東方監視録   作:三次元大介

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求婚

 

 

 

 

 

「かの監視者さんが私に何の用?」

「なに、お前ら旧人類が今地上で暮らしている新人類に悪影響を及ぼしてないか確かめに来たまでさ」

「私1人に態々出張る事無いと思うけど?」

「お前らはこの地上には早すぎる文明を持っているからな。それで進化のズレが起きたらかなわん」

 

ぶっちゃけ私の月の民に対する評価はあまり高くない。文明を消し去る為とはいえ、核を放って関係無い生命まで殲滅したからな。次同じような事があれば月読諸共消してやるつもりではある。

 

「で、お前は何で地上に?下界で娯楽でも求めに来たか?」

「まぁそんなとこね。月は退屈過ぎたのよ。だから蓬莱の薬を飲んで追放されたの」

 

蓬莱の薬、確か永琳が開発した不老不死の薬だったか。やはり天才だな、あんな代物を一人で作ってしまうとは

 

「薬を飲んだだけで追放されたのか」

「えぇ、不老不死になる。つまりは生に対する執着。これを穢れとして月では認識してるの」

 

月の思想はなんというか極端だな。排他的というのか、どちらにせよ厄介の種である事には変わりはない。

 

「その様子じゃ随分と退屈してるようだが」

「私が美しいのは分かるけどこうも毎日結婚、結婚て言われたらね…」

「性格はともかく顔は確かに美形ではあるな」

「あら、私に惚れてもいいのよ?」

「悪いが顔面偏差値の高い奴は見慣れてるんでな。今さら小娘の顔見たところでだ」

「釣れないわね」

 

それに私の好みじゃあ無い。私はもっと大人な方が好みだ。近いものといえば…八雲か摩多羅だな、絶対あり得んが。まぁともかく小娘に用は無い!

 

「…で迎えはいつ来るんだ?」

「次の満月、後二週間程かしら。でも帰るつもりは無いわ。帰っても体のいい実験台として使われるだけだもの」

「私としては問題起こしそうだからとっとと帰って欲しいがな」

「冷たいわねぇ」

 

火種は出来るだけ抱えたく無い

 

「じゃあ問題は起こさないわ。ただひっそりと地上で暮らしていけるだけでいいの。迎えの者に協力者がいるから逃げるのを手伝ってくれないかしら?」

「…問題を起こさないと誓うなら協力してやろう。私も月の使者に伝言を頼みたいしな。」

「!ありがとう。まさか聞き入れて貰えるとは思わなかったわ。」

「覚えておくといい。神は気紛れなのだよ」

「ふふっ、なにそれ」

 

その夜は談笑しながら過ごした。

 

 

 

 

 

そして満月の夜…

 

「何としてでも姫を守るのだ!帝の御命令ぞ!命を賭すのだ!」

「「「オオオオオオオォォ!!」」」

 

月に帰るという話は帝、昔で言う天皇の耳にも入ったらしい。兵を100程配置し、屋敷を完全に取り囲んでいる。

 

「こんなに居ても月の技術の前では無力なのに…」

「仕方ない。今の地上の文明では知り得ん事なんだ。」

 

だがあの鼓舞をしている司令官は中々できる男だな。そこらの大妖怪も相手にできるだろう。

私達はというと、あの時の部屋に二人座していた。あの夜の次の日、輝夜が私を護衛として雇うとの趣旨を爺さんに伝えたらしい。その爺さんは疑う事を知らないのか快諾した。

 

「む……」

「来たわね」

 

突然夜空が怪しく光出した。その光に包まれるようにして牛車の様な乗り物がゆっくりと地上へと降りて来た。

…これは精神に干渉する電波を放っているな。兵士達が虚ろな目になり、撃ち落とそうとしていた弓を下ろしてしまった。

 

牛車から白い衣を羽織った男と、銃を構えた兎?の耳を生やした人間が出てきた。月の技術ならレーザーくらい作ってそうだったが、地上を制圧するには原始的な銃で充分だと思ったんだろうな。

 

「簡潔に言う。姫を此方に渡せ」

「ぐっ…何なんだ貴様ら…姫は渡さんっ!」

 

おっ、凄いなアイツ。一人だけあれを耐えれたのか。見込んだ通りだ。

すると銃を持っていた奴がそいつに銃口を向けた

それは困るな

 

「やれ」

 

ズダダダダダッッ!

 

「なっ…」

「流石に新人類に手を出すのは頂けんな」

 

奴に飛んで行った筈の銃弾は全て空中で静止していた。

私は銃弾の周りの空気を圧縮させ、無理矢理停止させたのだ

 

「そっくり返してやろう」

 

私は羽衣の男に指を向ける。すると止まっていた銃弾も奴に向く。

 

「なっ貴様っ!私が誰か分かって…」

「知らん」

 

 ドドドドドドッッ!!

 

「……!」

「冗談だ」

 

全て奴の足元に着弾させた。でないと伝言を頼めんからな

 

「輝夜を連れてくならさっさとしろ。永琳」

「…やはり気付かれていたのですね」

「当たり前だ。無駄に歳は食っとらん」

 

何処からともなく永琳が現れた。光学迷彩でも使ってたんだろう。

 

「岡様…」

「面倒臭いのは嫌いだ。さっさと行け」

「はい。さぁ姫様行きましょう。」

「あれ?ジンは来ないの?」

 

すると男が正気に戻り

 

「八意貴様!何のつもりだ!」

「私は姫様に尽くすと決めたの。貴方達が何を言おうがそれは変わらないわ」

「貴様…!」

「お前の相手はこっちだ。」

 

懐から拳銃を取り出そうとして、私が前に出る。2mある身長だ。これだけで威圧になる

 

「うお……」

「貴様らには伝言を頼みたい」

「で、伝言…?」

「そう、今回の件がどういう経緯があったかは知らんが、お前達月の民は既に過去の存在なんだ。これ以上今存在している新人類や文明に干渉するつもりなら、存在ごと無かったことにしてやる」

「…!お、お前は。いや貴方は…」

「分かったらそこで伸びてる兎二匹連れてとっとと月に帰りやがれ」

 

すると慌てて二匹を引っ掴み牛車に乗り込んで夜空へと消えていった。背後を見ると既に輝夜達も行った後みたいだ。

 

「ふぅ、この私が人助けをねぇ…」

 

自分の変化に少し驚きながらも私は歩き出した

話を見返すと文章があまりに酷い箇所があるので、話に影響がない程度に大修正を行おうと思っていますが、どちらが良いでしょうか?

  • 今のままでいい(修正無し)
  • 直した方がいい(大修正)
  • どちらでも良い

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