いずれ死に絶えるまでの過程   作:鬼意惨

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説明

スカァ=フローン、又はリリス=フローン

 

産まれた時から意識があった特異な子供

 

また産まれつき片耳が潰れていて、記憶力が良い

 

両親に愛されて元気に子供らしく成長し、学び舎で自分と同じように障害のある人達と出会い、友達になっていく

 

外の世界と基本的には繋がりを持たない閉鎖的な村で育つが村で過ごす日々が楽しかった為不満はなかった

 

村の特徴として嫁や婿を村の外から連れて来る決まりがある

 

これは後述の儀式を行うに当たって余所者を連れて来る事で意図的に違和感を持たせ反発を起こさせる為

 

また村出身の人間達は皆先祖が共通しており、血は限りなく薄まってはいるが全員親戚と呼べる

 

その先祖の特徴から身体に障害を持つ子供が産まれ易い傾向にある

 

先ずこの村を作った最初の男女、極小範囲ではあるがアダムとイブと呼べる2人

 

女は人と人とは別の「ナニカ」の子であり、肘から先の腕が2本あり

 

男は流れ人であり、謎の声から呪術を扱える力を得ていた

 

その男女が子を設け、そして子が孫を設け

 

小さいながら集団が出来始めた時、村を守る為に編み出した儀式によって産まれた者がリオメンスカァ

 

またの名を両面宿儺。リオメンスカァというのは長い年月を経て変化した名である

 

流れ人の男は儀式を経て両面宿儺たり得る男を作り、その男に自身の呪術を授け

 

そして最期は自身の心臓を与えて死亡した

 

儀式を行い、後継となる者を用意して、その呪術を心臓と共に代々受け継がせる

 

そうして増え続ける村人達に比例するようにより強力なリオメンスカァを作り村を守って来た

 

 

 

というのがこの村の真相

 

また身体の障害が軽微である程有力であるとされ

 

今回最も軽微だったリリス=フローンが次代のリオメンスカァとして村の人達に愛されて育つ

 

リリス自身は魔法に関して稀代の天才すら霞む天性の才能を持ち

 

数多の魔法を操る事が出来、本人が緻密な努力を重ねる事で際限なく昇華している

 

それは肉体的、精神的に成熟した本編に於いても変わらない

 

年を重ね老婆となっても衰える事なく、若き日と変わらぬ速度で成長し続ける事が出来る。それ程の才を持っていた

 

だからといって魔法を扱えない人を卑下したり見下す訳ではないが、自身より劣っているのは常々感じている

 

10歳の誕生日の夜、初潮を迎え村の人間に知られた後に儀式が始まり

 

友人を殺し、その後現在のリオメンスカァに師事し、呪術を継承する

 

その後両親を殺された事と併せて村に対する恨みから故郷を滅ぼし、村人も皆殺しにした

 

村自体に名前は無いのだが外の世界からはカーヌドの森、村と名称を付けられている

 

その後馬車に拾って貰った際、自身がカーヌド村出身だと話していた(カーヌド村の名称を出したのでなくカーヌドの村があるとされる森から来たと話した)事、その後村が周囲の森諸共消え去っていた事から唯一の生き残りと判断され

 

森に入って来た調査隊を度々死に追いやった謎の術を知るのも彼女のみとされた

 

その後冒険者となり、10歳ながら侮辱した者は大人であっても殺して来た事や常識外れに極まった魔法の実力から魔女と畏怖される日々を過ごす

 

本人も家族、友人、師との思い出を反芻し続け、心は常に孤独に生きている為それを気にする事は無かった

 

白金級のモンスターも、魔法の才能を与えられた流れ人も、彼女に勝つ事は出来ず敗北し、死んでいった

 

高い実力を持つ故に驕らず魔法の腕を磨き、真摯に向き合い努力していた為に神などから与えられた外付けの才能に嫌悪感を示す

 

また流れ者が女を侍らせ自身の強さに酔いしれているか、あたかも決闘かのような、生還前提の甘ったれた思考で挑んで来る事が多く

 

そういった者達に苛立ち例外なく殺しているので魔法士を志す者達にとって誰もが崇める頂点の一角でありながら彼等にとっての死神であるともされた

 

というのも村を出て僅か4年の時点で上記の有様、手を付けようものなら国王でさえ殺し、報復しようにも捕らえようにも誰も敵わない

 

本来、冒険者組合の規則に則り除名や追放の措置を取るのだが彼女の場合寧ろ公的に何処にも属さない様になる方が危険な為

 

首輪を付けるだなんて思い上がる訳でなく、せめて分かりやすい公的事業に属している事を表明して欲しい一心で所属するよう嘆願されている

 

本人としては分かりやすく日々生きる為の金を稼げる場所であり、抜けるつもりは毛頭無く

 

身分を問わず殺した者達も自身の琴線に触れただけであり、受付窓口の役員や解体事業を営む人達にはまともに接しているつもりだった

 

実際まともに接されてはいたが年齢に合わない手にかけた人数と何が琴線に触れるか分からない爆弾っぷりのせいで恐れられていた

 

恋愛に関しては経験が無いため初心であり、また割と乙女なのだが、本人が常日頃から地獄の日々を反芻し

 

自身のそういった甘さを意図せず性欲と共に殺し続けている為基本無頓着である

 

それに加えてリオメンスカァは自身で終わらせる。という強い意識があり子を設けるつもりはさらさら無い

 

仮にも強姦、輪姦されたとしても犯された事に対する絶望よりリオメンスカァが、自身の呪術が世界に残る事を恐れて男達は当然皆殺しにするとして腹の子も迷わず殺すだろう

 

人を食したトラウマのせいで本来であれば肉を食う事が出来ず、動物性油脂を使用した食材も食べられない…が

 

自身を呪術で操り無理矢理食べる事で否が応でも栄養を摂取した甲斐もあり身体は大変立派に育った

 

この食欲はあの地獄を経験して尚魔法を極める為の健全な肉体を作る為、つまり強くなりたいというハングリー精神から来たもの

 

まぁ既に魔女として畏怖されていた為美貌に釣られる男なんていなかった。いたらいたで殺すだけなので結果オーライ

 

 

 

村を出て魔女としてリリスの名を広め34年、45の歳を迎えて17歳頃の時と変わらない姿のまま本編の洞窟探索に参加

 

冒険者に登録した時のような爆弾っぷりは多少落ち着き、即殺す。でなく殺意を仄めかす程度になった

 

サルムとの交戦時は呪術の有無で優位に立ち回っていたが相手が悪く

 

攻撃によって動けなくなった所を捕食されその生涯に幕を下ろす

 

その瞬前彼女は両親家族、かつての友達に見せるかのように走馬灯に想いを馳せ、然る後に頭を砕かれた

 

 

 

 

 

呪術

 

魂に干渉する術である…と代々教えられるが少し違う

 

魂なき物質にさえ干渉し、気体すら操り、果ては形なき恐怖の集合体すら捕えられる

 

魂というより対象の本質や”芯”と呼べるような何かに干渉するのが呪術である

 

幅広く応用する事が可能で多種多様な呪術が存在する

 

 

・魂魄探知

 

周囲の魂を探る呪術、痕跡や肉体の一部等があればより正確に辿り位置を調べる事が出来る

 

また自身の魂を媒介に血縁者を探す事も、他者の魂を媒介に対象の血縁者を探す事も出来る

 

 

・鎮静呪術

 

自身の魂に干渉し、無理矢理にだが精神を落ち着かせる呪術。これにより不足の事態が起きても冷静に戦闘を続行する事が出来る

 

本編に於いて使用され落ち着かせたは良いが初心な心にお姫様抱っこが強襲して来た為その冷静さが失われてしまい、北上は知る由も無いが敗北する遠因となっている

 

 

・魂魄捕捉

 

魂魄探知で見つけた魂を捕らえて情報を得る、身体能力や肉体の可動域、そこから割り出される暫定的な物理攻撃威力や物理防御力、魔法の練度等様々な情報を得る

 

これにより酸素や二酸化炭素を明確に知覚し、干渉して操作する事で相手を窒息死させる事も出来る

 

気体に魂は無い?それはそう

 

また肉体を透視して筋肉や臓器の動きから先を読む某漫画のように魂から先んじて発信される情報を元に動きを先読みする事も可能とする

 

更にリリスの魔法に関する天性の才能が加わり対象の魂から攻撃力:aと防御力:bという情報を取得、自身にa+1の防御力とb+1の攻撃力を得る聖属性魔法を行使する事で確実に相手を上回る身体能力を得る

 

上記2つがサルムのマッハ177の速度にすら対応する秘密であり、相手の動きを先読みした上で強化した身体能力を明確にイメージ出来る想像力とそれだけ大きい恩恵を得る魔法を行使して尚有り余る魔力を保有するリリスだからこそ可能な芸当

 

しかし四肢が機械製の義手だったサルムに対しては一挙手一投足毎に作動した仕掛けを捕捉し攻撃力:aの情報を取得して、即座に自身にa+1の魔法を行使して防御する、と滅茶苦茶細かく行使し

 

特に銃弾が発射された時には位置、角度から受けるダメージが細かく変動する為弾丸1発ずつを補足しており、弾丸に合わせて魔法を重ね掛けしていた

 

 

・写魂呪術

 

捕捉した魂を物質に転写し、物質にダメージを与える事で魂の保持者にもダメージを与える呪術

 

分かりやすく?言うと呪いの藁人形とかそういうの

 

・呪魂御祓

 

他者から行使された呪術を打ち消す呪術

 

舐めた事で呪術を解析したサルムも行使する事で元の形なき恐怖の集合体に戻り攻撃をすり抜けるようになる

 

その度にリリスは魂魄捕捉で対象の芯を捉えるのだが攻撃が当たる瞬間に呪魂御祓を行使、無効化するイタチごっこになるので

 

呪術を破られてからは攻撃を当て、攻撃を当てられる瞬間に捕捉し芯に攻撃を試みたが

 

捕捉による先読みを含めても勘や経験でタイミング良く行使するリリスに対しより機械的に、最適最短のタイミングでサルムが行使して打ち消してしまう為に反撃は叶わなかった

 

 

・儀式

 

守り神とも、人を呪い殺す呪具であるともされる両面宿儺を産み出す儀式

 

あくまでこの村に伝わる方法であり、差異がある

 

 

手順1、身体に障害のある人間を用意して蠱毒を行い、生き残った1人の両親、友人を出来るだけ苦しませて殺す

 

手順2、殺した血縁者及び友人の血で染めた布で生き残った1人を包み現在のリオメンスカァ様のお膝元に送り継承させる

 

手順3、血縁者及び友人の無念、恨みの募る心臓を生き残った1人に食させる。この手順2と3は混同しても問題はない

 

以下の手順で世界を呪う次代の神、リオメンスカァ様が産まれる

 

これら儀式を行う際、生き残る1人が男性の場合は精通、女性の場合初潮を迎えてなければならない

 

またこの時、家族や友人だけでなくより負の感情があるとより良いとされる

 

長い事この呪いの神の恩恵で生きてきた村人はこの儀式に対し負の感情を強く抱かない為、上述の馴染みのない余所者を嫁や婿で連れてくる決まりが出来た

 

これらを経験してリオメンスカァとなった者は動物性油脂を含む食物、ひいては食事自体に強いトラウマを覚え即身仏になるかのように痩せこける事が殆どである

 

呪具として用いる場合は生き残った1人に心臓を食させた後ゆっくりとミイラ化させる事で完成する


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