星野アイの10年 ~目覚めたら1週間しか経ってない~ 作:アストラッド
すいません、暑くてバテて風邪もひいてはました。
今後もこんな感じかもしれません
あの数日間の事はよく覚えてる。
私はママが大好き、この頃はパパは……嫌いでは
無いんだけど家族が増える事に、なんとなくだ
けど嫌な感情があった。
あの時は分からなかったけど、今にして思えば
ママの愛情を取られると思ったのかも。
もしかしたら、また愛されないようになるかも
しれない……それが怖かったのかもしれない。
「ルビー、お前の前世がどうだったかは俺は
知らない……けどウツシさんは、大丈夫だ」
アクア……お兄ちゃんからそう言われたけど、で
もその時の私はそれが分からなくて。
「大丈夫だよルビー、教官は優しいよ。
教官は持ってない物をくれる、きっと無意識
だけどルビーにもきっとくれるよ」
ママが言ってた、けど信じられなかった。
自分が信じられないのに、他人を信じられる訳
なかった。
自分を演じて生きてきた私は、本当の私が分か
らない……お母さんの代わりをママに求めて、
愛されていなかったなんて思いたくなくて。
「ルビー君、自分のペースで良いんだ。
不安になるのは悪い事じゃない、怖いと思う
のは悪い事じゃない。
無理矢理に心を偽らなくていいんだ、アイ君
には俺が誤魔化しとくからね!」
疑ってしまう、愛されてる証明が欲しい。
愛されたい、でもそれは……わがままだから、
愛して欲しいと私は言えなかった。
追い詰められていた、自分を追い詰めてたの。
「ママ、今日はカレー?」
「そうだよ……アクア!また栄養ゼリー入れて、
もっと可愛らしいお菓子でもいいんだよ」
「いやこれで」
「ママはこのチョコクッキーを買います!」
「私はこのビスケットサンド!」
「お!可愛いお菓子、アクアもこんなの買い
なよ」
「……じゃあこのカロリースティック」
「なしてバランスフードばっかり!?」
久しぶりの家族でのお出かけ、ただの買い物
でも一緒にいけない私達の特別。
「私も持つ」
「お、じゃあこの袋を持ってくれる?」
「俺も持つよ母さん」
幸せはいつも私に絶望を突きつけてくる、
足元からゆっくりと崩れる……音もない予兆
と一緒に。
「教官は喜ぶかな?」
「おじさんはママの料理ならなんでも喜ぶ
じゃん」
「ルビーが手伝っても喜ぶよ」
「えー、そうかなぁ」
「あの人は俺らの事が暑苦しいほど好きだ
からな……うるさいレベルで」
だからだ、大きな音がきえたから。
私は振り返った、巨大な影が見えた。
「えっ?」
私の声じゃない、ママの声だ。
私がママを押した、大きなトラックがすぐ
そこまで来ていたから。
私はママを全力で突き飛ばした。
殆ど無意識だった、6か7歳になる私でもマ
マを少し突き飛ばすくらいはできた。
お兄ちゃんが歩道の内側を歩いてたのも、
きっとそういう巡り合わせだったんだと当
時は思った。
「そっかぁ」
私は、この為に生まれ変わったんだ。
愛されていない事を知るため。
愛されなかった事を自覚するために。
愛をくれた2人を生かす為に。
死ぬために、生まれて、死んで、生まれた。
だからおしまい、さりなから溢れ墜ちた
ルビーは。
死に損ないが、正しく死ぬだけなのだから。
「疾風ゥゥーー迅雷ぃ!!」
あの人の声が聞こえた。
何故だろう……聞こえる筈もないのに。
誰かに抱きしめられた。
「怪我はないかい?」
どうしてだろう、私は死んだ筈なのに。
どうしてだろう、私は愛されないのに。
「どう……して……」
「そろそろ迎えに行こうと思ってね、ルビー
達が見えたとおもったらトラックが突っ込
んでくるのも見えてね。
俺の腕も鈍ってないみたいだ」
「私は……だって……だって」
この時の私は本当に、分からなかった。
無価値な私が、愛されない私が、なぜまだ生
きているのかが。
母に捨てられた私が、父に忘れられた私が、
どうやって……自分を信じられるのか。
「……ルビー、俺の事を父親として受け入れ
られないのは分かるよ。
でも、例え親子じゃなくても俺はルビーの
事が大好きだよ」
「どうし……て」
「ルビーだから大好きなんだ、これは理屈じゃ
なくて俺のワガママさ。
説明できないけど愛している、人っていう
のはそれでいいんじゃないかな」
「いいの?」
「良いんだ、良いんだよ」
でも、私はママもお兄ちゃんも信じてる。
そして、この人も信じられる。
「うっ……う"う"、こ"わ"か"っ"た"ぁぁぁ!!」
「よしよし、もう大丈夫」
「こ"わ"か"っ"た"よ"ぉぉ、パ"パ"ぁぁぁ!!」
あぁ、私は……この人の娘になるんだ。
_______________________________________________
「でね、パパは凄いんだから!」
「ふふ、ルビーはパパさんが好きやんな」
「大好きだよ、みなみもパパを見たらカッコ良さ
に驚くと思うよ」
「せやねぇ」
もう、ルビーは本当にパパさんが好きなんやな。
分かる気もするわぁ。
「そんなに言うんなら、うちもパパさんに会って
みたくなるやん」
「んー、でもなぁ……いやみなみになら」
「あー、無理ならええんよ。
そんなに悩むくらいパパさん忙しいんやろ?」
「そうじゃないんだけど……いや、相談してみる。
決まったら教えるね!」
「わかった、でも無理やったらええのよ?」
「だいじょーぶ!パパは優しいもん」
……会えるんやなぁ、楽しみやなぁ。
あの日から忘れられんなくなって、ずっとずっと
会いたかった。
事務所に入ったんもモデルになったんも、また
会える様にって思ったから。
うまく話せるやろか……ウツシさんと。
うちも頭……撫でられたいわぁ。
あー暑い、動いてないのに暑い。
亀更新で申し訳ない、1ヶ月ぶりですね。
水分補給してますか?この話を読んだなら、私と縁ができたので水分補給しましょう。