ありふれない狂人は世界最狂   作:寝心地

30 / 41
切り札

遠藤を座らせ空とハジメだけ部屋に残り詳しい話を聞く

 

 

 

ハジメ「遠藤詳しく話せ、何があった?」

 

 

 

空「ああ、お前達には勇者と騎士が居ただろう、あそこにいる魔物なんて、ああそう言うことか」

 

 

 

ハジメ「何だよ」

 

 

 

空「簡単なことだ、あそこにいる魔物で奴らに危険は与えられない、それなら他所から来た魔物がいると言うことだ、恐らく魔人だろう」

 

 

 

遠藤「そ、そうなんだ!!、他にも見たこと無い魔物が何種類もいて数も多かった」

 

 

 

空「それなら勝てんだろうな、特にあのお人好し無能勇者を抱えていては、仮に追い詰めても殺せない、捕虜にしろ等とほざくだろうな、ところで話しは変わるが俺とハジメが落ちた時俺の槍が誰かを傷つけた筈だ、あれは誰だった?」

 

 

 

遠藤「え?、えっと檜山だったけど、あいつあれのせいで腕1本無くなって今隻腕で戦ってるんだ」

 

 

 

空「何?、人を殺そうとした、と言うか実質の殺人犯を野放しにしてるのか?」

 

 

 

遠藤「最初は騒ぎになったけどあいつが天之川の前で土下座してさ、それであいつが許してやろうって、それにちゃんとした物的証拠もなかったからな、正直八重樫とお前の姉はかなり怒ってたけど、お前あの槍に二人の怒ってる対象を殺すようにしてただろ?、それで2人とも何も言えなくなったんだよ」

 

 

 

空「ふむ、良かれと思って入れていたんだが」

 

 

 

ハジメ「何やってんだお前?」

 

 

 

遠藤「ってそれよりも!!、頼む2人とも!!皆を助けてくれ!!」

 

 

 

ハジメ&そら「「断る」」

 

 

 

遠藤「な!!、お前ら仲間がどうなっても良いのかよ!!」

 

 

 

空「遠藤、俺は前にも言ったがこれはお前達が選んだ道だ、俺はそれに対して何も言わん代わりに助けてもやらん」

 

 

 

遠藤「そんな!!」

 

 

 

ハジメ「遠藤、俺もだ勝手に仲間にするな、お前らは所詮単なる同郷の人間に過ぎない」

 

 

 

空「遠藤、1つだけ答えろ、姉と雫は無事か?」

 

 

 

遠藤「ああ、少なくとも俺のいた時は無事だった、2人ともお前らが生きてるって知ってめっちゃ頑張ってんだ」

 

 

 

空「そうか、ハジメ」

 

 

 

ハジメ「ああ、分かったよ、ミュウに装備造って貰ったしな、その礼だ」

 

 

 

空「クハハ、今回の事が終わったらついでに俺達も装備を新調するか」

 

 

 

その後ギルド長にも話を通し依頼として勇者達の救出に向かった、女性陣にもこの事を話し皆で着いてこようとしたがハジメが危ないからとミュウと護衛としてティオとミレディは留守番となった

 

 

 

勇者達 サイド

 

 

 

オルクス大迷宮内部

 

 

 

魔人「やっと見つけた、勇者がこんな場所にコソコソしてて良いのかい?」

 

 

 

光輝「黙れ魔人族!!、お前は俺が倒す!!」

 

 

 

香織「光輝君!!、まだ回復が!!」

 

 

 

雫「香織、私が前に立つは、その間に光輝を」

 

 

 

香織「うん」

 

 

 

香織が前に立ち刀を構える、魔人も雫を警戒する、今まで勇者パーティの中で最も多く魔物を倒したのはやはり勇者だが次点で雫だからだ、それも勇者のように大技による一掃ではなく理にかなった技術によるもの、力等よりよっぽど警戒するべき物だ、おまけに魔人が知る良しも無いが彼女の周りには空が造った守護天使(ヴァルキリー)がある、魔人はそちらも警戒し魔物を大量に雫にぶつけ解析していた

 

 

 

魔人「あんたか、あんたは下手したら勇者なんかより警戒するべきかもね、その槍も、でもその槍の弱点も分かったし、あんたは技術は凄いけど勇者のように大技は無い、違うかい?」

 

 

 

雫「その通りよ、でもそれがどうしたの?」

 

 

 

魔人「何?」

 

 

 

雫「確かに私に大技はない、この槍の弱点も私は分からないけど、でもだからって私が負ける通りは無いわ」

 

 

 

魔人「そうかい、なら死にな!!」

 

 

 

魔人が叫ぶと同時に複数の魔物が雫を囲みそれぞれの武器を振り下ろす、雫はそれを縫うように潜り抜け移動する

 

 

 

かわしきれない攻撃は守護天使(ヴァルキリー)に任せ魔人との距離を詰める、雫の狙いは最初から魔人で魔物など眼中に無い、邪魔になる魔物だけを切り伏せどんどん距離を詰めていく

 

 

 

それに気付いた魔人も下がり始め開いた距離に更に魔物が割って入る

 

 

 

魔人「そうかい、あんたの狙いは私かい、でも残念だったね、そう簡単に詰めさせはしないよ?」

 

 

 

雫「そう、でもそこはまだ私の射程圏内よ!!」

 

 

 

魔人「何!?」

 

 

 

雫は刀を思い切り握り大上段から振り下ろす、本来なら意味の無い行動、しかし彼女が持つ得物はこの行動に意味を与えるそれは雫の持つ切り札にして唯一の遠距離攻撃

 

 

 

雫「飛斬(ひざん)!!」

 

 

 

刀から斬撃が放たれ魔人の左腕を切り付ける、雫はそのまま距離を詰め斬りかかる、しかしその間に魔物が飛び込み雫の刀を受けそのまま消滅した、その影から魔人が大きめのナイフで斬りかかって来た、かろうじて守護天使(ヴァルキリー)が割って入りナイフを押し退ける、しかし同時に雫が無視していた魔物が現れ持っていた大鉈を振り下ろしてくる、守護天使(ヴァルキリー)は未だにナイフを押し退けており間に合わず雫も未だ体勢を建て直しきれていない、そのまま右肩に振り下ろしを受け腕が宙を舞い雫が吹き飛ぶ

 

 

 

雫「がああああ!!」

 

 

 

香織「雫ちゃん!!」

 

 

 

光輝「雫!!」

 

 

 

魔人が守護天使(ヴァルキリー)に押し負け後ろに下がる

 

 

 

魔人「今のは少しヒヤッとしたよ、でも残念だったね私の方が1枚上手だ、その槍一対一においては最強だけど一対多数には向かないのよ」

 

 

 

香織が雫に駆け寄り回復魔法をかける

 

 

 

魔人「さて、頼みの綱の勇者とそこの剣士ももう動けない、でも私は優しいからね、こっち側に来ないかい?」

 

 

 

光輝「ふざけるな」

 

 

 

魔人「何?」

 

 

 

光輝「ふざけるな!!」

 

 

 

すると光輝は立ち上がり近くに落ちていた聖剣を拾い雫以上の速度で魔人に斬りかかる、雫に受けた傷が回復しきっておらず避ける事が出来ずそのまま斬られた

 

 

 

魔人「まいったね、あの状況から逆転なんて、まるで三文芝居でも見てる気分だよ」

 

 

 

光輝が止めを指そうと剣を振り下げる

 

 

 

魔人は近くに落としたロケットを拾う

 

 

 

魔人「ごめん先にいく愛しているよミハイル」

 

 

 

剣が振り下ろされた、しかしその剣が魔人の命を奪うことはなかった

 

 

 

魔人「呆れたね、今になって人を殺そうとしていた事に気付いたのかい、まさか魔人族は人間じゃないと思っていたのかい?」

 

 

 

光輝「ち、違う!!、俺は知らなくて」

 

 

 

光輝が狼狽え隙をさらす、それを見逃す筈もなく

 

 

 

魔人「今だよ!!、あいつらを皆殺しにしな!!」

 

 

 

すると周囲を埋め尽くす程の魔物が現れ生徒達に詰め寄る、光輝は走り出し生徒達を守ろうとした、しかし突如崩れ落ちる

 

 

 

魔人「力の代償かい、まぁあれだけの状況を覆せる力だ、代償無しなんてあり得ないか」

 

 

 

やがて香織と雫の近くにも魔物が近づく

 

 

 

香織「ごめんね、約束守れそうにないや、空、南雲君、ごめんね」

 

 

 

雫「こんなことならちゃんと気持ちを伝えたかったな、空」

 

 

 

魔物が手に持ったこん棒を振り下ろそうとした時、天井に穴が空き何かが魔物に落ち、そのまま頭を潰した

 

 

 

空「最も注意すべきは危機に陥った時ではなく、信じられぬ程の優勢にたった時だ、例えば勇者を倒した後とかな?」

 

 

 

現れたのは漆黒の外套を纏った空

 

 

 

ハジメ「何言ってやがる、勇者の危機とか優勢のうちに入らないだろ、勇者が死んだ時こそ本当の優勢だ」

 

 

 

その後穴から再びから落ちてきたのはハジメだった

 

 

 

魔人の前に今、2人の死神が舞い降りた




という事で今回はここまで、次回は無双会です、

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。