自分の妄想を詰め込みました。
歌い手であり、ぼっちちゃんの幼馴染の話です。(読み切りです)
pixivにも投稿しています。 

ぼっち・ざ・ろっく!は本当に大好きです。
本当にぼっちちゃんには共感しかない、、、
2期来なかったら、私は2023年の間は二度とバニラアイスは食べません。
どうか!2期を!
※注意事項(よく読んでください)
※この小説には「ぼっち・ざ・ろっく!」第一巻のネタバレがありますので、この小説を読む際は必ず読んでから読んでください。
※苦手な方はブラウザバックをお願いします。 
※駄文だと自分自身で痛感しております。
※本文に出てくる歌い手グループは実際の団体やグループとは一切関係ありません。ただの、二次創作です。
※誤字脱字はコメントや報告してくださるとありがたいです。
※それでも言い方はどうぞ。



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20✖✖年、その者は突然現れた。

爽やかなハスキーセクシーボイスで、鳴りと息のバランスがよく中性的、どこか軽やかでやや強め、綺麗で素早いその歌声を大きな武器とし、投稿直後から話題を集めた音楽界の超新星。その名を「YOZORA」。

さらに「YOZORA」が率いる5人組の新進気鋭の歌い手グループ「ダークホースズ」はチャンネル登録者数が僅か数年で85万人を達成するほど人気であった。

 

だが、その素顔を実際に知る者はほとんどいなかった。

精々、同じメンバーの歌い手たちか、「YOZORA」の家族の人たち、

そして、、、、幼馴染のピンク髪の少女くらいだろう。

 

これはそんな、彼のお話。

 

 

ーーーーーーーー

 

 

真山水翔(まやまみなと)はこの世に生まれた時から自覚があった。

前からこういう系統の夢小説やラノベを読んでいたから、案外理解するのに時間はそうかからなかった。

「第二の人生ねぇ、、、あるとは思わなかった。」

正直、罪悪感が凄かった。

この子の本来の一生を、人生を自分が奪ってしまった。

他ならぬ誰かの大切な生きているという実感を取ってしまった。

そんなことをふと思ってしまうことが多かった。

 

だから、

(せめてもの償いに、後悔のない生き方をしたい。)

そう思ってしまうのは必然的だったといえよう。

とはいえ、どうやり、どう生活し、どう生きるかはまだ決めていなかった。

やりたいようにやる。そう思っても、具体的な目標も何もこの時はまだ持てていなかった。

 

 

 

 

そんな彼に転機が訪れたのは小学四年生の時だった。

この世界に存在したある歌い手グループのライブツアーに参加したのだ。

今世の両親が意外にもその歌い手グループのファンであったことから、彼も強制的に連れてこられた形だった。

場所はとても大きなアリーナだった。名前は覚えていないが、おそらく横浜か西武、埼玉のいずれかであろう。

そこで彼は稲妻に打たれたかのような衝撃を受けた。

圧倒的な歌唱力に、体が踊りそうになる演奏に、脳が求める楽曲の音に、そして、キラキラとした目でそれ目の当たりにするファンの一人一人に、前世でも、今世でも、感じてこなかったあまりにも大きな衝撃をドーン!と受けたのだ。

声が出ない、否、出したくても出せない。

それくらい彼らが、眩しく見えた。

 

 

「・・・これだ。」

(自分もこうなりたい!!)

 

それは彼の心に初めて宿った尊敬の思いだった。

 

そこから彼の人生は目まぐるしく変わっていった。

まず、彼は必要な機材、例えばマイクや編集機能付きのパソコンなど、様々な物を揃え始めた。

この時に彼の持っていたお小遣いはそこを尽きた。足りなかった分は、両親に土下座して前借りした。

そして、衝撃を受けたあのLIVEから早1カ月後、彼は歌い手として活動を開始した。

勿論、すぐに脚光を浴びるわけではなかったが、日に日に増えていく再生数のあたたかいコメントに彼は毎日と言っていいほど励まされ、心を喜びで満たしていた。

そこから約2年後、歌った曲の一つがSNSにて唐突に拡散されはじめ、瞬く間に彼の登録者数及びフォロワー、さらに再生数、コメントの数が爆増した。

彼が小学校六年生の後半のときである。

その後、彼は中学に上がり、交流のある歌い手4人とついに歌い手グループを結成した。名はカッコよさと何もないところからの逆転という意味合いを込めて「ダークホースズ」となった。(※実のところカッコよさが8割)

曲はほとんどが歌ってみただったが、半年に一度は必ずオリジナル曲を5人で一緒に作詞作曲編曲MIXして作り上げた。

彼にとって狂ったかのように歌の練習や楽器演奏、曲作り、アイデア発案などをしまくった中学時代はとても濃く、楽しい日々となった。まあ、楽しかった一方で没頭しすぎるあまり、進級がとんでもなく危うくなったりもしたが、、、、

そんなこんなで、今、彼はまあまあな知名度をあげた「ダークホースズ」のリーダーとして現在進行形で活躍中である。

 

そんな彼には一人。文字通り一人友達がいる。

というのも、彼は前世からあまり友達作りだのなんだのに首を突っ込むタイプではない。だから、彼に友達が少ないのは必然的と言えば必然的であった。

その友の名は後藤ひとりという。彼女を一言でいえば陰キャを極めし乙女である。

小学生時代から彼は彼女と交流があった。いわば幼馴染みの関係と言える。

どうやって友達になれたのかに関しては、教室で隣の席で、自然と仲良くなっていった。としか言えない。いや、そんなので友達になれるか!と思う方もいるかもしれないが、事実なためしょうがない。

ぼっちとぼっちの心というのはやはり通じ合うものなのだろう。偶然だが、家も近かった。

 

 

・・・そして、同時に彼は気づいてしまった。

この世界はあの社会現象にもなった「ぼっち・ざ・ろっく!」の世界であるということに。

ピンクの髪に、年を取るほど伸びる髪。さらに、中学の時に見せてもらったギターソロとギターの種類。

初めて家に遊びに行った時の家庭環境。横浜市。

すべてが「ぼっち・ざ・ろっく!」の主人公と完全に一致していた。

ここまで、一致していたら疑う余地もない。

(・・・アニメも漫画も見てたけど、いざその世界に居るとなるとあまり実感わかねー。)

そう彼は思っていた。まあ、鬼を滅したり、呪いを祓ったり、タイムリープして彼女を救ったり、悪魔をチェンソーでぶった斬る話とかと比べればマシかとも。

とはいえ、彼は原作の世界に無理に介入したりする気はなかったので、この時は、ギターヒーローと何かしらでコラボとかできたらなーくらいにしか思っていなかった。

 

 

まあ、そうは問屋が卸さないのだがね。

 

 

ーーーーーーー

 

 

その日のSTARRYは暗雲が立ち込めていた。

外はあいにくの台風により、ブォーと暴風が、ザァッと大雨が降り、とても人がどこかに行けるような状況ではなかった。

当然、こうなればライブハウスに行くお客も友達も減るので、ライブハウスとしては、そして、これからライブをするバンドにとっては手痛いことだった。

無論、結束バンドも例外ではなかった。

メンバーの喜多郁代や山田リョウの学友やファンもこれなくなり、かなり苦しい展開となっていたのである。

そんな中、、、、、

 

ガチャン。

「・・・すみません。今日ってライブやりますか。チケット買いたいんですが、、、、」

誰かが入ってきた。

聞きなじみのない声にライブハウスにいた大半の者たちは首を傾げる。

振り返って見てみれば、そこには誰もが納得するくらいの美しさをだす少年がいた。

全体的に空色の服装で、パーカーとジャージのズボンを身に纏い、少し茶色味のかかった髪色をし、年齢は大体高校生くらいに思えた。

そんな少年は下に段々と降りていき、「ん?どうしました?」と言ってくる。

そんな中でただ一人、ギターの後藤は声を発した。

「あっ、水翔さん、、、」

「おっす、後藤さん。久しぶり~!ごめんねこないだはチケット買えなくて。」

そう言いながら水翔と呼ばれた少年は超絶いい笑顔で後藤に微笑む。

 

 

その光景に「えええええ?!!!」と絶叫したのはドラムの伊地知虹夏だった。

「ぼ、ぼぼぼ、ぼっちちゃんの知り合い!?」

「あっ、お、幼馴染です、、、、」

「幼馴染!?」

「はい、小学校の、、、あ、そうだ。チケット、、、結束バンドで一枚ください。500円ドリンクはオレンジジュースで。」

「あっ、ハイ!」

虹夏は急いでチケットを取り出しに向かう。

その間にものすごい勢いで喜多が水翔のもとにへと接近し、水翔に向けて食いつかんばかりに質問と言う名の攻撃を開始した。

 

「すみません!あの!結束バンドボーカルの喜多なんですけど!後藤さんのもしかしてかれ___」

「違います。」

あらぬ誤解が生じぬ前に災いの芽を水翔は摘む。

「今日は皆さん、、、結束バンドのライブをすると後藤さんから聞いてきたので、行ってみようかなともって次第で、、、」

そういうとただでさえ目を輝かせていた喜多の眼がさらにその輝きを増す。

「そうなんですか!?」

「はい、、」

なんだろう、、、何故かキターンという音が聞こえるのを水翔は感じ取った。原作やアニメよりも、より一層輝いてみえた気がした。

すると、ここでずっと腕を組んで唸っていた山田リョウが口を開く。

「ねぇ、ぼっちにいくら積まれたの?」

「積まれてないですけどぉ!?」

「そうなの?」

リョウは頭にはてなマークを浮かべているかのように首を傾げた。

後藤さん。どれだけ信頼ないんですか?とつい、水翔が思ってしまったのも仕方がなかった。

「ぼっち。幼馴染の知り合いなんていたんだね。」

「そ、そうです!」

後藤はすごく良いどや顔をした。

きっと心の中では、「どうだ!幼馴染の男友達がいるのだ!」と調子に乗っているのであろう。

数秒後、虹夏が戻ってきて軽く自己紹介をしながらチケットとオレンジジュースを水翔に渡し、後藤たちの輪にへと入っていった。彼女が輪に加わると、なんだかバンドメンバーの間に穏やかさが満ちていく気がした。

しかし___

 

(・・やっぱり、原作通り、、、、良い人たちだな。)

目の前には後藤にあれやこれやを必死に聞き出さんとする喜多が。

何故か後藤の肩に手を置いて謎のプレッシャーを出しているリョウが。

笑顔で後藤に話しかける虹夏が。

それに薄ら笑いを浮かべて、けれども、ときおり楽しそうな表情を見せる後藤が、、、、結束バンドがそこにいた。

生でまさかあの伝説の8話のLIVEを見れるとは夢にも思っていなかったことだ。

ああ、楽しみだ。早く見たい、早く。そう焦ってしまう。同時に自然と笑みがこぼれる。

 

一言。水翔は何故だか無性に結束バンドにエールを送りたくなった。

今の自分に彼女らにかけられる言葉は一つだけ。

「・・・今日のライブ。楽しみにしています!」

これでいい。これだけで十分だ。

その言葉に彼女ら、結束バンドは、全員が何かしらの笑みを浮かべて答えた。

反応は笑みと言う共通点はあれど、バラバラだ。

だが、それもまた、結束バンドらしかった。

 

 

ちなみにこの後、水翔はしばらくの間はPAさんと店長の星歌、それに酔っ払いのきくり氏に色々と絡まれてしまい、本当に大変な目に遭うこととなる。

 

 

 

ーーーーーーー

 

 

 

結束バンドの初LIVEが始まった。

一曲目の「ギターと孤独と蒼い星」は予想通り、一言で言えばバラバラ、もしくは、ダメダメとしか言いようがない緊張が露わとなっているものだった。

悲しいことに周りのギャラリーたちも、退席者や興味を完全に失っている者が現れ始める始末だった。

心なしか店長らも動揺して見えた。

でも、水翔は知っていた。

この後の展開を。

鳴り響くヒーローの旋風を。

そう、後藤ひとりの覚醒を!!!

 

そして、その時は訪れた。

 

ボォーンとギターの音が聞こえ、少しのリズムを刻み、、、、雷鳴が轟いたのかと、一瞬、錯覚するほどの音が響く。そこからくるのは彼女の数十秒の独壇場。呪縛から解き放たれたかのようにそのギタリストは一瞬にして場を占領した。

その音に胸が高鳴っていくのを水翔は感じた。

これだ。彼女の、ギターヒーローの音は。

 

そして、繰り出される結束バンドによる「あのバンド」のLIVE。

時に寂しく、時に切なく、時に荒々しく、時にクールなフレーズたちが音が辺り一帯を覆う。

その高揚感は今までに味わったことのないある種の快楽だった。

声を上げそうになった。体がつい動き出しそうだ。落ち着いてられない。

これは、なんて、なんていえばいいのだろうか。

あえていうとなれば、、、

「極上の音色、、、、いや、ロックか。」

そう呟いてしまうのはもはや不可抗力だった。

 

そして、名残惜しくも歌唱と演奏は終わりを告げる。残響はもう聞こえない。

だが、結束バンドに対する絶賛の声と拍手は、しばし止むことはなかった。

本当に凄いものを目撃してしまった感じがした。

そう思いながら、水翔は何故かポロポロと溢れ出てくる大粒の涙を流しながら言った。

「・・最高じゃあないっすかぁ、、、、」と。

 

 

 

 

 

 

 

設定

真山水翔(アーティスト名「YOZORA」)

前世の記憶持ちで音楽ファン。

ボカロも、邦楽も、メタル系も大好き。

新進気鋭の歌い手グループ「ダークホースズ」のリーダー。

「ぼっち・ざ・ろっく!」の大ファンで、漫画も、アニメも履修済み。

前世の年齢?永遠の秘密で。

ぼっちのことが、、、、?

 

 

 

ぼっちちゃん

水翔が唯一の異性の友達で、仲は良好。(初期は荒れていた。)

彼の正体は知らない。

 

STARRYの人たち

「なんかどこで聞いた声だなぁ、、、、」と思っているが、気づいてはいない。

ただ、ぼっちの幼馴染という点に興味がある。

 

 

 

 

 

[作者は結束バンドの曲は「あのバンド」と「小さな海」が好きです。]

 

 

 





歌詞を使用していないため、楽曲コードはありません。 


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