東方監視録   作:三次元大介

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更新遅れましたすみません


妖怪寺

 

 

 

 

 シュオンッ

 

独特な音がして亜空間が閉じる。いや〜地獄から帰ってくると地上が異常なまでに涼しく感じる。夏入ったばっかりだぞ。

 

「むしろ寒いなこりゃ。温度ボケは治るまで時間がかかりそうだ」

 

そう言って肩をさする。すると背後に微小な反応を感じた。振り返ってみると、私ですら見上げる程の巨躯を持った妖怪がいた。見た目は様々な動物が混ざり合ったような感じだ。

だがここで違和感を感じ取った。見た目に反してそれほど妖力が高くない。ならば幻術系か?いや実態はある。まぁどちらにせよ試したい事があるから丁度いい

 

「グオォォォオオ!!」

「作ってもらっておいてなんだが、今回初めて使うな」

 

そう言って空間から取り出したのはいつぞやの大太刀である。仕込み杖の方は何度か使ったが、あまり大きい相手がいなかった為使わず仕舞いななっていた。ようやく試運転だ

 

「グアッ!!」

「よっと」

 

妖怪はその剛爪で私を引き裂こうとする。が私は大太刀を背負い体全体を使って抜刀する。そしてそのままの勢いで爪に掠らせながら腕を狙い、切り飛ばした。

 

「ギャオォォオオ!?」

「うん、重さ鋭さ共に良し。刃こぼれも無い。まずまずだ」

 

激昂した妖怪は切られてない方の腕で掴み掛かろうとするが私は逆に奴の腕を掴む

 

「ギャオッ!?」

「フンッッ」

 

そのまま引き寄せ相手の体を背に乗せ、押し上げる。浮いた身体を腕で引っ張り投げ倒す。背負い投げだ。

 

 ズシンッッ

 

「グ、ガア…」

「見た目程手応えの無い奴だ。終わりにしてやろう。」

 

そうして大太刀を大上段に張り上げ、振り下ろー

 

「ま、待って!降参!降参するからっ!」

「む?」

 

すると先程までの妖怪は消え、そこには妙な羽を生やした少女がいた

 

「やはり幻術の類のものだったか…?にしては妙に現実味があった」

「はぁはぁ、あんた何モンだよ。妖怪に圧勝するなんて…」

「神様だ」

「は?」

「本当だぞ。何ならここで神力を解放しても…」

「信じる!だから止めろぉ!?」

 

信じてくれたようで何より。にしてもコイツの能力が気になるな。よし、『解析』

種族…鵺 能力…正体を判らなくする程度の能力

なるほど、さっきのはこれによるものだったのか。納得だ

 

「とまぁ私は自尊心が特別高い訳では無いが、突然襲い掛かれて見逃してやる程優しくも無い。」ゴゴゴゴゴ…

「うっ…」

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

「うまうま」

「何であの雰囲気で団子要求すんだよ」

「いいじゃないか、ここの団子旨いんだから。命よりは安いだろう。」

「別にいいけどさぁ…」

 

私はあの後罰として団子を奢らせた。最近食に対する喜びが無くなってきたが、ここの団子だけは定期的に食いたくなる。薬物でも入っているのだろうか

 

「私は妖怪が金を持っている事に驚きだ」

「擬態する時には必要なんだよ。一文なしだったら怪しまれるからな」

「なるほど…そういやまだお前の名前を聞いてなかったな。妖怪とはいえ持っているだろう?」

「ん?あぁ私は封獣ぬえ。この近くにある寺に入り浸ってる」

「ほう、種族名がそのまま名前とは」

「なんで分かったんだよ!?」

「能力のおかげさ」

 

私は頭を指差しながら言う。

 

「ふぅ食った食った。また旅を再開するか」

「あ、そう言えば何で神さんが神社に籠らず旅なんかしてんだ?」

「私は少し特殊なだけだ。こういう神も他にもいるにはいる」

「旅をしながらなんて神さんっぽく無いな」

「よく言われる」

「あぁー!!こんなとこに居た!ぬえ!聖が探してたよ」

「げ!一輪。イタズラがバレたのか!?」

 

何だ?妖怪が尼の格好をしている…?

 

「ぬえ、お前の住んでいる寺はどういう所なんだ?」

「え?…あー、何か人妖平等を掲げる寺だったような…?」

「人妖平等?これまた夢物語な…」

「コラーっ!無視するな!ていうかそのおじさん誰?」

 

あ、話に集中していて完全に忘れていた。

 

「初めまして、お嬢さん。私の名前は岡迅一郎だ。ちょいとこの鵺を懲らしめてやった唯のおじさんだ。」

「嘘つけ!さっき神だって言ってたろうが!」

「は…?懲らしめ…?…神?」

 

フリーズしてしまった。ちょっと情報量が多かったか。

 

「ハッ!え、本当に神様…?」

「本当だとも、なんなら…」

「だあぁーー!その下り何回やるんだよっ!ていうか街中でするな!」

「冗談さ、神様ジョークだ。」

「笑えねぇ冗談だ」

「じょー…?」

 

ほらまた置いてけぼりになってる。それにしても妖怪寺か、興味が湧いてきたな。次はそこに行ってみよう。

 

「よしじゃあその妖怪寺に行くか。店主、お勘定」

「あいよー」

「は!?冗談じゃない!私は逃げる!」

「あ、ぬえ!待ちなさい‼︎」

「安心しろ。二人とも連れて行く」

「「へ?」」

 

私は二人の首を引っ掴んで亜空間を開く。そしてその中に放り投げる。

 

「「ああああああ!?」」

 

よし私も行くか

亜空間が閉じる。そこには呆然とした店主がいたとかいなかったとか

 

 

 

 




少し長め…?

話を見返すと文章があまりに酷い箇所があるので、話に影響がない程度に大修正を行おうと思っていますが、どちらが良いでしょうか?

  • 今のままでいい(修正無し)
  • 直した方がいい(大修正)
  • どちらでも良い

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