早坂愛は守りたい 〜ヴァレットの恋愛諜報戦〜   作:Cleansweep08

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3話 スマホ&ラブレター&パーティー

〜白銀御行は手にれたい〜

 

「本当にタダでいいのか?」

白銀は自身のスマホがノートPCに繋がれている机を横目に月城に尋ねた。

 

「こっちが金払ってでもやらせてもらうよ」

タイピングの手を止めないまま月城は割と真面目な口調で答えた。

 

「そこまで言われるとなんか怖いんだが。只より高いものはないっていうだろう」

 

「大丈夫。代金なら既にもう貰ってるから」

 

「え、誰から?」

 

「学園長」

 

「何で?!」

 

「えーゴホンゴホン、白⤴︎銀クンのスマホデビュー大変⤴︎オメデタイですね〜!ですがこの学園の生徒会長のスマホは正にレッドボックス!国家機密といっても差し支えアリマセン!そこで月城クンにセキュリティの方をお願いシタイのデス!」

 

「その心臓に悪いレベルの再現度でモノマネすんのやめろよな月城。というかなんで学園長にスマホデビューが伝わってるんだ…」

 

「スマホが普及した頃に初めて生徒会長が持ってたら骨の髄まで情報を引っこ抜かれたらしい。以来、最寄りの警察署で生徒会役員のスマホはセキュリティを底上げするのが決まりになってる」

 

「別の意味で怖くなってきた」

 

「わざわざ署に来てもらうのも手間だから尚武やっといてよろぴく⭐︎って父さんから今日渡されたんだこのパソコン」

 

「月城の父さんってそんなキャラだったけ」

 

「家だと仕事の反動でだいたいはっちゃけてる。はいこれで終了」

 

「どうも」

 

「あぁ、並大抵のウイルスやクラッキングは受け付けない。ちょっと怪し〜いサイトにアクセスしても大丈夫だぞ」

 

「それは助かr…って見ね〜わ!四宮いる時にそういう話、絶対するなよ」

 

「当然。流石にまだ死にたくないし。あぁついでに四宮の連絡先入れとこうか」

 

「知ってんの?!」

 

「流石に知ってるよ」

 

「そりゃそうか。付き合い長いんだったな。だが必要ないさ月城。俺は自分で連絡先を手に入れたい。というか四宮から聞いてもらいたい!」

 

「そうかい。まぁ頑張ってくれ。とりあえずこれ僕のIDね」

どうやら白銀は四宮からラインのIDを聞かれたいらしい。月城は四宮が未だにガラケイ、その上かなり昔のモデルなのを思い出すと知らんぷりする事に決めた。

 

*  *  *

 

〜月城は確かめたい〜

 

「ラブレターね」

 

「かぐや様に宛てたものですね。なかなかポエム節が強いですが内容自体は健全。相手にも失礼ですし、特に裏がなければこのまま放置して…月城君は何やってるんですか」

 

「え?指紋スキャンと筆跡照合」

月城は小型の機械を取り出して手紙をスキャンし始めていた。

 

「謎のハイテク機器をさも常識みたいに語らないでください」

 

「全生徒の指紋と筆跡が紐付けられて登録されてるからそれを照合すれば…こうやって事件性があるか否かを判断できる。外部の人間が他校の生徒を装って秀知院の生徒を介して手紙をロッカーに入れる事自体は可能だからね」

 

「今、全生徒って言いました?」

 

「そう言ったよ早坂。一致したからこれは事件性なし」

 

「こっわ!!」

 

「場所を指定して呼び出す内容である以上はきちんと確認しないと。そこで待ち伏せなんてされたら最悪だ」

 

「そりゃそうですけど…。つまり月城君はこのラブレターを誰が書いたか分かったって事ですよね」

 

「いや、画面には一致したか否かだけ表示されるから特定は出来ないよ。今のご時世、個人情報とかそういうのは厳しいから」

 

「そこは配慮されてんの?!」

 

*  *  *

 

〜早坂は問い正したい〜

 

「「「「間に合った〜」」」」

 

「皆サマお疲れ様デス。いやはや急ナお願いでしたが…

学園長は急な要請を形にした生徒会メンバーに労いの声をかけた。

 

「ただ次からは3日前に言うのやめてください。他の役員などに負担をかけるのは俺の方針じゃありませんので」

「警備上の懸念も生まれますので最低でも1週間前、できれば2週間前には通達頂きたいですね」

白銀に何ならちょっとキレ気味の月城が続いた。

 

「ハッハー…!わかってマス!もうしまセンヨ!」

 

学園長に皆さんも楽しんでと言われた白銀だったがパーティを楽しむどころではなかった。正に非常事態。

「四宮…な、なかなか達者じゃないか」

「藤原書記……お前フランス語話せたのか…?」

「月城…お前もか?!」

この中でフランス語喋れないの俺だけ!?

どどど…どうする?すぐに察して月城が通訳しようかと言ってくれたが急さっき意気投合したのかフランス校の生徒とテラスまで行って帰ってこないし…

この際…藤原書記に助けを求めるか…?月城帰ってきてくれ!

 

白銀の心の叫びとは裏腹にテラスでは別の意味合いで非常事態が起きていた。フランス校の女生徒と月城が当たり障りのない会話をしていたのは最初だけであった。

 

「J'ai mémorisé tous les étudiants de la fête.」

パーティーに参加する生徒の名前は全員覚えたんですよと何故、名前を知っているのかという問いに月城は答えた。

 

「Est-ce le cas ?」

そうなんですか?と驚きの混じった声で答える生徒。

 

「Oui. Au fait, vous semblez avoir grandi de quelques centimètres avant et après votre entrée dans la salle - s'agit-il d'une poussée de croissance ?」

 

「ッチ…!」

会場に入る前と後で身長が数センチ違うと指摘されてこれが罠だったと悟ったフランス校の女生徒?は行動を起こす前に行動不能となった。

 

ベリ!

月城が気を失っている女生徒?の顔を掴むと音を立てながらフルフェイスのマスクが剥がれて全くの別人が現れた。

 

「嬉しくない当たりだなぁ」

 

「殆ど初対面の相手で数センチの違いが分かるもんですか?」

何処からともなく現れた早坂が月城に聞いた。

 

「さっきのはハッタリだよ。彼女を出迎えた時にはかなり強かった香水が会場に入ると全くなかったから試したんだ」

 

「ふぅ〜ん」

 

「何も好き好んで嗅いだ訳じゃないからな。それだけ強かったって話だよ」

 

「別に何も言ってないじゃないですか。あれもしかして…私が妬いたと思いました?」

 

そうだったらいいなと思ってる…(ボソッ)

 

「え?今なんて」

 

「仮にも彼女が居るのにそういう疑惑を持たれるのは良くないと思ったまでだよ。リンスに言及した会計が言葉のナイフで致命傷を追っていたし……それじゃ本物を探してくるから四宮よろしく」

 

「………りょうかい」

納得いく答えでは到底なかった早坂だったがここでこれ以上の問答をする時間は残されていなかったので大人しく引き下がることにした。


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