転生して未開惑星に漂流した件について 作:タルタルソースa10
加速しないと終わらんなコレ
………落着14日目………
1年目春の月14日目
今日も今日とでペーストが不味い(定型文)
『マスター?昨晩は就寝
時間ギリギリまで何を作成していたのですかー?』
「会社として動くのなら、従業員用の雇用契約書を作らないといけないだろう」
『私に言って貰えればー直ぐに出力出来たのにー』
「いや、ここは俺が作成しないといけないだろう」
『あとらその契約書の装丁は雑かとー』
粗製の紙に紐綴じの契約書と言うのは、確かに雑かも知れないが…
「なんか綺麗に装丁された契約書は…なんと言うか…怖く無いか?」
『それはー例の事故の際の契約が、事前の協議とは違う契約だったのがトラウマになっておりますー?』
アレは致命傷だった。
例え、難民の密航によりレンタルした商船が冷たい方程式に見舞われても、あの契約が無ければ無傷で商船は返して代金も回収出来た。
実際は乗員は難民と共に船を降り、貨物は無事に先方に届いたが
あの契約のせいで商品は漂着物として拾得され、商船を喪失した扱いになり多大な債務を負うことになった。
最終的に契約書の差し替えに気がつかずに判を押した俺の責任なので仕方ない
商船に乗っていた彼は無事にどこかの惑星で生きているといいのだが……
『そもそも、会社としてのイデオロギーと言う物が作れるほど、人員はいませんがー』
痛い所を突きよる。
とりあえず、今は前だけを見て進もう
「とりあえず、今日の作業を始めるか」
と言う訳で意識を取り戻した遭難者の看病と保存食で勧誘に来たのだ。
怪我の方は感染症にはなって無くて良かった。
「ここはワラビー山脈のコロニーで、お前さんは輸送ポットの事故で家に落ちて来たんだが具合はどうだ?」
どうやら彼は惑星の反対側の大陸の派閥から宇宙に出ようとしたらしい
しかも、輸送ポットを魔改造して……手の込んだ自殺かな?
この宇宙を移動するのに、冬眠施設も星間航行用機関も無く輸送ポットで行くとは……
どうやら故郷をメカノイドや宙族に蹂躙された経験から、宇宙の先進的な文明圏で機械の身体になりたいようだ。
なかなかのヘビーな境遇に驚いたが、どうにか入社を前向きに検討してくれるよう頼んでおいた。
『芸術作業しか出来ないようですがー、彼の戦闘技術はマスター以上なので及第点でしょー』
「義体化願望だから義肢の研究が必要なのが問題だがな」
『彼の願望なのでどんどん改造しましょうー』
「いや、要求分とひどく欠損してない内はそこまでしないぞ」
とりあえず研究を進め無ければ。
………落着15日目………
春の月最後の日
今日も今日とでペーストが不味い(定型文)
今日も勧誘を続けるが、まだ義肢そのものが無い為、信用されて無いようだ。
さて、今日も……
『マスター襲撃ですー宙族3名全員近接で残念ながら、入社出来る人員ではありませんー』
「今の入社希望者に加えて囚人の追加は厳しいが、具体的には?」
『薬物中毒者と欲張りなヒステリー持ちに放火魔01ですー』
「それは……難しいな」
『と言う訳で、我が社の秘密兵器を出撃させましょうー』
「秘密兵器?なんだそれは?」
『エドミラ嬢のテイムしたグリズリーのアナベル嬢ですー』
何時の間にか増設された小屋から出て来たのは
惑星標準の150キロ以上はあるグリズリー、そして「やりました」と言う、どや顔のエドミラさん。
スゲーよ、エドミラさん
戦闘は犠牲を出して罠を突破した所を、グリズリーに撫でられて終わると言う凄惨な物に終わった。
宙族はグリズリーが小屋に運搬して行った。
知ってる。熊とか下手に獲物を取り上げるとキレて手がつけられなくなるから息が有ろうとも見捨てるしか無い
誰かトドメ刺される音がした気がしたが、未來を向いて研究を進めよう。
明日から夏かー早く仲間に入ってくれないかなー
ちなみにグリズリーのテイムはプレイヤーの指示ミスで気がついた時は「もうダメだ」とロードする気だったけど、彼女はやりとげた。
なお、エドミラ嬢の動物王国は着実に増えたり減ったり、食糧備蓄を削ったり、屠殺で増えたりしてます