とある絶対零度のヒーローアカデミア   作:カロライナ

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個性把握テスト

相澤先生の発言から始まった個性把握テスト

 

最初はソフトボール投げ

 

「準備運動の済んだ者から進めていく…スロースターターな“個性”の持ち主もいるからな。最大値を測るなら、出席番号順より合理的だ。」

 

確かにそういう人も居るだろうから合理的ではあるけど僕と美琴ちゃんには関係ないな。

 

「最初は誰だ?」

 

「俺だ!!お前らは俺の後塵を拝してやがれ!!」

 

先生の質問に爆豪君が自信満々にそう言うと引ったくる様に先生からボールを受け取る。

 

「死ねぇ!!!」

 

ヒーローらしからぬ掛け声と共に、ボールを爆風に乗せて投げ飛ばした。

 

「記録、705.2m…なかなかのもんだ。」

 

相澤先生の言葉にドヤ顔を決める爆豪君。

 

「まあ妨害行為をしなければ入試3位なだけは有るが威張るほどじゃないな。次は誰だ?」

 

「じゃあ僕がいきます。」

 

「緑谷か。爆豪、見ておけ。歴代断トツ1位を叩き出した2人の内の1人の実力をな。」

 

「なっ!!クソデクが1位だと!!」

 

相澤先生の発言に此方を睨み付けてくる爆豪君を無視し、受け取ったボールを水で包み、自分の周りに浮遊させる。

 

そして右手を前に出すのに合わせて、ボールを顔の横に待機させる。

 

「ショット!!」

 

その一声に合わせて放たれたボールはいきよい良く飛んでいき、反対側のフェンスに直撃する。

 

「「「「「「なっ!!マジかよ…」」」」」」

 

「はっ?……ふ、巫山戯んな!!どういうことだ!!クソデク!!何でテメェに個性がある!!」

 

その結果を見た爆豪君が個性を使いながら飛び掛かって来たので素早く爆豪君の懐に潜り込み、伸ばされた右手を掴み、組み伏せながら後ろで拘束し、左手を足で固定する。

 

「コレは僕が学園都市で研鑽し手に入れた力だ。君にとやかく言われる覚えは無い!!それからヒーローになりたいのに直ぐに暴力に頼るとか何を考えてるの?」

 

僕は組み伏せた爆豪君に冷ややかな視線を浴びせながらそう呆れながら聞く。

 

「緑谷。そこまでだ。それから爆豪、除籍になりたいのか?お前は教師陣の温情で雄英に入れた事を忘れるなよ。」

 

相澤先生も冷えた目で爆豪君にそう注意するので、僕も彼の上からどく。

 

「まあ。こういう風に行っていく。解ったらサクサク勧めていけ。」

 

相澤先生の指示で止まっていた皆が動き出す。

 

因みに僕の記録は測定不能となり、美琴ちゃんもボールが耐えきれずに消滅した事から二人揃って測定不能となった僕たちと個性で無限を叩き出した麗日さんが同率1位となった。

 

続く50m走は美琴ちゃんが電気で肉体を強化する事で1位になり、僕は水をウォータージェットの要領で加速する事で高速移動を可能ですかしたが僅差で飯田君に負けて3位となった。

 

立ち幅跳びは僕は空中に氷の足場を形成する事で無限と云う記録になった。

 

握力は2人とも機械を壊してしまい測定不能で平謝りした。

 

次の反復横跳びは美琴ちゃんが1位で、ブドウ頭の峰田君が2位で僕が3位となった。

 

上体起こしは峰田君が1位で2位が美琴ちゃん、3位が僕となった。

コレは美琴ちゃんの技の持続時間と、僕の能力のタイムラグから背中と腹にゴムボール?の様な個性で反射する峰田君には敵わなかった結果だ。

 

長座体前屈は氷と水、そして砂鉄で記録を伸ばした僕と美琴ちゃん、轟君が同率1位となり、舌と個性であるダークシャドーを駆使した蛙吹さんと常闇君が同率3位となり、能力を活かしようがない人は普通の結果になった。

 

持久走はバイクを作った八百万さんが1位で、僕が2位、3位に飯田君となり、4位に持続時間重視の身体強化術を使った美琴ちゃんがランクインした。

 

そしてトータルでは

 

1位は僕

 

2位は美琴ちゃん

 

3位は八百万さん

 

4位が轟君

 

5位が爆豪君

 

と続き最下位は峰田君となった。

 

全員の視線が最下位に集中し―

 

「ちなみに除籍は嘘な。」

 

その言葉で一斉に、相澤先生の方を向き―

 

「君らの最大限を引き出す合理的虚偽だ。」

 

その場に崩れ落ちた。

 

けど僕と美琴ちゃん、それから八百万さんは平然と立ったまま、相澤先生の言葉を受け止めるが、受け止め方は違った。

 

「あんなのウソに決まっているじゃない…ちょっと考えればわかりますわ…」

 

と、八百万さんは言うけど僕と美琴ちゃんは今の発言こそが嘘だと見抜き、自分達が相澤先生のお眼鏡にかなったのだと理解したが、敢えて何も言わないのだった。


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