空達は迷宮に入り奥へと進んでいた
空「そこはトラップだな、こっちの道は行き止まりだ」
ハジメ「あるとは思ってたが、空がいるとトラップ型の迷宮は楽だな」
ユエ「ん、魔物もいない」
シア「でもちょっと造った人が可哀想ですね」
空「何を言う、ここを造った奴は相当性格が悪いぞ?、ほれ」
空がそう言うとトラップの1つを踏み抜いた、すると奥から大玉が転がってくる
ハジメ「ちょ!!、何やってんだ!!」
ハジメは慌てて破壊しようとしたが空が片手を突きだし受け止める、するとさらに奥で何かがぶつかる音がした
空「破壊すれば奥にある別の大玉に追われると言う二重トラップだ」
そう言うと空は大玉を押し返し適当な部屋に押し込んだ、そうして迷宮を進んでいったある時空が歩みを止めた
空「ここだな」
ハジメ「着いたのか?」
空「いや、正確にはもう1つ奥の部屋だがここはゴール1歩手前と言ったところだ」
空が言うとハジメは笑い言う
ハジメ「じゃあ迷宮クリアしに行くか!!」
ハジメと空が部屋に入るとそこには全身鎧が山のように置いてあった
空「ゴーレムだな」
ハジメ「ゴーレムって勝手に動くっていう例のゴーレムか?」
空「ああ、と言ってる間に動くぞ」
空が言うと鎧達は動きだしハジメ達に襲いかかる、しかし強化された守護天使(ヴァルキリー)を突破するとこが出来ず逆にハジメのドンナーやユエの魔法、ハジメが造った戦槌ドリュッケンと空が造った魔籠手 血吸い(アーナ)を付け暴れ回るシアを止めることが出来ず破壊され続ける
ハジメ「しっかし、血吸いとは物騒な名前だな」
空「敵を殺す程攻撃力が上がり炎以外の魔法を纏うことが出きる」
ハジメ「何で炎以外何だ?」
空「あいつは放出系の魔法の才能が無い、つまり炎の火力調節が出来ない、最悪自身も焼いてしまうかもしれん」
ハジメ「なるほど、しかしこれは」
空「ふむ、再生してるな」
ハジメ「ああ、恐らく何処かに核があるはずだがこいつらの中には何もない、このまま奥の部屋に行くぞ!!」
ハジメはそう言うとオルカンと言うミサイルランチャーで扉を破壊し次の部屋に走る、次の部屋には足場が浮かんでおり皆でその足場に飛び移る
空「やはりあいつらは来られない様だな」
空は次々落ちていくゴーレムを見て言う
シア「!!」
シアは突然ハジメとユエを抱え立っていた足場から違う足場に投げつける
ハジメ「おいシア!!何してんだ!!」
すると今までハジメ達の立っていた足場に何かが落ち崩れ去る
ハジメ「シア!!、空!!」
ハジメが落ちていく足場に叫ぶ、ふと前を見るとそこにはとてつもなく大きな鎧が1つあった
???「やっほ~!!、みんな大好きミレディ・ライセンちゃんだよ~!!」
鎧は何ともふざけた口調で話す、しかしハジメはそれどころではなかった
ハジメ「てめぇ、何しやがる!!」
ミレディ「もぉ、挨拶はちゃんとしなよ~!!挨拶したんだから返すのが礼儀じゃない?、全く最近の若者は常識しらないの!?」
ミレディのふざけた態度にキレそうになるハジメ、するとどこからか声が聞こえた
空「ならばこちらも相応の挨拶で返そう」
ミレディ「え?」
次の瞬間ミレディの右腕が綺麗さっぱり無くなっていた
空「竜(か)」
そこには空が浮かんでおり背中にシアを背負い弓を弾く様な動作をしていた
ミレディ「あれれ?君はさっき殺したと思ったんだけど」
空「あの程度で死ぬなら俺はかつてあれ程苦しむ事はなかっただろうな、しかしオスカーの手記にはミレディ・ライセンは人間の女と書かれていたが、魂をゴーレムにでも移したか」
ミレディ「ふ~ん、君の事はよく分からないけど、私に関しての考察は当たりかな、じゃあ今度はこっちの質問に答えてね」
ミレディは一呼吸分間を空け先程のふざけた雰囲気が嘘のように重く言う
ミレディ「君達の目的は何?、何のために神代魔法を求めるの?」
空「家に帰るためだ、この世界とは違う世界から無理やり連れてこられたからな、ついでに俺の安息を奪った馬鹿者に一発入れて帰ろうかと思っている、お前は?」
ミレディ「何?」
空「お前はどうしてこんな場所に縮こまっている?」
ミレディ「私の役目は次の解放者に真実と神代魔法を渡すこと」
空「ここに解放者の生き残りが居るのにか?」
ミレディ「!!」
空「お前達も俺と同じ様に狂っていると思っていたが、俺の気のせいか、まだオスカーとお前しか見ていないが他の奴も底がしれるな」
ミレディ「何?」
空「オスカーから神に反逆したと聞いた時は心踊ったが、お前とオスカーを見て確信した、お前達は負けるべくして負けたのだ」
ミレディ「……」
空「お前達には覚悟がない、守るものの一部を切り捨ててでも残りを全力で守ろうとする覚悟が」
ミレディ「お前に、お前に何が分かる!!」
ミレディが拳を振り上げ空の立つ足場に叩きつける、ハジメ達は堪らず他の足場に飛び移ったが空だけは動かず拳が直撃する
ハジメ「空!!」
やがて土煙が晴れそこには無傷の空の姿が現れる
ミレディ「嘘」
空「ほらな?、覚悟無き拳なぞ俺を傷つける事は出来ん、俺を傷つける事が出来るのは覚悟を持った者か俺と同じ様に狂った者のみだ」
ミレディ「だったら、だったらどうすれば良かったの!!、皆守ろうとした人に殺されて!!、私一人じゃどうすることも出来なくて!!、必死に考えて誰かに託す事にしたの!!」
ミレディは構わず空に拳を振り下ろし続ける
空「それでも憎く無かったか?」
ミレディ「!!、お前!!、ああ、憎いさ!!、エヒトが憎い!!友達を殺した人達が憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い!!憎い~~~~~~~~~~~~~!!」
空「何だ、ちゃんと狂っていたか、それで?お前はどうしたい?」
ミレディ「殺す!!、殺す!!殺す!!殺す!!殺す!!エヒトを、友達の仇を!!」
空はその姿を見て笑い言う
空「クハハハハハハハハハハハハハハ!!、良いだろう、お前を気に入った!!、お前のその願い叶えてやる、俺に着いてこい」
空は再び弓を弾く動作をした後一言、象る動物は『竜』、込める意味は『滅び』
空「竜(かた)」
そしてミレディは跡形もなく姿を消した
ハジメ「おい!!、連れていくとか言って殺すのかよ!!」
空「何を言う奴は死んでいない、そもそも奴には神代魔法の受け渡しと言う役割がある、死んでしまってはそれも出来ん」
すると奥の扉が開き中に入るとハジメの半分程の大きさのミレディゴーレムがいた
空「さて、お前を連れていくが、そのままではな、少し待て」
空は言うと無限収納の中に手を突っ込み何かを取り出す、現れたのは紫色の液体を入れた小瓶
空「こいつは星の記憶(アラル)、こいつにお前の魂を移し変える、後はこいつがお前の魂に記憶されている姿を読み取りその姿に変わる」
ミレディ「そっか」
空「では始めるぞ」
空は小瓶を床に置きミレディゴーレムに触れる、するとゴーレムの体から淡い光が飛び出しそのまま小瓶に向かい光が小瓶に触れると姿を変えていく、そこにはかつてのミレディの姿であろう女性の姿があった
空「ふむ、一先ず成功だな、体に違和感は無いな」
ミレディ「うん、ありがと」
ハジメ「とりあえず、神代魔法を貰った後お前の荷物を持っていこう」
ハジメがそう言うと各々神代魔法を習得し迷宮を抜け出す
久しぶりの体と太陽に少し緊張気味のミレディだったがさっさと空とハジメに引っ張られ何年いたかも分からない自身の迷宮を飛び出した
空「一先ず宿に戻るか、久しぶりに風呂に入りたい」
ハジメ「それもそうだな」
ユエ「風呂?」
ハジメ「ああ、まぁ、暖かい水浴びと思えば良い」
その後宿に着いた5人は女性組の部屋を3人部屋に変更し再び一泊した、途中受付嬢が風呂を覗くと言う珍事件が起きたが空により粛清されたらしい
と言うことで今回はここまで、次回もお楽しみに!!