自分の書いたゲーム転生小説の主人公に成り代わってしまった主人公の話   作:ぱgood(パグ最かわ)

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こんにちは ぱgoodです。

第十四話の【虚心】の台詞を

「え、えっと、ぼ、ぼ、ぼ、ボクは皆さんと仲良くできたなぁって、お、お、おおおお思います。はい!」から

「え、えっと、ぼ、ぼ、ぼ、ボクは皆さんと仲良くできたらなぁって、お、お、おおおお思います。はい!」に修正しました。


また、第十五話の

『いや、そうなると世紀末、もしくは原始の時代の荒くれものが生まれるか?

 

……………やっぱり、実技は大切だよね!』

の部分を
『いや、そうなると世紀末、もしくは原始の時代の荒くれものが生まれるか?

 

……………やっぱり、座学は大切だよね!』

に修正しました。



いくらなんでも圧倒的過ぎない?(修正)

☆☆☆

まさか、防人の中でも上位五人しかなれない護懐とかいうトップランカーに会うことになるとは……

 

しかも今日で二人、片方は元護懐だけど…………。

 

世間って狭ぇぇ。

ていうか、やっぱり、護懐って一応いるのか。

主人公の父親以外は設定も作っていなかったらいなくてもおかしくないと思ってたけど…………。

 

う~ん、やっぱりここら辺は補完されているってことなのか。

もしくは、俺がこの世界のことを思いっきり勘違いをしているだけなのか。

 

いや、今はいいや、取り敢えず重要そうな話をしているから、そっちに意識を向けるか。

 

「それでさ、真道君ってこの後暇ある?」

「え…………まあ、あるにはありますが。」

「そうですね~。真道君は~、特別防人なので~、昼休み終わりのダンジョンに潜るかどうかも自己判断ですからね~、実質この後はフリーですね~。」

 

ふむふむ、この後の真道君の予定を聞くなんて、ほんとにデートっぽくなってきたな~。

 

「だったらさ、勝負しようよ。今から‼」

「……っえ⁉今からですか⁉」

 

 

何か勝負する流れになった。

 

一体何がどうなってるん?

 

なんの勝負?

 

俺は頭に疑問符をいくつも浮かべる。

ただ、疑問符を浮かべていたのはどうやら俺だけではなかったようだ。

 

「勝負ってゲームをしようってことですか?」

「へっ?違うよ。戦おうってことだよ!」

「いや、なんで勝負するんですか⁉戦う理由もないのに!」

「……っえ?急にそんなこと言われてもなぁ。

強いて言えば、ほら分かり合えるじゃん。戦った方がさ、お互いのことが。」

「っいや、戦わなくても分かり合えるでしょ。話し合えば…………」

「そう?私と先輩は初めての挨拶の時に戦って分かり合ったけどなぁ?

最近の子はそうじゃないの?」

 

おっ、真道君がぴくって動いた。

ムムム、お父さんの話題だったからだろうか?

確か、真道君はお父さんみたいな人になりたいとかなんとか、設定があったはず。

 

今のはお父さんの話を出されてついつい反応してしまったって所かな?

 

無駄な戦いを好むタイプじゃないけど、お父さんの話題を出されたら…………彼にとっては無駄な戦いじゃなくなるのかな?

 

「…分かりました。勝負しましょう。あくまでもお互い怪我をしない程度で。」

「やったぁ!じゃ、ハンデとしてマジックチップは使わないであげる‼」

「はっ?本気で言ってるのか?……じゃなかった本気で言ってるんですか?」

 

護懐の人のセリフに真道君は目を白黒させる。

まぁ、確かにこの世界の戦い、特に人間界ではマジックチップがものをいう。

それを考えれば彼が驚くのも無理はない。

 

ただ、この世界には魔法の他に固有魔力波というものがある。

彼女の能力が汎用性の高いものであれば、この申し出もそこまでおかしくはない。

 

まあ、俺もそこまで固有魔力波に詳しい訳じゃないけど。

 

いや、すいません作者なのに…………。

正直、そろそろ、俺の作者としてのアドバンテージが無くなってきてるんだよな。

 

前にも話したけど、序盤しか話は作ってないし…………。

俺がそんなことを考えている間も話は続く。

 

「本気も本気、だって私ならそれで余裕だもん。」

「いや、ですが………。」

 

真道君は雪白先生をちらりと見る。

それに対し、雪白先生は手元にあるジュースを少し飲んだ後にのんびりした声音で真道君の懸念に答える。

 

「好きにさせたらいいですよ~。少なくとも怪我はしないと思うので~。」

「ねっ?だから、大丈夫だよ。あっ、それとくるみん、審判任せても良い?」

「え~、無理です~。先生は~ここで森林浴をするっていう大切な用事があるんです~。」

 

そう言うと、雪白先生はどこからともなく、タオルケットを取り出し、自分の膝にかけ、ビーチチェアの腰掛を更に倒す。

 

あれ、完全に寝る体勢だろ。

 

「やっぱり、やめましょう。審判もいないですし。」

 

真道君はよほど護懐の人のことが心配なのか戦いの中止を提案する。

まあ、確かにマジックチップを使えるのであれば、咄嗟の際に防御魔法で自分の身を守れるけど、マジックチップを封じちゃったらそれも出来ないだろうからね。

 

これが戦人とかだったら別なんだけど……………。

 

「う~ん、そうだよねぇ。本当はくるみんに審判お願いしたかったんだけど仕方ないね。

そこで隠れてる子にお願いしよっか。」

 

そう言うと、護懐の人はこちらをジッと見る。

 

えっ?

 

バレてます?

 

いやぁ、そんな筈ないよね。

 

俺は息を殺し、ジッとその場で丸くなる。

 

絶対ハッタリ。ハッタリであってくれ。

 

「も~、わかってるんだからね~。真道君が入って来た時に一緒についてきてたの‼」

 

うん、バレてますね。

完全に。

 

俺は仕方なく屋上の扉を開き、中に入る。

いや、バレるなんて思ってもいなかった。

 

まぁ、護懐がいた時点で気づくべきだったんだけど、まさか護懐に会うなんてそもそも思ってなかったし、うん、仕方ないか。

 

「もしかして麗か?」

 

真道君はついてきた人間を剣凪さんと勘違いしているらしい。

残念だけど、同じクラスのモブPです。

 

なんてね。

 

「…いやぁ、すいません。…えっと初めまして音長です。

ちょっと、教室での真道君の様子が気になってついてきてしまいました。」

 

気まずい。

 

どうせ、誰も碌に名前も覚えていないようなモブが出しゃばってすいません。

 

「お前、同じクラスの音長盆多だろ?……ついてきてたのはお前だったのか」

 

真道君がそんな風に俺のフルネームを言い、ついてきていたのに驚く。

 

えっ、真道君。君、俺の名前覚えてたの?

 

「お友達?」

「…いや、そういう訳でもないけど………。同じクラスの仲間だしな。名前は覚えてる。」

 

真道君ッ!

 

君ってやつは!

 

俺ですら未だにクラスメイトの名前全員は言えないのに!

 

「ほへ~、そっか~。よろしくね。音長君。それと審判頼めるかな。」

 

えっ?いやぁ~、流石に、めんど、いや、昼食を食べるという大切な用事があるしなぁ~。

 

「う~ん、む「ありがとうっ!」……はっ?」

「今、うんって言ってくれたよね。じゃ、行こっか!」

 

そう言うと、護懐の人は俺を脇に抱える。

 

その後、何が起こったのか俺には分からなかった。

ただ、視界がブレたかと思ったら、いつの間にか、校庭に立っていた。

 

多分、転移ではないと思う。

風が吹き荒れ、砂埃が舞ってるし、三半規管がかなりやられて、体がふわふわする。

 

高速移動の類だと思う。

目で捉えられなかったけど。

 

ほんとに一瞬で視界が切り替わったみたいな感じだ。

 

俺と、護懐の人、確か弧毬さんに続き、真道君も、屋上から飛び降り、無事校庭に着地する。

 

真道君、身体能力ヤバいな。

 

勿論、小毬さんの移動速度もはた目から見たらえげつなかったんだろうけど。

 

いや、それよりも俺、教室帰りたいんですけど‼

 

「すいません。俺忙しいので……」

 

俺はそう言ってその場を後にしようとして…………足が動かないことに気づく。

そして、俺が足が動かないことに動揺していると小毬さんが俺の耳元に顔を寄せる。

 

そして、

 

「ねぇ、盗み聞きしておいて何もせずに帰れると思う?」

 

体の穴という穴から汗が噴き出る。

 

やばい、完全に虎の尾を、もしくは龍の逆鱗を刺激してる。

 

このままだと殺される。

 

それを本能的に理解する。

 

…………やるしかない。

 

俺は度重なる命のやり取りで培った直感に従いそう決意する。

 

………………取り敢えず、二人とも、位置についてもらうか。

 

「…………それでは、二人とも戦闘位置、そうですね十メートル位離れて貰っても良いですか?」

「オッケー、良いよ~。」

「俺もそれで構わない。」

 

二人はそれぞれ頷き、校庭の真ん中からそれぞれ、反対の方向に十メートル位離れてから魔剣の峰を相手に向けた状態で構える。

 

 

「では、はじめ‼」

 

 

俺のかけ声と共に、真道君が魔剣の刀身に触れ、仕掛ける。

少し離れて見ている俺の目でも追いかけるのがやっとな速さでの接近だ。

しかも、あれで恐らく基本の肉体強化しかしていないのだから、恐れ入る。

 

ただ、小毬さんも負けてはいない。真道君の速度を目で追い、的確に攻撃を捌いていく。

 

しかも、受け流すようにのらりくらりとした太刀筋で豪雨のような剣戟を放っている真道君の方が翻弄されている。

 

今の所、小毬さんはその場で真道君の攻撃を捌き、時々カウンターを仕掛けるだけに留めている。

その様子に真道君は一度距離をとる。

 

「……何で肉体強化を使わないんですか?」

「ほほ~、私が肉体強化を使ってないって、何で分かったの?」

「貴方は俺の動きを目で追っていなかった。多分、筋肉の動きや視線の動き、後、魔力の気配から、次の攻撃を予測して往なしてますよね。」

 

えっ?

目で追ってなかったの?

 

ていうか、肉体強化を使わずに渡り合ってたの?

 

「だって~、さっき言ったでしょ。マジックチップは使わないって」

「いや、外付けのは兎も角、内蔵のも使わないなんて、ほんとに自殺行為ですよッ‼」

 

真道君の言ってることには百里くらいある。魔力持ちって言っても、マジックチップを使わなければ少しだけ頑丈で少しだけ身体能力が高いだけの人間だ。

 

間違っても魔物と戦っていいような存在じゃないし、魔物を屠れる人間とも戦っていい訳がない。

 

だから、流石に肉体強化くらいは使ってくると思っていたんだが………………。

俺はちらりと小毬さんを見る。

先程の真道君の猛攻を受けても涼しい顔をしている。

 

「大丈夫って言ってるでしょ?このくらいじゃあ、怪我はしないよ」

「……分かりました。≪スパークバインド≫」

 

どうやら、言っても聞かないと感じたのか、真道君は拘束する方向にシフトしたらしい。

電気で出来た三つの輪が小毬さんに向かって飛んでいく。

 

小毬さんさんはその攻撃を魔剣で受けるつもりなのか魔剣の切っ先を輪に向ける。

 

バチリ

 

電気の輪は刀を伝い、小毬さんを拘束しようとする、ことなく、刀身で電気の輪が止まる。

 

そして、小毬さんが魔剣を振ると、電気の輪は真道君に飛んでいく。

真道君は驚いた顔をするが、しっかりと≪ジェネリックシールド≫を使い、≪スパークバインド≫を防ぐ。

 

しかし、それを見ていた小毬さんはニヤリと笑い、地面に魔剣を刺す。

 

「いいねぇ!それじゃあ、今度はこっちから行くよ。《土球》‼」

 

その言葉と共に地中からビー玉程度の石の球体が次々と顔を出し、真道君を覆う様に空中で静止し包囲する。

 

そして、小毬さんが地面に刺した魔剣を引き抜き、天へと掲げ、まるで号令するかのように振り下ろす。

瞬間、空中で真道君を包囲していた《土球》が一斉に真道君に襲い掛かる。

真道君はそれを≪ジェネリックシールド≫を自分の体全体を覆う様に半円状にし、全方位から襲い掛かる《土球》を防ぐ。

 

だが、小毬さんの猛攻はこれで終わりではなかった。

無数に飛んでくる《土球》の攻撃により、≪ジェネリックシールド≫罅が入り始めた所で小毬さんは魔剣を大きく振るう。

すると、不可視の衝撃波のようなものが真道君の張った≪ジェネリックシールド≫にぶつかり、ガラスのようにシールドを割ってしまう。

それだけじゃない、シールドに衝撃波がぶつかった瞬間、熱風が全方位にまき散らされる。

どうやら、あの衝撃波は熱すらも伴っていたようだ。

 

実際、すんでの所で後ろに引いた真道君の制服は少しだけであるが、焦げた跡があった。

 

「それじゃあ、トドメと行こうか。」

 

小毬さんはそう言うとその場から掻き消える。

 

 

これで勝負は終わり、俺もそう思ったのだが………。

 

「≪ジェネリックシールド≫‼」

 

咄嗟の所で、再度半円状のシールドを展開し、小毬さんの攻撃を防いでみせた。

確かにどれだけ見えなくても全方位に防御を展開してしまえば防げるのは道理。

 

しかも、半円状のシールドによって斬撃を防がれ無防備な姿を晒す小毬さん相手に今まで使っていなかった魔法を使う。

 

魔剣がバチリと電気を帯びる。

あれは恐らく、彼が自前で習得した魔法。

 

「≪サンダーバード≫‼」

 

超近接からの真道君の全力火力。

約十メートルにもなる巨大な雷の鳥が小毬さん目掛けて飛んでいく。

既に真道君も手加減をする気はないようだ。

 

通常の敵であれば、これで丸焦げにされて終わりだろう。

 

だが、その攻撃を小毬さんは再度魔剣で完璧に受け止める。

 

感電する様子も見せない。

 

そして、そのまま魔剣を振り、≪サンダーバード≫を真道君に向かって飛ばす。

 

ただ、真道君も負けていない、≪ジェネリックシールド≫の効力を引き上げ、完全に防いで見せる。

 

だけど、そこで、真道君の足元で轟音が鳴る。

よく見ると、真道君の足元に罅が入っている。いや、足元に張ってあった≪ジェネリックシールド≫に罅が入っている。

 

「むむ、足元はお留守だと思ったんだけどな…………」

「流石に俺もそこまで迂闊じゃないですよ」

 

真道君はそう言いながらその場から離れる。

それによって俺にも何があったのか理解できた。

何故なら、真道君が立っていた場所に拳ほどもある壊れた土の球体が転がっていたのだ。

 

恐らく、地中から《土球》を使ったのだろう。

 

仮に真道君が≪ジェネリックシールド≫を足元にも展開していなかったら今頃、拳ほどもある《土球》により顎を打ち抜かれていたかもしれない。

 

「う~ん、上手くいくと思ったんだけどなぁ………。仕方ない、実力行使といきますか。」

 

小毬さんは魔剣を天に突き出す。

 

…これはやばい。

審判という第三者のような立ち位置であるにも関わらず、俺の本能は警鐘を鳴らしていた。

 

そして、それは実際に相対している真道君も同様だったようだ。

 

「させるか‼≪サンダーウルフ≫」

 

剣を振るい、十を超える雷の狼を生み出し、けしかける。

だが、無駄だった。無駄だったのだろう。

 

世界が暗転する。

 

(いかづち)が迸る。

 

真道君の≪サンダーウルフ≫ではない。いや、もしかしたら、≪サンダーウルフ≫もその大きな(いかづち)に呑み込まれているのかもしれない。

ただ、一つ言えるのは、暗転した世界、(いかづち)が迸る暗夜において、小毬信濃の魔剣だけが、確かな輝きを放っていた。

 

いや、まるで、世界が彼女を照らすために動き出しているようだった。

迸る雷も、突如消えた太陽も、全ては彼女を一番にするために動いているようだった。

 

「《天剣・白夜》」

 

その言葉と共に天に向かって掲げた魔剣を振り下ろす。

青と白の輝きが魔剣から放たれ、真道君を狙う。

 

幅十センチにも満たない極細の光の柱は彼だけを射抜くように一直線に飛んでいく。

傍目からも、絶大な威力を誇ると分かるその攻撃を、真道君は全力の≪ジェネリックシールド≫で受け止める。

 

だが、拮抗することは無かった。光の柱は、いや破壊の光は真道君の≪ジェネリックシールド≫を溶かすようにシールド全体に波及していく。

そして、シールドが粉々に、いや粉すら残すことなく消滅した直後、真道君の体を地中から現れた無数のこぶし大の《土球》で打ち据えていく。

 

当たり前だが、真道君の意識は既にない。

 

…こいつ、鬼畜過ぎるだろ。

 

「えっと、勝者、小毬信濃‼」

 

俺は一応ながら、この戦いの勝者を宣言する。

うん、正直言って、真道君が意識を失っているのでわざわざ勝者を宣言をする必要もなかったような気もするが、まあ、勝者の宣言は審判を引き受けたものの義務だろう。

 

「やった~、勝った~。」

 

何か信濃さんもめっちゃ喜んでるし……。

 

にしても、今思い返しても圧倒的だったな。

小毬さんは真道君の攻撃を簡単に防いでいるのに、真道君は小毬さんの攻撃を防ぐので手一杯になっていた。

これが、護懐の実力。

正直、主人公ならもしかしてと思っていたけど、流石は五指に入る実力者、これ程の差があるのか……。

 

最後は不意打ちというか防御不可のコンボ技みたいな感じになっていたけど、たぶん、そんなことしなくても真正面からでもゴリ押せたんじゃないかな?

 

俺は思案にふける。

ただ、小毬さんの実力を分析しようとしていた俺に遠くから話しかける声が聞こえる。

 

「お~い、音長君!昼休み終わるから自主訓練に行くよ!」

「えっ?うん、今行く!」

 

どうやら、毒ノ森君が校庭にいる俺を見つけて話しかけてくれたようだ

初めの頃は貧乏くじを引かされたと思ったけど、真道君の現状の実力も分かったし、護懐の実力の一端も見れた、割と有意義に過ごせたな。

 

俺がそう考えていると、俺のお腹がぐぅとなる。

 

…………そう言えば、昼食べ損ねた。

 




おまけ

小毬信濃と真道勇利は手を繋ぎながら歩いて行た。
そんな中、信濃はずっと不思議に思っていたことを口にする。

小毬「なぁ、ゆうりがだんじょんにもぐらせるなっていってるから、さいきんはだんじょんにつれていけないっていってたぞ?」

勇利「ん?そうだな。お前はまだまだ子供だからな。今はダンジョンに潜るよりも地力を鍛える方が先だ。」

小毬「そうか?わたしはつよいぞ」

弧毬信濃は力こぶを作り、自分の力を誇示する。まあ、彼女の細腕に筋肉などあってないようなものなのだが…………。

勇利「はっはっは、そうだな。だが、お前は将来もっと強くなる。そしてもっともっと強くなってもらうためにはまず、基礎を鍛えて、学校に通う必要があるんだ。」

弧毬「そうなのか?」

勇利「ああ、そうだ」

弧毬信濃は納得したのかその後は特に何かを言うことはなく、勇利に連れられて歩く。
しかし、その表情はあるものを見たことで一変する。

弧毬「おい‼なんだあれは、でっかいたいやだ‼」

勇利「あれは、観覧車だな。あの小さな箱の中に入るんだ。」

弧毬「そうなのか‼はこのなかにはいってなにをするんだ?」

勇利「何をするか…………、景色を楽しむ、かな」

弧毬「ほお、ゆうりのかたぐるまとどっちがすごいんだ?」

勇利「そりゃ、いってからのお楽しみ、だな」

勇利はそういうと弧毬をつれて遊園地の中に入っていった。

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