今回はスレッタちゃんが美味しい物をただ食べる回です。
お茶会と言ったな、あれは嘘だ。
「チュチュ、私達はお茶会に招かれたのよね?」
「そうだよ……そうなの?」
「私に聞かないで、花婿様の考えはわからない
わ。というか考えてないでしょスレッタは」
ニカさんもチュチュさんもどうしたんだろ、
そう言えばエアリアルが呼んだこの人達は誰
なんだろう?
「あ、あの」
「どうしましたか?スレッタ様」
「あ、あなた……たた、達は?」
「ラビッツ・バイオテック・フーズ食品加工
部門の者です、本日はエアル・マーキュリー
様より皆様のお食事を依頼されました」
あ、エアリアルの事か。でも凄いなぁ、カブを
育ててる人達ってこんな事もしてるんだぁ。
(スレッタはいまだにラービフ社の事を、エア
リアルと一緒にカブを育ててる人達だと思って
ます)
「ラ、ラービフ!?」
「ど、どうしたのよ」
「お嬢様は知らないの!?あのラービフ社だよ
!地球でのシェア率は46%のあの大手だよ!
?」
「な、なんのよ」
「食べ物、作物から畜産にそれを使った食品を
取り扱ってて庶民から上流階級まで。
食卓に並ぶ料理にはラービフあり、とまで言
われたあの」
「お、落ち着きなさい……ちょ、ニカ!止め……
え?」
「……」チーン
「き、気絶してる」
ど、どうしたんだろう。もしかして私達、ダメ
だったのかなぁ。エアリアルが呼んできた人達
だけど、やっぱり人数が多いのはダメなのかな
……。
(スレッタはラービフ社の人間を、一緒にお茶す
る人達だと勘違いしています)
「起きてニカ姉!」
「あ"っ……ごめん、ビックリして」
「気持ちは分かるけど」
(あのAI、やってくれるわね)
「パンランチ様、ナナウラ様、ミオリネ様。
本日はわが社のブランド製品のみのお食事を
ご提供致します。
予めアレルギーなどは学園側と情報共有し、
確認しておりますのでご安心ください」
「は、はい……」
「あーしも混乱してる、けど滅多にないから
ちゃんと意識を保とう」
「そうだよね……えぇと、なんとお呼びすれば?」
「ウェイターとお呼びください。本日は皆様に
お料理を運び説明するのが私の仕事ですので」
え?一緒に食べるんじゃないの?
「ウェイターさん、その……今日はどんなものが
出るんですか?」
「ファーストスポンサードであるエアル様のご
依頼でしたので、わが社の最上級のコースを
ご提供予定でございます」
「「……」」パクパク
「ふーん、ドリンクは?」
「飲み比べる果汁セットでございます。
オレンジとアップルにそれぞれ10%、15%、
100%がございます」
「オススメを聞いても?」
「コース料理ですので、料理の味を十分に堪能
なさるなら10%をオススメ致します」
「ならアップルの10%を……スレッタは?」
「は、はひ!……その、ミオリネさんと同じで」
び、ビックリした。アップルジュースなんて初
めて飲むんだけど、どんな味なのかなぁ。
「かしこまりました、パンランチ様とニカ様は
いかがなさいますか?」
「えと……オレンジの100%で」
「あーしは、オレンジの15%で」
「かしこまりました、グラスはワイングラスと
ロックグラスがございますが」
「全員ワイングラスでお願い」
「かしこまりました、ミオリネ様」
かっ、カッコいい。ミオリネさんはスパスパと
色々決めて凄いなぁ。ご飯を選ぶって言うのが
いまいち分かんないから……でも、エアリアルは
あの人達が用意してくれるって言ってたけど。
「では、前菜の味噌きゅうりでございます」
「「え?」」
「?」
みそきゅうり?この間貰ったのもきゅうりだっ
たけど味噌ってなんだろ?
(ちょっと、味噌きゅうりってどういうこと?)
(あーしが知るわけないでしょ!)
(ラービフの最上級なんだよね?味噌きゅうり
って)
「このあいだのきゅうりもおいしかったです!」
「それは良かったです、本日はそこに味噌とい
う調味料を薄く塗ったものになります」
私の前に出されたのは、とても薄く切られたきゅ
うりが写真で見た刺身みたいに盛り付けられ、
味噌というものが塗られた料理だった。
凄い!こんなに薄く切れるなんて、とっても綺麗
で食べるのが勿体ない……。
「……」
(本当に味噌きゅうり出てきた)
「これが最上級なの?」
「もちろんでございます、わが社のきゅうりは
ここまで薄く切っても十分な歯ごたえとなっ
ております。
塗られた味噌は、わが社自慢のおかず味噌で
ご飯と食べても美味しい!がコンセプトなの
ですがきゅうりと食べるのが人気なのです」
「い、頂きます!」
一枚、口に運ぶ……
「どう?スレッタ」
「お、おおお、」
「お?」
「美味しいです!すごく美味しいです!
薄いのにパリパリで、しょっぱいのが美味
しいんです!」
「そうね、こんなに薄く切ってるのに歯ごたえ
はしっかりある。濃いめの味噌ソースがアク
セントになってて美味しいのね」
「「……」」
チュチュさんとニカさんは黙って食べてる、
でもなんだか嬉しそうだなぁ。
飲みもの飲も……す、すごく美味しい!!
「ふーん、確かにこれは10%ね。かなりリンゴ
の味がするわ、100%なら料理の後味なんて
全て消し飛ぶわね」
「凄く口の中が甘くて美味しい!」
「おおぉ!?」
「お、オレンジをそのまま飲んでるみたい」
「……」
「スレッタ様、オレンジもお飲みになりますか?」
「い、いいんですか?」
「勿論です、比較の為に10%をご用意しますね」
そして置かれたオレンジジュース。
私はそれを飲んで……凄くビックリした!
「甘くて酸っぱいのに、嫌じゃないです!
凄く美味しいです!」
「私はまだいいわ、次の料理を」
「かしこまりました」
気付けば私達のお皿は空っぽになっていた。
取り下げられたお皿を見ていると、ミオリネさん
が声をかけてくれた。
「こんなに凄いなんて思わなかった、ありがとう
スレッタ」
「い、いやその、私は……何にもできてなくて」
「良いのよ、こう言う事をしたいってあいつに
そうだんしたんでしょ」
「そ、それは、そうなんです、が」
「ならちゃんとやってるじゃない、いいのよ」
ちょっと恥ずかしくなってきた、どうすればいい
か分かんなくなっていた所に目の前にお皿が運ば
れてきた。
「お待たせしました、コンソメスープでございま
す。ウインナーは食べやすいようにカットして
おります」
ういんなー?ってなんだろう、お肉なのはなんと
なく匂いで分かるけど。
「スレッタがこのスープの事、分かってないから
説明をお願いできる?」
「かしこまりました。コンソメスープとは様々な
野菜と鶏肉を長時間煮込み旨味を抽出した物と
なります」
「……野菜はどこに?」
「旨味を全て抽出してしまいましたので、廃棄
となってしまいます。ですが、廃棄物の多く
はわが社自慢のバイオテクノロジーによって
肥料や宇宙船の燃料になります」
「ほ、ほぇ」
「皆様は学生ですから、スープだけというのも
味気ないかもと思いましてこちらのウインナ
ーを添えさせていただきました」
「その、ういんなーって?」
「ケーシングと呼ばれるものにひき肉や香辛料
を詰めて加熱したものになります」
「……そうなんですねぇ」
(さては分かってないわね)
スプーンでスープを掬い、口に入れる。お、お
おおお!?美味しい!!口の中が、口の中が
どこもかしこも美味しい!!
「おおぉ!?おお?おお!!」
「美味しすぎて言葉になってないわね……驚いた
わ、こんなに美味しいなんて」
「野菜の旨味~」
「帰ってきたァ」
(3人が壊れたら私はどうすりゃいいのよ)
「んぐ……美味しいですね、ミオリネさん!」
「!……そうね、美味しいわね」
このういんなーも美味しい!お肉の美味しさが
なのかな?凄く口に広がって……。
「ウインナーはどんなに高級になっても、あの
旨さは変わらない。あーしはそれを知った」
「この味に出来るコンソメキューブ欲しいね」
「このウインナーは通常のものね?」
「その通りですミオリネ様、グレードが上の
ウインナーではスープと衝突してしまいます
ので、あえてグレードを抑えました」
凄く考えられてるんだなぁ、やっぱり全部の
性能が良ければ強いとかじゃないんだ。
エアリアルもバランス型だし。
「スレッタ、スープが口の周りについてる」
「ほ、本当ですかミオリネさん!?」
「ほら拭いてあげるから……婚約者がそんなだ
と不安になるわよ」
「ご、ごめんなさい」
は、恥ずかしい……綺麗に食べようと思ったの
に、やっぱり初めてだから難しいよぉ。
(ニカ姉、イチャイチャしてるよあの二人)
(幸せそうねぇ、言うと否定されるけど)
「次の料理をお願い、飲み物も」
「かしこまりました」
次はなにかなぁ……楽しみだなぁ。
長い!!分割するしかねぇよこれはよぉ。
皆もアニメが待ち遠しいだろ?がんばれ、あと少しで3話だ。そして4話を求めるまでがセット。