九尾の娘は幻想に帰る 〜東方魂喰狐〜(※現在修正中)   作:百合お兄さん

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はぁ………。何かが足りないってずっと思ってたんだ。それが今分かった。それはな、藍しゃまが書けてねぇ……。俺は藍しゃまのモフモフがモフモフするのを書きたくて小説を書き始めたのに一向にそういう展開にならねぇ‼︎‼︎これは由々しき事態だ。だから次辺りは番外編で藍しゃま書こうかなぁ……、と思っております。書かないかもしれない。そんな私を応援して下さい。


11.肩慣らし

 開始と同時に急接近した二人はお互いの木刀をぶつけ合い鍔迫り合いの形に持ち込まれていた。

 

 (はっ、速い!?)

 

 妖夢は一瞬で終わらせようと素早く切り込んだはずが抑え込まれている事に衝撃を受けていた。この速度に反応してくるのは予想できていた。しかし現在鍔迫り合いしている位置はお互いの最初の立ち位置の中間よりもかなり妖夢側の位置だ。つまり宙は切り込んでくることを予想していたのか、はたまた見てから反応してきたのか分からないが妖夢よりも素早く動いているということになる。

 

 「おう、どうした。そんなに冷や汗かいて。そんな怖かったか?」

 「はぁッ……、はぁッ……」

 

 息を乱す妖夢に対し宙は至って普段通りでこの結果に疑問を持っている様子は無い。つまり………。

 

 「予想通りって、とこですか……」

 「あぁ、当たり前だ」

 

 そう言って不敵に笑う宙に妖夢は警戒を一段と強くする。

 

 「ほら、次いくぞ」

 「っ⁉」

 

 不意に木刀に掛かる力が軽くなったと思い、力んで瞑っていた眼を開けたらそこに宙の姿が見えなかった。

 

 「おらっ!!」

 「ぐっ、ふんっ!」

 

 背後から感じた僅かな気配を頼りに木刀を振りかぶると、ガキンッ!、という木刀から出るとは思えない音がした。

 

 「へぇ、やるじゃねぇか」

 

 そしてぶつかった木刀に力を入れると先ほどとは違い直ぐに振り払うことが出来た。どうやら込めた力を利用されその勢いで距離をとったらしい。そして流れるように中を舞うと、音もなく着地し砂利を踏みしめる。

 

 「中々やるじゃねぇか、妖夢」

 「ハァッ…ハァッ、そう、ですか」

 

 妖夢は一太刀交えるだけ息も絶え絶えだというのに宙は呼吸が乱れている様子は無い。それだけ地力が違うということなのか。それに……

 

 「なん、っで、私の、動きを……」

 

 宙の動きが妖夢と非常に酷似していた。【編集予定】

 

 「ん?あぁ。そりゃあお前、俺の能力を忘れたのか」

 

 宙の能力……。確か『魂を喰らう程度の能力』だったか。だがそれはルール違反なのではと妖夢は思いそれを問いただそうとした。

 

 「能力の、使用は、禁止だと……」

 「あぁ、悪い悪い。言い方が悪かったな。使ってるのは今じゃねぇよ。これはあくまで前に能力を使った影響だ」

 

 それを聞いて妖夢はいつ魂を喰われたのか思索しだす。

 

 (一体どのタイミングで……?無意識下で出来るとしても能力を使ったなら何かしら気づける筈……)

 

 「あぁ、どうせ何時やられたのか、なんて考えてるんだろうけど無駄だぞ」

 

 そう言われて妖夢は更に混乱するが、それも束の間……、

 

 『待宵反射衛生斬』

 

 突如、宙の姿が掻き消えたかと思うと妖夢は反射的に身を捩らせた。

 

 「ッ‼︎ぐぅ⁉︎」

 

 その瞬間宙のいた場所から一直線上に衝撃が走った。その威力は凄まじく、石畳の地面を深く抉り取り、未だその場所に残像を幻視してしまうほどだ。だがそれらよりも衝撃的だったのは宙が言った技名だ。

 

 「その技はッ……」

 

 「おぅ。お前の師匠のだよ」

 

 『待宵反射衛生斬』は妖夢が目指すべき境地に至ることで修得出来る奥義とも呼べる技。それを使っている所を見るのは初めてではない。

 

 「何故お師匠様の技を…‼︎」

 

 それは妖夢の祖父にして師匠である魂魄妖忌の技だったはずだ。それを何故彼女が扱えているのか、それは直ぐに理解する事が出来た。

 

 「まさか……お師匠様の魂を……」

 

 「おぅ、剣なんて使うの久しぶりだったからちょっと心配だったけどそこそこ上手だろ?」

 

 その言葉を聞き、妖夢は悔しさで下唇を噛み、震える手を抑えながら木刀を構えなおすが───

 

 「────っえ?」

 

 構えなおした木刀に無数の亀裂が入り、ピシッ、という乾いた音とともにその原型を崩す。

 

 「えっ、あっ.......」

 

 「まぁ、こんなもんかな?」

 

 呆気に取られて腰を抜かして動けない妖夢を尻目に自分の木刀を指でなぞり、傷が無いか確認している宙。

 

 「今…のは……」

 

 「『待宵反射衛星斬』。お前の師匠の技だ。まぁあの人ほどのレベルじゃねぇがな」

 

 そう語る宙は膝を突いて動けない妖夢に手を差し伸べ、妖夢はフラフラしながらもその手を掴み立ち上がった。

 

 「へへっ、悪いな。お前に初めて会った時から戦ってみたかったんだよ。やっぱ喰らった魂がかなり多いからか今まではなんとも無かったけどお前に会った瞬間ウズウズして堪んなかったんだわ」

 

 そう口角を歪めながら大きく笑う宙の姿に薄らと自分の祖父の姿が見えたのを妖夢は見逃さなかった。




小説にガバとかあれば教えて下さいな。誤字とか文脈とかその他色々。正直かなり間が空いたので心配になってきたのでよろしくお願いしますね。
 

 ちなみに宙は妖忌の魂を喰らってはいますが、量で言ったらつまみ食いレベルなのでそんなに問題はありません。







……あっ、高評価もお願いします。

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