ようこそ龍園君が美少女になった教室へ   作:ヒストリア

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龍園生徒会入るってよ

 

 学校2日目、授業初日ということもあって、授業の大半は勉強方針等の説明だけだった。

 先生たちは進学校とは思えないほど明るくフレンドリーで、多くの生徒が拍子抜けしたのがしょうじきな感想だろう。何人かは寝てたり、授業中話したりする奴がいたが教師たちは関与しようとしない。これが義務教育じゃなくった高校生たちへの対応なのか?裏があるのは明白だな。だが平和にクラスと決めた俺は動くつもりはあるねえ。高校生活をエンジョイするそれだけだ。

 

 弛緩した空気の中昼休みになった。俺は食堂に行こうと席を立とうすると隣の席の伊吹がオレに声をかけてきた。

 

「あんた、昼食どうするの?」

 

「私は食堂に行こうと思ってるけど伊吹さんも来る?」

 

「そうだね。行こうかな。」

 

 俺と伊吹は食堂に向かおうとすると石崎を筆頭とした男子達が俺に声をかけてきた。

 

「龍園さん!よかったら俺たちとご飯食べませんか?」

 

 クラスの男子ほぼ全員いるじゃねえか。ふざけんなよ。

 

「うーん!ごめんね。私ゆっくり食べたいから今日は伊吹さんと二人で食べていいかな?」

 

「分かりました!また今度一緒にご飯食べましょう。」

 

「うん!もちろんだよ。またね!」

 

 石崎たちは残念そうにここから去った。あいつらちゃんと話わかるやつだな。昨日のあの件があったからそれだけで好感度上がるわ。

 

「昨日の件があったから話通じるってだけで好感度上がる。」

 

まさか伊吹も同じこと思っているとはな。

 

「あはは、ノーコメントでお願いします。」

 

「あんたも同じこと思ってそうだよ。」

 

「ふふ、人混むかもしれないから、早く食堂に行こうよ。」

 

 俺は伊吹と一緒に教室を出て廊下を歩く。しかしに向かう途中でDクラスの横を通ろうとしたら、見たくない二人を見てしまった。俺の体は女としてあの二人を見ただけで拒絶反応が出ている。蕁麻疹ができそうだぜ。見つかる前にここから去らないとな。

 

「見たくないやつ見ちゃったね。早く食堂に向かおうか。」

 

 伊吹も嫌そうな顔をしながらそう言った。その気持ちは分かるぜ。

 

「おい!龍園の野郎、お前のせいで10万ポイント没取されたんだがふざけるなよ。」

 

「そうだぜ。お前のせいで俺たちは無一文になったんだ!」

 

チッ、二人に見つかったか。めんどくせぇな。伊吹もあらかさま嫌そうな顔してるな。当たり前だよな。

 

「はぁ?あんた達が嫌そうな龍園を無理やりデートに連れて行こうとしたからあんなことになったんでしょ」

 

「そ、それはそれ。これはこれだわ」

 

 とんでもねえ理論だな。

 

「君たち2度と私達に話しかけてこないでって言ったよね。なのにどうして話しかけてくるのかな?」

 

「お前が、俺たちのデート承諾してくれればこんなことにはならなかったんだ。」

 

 やべぇ、頭痛くなってきたぜ。この学校頭おかしい奴多すぎじゃねえか?男の頃の俺よりやべえ奴多いぞ。あの黒髪女しかり。

 

「伊吹さん行こうか…………ここにこれ以上いるとキレてしまいそうだよ…………。」

 

「う、うん。あんたキレたら怖そうだね。」

 

いや、暴力でわからせるだけだ。俺と伊吹は走ってここから去った。相当人集まってたな。

 

 

 食堂に着いた俺たちはまずは注文をした。俺はそば、伊吹は揚げ物を注文していた。女になってからの俺はあっさりしたものしか食えてない。揚げ物食べると何故かわからんが、胃もたれしてしまう。好物は間違いなく変わった。スイーツ系全般嫌いだったが、今は好物の一つとなっている。

 

「あんた、そばってそれで午後の授業耐えれるの?」

 

「私だってガッツリ食べたいけど、そんなにいっぱい食べられない」

 

焼肉食いてえ。

 

「だからあんた身長小さいんだよ。」

 

 やめろ!俺が一番気にしてることだ。高一になって未だ145cmってやばいだろう。

 

「う、私が1番気にしてることだよ。」

 

「あんた、身長低いの気にしてるんだ。」

 

「うん。当然だよ。身長低いからきっとみんな私のことなめてるよ。」

 

(身長を気にする龍園まじ天使)

 

俺は蕎麦を食おうとした瞬間、放送が流れた。

 

「本日、午後5時より、第一体育館の方にて、部活動の説明会を開催いたします。部活動に興味のある生徒は、第一体育館の方に集合してください。繰り返します、本日ー」

 

 女の声ともにそんなアナウンスがされた。

 

 部活か平和に暮らすなら部活入るのもありだな。俺は部活入るか考えてると、

 

「あんた、部活入るの?」

 

「少し迷ってる。だから説明会には出ようと思ってる。伊吹さんは説明会行く?」

 

「私はいいかな。」

 

久しぶりに1人で行動できるぜ。元々俺はひとりでいるほうが性に合ってるからな。

 

「分かった!早くご飯食べて、教室に戻ろうか。」

 

「うん!」

 

俺と伊吹はご飯を食べて教室に戻った。戻る途中何回かナンパされたが断った。美人な女もほんと大変だぜ。

 

 

 

 

 

 

「思ったより多いなぁ」

 

放課後、俺は頃合いを見て体育館へとやって来た。

既に一年と思われる生徒たちの殆どは揃っていて、100にを近くが待機してやがる。マジで多いな。

 俺は人の少ない後方の位置に行って、所定の時刻まで待つことにする

 

「あれ?龍園お前も説明会に参加するのか?」

 

「綾小路君だ!そうだよ。どうせなら高校生活エンジョイしたいじゃん。」

 

綾小路の隣は昨日いた黒髪の女だ。関わりたくねー。

 

「貴方、失礼なこと考えてないでしょうね。」

 

 こいつ、俺の心の中読んだのか?まじで怖えよ。

 

「ごめんな龍園。こいつはこのようにきつい性格をしてるやつだ。」

 

「綾小路君、それはどういうことかしら。」

 

「あはは………迷惑になるからここで喧嘩はしないでね〜。」

 

 綾小路は無表情、こいつ常に無表情だよな。感情とかないのか?

 

 それから俺は、体育館に入る際に配られた、部活動の詳細が載ったパンフレットを見ていると、隣の声から綾小路と堀北ってやつがいいあいしてた。仲良いなこいつら。

 

「一年生の皆さんお待たせしました。これより部活代表による入部説明会を始めます。私はこの説明会の司会を務めます、生徒会書記の橘と言います。よろしくお願いします。」

 

 お団子女生徒会の人だったのか?生徒会か。面白そうじゃねえか。

 

 お団子女の挨拶の下、体育館の舞台上に、ズラッと部の代表者が並ぶ。

 窮屈そうな柔道着を着たやつから、着物を着ている女までいた。

 

 テニス部もいいな。あと綾小路と堀北イチャイチャうぜーな。静かに聞きやがれ。

 

 いよいよ終盤を迎えた説明会。さいごのひとりとなった。全員の視線が集中する。身長は170ぐらいか?とりあえず言えることはシャープなメガネを掛けていて、知的さをかんじるぜ。

 マイクの前に立ったその生徒は落ち着いた様子で一年生を見下ろす。

 こいつは一体何の部活を紹介するんだ。珍しく俺は興味が湧いた。

 あのメガネ全然話さねえじゃねえか。頭が真っ白になったのか?それとも緊張で声が出ねえのか?

 

「頑張ってくたさ〜い」

 

「カンペ、持ってないんですか〜?」

 

「あはははは!」

 

 一年から茶化されてるじゃねえか。それでもただ立ち尽くす。

 

 笑いもピークが過ぎれば、突如しらけてしまう。呆れるやつもでてきはじめたな。それでもメガネの男は動かない。ただ静かに、ジッと、ジッとしている。なにがねらいだ。

 

 そして弛緩した空気が徐々に予想外の方向へと変わっていく。まるで化学変化したようだな。体育館全体が。信じられないことに張り詰めた、静かな空気に包まれていく。こいつの狙いはこれか。

 

 メガネの男はゆっくりと全体を、見渡しながら演説を始めた。

 

「私は。生徒会会長を務めている。堀北学といいます。」

 

堀北?あの黒髪の女と関係あるのか?

 

「生徒会もまた。上級生の卒業に伴い、一年生から立候補者を募ることとなっています。特別立候補に資格は必要ありませんが、もしも生徒会への立候補を考えている者が居るのなら、部活への所属を避けていただくようお願いします。生徒会と部活の掛け持ちは、原則受け付けていません。」

 

 こいつの場を支配する能力すげーな。100人を超える新入生どもを一人で黙らせやがった。

 

 「それからー私たち生徒会は、甘い考えによる立候補を望まない。そのような人間は当選することはおろか、学校に汚点を残すことになるだろう。我が校の生徒会には。規律を変えるだけの権利と使命が、学校側に認められ、期待されている。そのことを理解できる者のみ、歓迎しよう。」

 

 生徒会長は演説してを終えると真っ直ぐに舞台を降り体育館を出て行った。一年の連中は一言も発することができないまま、生徒会長を見送ることしかできてねえな。決めたぜ。俺生徒会立候補するぜ。理由そんなの決まってるだろ。面白そうだからだ。俺の目的は平和に過ごす。これはあくまで変わらねえ。だがそれだけじゃもの足りねー。人間刺激がないとつまらないだろ!なにやり立候補するだけならただだからな。俺は落ちる前提で生徒会に立候補することに決めた。

 

「皆さまお疲れ様でした。説明会は以上となります。これより入部の受付を開始いたします。また、入部の受付は4月いっぱいまで行っていますので、後日を希望される生徒は、申込用紙を直接希望する部にまで持参してください。」

 

あのメガネ所に申し込み用紙持って行くか。一応綾小路になんか入りたい部活あったか聞いとくか。

 

「綾小路君はなんか入りたい部活あった?」

 

「いや特になかった。」

 

「そうなんだ!私生徒会に立候補しようと思うからここでお別れだね。バイバイ」

 

「ああ、またな。」

 

(可愛い。結婚しよ。じゃなかった。また連絡先聞けなかった。次こそは龍園の連絡先を聞くぞ!)

 

 

 

俺は綾小路と別れた後、生徒会に申込所を出すために生徒会のブースを探していた。あったぜ。

 

「こんにちは!生徒会立候補したいのでお願いします。」

 

「お前は昨日の…………」

 

眼光がすげーな。

 

「昨日はお世話になりました。」

 

「ああ、申込書をもらおう。」

 

俺は生徒会長に申込書を渡した。

 

「近いうちに面接をやる。日程が決まり次第報告する。スマホを出せ。」

 

 連絡先の交換か?

 

「分かりました。」

 

俺はスマホを出し生徒会長と連絡先を交換した。

 

「申し込み完了だ。」

 

「ありがとうございます!近いうちお世話になります!」

 

「ああ、」

 

 

申し込み終わったぜ。申し込み終わった俺は、晩御飯を買いに行くためコンビニに向かった。その道中ストロベリー色の髪の毛をした巨乳とすれ違った。胸デカすぎだろ。あの女。Fぐらいあるんじゃねえか。ちなみに俺はCカップだ。自分で何を言ってるんだろうと思う龍園君であった。




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龍園ちゃん(容姿はクリスタ)にヒロインいる?

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