星野アイの10年 ~目覚めたら1週間しか経ってない~ 作:アストラッド
着地点が遠い事に気づいた
「演じる事は常にしてきたよ、わりと。
でもママの演技は違うの、嘘を本当に
する演技」
「パパには本物を教えて貰った、私って
愛されてるから。
心からそう思えたから、これは絶対に
嘘じゃないってママも言ってたし」
「私はアイドルになるよ、勝利の女神を
嫌いな人はいないんだから!!」
「そう、でも説教よ」
・無断で地下アイドルになろうとした人の
とんでもない言い訳
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side:アクア
「アクア?あれ、その子」
あ、オワタ
「有馬かなです、その……貴女は」
「あーどうりで見たことある。
私は斎籐みやこ、この苺プロダクションの
現社長です」
「は、はじめまして」
しゃ、社長~……察してぇ察してくれぇ。
ボロ出さないでぇ。
「今日はどうしたのかしら?
見学?レッスンの申し込み?それとも……
2人でデート?」
「でででデートだなんて!?違いますよ!
今日はアクアに頼んでウツシ先生に会える
様にお願いしたんです」
「強引について来たの間違いだろ」
「ふーん……今日なら6時半頃に終わるから、
プライベートな話ならそれからにしてね。
それとアクア、帰りはタクシーを用意して
あげなさいね」
「ウッス」
「有馬さん、うちの子を宜しくお願いね」
「はい!なんてったって私、先輩ですから!」
先輩らしい事1個もしてないぞ。
それよりも社長、ありがとう社長!!
正直オワタと思ったけど余計な事を言わず
嘘も言わずそれっぽい事言ってくれて本当
にありがとう!!
営業頑張って!
「いやー良い人ねあの社長」
「あぁ、会社と所属タレントの為に婚期を
逃す位に良い人だよ」
「結婚してなかったっけ?」
「失踪したから数年前に離婚成立した」
「お、おう……そうだったのね」
「だが根が真面目なんだろうな……まぁ、
さっさと中入ろう」
「緊張してきたわね……」
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「ねぇ」
「どうした、トイレか」
「終わるまで待つのは分かるわ、いやー
応接室が豪華よね」
「いや、ここアイの専用部屋」
「ツッコミたい事増えたけど、それでさ。
アクア!あんたは一応のお客さんである
私を放置してゲームしてんのよ!!」
一緒にやりたいのか?パーティーゲームか
通信系のやつあったか?。
「違う違う違う!すぐゲーム用意しようと
するのやめなさいよ!」
「……じゃあ何がしたいんだ」
「まさか忘れてる?話したいって来る途中
に言ったよね!マジなのあんた!?」
「すまん、忘れてた」
どうしたもんか、取りあえず菓子でも用意
するか……乾パン、缶詰めパン、キャンディ
にチョコレート、ビ⚪コか。
「ほら、食いながら聞くよ」
「あ、ありがとう……役者、もうやらないっ
て本当?」
「あぁ、"もうやってない"が正しいがもう
1度やることも無いだろ。
今は裏方を教えて貰ってる」
「そう……私、アクアの演技好きだったけど
辞めちゃったんだ」
「俺には才能なんて無いからな、勘違い
した馬鹿なガキが痛い目見ただけだ」
演じる能力は努力と才能の両方が高純度に
練り上げられて、初めてスタートラインに
立てる。
どっちも俺に足りない物だ……それは良いん
だけどさ。
「そこまで俺が辞めた事、気にするか?」
「当たり前よ!!あの時のリベンジが私は
したい!!
あんたともう1度同じ所で演技したい!
あんたに負けない演技を見せたい!」
「DVDじゃだめか?」
「話をガン無視するなんて良い度胸ね」
「してない、合理的な解決方法だ」
「私の心情を無視してんのよ!!」
物好きだな有馬も、俺の演技の何が良かった
たんだか。
いや、ただの負けず嫌いか?
「それでさ、今私がやってるドラマにあんた
……出ない?」
「出ない」
「ちょっとは迷いなさいよ!」
「俺に迷いはない」
「カッコつけんなハゲ」
ハゲてねぇよ、それに俺の目的に役者って
職業は絶対条件じゃないし。
「良いだろもう、もう少しでウツシさんの
レッスンが終わる。
隣の部屋に客が来てるってメッセージを
送ったから行っててくれ、俺は片付け
してから行く」
「なんでこの部屋に来たのよ、アイの専用
なんでしょここ」
「此処にゲーム機あるからだが」
「あんたねぇ……私諦めてないからね!
Pの鏑木さんなら私のオススメって事で
決めてくれるかもしんないんだから!
まだ決まってない役にねじ込んでくれる
かもしれないのよ!
やりたいなら素直にいいなさいよね!」
「良いからはよ行け」
「もう!」
ったく、強引な感じは全く変わってないな。
らしいっちゃらしいのか、母さんには敵わ
ないが太陽みたいに明るい奴だ……
「鏑木か、有馬の直近の作品は……」
"今日あま"か……プロデューサーの名前は?
鏑木勝也か、ここで見ることになるとは。
人の出会いは重力、有名な言葉だがそれを
実感する日がくるなんてな。
すまんな、俺は有馬みたいに本気で演技や
楽しんで演技なんて出来ない……だから、
裏方を選んだ。
でもありがとう有馬、道が見えた。
「才能がないのにやらなきゃいけない、
尊敬する親の名前に泥は塗りたくないん
だけどな」
家族への脅威は排除するに限るからな。
まぁ……彼は知らないから、仕方ない。
またアンケートするかね、これによって一人の人生が左右されますけどもね
星野夫婦に新たな子供は?
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できる
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できない