忍界とか言う割とハズレな世界に関して   作:アルピ交通事務局

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忍界とか言う割とハズレな世界に関して

 

「ふ〜出来たよナルト」

 

「お、ハンバーグか!」

 

 僕の名前は……いや、嘗ての名前はもう使う事が出来ないか。

 今の名前は赤羽隼斗、色々とあって子供の頃に死んでしまった何処にでも居る子供だった。嘗てはだ……なんでも某牛丼チェーン店で牛丼を食べる事が出来なくなった頃に若い子供を二次元に限りなく似た並行世界に転生させようと日本の地獄の閻魔大王が決めたらしい。

 

 ただ単に転生させても転生先で色々と問題があったみたいで、今では異世界転生をしたいかどうかの確認をした後に転生者養成所と呼ばれる場所で子供を鍛えている……僕は17期生、普通の人から普通の人じゃなくなる訓練は地獄としか言えなかったが、苦しい後には必ず幸福があると信じて頑張った結果、転生者になった。

 

「ちゃんとサラダも食べてくれよ」

 

「え〜俺、生野菜嫌いだってばよ」

 

「放置してたらカップラーメンばかりの男がなにを言ってるんだ……」

 

 転生者になる権利を手に入れたのでそれを行使し、転生した。

 チートはちゃんと与えてもらえるのだが問題は転生先を選ぶことが出来ない……まぁ、僕は万能タイプの人間だから余程な世界じゃない限りは1流でオレTueeeeeが出来る……無双は悪くはないが、単調……しかしそこに転生特典というビートが刻まれる、悪くはない。

 

「いっただっきまーす!」

 

 僕のはじめての転生先、それは岸本斉史先生が書き上げた漫画史に残る名作NARUTOの世界だ。

 転生特典を色々と貰っておりその内の1つとして尾獣並みのチャクラを持っている……転生特典が世界観に合わないとおかしいので僕の血筋に遠縁で生命力に長けていることに定評があるうずまき一族とそれとは別の転生特典の問題で奈良一族がある。

 

「……まだまだか」

 

 僕はナルトが生まれた日に起きた九尾の騒動で親族が死んでしまった人達の1人になっている……親無し親戚無しだ。

 幸いにも大人になるまでの蓄えはあるらしく……ナルトの住んでいるアパートの隣の部屋に住んでいる。自らが望んだわけじゃないが自動的に忍者アカデミーに入学する事が決まっているのだが……まぁ、この世界は割とゴミのような人間が多い。木の葉の隠れ里の上層部も基本的にはクズだ。物語としてのNARUTOは好きだが現実のNARUTOは割とゴミである。なにせ原作が終わって息子の時代になってからも色々とあるのだから。

 

「ん〜なにがだってばよ?」

 

「ハンバーグに色々と兵糧丸で使われる漢方薬をブレンドしたが思ったよりも美味しくなくてね」

 

「そうか?何時もよりも美味いってばよ?」

 

「僕の好みの味じゃないんだ」

 

 うずまきナルトと同年代に生まれて忍者になれと言われている。

 原作で不遇なキャラを救おうぜ!と言うのはただのエゴかバカのどちらかだが……僕もどちらかと言えばバカな人間だ。現に原作開始前でお隣で忍者アカデミーに通っているからと言う理由だけでナルトと仲良くしている。

 

 うずまきナルトが九尾の人柱力だと周りの大人は知っている。

 うずまきナルトはお前の親父やお袋の敵とも言ってくる大人が多くいて、何もしていないナルトを悪だと断定しようとしている……全く、とち狂ったとしか言えない世の中だよ。ナルトは冒険活劇よりも復讐譚、ダーク和風ファンタジーな世界だと思い知らされる。

 

「赤羽、明日はラーメン食ってきていいか?」

 

「また一楽のラーメンか?飽きないね、君も」

 

「へっへ!俺は毎日毎食カップラーメンでもいいってばよ!」

 

「やれやれ……」

 

 カップラーメンはレトルト食品は優れている。

 和風ファンタジーな世界のくせに電子レンジとかカップラーメンが存在しているから色々と世界観がおかしい……モーターボートが存在しているのに車が存在していないのは謎だ……いや、十数年後では電気の列車が生まれるか。プラスチックやビニール製品が普通にあるから石油でものづくりをどうこうするノウハウはあるはずだが。

 

 流石に毎日毎食カップラーメンを食べようとするナルトは見ておけない。

 料理を会得している最中で……好みの都合上、肉料理が多くなっているが野菜もちゃんとしっかりと食べているからセーフだ。太ってしまうのならば最悪カロリーをチャクラに変えると言う忍者にしか使えない裏技なダイエットが出来る。というか三代目はなにをやっているんだ、曲がりなりにも木の葉の秘密兵器であり四代目火影の息子にちゃんとした給仕を着けないのは…………給仕側がナルトは嫌だと断ったのならばそれは仕方がない。そしてクソである。

 

「ごちそうさま……皿洗いはちゃんとしてくれよ」

 

「おう!」

 

 夕飯のハンバーグを食べ終えたので僕はナルトの部屋から自分の部屋に戻る。

 ナルトは料理は出来ないけれども皿洗いは出来るようにはさせている。皿洗いの1つでも覚えておけば将来役に立つ筈だろう。

 

「さて…………分身の術!」

 

 自分の部屋に戻れば忍術の練習をする。

 うずまきナルトの十八番な影分身の術……ではなく、実体でなく影の無い幻影を生み出す分身の術だが失敗をしてしまう。

 

「……じゃじゃ馬にも困ったものだな……」

 

 遠縁の血筋に一応はうずまき一族がいる。

 強靭な生命力から生み出される多量のチャクラだが、このチャクラに問題があった……チャクラ、多すぎる。

 うずまきナルト程とは言わないが人柱力レベルのチャクラを僕は持っていて人柱力とは違って自分の意思で全てを使えるのだが、問題はチャクラが多すぎることだ。

 

 問答無用で割り算する影分身の術と違って分身の術は少量のチャクラを用いて幻影を生み出すだけの簡単な忍術だ。

 だが、問題な事に僕が持っている多量のチャクラを僕が100%コントロールすることが出来ない、100ミリリットルの器に100ミリリットルの液体を注ぎ込めばいいだけだが、200ミリリットル以上の液体を注ぎ込んでいると同じことになっている。なので分身はチャクラが多すぎておかしな事になっている。

 

 コレは実はナルトにも言えることだ。

 まだ殆ど九尾のチャクラを出すことが出来ていないがうずまき一族なだけあってかチャクラが半端じゃない。その為に力めばかなりの量のチャクラが出てくる。とにかく力任せにチャクラを注ぎ込んでいるので分身の術と変化の術が上手く出来ていない。

 

「これが出来ないとアカデミーを卒業する事が出来ないんだ……」

 

 分身の術と変化の術が上手く出来ていないが一部の術は逆に上手く出来ている。

 例えば忍者の基礎である木の上を走ったり、水の上を走ったりする事は出来ているのだがこの2つが難しい。むしろなんで出来ないんだと言いたくなるぐらいにはこの術は苦手だ……いっそのことと分身の術の分身の数を増やせば成功するが、手を抜いた状態、適当にチャクラを練って多くの分身を生み出す事が出来ているだけで真面目にチャクラを練って真面目に印を結んで分身を1体だけ生み出す事が出来ていない。

 

「変化の術!…………変化の術…………」

 

 変化の術も上手く出来ない。ナルト世界における基礎中の基礎である忍術が使えない……が、決して忍術が使えないというわけではない。

 気分転換だと左手からチャクラを放出して右手にもチャクラを纏いチャクラを右回りに乱回転させる……そう、NARUTOの代名詞でうずまきナルトの必殺技である螺旋丸だ。ナルトは影分身の術を用いて会得し大人になる頃には片手で性質変化を加えた螺旋丸を使うことが出来ているのだが、今の僕はナルトが最初に考案した1つの手でチャクラを放出してもう1つの手でチャクラを乱回転させる方法で螺旋丸を会得している。

 

 なに、螺旋丸自体は難しい話じゃない。

 質量を持った高密度なエネルギーを物凄い速さで乱回転させて1つの球体に纏めるというシンプルな技だ。修行方法も水風船を割る、ゴムボールを割る、風船を破壊せずに1つに球に留めるというシンプルだがシンプル故に難しい技だが、会得方法が分かっているので時間をかければ会得する事が出来る。

 

 しかし伊達に難易度Aで形態変化をさせただけの術だ。

 今の僕の技量では片手だけの螺旋丸は出来ない。両手同時に螺旋丸を出すことも出来ない。もう片方の手でチャクラを乱回転させる担当を作っての螺旋丸しか出来ない……その内、片手、何れは性質変化を加えた螺旋丸を会得したい。幸いにも僕は今の時点で螺旋丸を投げることは出来るんだから才能自体はあるんだ。

 

「しかし…………僕はどうすればいいのだろうか…………」

 

 NARUTOという世界はうずまきナルトが活躍しなければならない世界だ。

 転生者がうずまきナルトに代わって敵を倒す事が出来ても、最終局面や要所要所で主人公達に託さなければならないバトル物の世界が稀にある。聖闘士星矢とブラッククローバー、キン肉マンがその世界だった筈で、NARUTOはうずまきナルトがうちはサスケと激闘を繰り広げなければならず僕が居ることでナルトの成長を妨げてしまう可能性も普通に存在している。

 

 生憎な事に僕はそこまで出来た人間じゃない。

 卑劣様で有名な千手扉間ならば全を助ける為ならばある程度の個を犠牲にしようとするだろう。僕はその逆、個を助ける為に全を犠牲にしようとするタイプで、理屈や合理性で動けるほどに賢い人間じゃない。

 

 NARUTOの世界に住んでみて如何にNARUTOの世界がクソなのかは分かる。

 ある程度は大人なのでテロやクーデターなんて考えずに安定した生き方を選びたいものだが、この世界は息子の世代にまで負の遺産を受け継がせるレベルで厄介な世界……ボルトとカワキの立ち位置が切り替わるとかいう厄介な事になる。果たしてそれは僕にも通用するのだろうか?

 

「まぁ、なるようになるしかないか…………」

 

 風遁の術を応用した音が漏れない結界を作り出してギターを鳴らす。

 エレキギターだ……電気の概念が普通に存在しているのが謎だがエレキギターはあってくれるのは普通に嬉しい。エレキギターを鳴らして夢想状態になる。音楽はいいものだ……忍者なんてやらずに音楽家、いや、音楽は道楽でやった方が良いな。

 

「おい、赤羽!ナルトの奴を見なかったか?」

 

「ああ、ナルトならペンキを持って火影岩に落書きをするって言ってたので……二代目に陰険と書くように言っておきました」

 

「なにぃ!?……お前、分かってるなら止めろよ!!」

 

「言っても無駄ですよ……止められるのはイルカ先生ぐらいですよ」

 

 翌日、ナルトは火影岩に対して落書きを書こうとする……要するに原作開始だ。

 ナルトが火影岩の落書きを一緒にしないかと誘ってきたが流石に落書きの後始末をしたくはない。ついでだからと二代目火影の火影岩に陰険とだけ書いておく様に言っておいた。

 

 ナルトを止めようと思えば止めることが出来るが、本当の意味で止めることが出来るのはイルカ先生とテウチさんと三代目火影ぐらいだ。

 イルカ先生が僕にナルトは何処かと聞いてくるので火影岩を落書きしにいった事を伝えればイルカ先生は教室を出て行って少ししたらイルカ先生がタンコブの出来たナルトを連れて帰ってきた。

 

「ったく、お前ときたら……明日は卒業試験なんだぞ!!あんなところで油売ってる暇があるんだったら忍術の1つでも練習しろ!」

 

「はいはい」

 

「むかっ…………今日の授業は変化の術の復習だ!変化の術で先生に上手く変化すればいい!」

 

「「「「『え〜!!』」」」」

 

 ナルトの態度に苛立ったイルカ先生は厳しいことを言う。

 僕からすればややこしい講習よりも実戦的な実技の方が嬉しい……ただし、変化の術でなければだが。

 

「変化の術」

 

「惜しい……俺の顔の傷が無いぞ」

 

 変化の術も苦手な術に分類されている。変化の術でイルカ先生になるのだが体格はあっているのだが顔の傷が無い。

 もう一度と真剣に取り組むのだが回数を重ねる度に変化の術の精度が落ちていっているのでイルカ先生は呆れていた。

 

「お前はどうしてそう変化の術と分身の術が下手なんだ」

 

「チャクラの練り方が下手なんですよ……」

 

「まぁ、いい……次ぃ!」

 

 次はナルトの番だったがナルトは変化の術でなくおいろけの術を使ってイルカ先生を鼻血で倒す。

 くだらねえ術を作るなとイルカ先生は鼻血を垂れ流しながら説教するのだが、鼻血を出している奴がなにを言っているんだと皆から笑い者にされていて特に怖さを感じなかった。今日はイルカ先生がラーメンを奢ってくれるので僕は家でゆっくりとする。

 

「次は……赤羽か……」

 

「イルカ先生、質問してよろしいでしょうか?」

 

「なんだ?」

 

「分身の術は3人ですか?それとも3人以上ですか?」

 

 翌日、卒業試験が行われる。

 イルカ先生とミズキが居て今回の卒業試験の内容は分身の術、卒業試験に合格した人達は分身を3人作り上げている。

 

「3人以上だ……2人や出来損ないが居たら失格だ」

 

「……分身の術!」

 

 3人にだけ分身するのでなく3人以上に分身してもいいと言われた。

 3人だけならばハッキリと言って今の僕の技量じゃ無理だ……だが3人以上ならば話は別だとイルカ先生とミズキが座っている机の周り以外の教室に分身を作り出した。

 

「お、おぉ!!赤羽、お前やろうと思えば出来るじゃないか!!」

 

 僕が分身の術の人数を聞いてきたので、1人しか分身を生み出す事が出来ないと思っていたイルカ先生。

 むしろ逆、僕はチャクラが多すぎるので分身の術で分身を多く生み出さないとまともに運用する事が出来ない。しかしまぁ、イルカ先生はその辺には気付いていない。問題児もなんだかんだで合格する事が出来たんだとイルカ先生は我が事の様に喜んでくれる。

 

「赤羽……お前……」

 

「運が良かったよ……」

 

 3人以上の分身の術で合格という基準を示して合格して額当てを貰った。

 木の葉の里の額当てだが額に装備するのはなんか合わない。かと言って腰に巻くのも違う。奈良シカマルの様に腕に巻くのが妥当なところだろうと考えていると悲しそうな顔をしているナルトが僕の持っている額当てに視線が向いた。

 

「クソっ…………」

 

 運良く手に入れることが出来たことを言えばナルトは何処かに行った。

 追いかけることはしない。今の僕はナルトに対してなにも言う事は出来ないのだから、なにを言ったとしても嫌味と自慢話にしかならない。今日は無事に忍者になることが出来たのだとピザを注文した。ナルトの分は取り置きをせずに翌日

 

「ジャーーン!!」

 

 ナルトは額当てを自慢気に見せてくる。

 

「イルカ先生がくれたんだ!!」

 

「分身の術を会得したのか?」

 

「そんなんよりもスゲえ術だってばよ!」

 

「……見せてくれないか?」

 

「おう!多重影分身の術!!」

 

 家に帰ってきたナルトは影分身の術を気前良く見せてくれる。

 影分身の術、アカデミーの基礎中の忍術の教科書には全くと言って載っていない。なんだかんだでナルトがポンポンと使っている忍術だが、一応は二代目火影が作った禁術だった。影分身の術の何処が禁術だったのかと思っていた頃もあったが忍界に転生しNARUTOの原作知識等もあってそれは禁術になってもおかしくはないと言えるチートな忍術なのが分かる。

 

「なるほど、普通の印じゃダメなのか」

 

 忍術は印を結んで行う。

 アカデミーでは干支の十二支と同じ名を持つ印を教えてくれる。イルカ先生曰く全ての忍術の基礎であると言っていたのだが、影分身の術は人差し指と中指のみを突き立てる、所謂チョキと同じようにして両手で十字を作りチャクラを込めれば影分身の術を作る。

 

「っげえ!!赤羽、お前1発で……」

 

「どうやら僕とも調和する忍術みたいだね…………」

 

 影分身の術を作っても体力をチャクラを大量に持っていかれるという感覚が無い。

 僕の細かなチャクラの総量は分からないけれども人柱力並みのチャクラを持っているのでこの忍術とピッタシだ。

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