自分の書いたゲーム転生小説の主人公に成り代わってしまった主人公の話   作:ぱgood(パグ最かわ)

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命がけの戦いに安定なんて無かったのかもしれない……。

☆☆☆

 

ということで、俺が毒ノ森君と棚加君を怒らせた日から一日が経った。

鉄は熱いうちに打てって言葉もあるし、他人に謝るのって日が経てば経つほど、なんとな~く言い出しづらくなるから俺は朝のホームルームの前に早速癒羽希さんに謝りに行くことにした。

 

俺ってば偉い。

やはり、こう言う所で前世の経験が生きているよね!

 

いや、前世っていうけど前の世界の俺って、死んでるのかな?

色んな事がありすぎて考えるのを放棄してたけど、そもそも、ここに来る前何してたのかも覚えてないんだよな。

 

まあ、いいか。

 

今重要なのは癒羽希さんにあって、謝ることだからな。

 

「すいませ~ん、癒羽希さんいますか?」

 

俺が回復魔法科の教室の前で癒羽希さんを呼ぶと、俺の存在に気づいた癒羽希さんがトコトコと小走りしながら、こちらに駆け寄ってきた。

 

しかし、その顔は少しだけ不安そうだ。やはり、変に勘違いをされてしまっているのかもしれない。

 

「やぁ、癒羽希さん、少し時間貰っても良い?」

「は、はい、ホームルームまでなら………」

 

そう言うと俺と癒羽希さんは場所を移し、人気のない廊下へと場所を目指す。

 

………………

一応善意のつもりだったんだけど、人気のない場所に着いた癒羽希さんはとてもびくびくしている。

いやぁ、少し込み入った話だし、人気のない場所を選んだけど、人前とかの方が良かったかな?

 

う~む、外野がどう動くか分からないから何とも言えん。

 

正直、良い予感はしないんだよなぁ。

少なくとも、剣凪さんのパーティーに入れたい俺からすればあまり利にはならないだろう。

 

というか、折角ここまで移動したのに、ここから更に場所を移す必要はないか。

 

面倒だし…………。

 

「あ~、昨日はごめん、癒羽希さん。」

「い、いえ。元々私が攻撃魔法を使えないのが悪いので………」

「違う、違うんだ。昨日、あんなことを言ったのは君が攻撃魔法を使えないのを非難したかった訳じゃない………。むしろ、逆なんだ。」

「…………逆?」

「ああ、君のお陰で俺たちはここまでこれた。癒羽希さんがまだ加入していなかった頃より、何倍も強くなれた。」

「…………音長君」

「ただ、だからこそ、惜しいと思ってしまったんだ。………きっと、癒羽希さんは剣凪さんのパーティーでもやっていける、そのくらいのポテンシャルを持っている。

彼女たちと同じ、百年に一度の、世界すら救えるほどの天才だ。

だからこそ、俺らと一緒に居たら、君の才能が埋もれてしまうんじゃないかって思ってしまったんだ。

 

だけど、君自身の精神面を全く考えられていなかった……すまない、癒羽希さん。」

 

「…………音長君、音長君がそこまで私を評価してくれていたなんて知りませんでした。

………けど、私は音長君が言うみたいな凄い人じゃないです。

色んな事に悩んで踏み出せなくて、ずっとうじうじとその場で足踏みをしている臆病者です。

 

だから、そんな過分な評価をされてしまったら、今度はプレッシャーで動けなくなっちゃいます。えへへへ」

 

俺が如何に癒羽希さんが替えの効かない人材かを説いたら、癒羽希さんは卑屈な自分を隠すように、いや誤魔化すように笑った。

 

きっと、彼女にこれ以上言葉を尽くしても無駄だろう。

 

「そっか、変にプレッシャーをかけることを言ってごめんね。お詫びにココアあるんだけど…いる?」

「えっ、良いんですか?」

「うん、元々癒羽希さんに渡す気だったし………。癒羽希さん、待ち合わせのとき良くココア飲んでるから、もしかして好きなのかなって思ってたんだ。」

「あ、ありがとうございます。ココアは大好きなんです。」

「なら、良かった。」

 

俺は癒羽希さんにココアを渡すとその場を去る。

 

因みに、別に彼女が良くココアを飲んでいるから、ココアが好きなんじゃないかって考えたわけでは無い。

 

ていうか、知ってた。

 

うん、設定にココア好きは入れてたからさ。

 

むしろ、それでココア飲んでるのが目に付いたまである。

 

………ま、本当におなごの行動から相手の趣味嗜好が分かれば、俺は前世童貞ではなかったのさ…。

 

とはいえ、これで、癒羽希さんに謝ったし、一応未裏さんにも謝っておくか。

 

 

 

 

という訳で、昼休みに未裏さんの下へ来た。

 

「ごめん、未裏さん。昨日はあんなことを言ってパーティーの足並みを乱して」

「私は別にいいわ。あなたが口にしていなければ、みんなが心のうちに貯め込んでいた不満は別の形で爆発していたと思うし。………ま、カルミアには謝った方が良いとは思うわ。

………というか、あなたって意外と律儀ね。」

「ははは、そうかい?

親しき中にも礼儀あり、俺は皆に礼を失しないようにいつも気を付けているんだけどな。」

 

「………そ。………………良いわ、確かに謝罪は受け取ったから、それじゃあね。」

「ああ」

 

彼女は何が良いたいんだ?

まったく、いいたことはもっとはっきり言って欲しいよ。

 

 

「…………最後に一つだけ言って置くわ。

誰かに好かれるには他人に嫌われる覚悟が必要よ。それが出来ないで、表面上だけ他人に合わせてるあなたは何時まで経っても一人ぼっちよ」

「…そっか、肝に銘じておくよ」

 

未裏さんは立ち去る前に一度振り返って俺に忠告のような真似をしていった。

 

正直、彼女が何を言いたいのか全く分からなかったよ。

 

 

☆☆☆

 

まっ、そんな一幕もあったけど、気を取り直して、皆に謝り終えたぞぉぉ!

やった~

 

いやはや、これでようやく、毒ノ森班も完全復活☆

って感じだよね。

 

いや~、一時は冷や冷やしたけど、皆メンタル持ち返したと思うし、後はどうやって癒羽希さんを剣凪さんのパーティーに入れるかだよね。

 

ムムム、と唸りながらも俺たちはダンジョンに向かう。

 

悩みどころだよ。

 

はてさてどうすれば良いんだろう?

 

説得は出来なかったし、今は取り敢えずタイミングを探す以外に無いか~。

絆を深めていけばいずれは心を開いてくれるかもしれないしね。

 

『…………最後に一つだけ言って置くわ。

誰かに好かれるには他人に嫌われる覚悟が必要よ。それが出来ないで、表面上だけ他人に合わせてるあなたは何時まで経っても一人ぼっちよ』

 

未裏さんの言葉がちらつく。

 

………ほんと、難しいことを言ってくれる。

 

 

俺がそんな風に悩んでいると雑兵級ダンジョンまで着いた。

俺たちが通っている戦人型魔物の雑兵級ダンジョンは学校の直ぐ近くにあるため、実はそんなに遠く無い。

 

むしろ、ダンジョンのある場所に学校を建てたと言っても良い。

 

俺たちはそこで少しの間、防人の弧囃子さんを待つ。

とは言っても、弧囃子さんは時間にキッチリしているため、俺たちが到着してから五分くらいでダンジョンの前で落ち合えた。

 

「おはよう、全員集まっているわね?」

「「「「「はい」」」」」

「よろしい、では今日もダンジョンに潜るわ。

ただ、その前にあなた達に伝えて置くことがある。」

「伝えて置くこと、ですか?」

 

毒ノ森君が俺たちの気持ちを代弁して、疑問を口にした。

 

「ええ、現在あなた達の通う防人魔法学園の生徒がダンジョンで行方不明になっているわ。しかも、あなた達と同学年の、ね。」

「えっ?ですが、僕たちには防人の方がついていますよね?一体何で…………」

「…………防人の中にも行方不明者が出ているのよ」

「「「「「えっ?」」」」」

 

これは不味い。非常に不味い。

二つ目のイベントが始まった。

 

『悪食変性・ブラッド・オブ・エボリューション』

 

主人公たちという百年に一度の天才が同時にこの世界に生まれたことを受け、相手側が取った対抗策の一つ。

 

いや、元々計画自体は進んでいたから、急遽前倒しになった、と言う方が正しいだろう。

 

そして、相手が取った新たな策。新たな魔物。

 

それこそが、今回投入された獣人型の徒大将級魔物、ウェアウルフである。

このウェアウルフは戦闘能力こそ通常の徒大将級と比べれば、数段劣るものの奴が持つ固有魔力波が非常に厄介なのだ。

 

というか、一連の強化魔物事件は全部こいつが犯人である。

 

……えっ?

そもそも固有魔力波ってなんだよって?

 

説明しよう、この世界には二通りの異能が存在する。それこそが魔法と特殊魔力波。

そして、種族もまた進化の過程で、魔法が使えるようになったもの、特殊な魔力波が使えるようになったものに別けられる。

 

魔法を使える種族は前にも話した通り、天使、小人、戦人。

特殊魔力波を扱えるのが、鬼人、獣人、そして一部の人間。

 

魔力波を使えるものに関して一部の人間と答えたが、これを説明するには魔力波というものについて少々、説明しなくてはならない。

 

魔力波とはその名の通り魔力の波であると共に、魔力を魔法という形に加工せず外に放出することで、外界に影響を与える技術のことでもある。

この魔力波という技術自体は魔力を持っていれば誰もが扱える。

しかし、殆どの使い手がそよ風を起こす程度しかできないため戦場では殆どや役に立たない技術と言われている。

 

勿論一流の使い手であれば魔力波を出した場合、草木を揺らすこともあるが、そんなのはごく一部だ。

 

魔法を使える種族は勿論、魔力を持っていても魔法は扱えない種族からしても無用の長物だった。

 

しかし、魔法を扱えない種族が過酷な自然界を生き抜くには何らかの武器が必要だった。

他の獣たちを打ち倒せるような武器が。

そんな中、魔法を扱えない種族はこの無用の長物と化していた魔力と言うエネルギー、そして魔力波と呼ばれる技術を変質、進化させることで自然界を生き抜いた。

 

人間もその種族の一つだ。

 

ただ、魔法が使えない他の種族が住む世界と比べ、人間界は資源に富んでいた。

そのため、時代が進むにつれ魔力波や魔力と言った厳しい世界で生き抜く術は徐々に失われていった。

 

勿論、資源に富んでいたからといって、争いが全くなかった訳ではない。

 

人間同士での争い、他世界にいる別の種族たちからの侵略。

 

脅威はあった。ただ、人には科学があった。

 

また、それを発展させ、魔法すら解明してみせた。

 

そうして、特殊魔力波と言う過酷な世界で生き抜く術は徐々にその意義を失い、不要な機能として切り捨てられた。

 

ただ、その名残だけは、まだ人の体に残っている。

そして、外から流れ込んでくる穢れた魔力と強い力に対する欲求によってのみ目覚めることがある。

 

その人間の願いの一助となる、自分だけの魔力波、固有魔力波を。

 

因みに、獣人や鬼人は自分だけの固有の魔力波の他に同種族なら誰もが扱える特殊な魔力波もある。

 

身体強化とか、遠吠えで相手にデバフかけたりとか、色々出来る。

 

まあ、ごちゃごちゃ言ったけど、詰まる所、種族スキルと固有スキル的なやつ。

で、人間は種族スキルこそ無いけど、固有スキルに目覚める奴がいるよって感じ。

 

更に言うと、この章のボスとなる獣人型の魔物には噛みついた魔物にレベルアップの機能を与える、という魔力波が宿っている。

 

勿論、俺たちの抵抗力上昇(レベルアップ)とは少し違う。

噛まれた魔物は魔力持ちを食らうことによって力を増すのだ。

 

つまり、人を食らえば食らうほど強くなる。

不幸中の幸いとして魔物同士で食い合うことはしない。

 

魔物の絶対数を減らしたくないから。

 

とは言え、それでも十分脅威、いや、食い合って強化されるより絶対数が多い分、俺達、防人の卵や未熟な防人たちからすればこっちの方が脅威だ。

 

「………みんな、気を引き締めていこう」

 

毒ノ森君の言葉に俺たちはコクリと頷く。

強化された魔物は本来の等級よりも強い、それどころか雑兵級の魔物が足軽大将級に片足突っ込んでいても何ら不思議ではない。

 

絶対に油断してはいけない相手だ。

俺はそのことを胸に刻み、何時もより慎重にダンジョンに入った。

 

 

 

それから、暫くたった。

うむ、今のところ異常はない。

 

まだ、レベルアップ可能な敵もそこまで増えていないようだ。

 

通常の雑兵級の魔物を俺たちはいつも通り、処理してく。

 

いつも通りの強さの敵に他のメンバーも幾分か表情が柔らかくなっている。

まあ、当然だよね。強力な防人すら殺す、じゃなかった。

 

ゴホン、ゴホン。

 

強力な防人も行方不明になっているって言われてガッチガチになってたもんね。

超強力な魔物が徘徊してると思っていたら、思った以上にいつも通りで拍子抜けしちゃうよね。

 

「今のところはいつも通りだよな」

「ああ、だが、何があるか分からない気を引き締めていこう」

 

毒ノ森君は気が緩みかけた棚加君にそう告げる。

 

………確かに、声に出したのは棚加君だったけど俺も気が緩んでいた。

 

命大切っていうからにはこう言う所で油断しちゃいけないよな。

気を引き締めなおさないと。

 

「前方、敵が来るわよ。」

 

俺が気を引き締めなおしたタイミングで未裏さんが敵影を発見する。

俺は武器をしっかりと握る。

 

 

敵の手には魔力塊が浮かぶ。

雑兵級の魔物が覚えている魔法、魔法弾だ。

 

「「「マナシールド」」」

 

俺と毒ノ森君、未裏さんが≪マナシールド≫を展開し、敵の攻撃を防ぐ。

こういった場合は基本的に防御魔法士が単体で結界を張ることが多いのだが、うちでは前衛の魔剣士と防御魔法士のどちらもシールドの展開を行う。

 

勿論、この方法では効率良く狩りをすることはできない。

ただ、効率よりも安全をとっているうちのパーティーでは敢えてこの方法を取っている。

 

「奴の動きを止めるぞ。音長君」

「了解」

 

俺と毒ノ森君は突っ込んでくる敵の前に立ちはだかる。

そして、剣でもって奴の拳を受けようとする。

 

『ガキン』

 

俺と毒ノ森君の剣は敵が魔法で生み出した二本の剣によって防がれてしまう。

 

「「なに?」」

 

あり得ない。

 

雑兵級が使ってくる魔法は魔法弾のみ、他の魔法は使ってこない。

なのに、何故敵は別の魔法を使える⁉

 

それだけじゃない。魔法弾を放ってからのインターバルが短すぎる。

普通の魔物じゃない!

 

「弧囃子さん!」

「分かってる」

 

俺は弧囃子に助けを求める。

確実にこいつは強化種だ。

間違っても俺達、見習いが相手をしていい敵じゃない。

 

弧囃子さんも瞬時にそれを判断し、敵に突っ込む。

 

これで終わりだ。

いくら強くても上位の防人である弧囃子さん相手は分が悪いと判断し逃げ出すはず。

逃げ出さなかったとしても、弧囃子さんレベルの防人に癒羽希さんのバフが乗れば絶対に勝てる。

 

俺はそう考えていた。

敵は問題なく倒されると、だけど、俺がそう思った瞬間、敵は笑った。

 

そして、スッとその場から消える。

いや沈んだ。この魔法は‼

 

「シャドーモールです!全員警戒」

 

俺の言葉に緊張が走る。

そして、お互い背中を合わせる。

 

幸い、≪シャドーモール≫という魔法は発動中に移動速度が遅くなり、何より発動中は息が出来ない。

 

弧囃子さんなら、直ぐにこちらに来れる筈だ。

 

「っがぁァ」

 

ただ、その予想は外れる。

棚加君の足を魔物の手が掴んだのだ。

「うわぁぁぁぁぁぁぁ、助けて、助けてぇぇぇぇっぇぇぇ‼」

「≪マジックブースト≫」

「≪フレイムショット≫」

「≪アクアアロー≫」

「≪ストーンニードル≫」

 

棚加君の叫び声を受け、癒羽希さんが未裏さんに魔法強化のバフをかけ、未裏さんはその場で、俺達は棚加君の下に駆け寄りながら、攻撃魔法を放つ。

それにより、地面が揺れ、魔物の苦しむ声が聞こえるが、マジックチップを変える手間を考えるとどうにも間に合いそうにない。

 

せめて、近くに攻撃魔法士がいれば、魔物の潜伏する影を攻撃し、棚加君を解放させられるのだが、肝心の攻撃魔法士である棚加君があの状況だと手の打ちようがない。

 

というか、本来この状況はあり得ない。≪シャドーモール≫を使った際は速度が落ちる。

 

なのに、全く、落ちていない。

 

可能性は二つ、一つは敵の速度が俺の想像以上に速い場合、もう一つは

 

「弧囃子さんッ!気を付けて」

 

俺は後ろを振り向きながらそう言うが、弧囃子さんには聞こえていないのか尚も血相を変えてこちらに走り寄る。

だから、対応できなかった。

このタイミングを虎視眈々と狙っていた背後から出てくる、強化種に。

 

そして、弧囃子さんは後ろから胸を二本の剣で刺し貫れた。

 

「撤退だ」

 

俺は足を止め皆に告げる。もう勝ち目はない。

逃げる以外に方法は、もうない。

 

「いえ、戦いましょう!棚加君はまだ生きてる。生きてるんだったら、戦うべきよ!」

 

涙を瞳に貯めながら未裏さんは戦うことを進言する。

こうなってくると後は毒ノ森君の判断次第だ。

 

俺と未裏さんは毒ノ森君に視線を向ける。

毒ノ森君は刺された弧囃子さん、既に右手を残して全身を影に呑まれた棚加君に視線を向ける。

 

「…………撤退だ」

 

その言葉に俺は頷き、未裏さんは項垂れるように俯く。

癒羽希さんはまるで現実を受け入れられていないように呆然とそれを眺める。

 

俺たちの心は、志は完全にバラバラになっていた。なっていたが、バラバラであっても俺たちは何とかダンジョンから脱出することが出来た。

 

いや、恐らく、棚加君と弧囃子さんを手に入れたため、十分と判断され、見逃されただけだろう。

 

所詮、奴らからすれば見習いの防人なんて何時でも捕食できる相手なのだから。

 

 




おまけ

弧囃子サイド

私は弟や妹を守るために防人になった。
そんな私からすれば少しでも戦力が必要とは言え、守るべき子供を死地に追いやる今の制度はいただけない。

とは言え、1防人に出来ることなんて高が知れてる。
だからこそ、私が受け持つ防人候補生だけは絶対に守り抜く‼

私はその覚悟を胸に魔剣に子供たちを守れるよう防御系のマジックチップと治療できるよう回復系のマジックチップをセットする。

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