やはり俺が幻影旅団と関わるのは間違っていない   作:ロト7一等当選

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オモカゲはいつ仲間になったのか



やはり俺が映画に登場する敵役オモカゲと話すのは間違っている

街のごろつき共が去り、平和な瞬間が訪れた。

 

 

「どぅもありがとう!僕は人形師のレツ、君は?」

「俺はハチマン、ハチマンヒキガヤだ」

「私はマチ、マチコマチネ」

「そうか、ハチマン、マチよろしく」

俺たちは軽い握手をした。

ていうか、マチの苗字ってコマチネっていうのか、初めて知った。

なんかコマチネっていうと、コマネチみたいで、とある芸人を思い出すな。

今度やってみようかな、マチの前でコマネチっつって。

ウケるかな…やめとくか、多分俺◯されるわ。

 

 

 

 

 

 

 

「さっき見させてもらったんだが…レツの人形すごいな、まるで生きてるみたいだ」

「ありがとう、見ていてくれたんだね」

レツはニコリと笑う。

その姿はまるで女の子で、戸塚を思い出す。

 

「へー、そんな凄かったんだ」

「あ、ストリートでやるには勿体ないくらいにな」

「そんなことないよ」

 

「でもああ言うふうに動かすにはだいぶ苦労したんだろうね」

「まあそうだね」

レツの指を見ればそれなりに苦労したんだろうなと察しがつく。

これほどの技術、ここまで仕上げるのに一体どれほどの年月を費やすだろうか。

 

 

「そうだ、二人になにかお礼をしたいな」

レツはなにがいいかなと話しかける。

 

なにがいいかだって?そんなのもちろん決まってるだろう。

「お礼か、んじゃここにサインを貰える?」

俺はレツにサインをもらった。

「おやすいごようさ」

レツはサラサラと色紙に描いてくれた。

この世界に来て芸能人にサインを貰うのはなんだかんだ初めてなので、素直に嬉しい。

 

 

 

 

レツからのサインを空に掲げる。

芸能人にサイン貰うやつは馬鹿とたかを括っていた俺だが、撤回しよう。

もうこれからは満足にミーハーを叩けないね。

 

俺が浸っていると、突然後ろから声をかけられる。

「うちのレツに何か用かな?」

 

長髪で痩せ細った不気味な男だ。

そしてそいつがいつの間にか俺の後ろに立って声をかけてきた、まったく気配がしないもんだからびっくりした。

まったく、俺でなきゃショックししちゃうね。

 

「レツ?あんたレツのなんなのさ?」

港のレーツヨコハマヨコスカ〜

こういうときマチは頼りになる。

俺とちがい、まったくビビっていないからだ。

マチが男を睨むと、男もマチを睨み返す。

 

「お前こそレツのなんなんだ?」

というか名前呼びだ。

もしかしてただならぬ関係か?

 

双方が一触即発の雰囲気に達した時、レツが声を上げる。

「ちょ、兄さんやめてよ!」

「え、兄さん?」

なんだこの人お兄さんだったのか。

俺はレツの兄貴を交互に見る。

うん、似てない。ほおが痩せこけていて、目が充血していて明らかにヤバい人である。(重度のシスコンを思わせる気がある)

 

「うちのレツに手を出そうなんて、容赦しないぞ?」

「容赦しないってなに?大体私らはレツを助けたんだけど?あんたこそ私たちより先にレツを助ければ良かったんじゃない?」

「なに?それは本当か?」

「本当だよ、兄さん」

レツ本人が言ったことで誤解が解けたらしい。

良かったこんな危なそうな人、相手にしなくて。

「そうだったのか、俺はてっきりこの男が妹をナンパしてるのかと。レツはかわいいからな」

「いや、ナンパなら女の子と一緒にいないでしょ」

「それもそうだな」

なるほどうちの妹なら手を出すなって、それで動いたのか。

まあ俺も小町がいる身としては分からんでもないが。

 

 

…いやちょっと待て。

「あれ、レツって女だったのか…」

「え、知らなかったの?」

 

「ハチ、あんた知らなかったの?こんな綺麗な人、男なわけないでしょ」

「綺麗だなんてそんな…」

なんだマチは気づいていたのか、まあ女性同士だからそこらへんは言わなくても分かるのかもしれないが。

「まあでも確かに、こんなかわいい子が男なわけとは思ったりもしたけど」

「…」 

 

 

「おい、兄貴がいる前で妹を口説くとはいい度胸だな?」

俺が言った途端に、オモカゲが鬼の形相で睨みつける。

なぜだ、俺は褒めただけなのに…とは思ったものの口には出さなかった。

「まあまあ、ハチマンも口説くとかそういうんじゃないよ、ねえハチマン」

レツがここで俺に助け舟を出す。

「まあな、でも俺にも妹がいるからお前の気持ちもわかるが」

「なに?」

その話を聞いた途端オモカゲの顔つきが変わる。

「なに?ハチマンに妹がいるなんて初耳なんだけど」

マチも知らないのか、食い気味で尋ねてくる。

 

「へー、ハチマンの妹さんってどんな子なの?」

「生意気なやつだったよ、でも俺にとっちゃ天使みたいな感じかな。もうこの世界にはいないんだけどな」

確かにこの世界にはいない。

どうやらこの世界に転移したのは俺だけらしい。

 

「妹の話聞きたいね。話してくれない?」

マチが俺に尋ねる。レツとオモカゲも頷く。

「まぁいいよ。面白くないかもだけど」

そして俺はどこにいるか分からない、会えない小町のことを思い浮かべながら俺は、かつての記憶を辿るように、3人に話した。

 

俺と小町の思い出を聞いた3人はそれぞれ神妙な面持ちをしていた。

 

「そうだったんだ、ごめんね変なことを聞いて」

「いや、気にしないでくれ。それに思い出せてスッキリした」

レツが謝るが、俺は首を横に振る。

「ハチにこんな過去があったなんてね」

マチも今までにないくらい優しく話しかける。

「貴様の妹に対する愛は分かった。どうやら貴様とは同志。仲良くなれそうだ。先ほどの無礼、許してくれ」

なんか勝手にクレイジーシスコンに同志にされたんだが。勘弁してくれ。

 

 

 

 

自分の過去を話したことで、少しだけマチとも、こいつらとも仲良くなれた気がする。それに何より自分の気が楽になった。小町の話題を出すと哀しくなるから極力話さないよう蓋をしていた。でもいざ開けてみたらそうではなかった。この意外さに自分も驚いた。

 

 




ちょっと、あらいかな
はちまんとハンターハンターのクロスオーバーもっと見たい!

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