ありふれない狂人は世界最狂   作:寝心地

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こんにちは寝心地です、今回はヒロインとあのクソヤロウ(笑)の登場です、ではスタート!!


凡人、道場に通う

七海に貰った地図とチラシを片手に空は道場に向かっていた

 

 

 

空「えっと、ここを右で、真っ直ぐ行くと、ここか」

 

 

 

そこは古くからある日本特有の道場、呼び鈴を押すと女性の声が聞こえた

 

 

 

???「は~い」

 

 

 

空「えっと、七海さんに言われて来ました、空です」

 

 

 

???「あらあら、いらっしゃい、ちょっと待ってて」

 

 

 

少しして現れたのは大人の女性、黒髪を短く切り揃えた大人の女性だった

 

 

 

???「いらっしゃい、ようこそ八重樫道場へ」

 

 

 

空「お邪魔します」

 

 

 

中に入るとそこにいたのは初老の男と案内してくれた女性と同じくらいの年齢の男、まずは初老の男が順に紹介を始めた

 

 

 

???「ホッホッホ、改めてよろしく頼む、儂は八重樫虎之助、そしてこっちが婿養子の勝次君、そして娘の直美じゃ、本当なら孫も紹介したいんじゃが、生憎まだ帰って来ていないんじゃ」

 

 

 

空「こんにちは、空です」

 

 

 

虎之助「ん?、なんじゃ名字は無いのか?」

 

 

 

空「はい、俺は孤児院にいるのでまだ名字は無いんです」

 

 

 

虎之助「そうかそうか、それはすまんことを聞いた」

 

 

 

空「いえ、それで稽古をお願いしたいんですけど」

 

 

 

虎之助「おお!!、そうじゃったそうじゃった、ではその前に君の持つ刀を見せてくれんか?」

 

 

 

空「はい」

 

 

 

そう言うと空は背中の刀に手を伸ばし鞘ごと外すとゆっくり刀を抜いた、現れた刀身は刃の部分が鈍い赤に光り峰の部分は鮮やかな青に輝いていた

 

 

 

虎之助「ふむ、何とも美しい刀身じゃが、素材は何なんじゃろうな~、こんな色に光る鉄や鋼は見たことも聞いたこともない」

 

 

 

直美「綺麗な刀ね~、触っても良い?」

 

 

 

直美が手を伸ばしてきたため慌てて手を振り払った

 

 

 

空「すいません、俺以外がこいつに触ると怪我するんで」

 

 

 

その話を聞いていた虎之助が首をかしげた

 

 

 

虎之助「ふむ、それは刀じゃ刃に触れれば当然じゃろ」

 

 

 

空「いえ、俺はここに来るまで今まで1度も抜刀したことはありません、そして触った人間は骨折や事故にあったりしてるんです、俺以外は」

 

 

 

虎之助「ふむ、呪刀と言うことか」

 

 

 

空「いえ、どちらかと言うとこいつに守られてる気がするんです」

 

 

 

虎之助「ふむ、なら神刀かもな」

 

 

 

空「神刀?」

 

 

 

虎之助「うむ、要は君を守るために生まれた刀という訳じゃ」

 

 

 

空「俺を」

 

 

 

虎之助「大事にしなさい、それは君を守ってくれる」

 

 

 

勝次「その為にも強くならないとな」

 

 

 

空「はい」

 

 

 

数日後

 

 

 

空「ふっ!!、ふっ!!」

 

 

 

空は素振りをしていた

 

 

 

虎之助「う~む、彼の剣才は凄まじいな、恐らくもうこの生徒の中で勝てるものがほとんどいない、戦って見ないと分からんがな」

 

 

 

勝次「ですが何と言うか、少し窮屈そうですね」

 

 

 

虎之助「勝次君もそう思うか?、まるで無理やり家の型にはめたような剣筋なんじゃ」

 

 

 

勝次「虎之助さん、いっそのこと雫とやらせてみては?、彼の窮屈さの原因も分かるかもしれませんよ?」

 

 

 

虎之助「う~む、そうだな、雫!!」

 

 

 

名前を呼ばれサササッと虎之助に駆け寄る人が1人

 

 

 

雫「何?、おじいちゃん」

 

 

 

虎之助「うむ、実はなあそこにいる空君と試合をしてほしい」

 

 

 

雫「え!?大丈夫なの?、彼まだ剣術初めて数日でしょ?」

 

 

 

虎之助「うむ、なので試合ではなく、実戦に近い形にしたい」

 

 

 

雫「つまり?」

 

 

 

虎之助「儂が止めるまで好きに打ち合って貰いたい」

 

 

 

雫「ええ!!、本当に大丈夫?」

 

 

 

虎之助「兎に角頼んだぞ」

 

 

 

雫「ええ、良いけど」

 

 

 

続いて空を呼び同じ内容の話をすると快く承諾し各々準備に入り互いに構える

 

 

 

虎之助「では、始め!!」

 

 

 

雫が正眼の構えをとったのに対し空は竹刀を右手で持ち剣先を上に向ける 

 

 

 

雫「え!?」

 

 

 

生徒1「あれって片手上段って奴だよな?」

 

 

 

生徒2「でも何か変じゃね?、あいつ怪我してる訳じゃねぇんだろ?」

 

 

 

剣道において片手上段は怪我をした際仕方なく取る型という印象が強かった

 

 

 

虎之助「………」

 

 

 

そして互いに動かないまま時間だけが流れていた

 

 

 

生徒1「雫は何で動かないんだ?、何時もなら攻め立てて相手に攻撃させる前に倒すのに」

 

 

 

生徒2「あいつもだよ、上段何だから先に攻めないと駄目じゃん」

 

 

 

するとその時試合が動いた、仕掛けたのは空、その攻撃は決して速いものでは無かった、しかし雫は何故か動かず受けに回る

 

 

 

生徒1「嘘だろ!?雫が受けたぞ!?」

 

 

 

生徒2「何で!?雫なら避けられだろ!?」

 

 

 

雫 サイド

 

 

 

雫(この人!!)

 

 

 

雫が最初に一太刀受け感じたのは恐怖、彼の攻撃は決して速いものでは無かった、にもかかわらず身体動いてくれない、その理由は単純

 

 

 

雫(この人!!、私を殺しに来てる!!)

 

 

 

そう、空は雫を殺しに来ていた、意識したものではない、しかし長年戦い続けた心が無意識にそうなった、神に縛られたとはいえその本質が変わることはない

 

 

 

雫(何よ!!、これ、こんなのもう剣じゃない!!)

 

 

 

次第に雫の身体震えだし、抵抗する事すら恐れるようになった

 

 

 

雫「ひっ!!」

 

 

 

とうとう経たり込み竹刀すら投げ出し目をつむる彼の目を見れば、楽しそうに竹刀を振るう空、今まで黒かった目が、何故か赤く光っているように見えた

 

 

 

虎之助「そこまで!!」

 

 

 

竹刀が目の前で止まり雫は安心した

 

 

 

空「いや~、楽しかったよ!!、またやろうぜ!!」

 

 

 

その笑顔は先程竹刀を振っていたときと同じ無邪気な物だった、それを見て雫は思った彼はただ純粋に剣が好きなのだと

 

 

 

空 サイド

 

 

 

八重樫さんとの試合の翌日何時ものように素振りをしていた、

 

 

 

ある時

 

 

 

???「おい!!、お前、俺と勝負しろ!!」

 

 

 

空「……誰?お前?」

 

 

 

???「うるさい!!、人に名前を聞く時は自分から名乗るべきだろ!!」

 

 

 

空「いや、お前が勝負しろって言ったんだからお前が先に名乗れよ」

 

 

 

???「屁理屈を!!、俺は天之川光輝!!、さぁ勝負しろ!!」

 

 

 

空「俺は空、悪いが俺は忙しいから断る」

 

 

 

光輝「何!?、逃げるのか!!」

 

 

 

空「いや、お前との試合は面白く無さそうだから、雫さんの時みたいなワクワクもドキドキも無さそう」

 

 

 

スッパリ言い放つ空と何故か赤くなる雫、それを無視し光輝はわめきたてる

 

 

 

光輝「そうやって逃げるつもりだろ!!、卑怯者!!」

 

 

 

やれやれと空が大人の対応と虎之助さんの合意により試合が組まれたが、まぁ言うまでもなく全て一撃でねじ伏せられその度再戦を挑む光輝に嫌気が差した空は鳩尾に一撃いれ虎之助に全てを任せその日は帰路に着いた




と言うことで今回はここまで!!まぁくそ勇者との試合より華のある女の子との試合を細かく書いた方がモチベーションも上がるってもんよ~!!
てことでまた次回お楽しみに!!

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