

「あいつ、ナイフを持っているぞっ!?」

 

「キャーッ!?」

 

「皆さん、下がってくださいっ!!」

 

まずは、客や出演者の安全が最優先だ、なるべく逆上させねェように、時間稼げねェとな。

 

「どいつも、こいつもうるせェ奴がァ...俺の邪魔ァ、しやがってェ!!」

 

「邪魔だァ?...ナイフを持って暴れる奴がいたら、うるさくなるのは当たり前だろーが...一旦落ち着けよ。」

 

そう言いながら俺は、奴との距離を詰める。

 

客は...どうやら離れた、見てェーだな。

 

「うるせェ...まずはてめェから、ぶっ殺してやるァ...」

 

「殺すだァ?...さっきの不意打ちナイフで出来ねェなら、無理だろ...それとも、他に何か、策があるって事か?...そのポケットの膨らみ...それが策か?」

 

「だったら、さっさと出しな、その策とやら。」

 

「さっきから聞いてりゃあッ調子に乗りやがってェ...」

 

サッ

 

「ぶっ殺してやるッ!!」

 

やっぱ、拳銃を隠し持っていたか...だが...射程距離内だ。

 

ガコン

 

バララ

 

「ッ!?...うあああっ、けッけッけッ拳銃が!!バラバラにーッ!? なっなんでェー!?」

 

「オイッ! よそ見すんじゃあねェーッ!!」ブンッ

 

ベシッ

 

「ガッ!?」

 

バタンッ

 

奴が、バラバラになった拳銃に気を取られている間に、スタンドでぶん殴った。

 

「...ったく。」

 

奴の目は異常だった...薬をやってる可能性が高いな。

 

警察に電話するところだが...ここはSPW財団に電話するとするか。

 

「...」

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side:志歩

 

一体何が起こったっていうの?

 

拳銃で取り出したと思ったら、拳銃からネジのようなものが現れて、一瞬でバラバラにした。

 

...まさか、響助さんが言ってたスタンド使いってことなの!?

 

郷秀さんに聞いてみる?...でも郷秀さんが、どんな人かわからない以上危険だ。

 

「...あ、志歩ちゃん、お客さんや、出演者さんは?」

 

「...え、あ...大丈夫、全員怪我はないよ。」

 

「そっか、志歩ちゃんも怪我はない?」

 

「うん、大丈夫。」

 

「よかった。」

 

...いや、聞いてみよう...郷秀さんは、響助さんと同じような雰囲気を感じる。

 

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side:郷秀

 

さて、SPW財団に、電話したし、来るまで見張っておかないとな。

 

「...あの、郷秀さん。」

 

「ん?...どうしたの、志歩ちゃん?」

 

「...郷秀さんって...スタンド使いなんですか?」

 

「っ!...なんでその名前...どこで知っ...いや。」

 

たしか、この子の名前は、日野森志歩ちゃん...

 

響助は、日野森雫ちゃんと出会っている...つまり、志歩ちゃんと雫ちゃんは姉妹ってことだ。

 

そうじゃあないと、仮にスタンド使いだとしても、スタンドって名前は聞かないはずだ。

 

ただ、スタンドの事を、何故、志歩ちゃんが知っているんだ。

 

こりゃあ...響助に追求しねェーっとなァ...たっぷりと。

 

この間、わずか0.2秒。

 

「響助と知り合いなのか?」

 

「っ! 響助さんと知り合いなんですか!」

 

「ああ、ダチって奴だ、んで...志歩ちゃんの言う通り、俺はスタンド使いさ。」

 

「やっぱりそうなんですね。」

 

志歩ちゃんと話していると、SPW財団の職員の人が入ってきて、暴れた奴を運び、車で送られた。

 

「...あの、郷秀さん。」

 

「ん?」

 

「...あなたや、響助さんは...何者なんですか?」

 

「んー......スタンドを持ってるだけのただの高校生だよ。」

 

言えることは...これしかないかね。

 

仕事も終わったし、響助のとこに向かうか。

 


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