ミドガル王国王都では『ブシン祭』開催が迫っており、その前に一度ミドガル魔剣士学園は夏休みのため、両親の元へとクレアと共に帰ったシドはそのついでに自分の組織である『シャドウガーデン』の本拠である『アレクサンドリア』も訪れた。
『聖地リンドブルム』での戦いが結果として大勝利となったからであり、それを祝うためでもある。
もっともアレクサンドリアへと久々に入ったシドは城の上に超巨大な自分の石像が建てられていたり、『王の間』や玉座が超豪華な物になっており、更にはシド専用の私室まで超広々として豪華なものになっていたりなどを知って頭が痛くなったりはしたが……。
そうして、シドは勝利を祝いながら『聖地リンドブルム』で働き、手柄を立てたアルファにベータ、デルタにイプシロン、ゼータ、イータ、シータにウィクトーリア、そして『ベガルタ帝国』にて重要な商業を終えたガンマとニューたちを労おうとシドがアルファ達に『何か望みはあるか?』と聞くと……。
『愛してくださいっ!!』と全員が全員、積極的にシドと深い情愛を交わす事を願ったのである。
「分かった」
そうして、シドは超巨大な寝台がある自室でアルファ達と激しい情愛を交わし尽くしたのである。
「シドぉ……ふふふ」
「シド様ぁ、私幸せですぅ……」
「主様ぁ……」
「ボスぅ、大好きです……」
「主様……ありがとうございますぅ」
「主ぃ……愛してるぅ」
「マスター、好き……」
「お父さん、私、幸せだよ……」
「シド様ぁ……ずっと、愛してます」
「シド様……私は永遠に……」
情愛を交わし尽くし、余韻に浸りながら眠るアルファ達はそれぞれ幸せそうな表情を浮かべながら寝言を呟く。
「少しはお前たちの愛に応えられていると良いが……俺もお前たちを愛しているよ」
そんなアルファ達に対し、シドは微笑みながら告げた。
「それじゃあ、折角だし私達も愛してもらおうかしら」
「私もお礼したいので……」
「……分かった」
そうして、更にアウロラとオリヴィエともシドは情愛を交わした。
因みにシドは日ごろの鍛錬や改造、霧の龍の格と力の獲得、ディアボロスの左腕を取り込んだ影響により、凄まじい域の絶倫となっていたりしたのだった……。
2
里帰りし、数日程自宅で過ごした後、『ブシン祭』の開催時期となったのでミドガル王国王都に戻る事となったシドとクレア。
「女神の試練突破と言い、ブシン祭の本戦参加と言い……なんて誇らしい息子なんだ」
「本当ね、シド、折角だし優勝しちゃいなさい」
シドとクレアの父親は感動しながら、言い母親は微笑みながら、シドへと言う。
「参加する以上は優勝目指して全力を尽くすよ」
「ふふ、あんたの全力って想像つかないし怖いけどね」
そうして、シドとクレアは『ブシン祭』の開催時期であるため、観戦しようと準備する者や『ブシン祭』に参加しようとする多くの魔剣士などいつもより賑わっているミドガル王国王都へと戻り……。
「シドォォォォッ、あんたねぇ、いったい姉様にどんなことしたのよ。姉様が完全に惚れちゃってるじゃないっ!! それはそれで良いんだけどぉっ!!」
「ぅぐおおっ、気を張り詰め過ぎず、力を抜けるようにしただけだが?」
アレクシアに首を掴まれ、激しく揺さぶられながらシドは彼女の問いに答えた。
「まぁたそうやって、何か人の心を自分に惹き付けるコミュニケーションしたんでしょう。相変わらず、どういう能力身に着けてんのよっ」
「うぐあああっ、く、加わってんじゃねえ……」
更にクレアも加わり、今日はまた激しく首を絞められながら揺さぶられていた。もっとも今ではこれも一つのコミュニケーションになってしまっているのだが……。
「シド君、お帰りなさい」
「お帰りなさい、シド君」
ともかく、そうしてアレクシアにローズとシェリ―に出迎えられたシドはクレアもそうだが、賑わっているミドガル王国王都でデートを始めた。
すると……。
「おい兄ちゃん、随分と見せつけてくれるじゃねえか」
「昼間からイチャイチャしやがって」
「俺らに分けてくれや」
『ブシン祭』に参加しに来たと思われるそれぞれ体格の良い魔剣士がシドに対し嫉妬やら怒りやら纏いながら声をかけ、近づいてきた。
「絡んでくるんじゃねえよ、鬱陶しい」
シドは視線の向きや闘気、僅かに漂わせた魔力、僅かな動作を行いながら言い……。
『がはっ!?』
そうして魔剣士たちは強烈な打撃を炸裂させられたという『幻覚』を体験し、地面に倒れ伏した。
「相変わらず、とんでもないわね。シド」
「アンネローゼさん、久しぶりです」
魔剣士たちを倒すと声をかけられ、見れば『女神の試練』の時に出会い交流をしたアンネローゼであった。
「ええ、久しぶり。約束通り、ブシン祭に参加しに来たわよ」
「光栄です」
そして、シドとアンネローゼは言葉を交わしながら握手をする。
『はぁ……』
また、シドがアンネローゼに対してパーフェクトなコミュニケーションで彼女の心を自分へと惹き付けたのだとクレアとアレクシアは理解し、溜息を吐いたのであった……。