カゲヒサのハチャメチャな日常   作:黒い幻想

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戦慄のウェンディゴ

 

ヒサメ「え?アヘン事件の首謀者が脱獄した?」

 

カゲチヨ「そうなんだよ・・・」

 

ヨーメイ「それでカゲチヨさんとヒサメさんとストーカーフード男が駆り出されてるわけですか・・・」

 

ゼノン「誰かストーカーフード男だ!?」

 

ヨーメイ「だってカゲチヨさんとヒサメさんのストーカーですよね?」

 

カゲチヨ「(ヨーメイは本当にゼノンの事が嫌いだな。)」

 

ゼノン「っていうかなんでシディじゃなくて俺が呼ばれたんだ?」

 

ヒサメ「首謀者はシディの顔を利用してたからシディが同行するのは危険だってカゲが。」

 

ゼノン「成程、でも警戒しすぎてるような気もするんだけどよ。」

 

~~

 

カゲチヨ「確かこの辺なんだけどな。」

 

ヒサメ「ねえ、空気が悪いしもう帰ろうよ。」

 

ヨーメイ「ヒサメさん、怯えているんですか?」

 

ヒサメ「怯えてないよ!」

 

???「うがあああああ!」

 

ゼノン「うわあっ!?誰だあああああ!」

 

ヨーメイ「貴方は・・・」

 

ヒサメ「ディープフェイクの時の!?」

 

男「うがあ・・・助けて・・・くれ・・・」

 

ゼノン「離せ!誰がお前みたいな奴助けるか!?」

 

ヒサメ「助けてくれってどういう意味?」

 

ゼノン「こうなりゃくらえ!」

 

ドゴオッ!

 

男「ぐがあ・・・いやだ・・・うがああああああ!」

 

ゼノン「うわ、余計怒らせた!」

 

男「助け・・・肉・・・食わせろおおおおお!」

 

カゲチヨ・ヒサメ・ヨーメイ・ゼノン「うわあああああ!?」

 

『ニクヲクラエ・・・ドウホウニナレ・・・』

 

~病院~

 

カゲチヨ「うーん・・・はっ!?ここは、病院?」

 

シディ「気が付いたか。追いかけてきて良かった。」

 

カゲチヨ「シディが連れてってくれたのか・・・助かったぜ・・・」

 

ヒサメ「そういえばあの男の人はどうなったの?」

 

シディ「4人より重症だったようだからな・・・」

 

ヨーメイ「そういえばあの緑フードもまだ完全に起きてませんね。」

 

ゼノン「・・・」ポケー

 

シディ「無理もない、かなりの衝撃でぶつかり合ったようだからな。」

 

カゲチヨ「そういえばあの男は俺達を食べようとしてなかったか?」

 

ヨーメイ「どう考えてもまともな状態じゃありませんでしたよ・・・まるで何かに憑かれているような。」

 

カゲチヨ「それに助けてくれとかいってなかったか?」

 

シディ「人肉を食らおうとする・・・憑かれる・・・あまり詳しくはないが『ウェンディゴ』に似てるな。」

 

ヒサメ「ウェンディゴ・・・?」

 

ヨーメイ「な、何ですかウェンディゴって・・・」

 

カゲチヨ「アイツの変貌と関係してんのか?」

 

~数日後~

 

ヨーメイ「あれから何か分かりましたか?」

 

カゲチヨ「ウェンディゴとはアメリカ北部やカナダ周辺に住んでいた先住民の間に伝わる精霊の事みてえだ・・・」

 

ヒサメ「精霊・・・?異宙の生物なの?」

 

カゲチヨ「身長は5mほどで全身が氷で出来ていたり毛むくじゃらの類人猿だったりもするらしい。」

 

ヒサメ「もしかして雪山に住んでるのかな?」

 

カゲチヨ「そしてその最大の特徴は人間に取りつき、その精神を操って自分と同じ人肉を食らう魔物に変えてしまう事だ。」

 

ヒサメ・ヨーメイ「ええっ!?」

 

ヨーメイ「そういえばあの人・・・カナダに逃亡した経歴があるって聞いた気がします。本当かどうかあまり自信はありませんけど・・・」

 

ヒサメ「まさかそこでウェンディゴに取りつかれたんじゃ・・・」

 

カゲチヨ「人肉を食べたりその姿を直接見たりするとで憑かれるみたいだぜ。」

 

ヨーメイ「ええっ!?まさかあの男の人、人肉を・・・」

 

ヒサメ「流石に直接見たから憑かれたと思うよ?」

 

カゲチヨ「一度憑かれると気配だけ相手を悟らせて姿は一切見せず、憑依した相手が不気味さに耐えられなくなるまで耳元で囁き続けるらしい。」

 

ヨーメイ「(出来るならシディさんに囁かれたい・・・って、何考えてるんですか私!?)」

 

ヒサメ「もし憑依されたらどうすればいいの?」

 

カゲチヨ「現段階では対処法は見つかっていないんだ。」

 

ヨーメイ「ええっ!?」

 

ヒサメ「じゃああの人はどうなっちゃうの!?」

 

カゲチヨ「まずうつ状態になって通常の食事が摂れなくなっちまう。」

 

ヒサメ「え?」

 

カゲチヨ「それから自分がウェンディゴに操られてると感じるようになり、殺人や自殺を考えるようになる。そして最後は暴力的な衝動に駆られ、自分の身内を殺してその肉を食らうんだ。」

 

ヨーメイ「・・・」

 

ヒサメ「どうしたの?」

 

ヨーメイ「私、実はあの夜以来全然食欲が湧かないんです・・・」

 

カゲチヨ「ま、マジかよ!?」

 

ヨーメイ「それにスマホの時間もいつもより少ないし、変な感じの幻聴が聞こえてくるんです。」

 

ヒサメ「ええっ!?」

 

カゲチヨ「もしかするとあの男からヨーメイに乗り移ったのかもしれねえ!」

 

ヨーメイ「どうしよう・・・このままだと二人を襲ってしまうかもしれません・・・」

 

カゲチヨ「やべえ!オーナーの所に行って相談しねえと!」

 

~~

 

シディ「リサイクルショップの前でどうしたんだ?」

 

ヨーメイ「私、ウェンディゴになっちゃうみたいなんです!」

 

シディ「それなら安心してくれ、その心配はない。」

 

カゲチヨ・ヒサメ・ヨーメイ「え?」

 

~カレコレ屋~

 

シディ「あれから俺もウェンディゴについてオーナーに聞いてみたんだ。」

 

カゲチヨ「それで何か分かったのか!?」

 

シディ「その正体は一説によると精神を病んで見た幻覚だそうだ。」

 

カゲチヨ「幻覚!?」

 

シディ「どうやらあの男はウェンディゴ症候群にかかっていたらしい。」

 

カゲチヨ「ウェンディゴ症候群?何だそりゃ?」

 

シディ「ウェンディゴ症候群はカナダの先住民・・・いわゆるインディアンと呼ばれる者たちが栄養失調から精神に異常をきたし人肉を食べたい欲求に駆られる病気なんだ。」

 

ヨーメイ「でもインディアンならその辺の動物を狩ればいいんじゃないですか?」

 

ヒサメ「それがそういうわけにはいかないんだ。」

 

ヨーメイ「?」

 

ヒサメ「カナダって言ったら冬の間は特に寒いから動物は冬眠しているし、農業も厳しい土地なんだよ。」

 

シディ「その通りだ、食べ物が無いから幻覚を見てしまうほど色んな栄養が不足していたんだ。」

 

カゲチヨ「確かに人は極限状態になると何するか分からないって聞くな。」

 

ヒサメ「カゲもヤバかったもんね・・・」

 

シディ「ああ、でも実際にはあまりにも食糧が不足しているから弱ったり死んでしまった住民をまだ余力のある住民が食べてしまったりしたそうだ。」

 

カゲチヨ「カニバリズムか・・・えぐい話だな。」

 

シディ「ウェンディゴ症候群の原因は栄養不足の他にもそうした事がきっかけで見せた幻覚という話もあるらしい。」

 

ヒサメ「そういや、何か心当たりがある?」

 

ヨーメイ「はい、アヘンの時にシディさんに迷惑かけちゃって落ち込んだ時にあの夜の事があったから、私って弱いですよねすみません。」

 

ヒサメ「大丈夫大丈夫!嫌なことが連続で起こったらそうなっちゃうのは仕方ない事だよ。」

 

シディ「つまりヨーメイは俺が捕まった時の心的外傷にウェンディゴの一件が原因で心が不安定になっていたみたいだな。」

 

ヒサメ「ん?となると・・・あの人の状態はどう説明するの?」

 

カゲチヨ「まさか大麻でもキメてたのか?」

 

シディ「どうやら逃亡生活中にあまりにも過酷な環境が続いた事や極限状態も重なっておかしくなってしまったらしい。とても会話が出来る状態ではないので、警察病院に入院しているそうだ。」

 

カゲチヨ「ああなる程の状況って・・・想像したくもねえな。」

 

ヒサメ「まあとにかくウェンディゴは言い伝えって事だね。」

 

シディ「不安にさせて悪かったな・・・お詫びに何か料理を作ろう!」

 

ヨーメイ「ええっ///」

 

カゲチヨ「そういやヨーメイはシディの料理食った事無かったよな?」

 

ヒサメ「シディの料理ってすごく美味しいんだよ!」

 

ヨーメイ「(いきなり手料理って///そんなの・・・ズルいですよ。)」

 

カゲチヨ「ん?そういえば誰か忘れてるような・・・」

 

ヒサメ「言われてみれば・・・そうだ!思い出した!」

 

シディ・ヨーメイ「?」

 

ヒサメ「ゼノンだよ!あれからゼノンに会ったっけ?」

 

カゲチヨ「言われてみれば一度も会ってない・・・」

 

ヨーメイ「放っといた方が良いですよ、あの人の事なんか・・・どうせウェンディゴも作り話なんだし別に心配は」

 

『緊急ニュースをお伝えします!』

 

一同「!?」

 

『昨日未明、緑フードの男が警察病院に入られていた男性を襲撃して重傷を負わせた事件について、警察は犯人と思われる緑フードの男の行方を追っています。なお、襲われた男性は各所に食いちぎられたような跡があり、男性が起こした痴漢事件やディープフェイクに関する事件との関連性を調べています。』

 

カゲチヨ・ヒサメ「!?」

 

ヨーメイ「あの緑フードって・・・」

 

シディ「ゼノン・・・だよな?」

 

カゲチヨ「まさかゼノンにウェンディゴが・・・」

 

ヒサメ「ないない!どうせまたウェンディゴ症候群、もしくはゼノンに似てる赤の他人とかじゃ・・・」

 

ガチャ

 

ゼノン「・・・」

 

ヒサメ「ゼ、ゼノン?」

 

カゲチヨ「どうしたんだ・・・?」

 

シディ「・・・!二人とも離れろ!」

 

ゼノン「ケヒッ・・・うぇひひひ・・・うははははははははは!」

 

ヨーメイ「ま、まさか・・・」

 

カゲチヨ「お前・・・」

 

ヒサメ「も、もしかして・・・」

 

ゼノン「腹が減った・・・食らいたい食らいたい食らいたい!」

 

ウェンディゴ『グフフ・・・』

 

ヒサメ「え、まさか・・・」

 

カゲチヨ「最悪だ!あの男に憑いていたウェンディゴが今度はゼノンに取り憑きやがった!」

 

ヨーメイ「ウェンディゴは実在しないんじゃなかったんですか!?」

 

シディ「だが考えてみると、ここはマンティコアや烏天狗が普通に存在する世界だ!ウェンディゴが実在しててもおかしくはない!」

 

ゼノン「やはり食うのは人肉に限る!人肉は・・・人肉は何処だ!?」

 

シディ「カゲチヨ!ヒサメ!ヨーメイ!離れろ!」

 

ヨーメイ「え、でも・・・」

 

ゼノン「見つけた・・・うがあああああ!?」

 

ヨーメイ「ひっ・・・」

 

シディ「まずい!」

 

カゲチヨ「こっちに来るぞ!」

 

ヒサメ「いやああああああ!?」

 

 

※その後、どうなったのかはご想像にお任せします。

 

 

~終わり~

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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