ありふれない狂人は世界最狂   作:寝心地

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愚者達の末路

魔人襲撃の翌日早朝 ハジメ達の泊まった宿

 

 

 

空「ふわぁ~、出来たぞ」

 

 

 

ハジメ「お前、確かに装備新調するとは言ったが今じゃなくて良いだろ、ちゃんと寝とけよ」

 

 

 

空「問題ない、どうせ移動はお前の運転だ、その間に寝る」

 

 

 

ハジメ「はぁ、で?、今回はどんなチート装備創ったって?」

 

 

 

空「ああ、まずはシアからだな」

 

 

 

ガートルの投げナイフ

 

 

 

ガートルと言う蜥蜴型の生物の爪から創られたナイフ、この生物の前では距離は全て0になる、死後もその特性を受け継ぎ持ち主の手を離れた瞬間目標に刺さる

 

 

 

タンナムの外套

 

 

 

死神タンナムの纏っていた外套、低確率で攻撃に即死効果を付与する他1日に1度だけ死を回避することが出来るがこれは力を封印されている昼の効果である、夜になると真なる効果を発揮し使用者に死が訪れることはなく敵対者に絶対なる死を与える、この死から逃れられた者は未だかつて1人しかいない

 

 

 

シア「???、すいません凄いことは分かるんですが凄すぎて良く分かりません」

 

 

 

ハジメ「つまり、絶対に当たるナイフと死ななくなる外套ってこった、しかしこの死から逃れた1人って」

 

 

 

空「ああ、オレの事だ、この外套もその時手に入れた、ボロかったから多少修復したがな」

 

 

 

ハジメ「だろうな」

 

 

 

空「さて、次はユエ、と言っても耳飾りとネックレスだが」

 

 

 

ネクロスの首飾り

 

 

 

死者達の王、ネクロスの着けていた首飾り、全ての死者をゾンビやレイス等アンデットとして操り、あらゆる魔法を魔力消費無しで扱うことが出来る、しかし代償としてアンデットが破壊される度魔力を消費し魔力が0になると魔法も使えなくなる

 

 

 

麒麟角の耳飾り

 

 

 

最速の生物、麒麟の角で出来た耳飾り、麒麟のスピードと雷の加護を得られる、雷雲を呼く事ができ雷の響く間魔力を超速で回復させる事が出来る

 

 

 

ハジメ「……良かったなユエ、立派なネクロマンサーだ」

 

 

 

ユエ「ハジメ、助けて」

 

 

 

ハジメ「ごめん無理」

 

 

 

空「何だ不服か?」

 

 

 

ユエ「強すぎて持つのが怖い」

 

 

 

空「クハハハハ、こんなのまだ俺の持つ物の中では中の下だ、さて、ミュウにはこれだな」

 

 

 

ミュウ「ミュウも?」

 

 

 

空「ああ、今から行くところはそれだけでは危ないからな」

 

 

 

環境蟲の羽根

 

 

 

あらゆる環境に適応する蟲の羽根、持っているだけであらゆる環境効果を無効にする事ができ、水中呼吸や嵐を無視し通り抜けることが出来る

 

 

 

空「ミュウは戦うことは無いからな、戦力よりもそれ以外の面に適した物にした」

 

 

 

ハジメ「サンキュー、これから行くのは火山だからな、ミュウに一番必要な物かもな」

 

 

 

空「ハジメにはこいつだな、武器と言うより素材だが」

 

 

 

パンデミミック

 

 

 

存在しない素材すらも産み出すミミック、全ての生産者が喉から手が出る程欲しい道具だが誰も手にしないのは希少だからではなく扱いがとてつもなく難しいからである、後ちゃんと餌を与えないと噛まれる

 

 

 

ハジメ「扱いが難しい?」

 

 

 

空「ああ、例えばミスリルを産ませようとした男の話だが数の指定をしなかった結果大量にミスリルが産まれ市場価値が崩壊し大変な事になった」

 

 

 

ハジメ「成る程、確かに扱いが難しいな」

 

 

 

空「さて、そろそろ行こう」

 

 

 

空達は宿を引き払い町を出るため門の前で積み込み作業をしていた、その時勇者パーティが現れ香織と雫が近づいてくる

 

 

 

空「姉か、何だ?」

 

 

 

香織「空、無事で本当に良かった」

 

 

 

空「俺の強さは知っていると思っていたが?」

 

 

 

香織「ええ、でも目の前から居なくなった、死んでないとしても、心配したわ」

 

 

 

空「そうか、まぁ恐らくだがこの世界で俺を殺せる奴はいないと思うから安心して良いぞ?」

 

 

 

香織「ええ、そうね、でも不安になったのは本当、だから私も着いていくわ、雫ちゃんもね」

 

 

 

空「何?」

 

 

 

香織「それに南雲君、ハジメ君にも伝えないことがあるから」

 

 

 

空「そうか、なら伝えると良い、同行の話も俺は構わんがハジメにも許可を取るんだな」

 

 

 

香織「うん、ありがとう」

 

 

 

香織がハジメの元に行くと今度は雫が近付いてきた、と思った瞬間空は殴られた

 

 

 

雫「ふんっ!!!」

 

 

 

しかし今の空にとってそれはダメージにすらならなかった

 

 

 

空「何のつもりだ?」

 

 

 

雫「あら?、言わなかったかしら?、貴方を殴りたいって」

 

 

 

空「本当にやるとは思わなかったな、それで?、お前も着いてくるんだったか?」

 

 

 

雫「ええ、よろしくね、後ね空、私貴方に伝えたいことがあるの」

 

 

 

空「何だ?」

 

 

 

雫「私は、白崎空の事が好きです、だから付き合って下さい!!」

 

 

 

空「ぬ?」

 

 

 

すると

 

 

 

光輝「ま、待ってくれ!!、雫も香織も着いていくって、どうゆう事だ!?、それに雫が空を好きって」

 

 

 

雫「どうもこうもないわ、私は空が好きで香織は南雲君が好き、だから2人に着いていくの、それだけ」

 

 

 

光輝「な!?、そんな、そんなはずは、そうか、空!!!、2人に何をした!!!」

 

 

 

空「ん?」

 

 

 

雫「ちょっと光輝、何言ってるの?、私達は自分意思で着いていくの」

 

 

 

光輝「いや、そんなはず無い、だって雫も香織も見ただろう!!!、空があの人を無惨に殺した姿を!!!」

 

 

 

空「哀れで滑稽とはもうどうしようもないな」

 

 

 

光輝「何!?」

 

 

 

空「お前は今あの人と言ったな?、だがお前はその『人』を殺すために今まで鍛えてきたんだ」

 

 

 

光輝「違う!!、俺はそんなことはしない!!」

 

 

 

空「甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い甘い」

 

 

 

雫「そ、空?」

 

 

 

ハジメ「ヤバい!!」

 

 

 

ハジメは全力で雫に近付き担ぎ上げると走り出した、それと同時に空の姿が消え次の瞬間光輝の前に現れ、一撃を加える、しかしそれでは止まらない、2撃、3撃とハジメですら見えない速度で拳を繰り出す、それでも光輝が死なないのは空の技能数珠繋ぎの命により何度も蘇生しているからに他ならない

 

 

 

雫「空!!、やめて!!」

 

 

 

ハジメ「八重樫も白崎も近付くなよ」

 

 

 

空に近付こうとする雫と近くにいた香織をハジメが止める

 

 

 

雫「南雲君!!、放して!!このままじゃ光輝が殺されるわ!!」

 

 

 

ハジメ「いや、死にはしない、と言うか何回も死んでるが空の技能で蘇ってる、今の空はキャパオーバー寸前だ、あのアホ勇者の現実を見ない思想を空が処理しきれなかった、それで原因を排除しようとする本能を今知性でギリギリのところまで押さえ込んでる、結果蘇生させてるんだ、でもそれもギリギリだ、ちょっとしたきっかけでいつ本能が溢れ出すか分からない、その瞬間あのアホの命はない」

 

 

 

雫「そんな!!?」

 

 

 

ハジメ「だから近付くなよ、下手したらお前まで巻き込まれる、そうなったら空は後悔しながら生き続ける事になる」

 

 

 

雫「え?」

 

 

 

ハジメ「空はお前の事をお気に入りと言った、それを壊されるのはあいつ自身が原因でもあいつは許せないのさ」

 

 

 

雫「空…………」

 

 

 

それから何分、何時間経ったのか、空の拳が止まりおもむろに立ち上がる

 

 

 

空「ふぅ、あまりの愚かさに132回も殺してしまった」

 

 

 

ハジメ「もう馬鹿に付き合ってる暇はない、さっさと行くぞ」

 

 

 

空「そうだな、姉と雫は後ろに乗れ」

 

 

 

ハジメ達が準備を終え乗り込もうとした時

 

 

 

檜山「ま、待てよ!!、いくらなんでも白崎と八重樫が抜けるのはヤバいって!!」

 

 

 

それは隻腕となり最早落ちこぼれとなった檜山だった

 

 

 

空「何だ、貴様居たのか」

 

 

 

檜山「うるせぇぞ空!!、お前のせいでこうなったんだよ!!」

 

 

 

空「ふむ、それはお前のせいだろ、俺を狙えば俺の槍が飛んでくると分かっていた癖にな」

 

 

 

檜山「うるせぇ!!、俺はお前なんか狙ってねぇ!!、俺は南雲しか……あ」

 

 

 

空「ふん、墓穴を掘るとはこの事だな、今の言葉は魔法で録音させてもらった、後日城に転送しておく、残りの余生は牢屋だな」

 

 

 

檜山「くっそ~!!!、死ね~!!!!」

 

 

 

檜山が槍を構え突貫する、しかし

 

 

 

空「愚かな、大人しくしていれば牢屋に行けたものを」

 

 

 

空『ダーマル』

 

 

 

空は何かを呟くと突如骨で出来た門が檜山の背後に現れ扉が開く、そこから赤い手が無数に現れ檜山を中に引きずり込む

 

 

 

檜山「嫌だ、やめろやめろやめろやめろ!!!、ぎゃああああ!!!」

 

 

 

やがて檜山の身体が扉を完全に潜るとゆっくりと閉まった

 

 

 

空「地獄の奥底の更に下、暗獄への扉だ、地獄を管理する鬼すらその場所では無力、ましてや人など獲物にしかならんだろうな」

 

 

 

その光景を見ていた勇者パーティの面々は青ざめ震えていた

 

 

 

空「待たせたなハジメ」

 

 

 

ハジメ「まぁ、後は任せてゆっくり休め」

 

 

 

空「そうさせて貰う」




と言うことで今回はここまで、また次回よろしくお願いします

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