ハジメが町の下から子供の気配を感じシアと共に走り出す
ハジメ「恐らくこれは下水に流されてるな、下に降りて先回りするぞ」
シア「了解です!!」
ハジメは地面に手を着き錬成により穴を空け飛び込む
そこから更に気配感知で捜索する、すると
シア「いました!!、後は私が」
ハジメ「いや、飛び込まなくて良いからな?」
ハジメは再び地面に手を着き錬成する、それにより格子が斜めに設置され流れている子供がハジメの方に移動するそのまま子供を抱き抱える
シア「この子は」
ハジメ「恐らく海人族だな」
すると海人族と思われる子供の眼が開く
???「誰?」
ハジメ「もう大丈夫だ」
シア「目覚めました?」
ハジメ「いや、気を失った、離れて手当てしよう」
ハジメ達は1度宿に戻りお湯を準備する、シアが綺麗にしてる間にハジメが着替えようの服を買ってくる事にした
ハジメが戻りシアが綺麗にし着替えさせ途中で買ってきた串焼きを食べさせる
ハジメ「ひとまず安心だな、さてまずは名前を聞こう、ちなみに俺はハジメ、こいつはシアだ」
シア「よろしくね」
???「ミュウ、本当はエリセンって所に居たの」
空「確か海人族の町の名前だな」
ハジメ「空!?、お前造りたいものがあるって」
空「何、お前がまた面白いものを拾ってきたと聞いてな、それにもう出来た、さてミュウ、俺は空、よろしくな」
空が言うとミュウはシアに隠れるように顔を埋める
空「ふむ、怖がらせたか?」
ハジメ「当たり前だ、急に知らない奴が現れたら怖いに決まってるだろ」
空「そうか、ならばこれをやろう、仲直りだ」
空は無限収納に手を突っ込むと何かを取り出す、そこには甘い匂いを漂わせる菓子のような物と赤い宝石の付いたネックレスだった
ハジメ「なんだそりゃあ?」
空「こっちの菓子は以前フューレンの冒険者ギルドで出された菓子だ、上手かったので大量に買った、こっちのネックレスは援軍(ダーナム)、武器を造る途中に産まれた副産物だがかなり使える」
ハジメ「効果は?」
空「持ち主が危機に瀕した時今まで会った人間の中で最も強い人間を強制的に呼び出す、まぁ呼ばれた側からすればたまったもんじゃ無いだろうがな」
ハジメ「つまりミュウがピンチになるとお前が呼ばれるわけか」
空「いや、お前かも知れんぞ?」
ハジメ「何でだよ!?」
空「こいつは持ち主が最も信頼する強い人間を呼ぶ、自分を害する者を呼んでしまっては元も子もないからな、つまり今回はお前が呼ばれるって訳だ、俺はあまり信頼されてないようだからな」
ハジメ「ミュウ、今すぐそれを返しなさ」
ハジメはミュウにネックレスを返すように言おうと視線を向けると嬉しそうにネックレスを首から下げ空から貰った菓子を頬張っているミュウがいた
空「これでは返せと言えんな」
ハジメ「空、後で覚えてろ」
空「それはそれとして、ミュウ、何故こんな所にいる、親はどうした?」
ミュウは悲しそうな顔をしながら話し始めた
親と海ではぐれたこと
知らない場所に無理やり連れていかれたこと
自分と年の近い子供がいたこと
怖くなり水の音が聞こえとっさに飛び込み逃げたこと
空「なるほど、奴隷オークション、それも裏か、それでどうするハジメ、連れていくか?」
ハジメ「バカ言え、保安所に預ける、俺達の旅はミュウには危険すぎるし海人族は国から保護されてる」
空「そうか」
ハジメ「ミュウ、これからお前を守ってくれる人の所へ連れていく、時間はかかるが必ずエリセンに帰れる」
ミュウ「お兄ちゃん達は?」
ハジメ「悪いがここでお別れだ」
ミュウはショックを受けた様でいやいやと駄々をこねハジメをぽかぽかと殴るがハジメにとっては痛くも痒くもなく結局そのまま保安所に連れていかれた
ミュウ「お兄ちゃん、ミュウの事嫌いなの?」
ミュウの言葉にハジメは良心が痛んだが心を鬼にしその場を後にした
シア「ミュウちゃん、大丈夫でしょうか?」
空「まぁ、問題なかろう、ん?」
空は保安所の方を振り返る
ハジメ「どうした?」
空「不味いな、保安所を囲むようにして近付く者が多数、恐らくオークション関係者だ」
空の言葉を聞きハジメは走り出す、空とシアもそれを追うように走るすると保安所から爆発が起きる
空「ほう、白昼堂々保安所襲撃とは、余程大きな組織らしい」
保安所に突入した3人だったが一足遅く既にミュウは連れ去られ1枚の手紙が置いてあり今度はシアを狙っているようだった
空「しまったな、ミュウに援軍(ダーナム)の使い方を教えるのを忘れた、一瞬で連れ去られたのなら使う暇もなかった筈だ、しかしシアまで狙うとは愚かな、俺が気に入っているものを横取りするなら容赦しない、全てを狂気に沈めてやる」
ハジメ「こいつらはもう俺のいや、俺達の敵だ、ミュウを奪い返すぞ」
ハジメは怒りに顔を歪め空は狂気の矛先が見つかり薄く笑っていた