勇者パーティから雫と香織を連れ出した空達は新たな大迷宮グリューエン大火山に行くため車を走らせていた、光輝と檜山が酷い目にあっているのを見て流石に誰も逆らえなくなったのか黙々と積み込み作業している間口を開く者は誰もいなかった
空「悪いが力を使いすぎた、少し寝る………………zzZ」
ハジメ「ああ、そうしろ、って早いな!!」
徹夜と無理な力の行使の影響か流石に疲労を覚えた空は車内で眠る事にした、その様子を雫と香織は少し不安と心配の入り交じった優しい微笑みで見ていたが我慢出来ずにハジメに話しかけた
雫「南雲君、空一体どうしちゃったの?、こっちに来てからの残虐な殺人に光輝への暴行、地球にいた時はそんなこと1度も無かったのにそれに何か性格が変わっちゃっるし」
香織「そうだよ、ハジメ君、それに光輝君を殴る前の様子とか何と言うか少し、その、人間じゃないみたいで怖かった」
ハジメは何も言わず車を運転する
雫「南雲君お願いだから教えて恋人として知りたいの、何か知ってるんでしょ!!」
香織「そうだよ、ハジメ君、お願い、私は姉として知りたいの」
ハジメ「香織はともかく八重樫はまだ空が認めて無いだろう」
雫「え?」
ハジメ「いや、え?、じゃなくて空が答える前に天之川が空に突っ掛かって行ったせいでうやむやになっただろ?」
雫ははっとした後わなわなし出し叫ぶ
雫「光輝~~~~~!!!」
空「……………………うるさい」
雫「あ、ごめん、ってその前に空!!、返事は!?」
空「ぬ?」
雫「ぬ?、じゃなくて!!、返事よ返事!!、私の告白に対する返事!!」
空「……………………分からん、まぁその辺はハジメに俺の事を聞いた後にしてくれ……………………zzZ」
雫「ちょ!?、もう!」
香織「あ、あははは、それでハジメ君、空の事って?」
雫も思い出した様にハジメの方を見る、ハジメは1つ息を吐き語り始める
ハジメ「…………これは俺が空に奈落の底で聞いた話だ、その時はユエもいた」
ユエは静かに頷きシアがミュウと遊びハジメに意識が行かないようにする
ハジメ「俺達はこの世界にとっては転移者だ」
雫「転移者……確か世界を渡った人の事の総称みたいな物よね?」
ハジメ「そうだ、だが空は少し違う」
香織「え?」
ハジメ「空は地球の人間ではあるが前世の記憶を持ってる、つまり空は地球で見れば転生者だ」
雫「転生者」
香織「空が?」
雫と香織はほぼ同時に空を見る、そこには20人以上のメイドを殺した殺人鬼とは思えない優しい寝顔を浮かべている1人の少年がいた
ハジメ「空だってこんなことを望んでやってる訳じゃない、ただ前世の記憶と力が空を『普通』であることを許さない」
雫「空に一体何があったの?」
ハジメ「聞くか?」
香織「え?」
ハジメ「言っとくがこの先は俺ですら口にするのもおぞましい、今の俺がだ、それがどういう意味か分かるよな?」
香織と雫は少し顔を強ばらせ互いを見た、ハジメの姿に安易に聞くと言えなかったからだ、少し互いを見た後再びハジメに向き直り2人同時に決意した
香織&雫「「聞く」わ」
ハジメ「……………………そうか」
それからハジメは空の前世の一生を語り始めた