「今日の任務、なんというか物足りないってばよ!」
「フー……贅沢を知ってしまったが故に、かな」
波の国でナルトがガトーを倒した。
ボコボコに殴り倒した後にガトーの数々の不正の証拠を各国の大名達に渡してガトーから商業権を剥奪、主に慰謝料として各国に行き渡った。タズナさん、残り少ない人生で使い切るか自信が無いレベルの大金を手に入れたからビビっていたね。
ナルトは贅沢を知ってしまった、その為に回されたDランクの任務に不満を抱いている。
「任務に贅沢とかそう言うのは無いから……あっさり終わったけど終わりは終わりだから今日は解散って事で。んじゃ、失礼」
カカシ先生は贅沢言うなと言っているが開始が8時で終わりが10時半ってアルバイトでも早々に無いと思うよ。
終わりは終わりだからとカカシ先生は瞬身の術を使っているかの如く素早い動きで消えた。
「ったく、カカシ先生、俺達の先生なんだからもうちょいめんどう見ろってばよ」
「まぁ、いいじゃないか。給料はちゃんと貰えたし……折角2時間で任務を終えた、明日は休みじゃないとは言え無礼講といける」
「じゃあ、貰った給料で」
「昼ごはんにおにぎらずを用意しているからダメ……」
「ちぇっ……まぁ、いいってばよ」
何時もの様に一楽のラーメン屋に行きたいみたいだけど昼ごはんは用意しているからダメ、勿体無いからね。
異空間に閉まってあるおにぎらずを取り出す……やはりおにぎりよりもおにぎらず、クッキングパパは偉大だね。
「サスケ、サクラ……君達は、この後、どうする……」
「そうね……直ぐに終わっちゃったし、サスケくんカラオケにでも」
「俺はそういうのには興味は無い……任務が終わりならば帰らせてもらう」
「サクラちゃん、サクラちゃん、俺が開いてるってばよ!」
「あんたは絶対に音痴!」
「正解だよ」
サスケをカラオケにでも誘おうとするけども、無理だと言われる。
相変わらずコミュニケーション不足が目立っているなと思っているとサクラに自分は行けるからとアピールするが断られるナルト。
ナルトは音痴だよ……。
「まぁ、この前の波の国の任務がハード過ぎて感覚麻痺してるけど……一応は修行しないとね。教えてくれる人、カカシ先生以外に全く心当たり無いけど」
「「「…………」」」
一般家系のサクラ、親族どころか一族全滅してるサスケ、身寄りが無いナルトと僕。
カカシ先生以外に忍の技術を教えてくれる人、全くと言ってアテが無い。その事を言われれば修行しないといけないけどなにすればいいのか分からないと思っている……体術の修行なら重りを使って筋トレすればいいけどチャクラを扱う系の術は指導者居ないとね。
「……赤羽、1番真面目に考えてるね」
「フー……心外だね……趣味らしい趣味に時間を費やす事をするならまだいいけど、この前みたいなのホントに笑えない。カカシ先生居てくれないと負けるどころか死んでいたからね」
波の国の人間が依頼を偽造した、コレは割と問題だったみたいで波の国の大名が火の国の大名に睨まれている。
まぁ、貧乏の原因のガトーが退治された、物流を操作することが出来る鳴門大橋の開通に成功した。だから木ノ葉もとい火の国には頭が上がらない状態、人の功績を勝手に政治に利用する……稀に思うけど、火影とかよりも偉い大名ってなんなんだろう。いや、政治を一任する人だからなりたいとか洗脳とかはめんどくさいからしないけど。
「でもさ、修行ったってなにすりゃいいんだ?頭良いサクラちゃんでも木登りの修行は知らなかったんだろ?」
「うっ……そうね……本とかそういうのにあるの大体覚えてるし……なにすればいいのかしら。(一言余計なのよ……でもどうすればいいわけ?)」
「ふん、バカかお前達は。だからウスラトンカチとそれ以下なんだよ」
「なんだと!波の国で全く活躍しなかったお前にだけは言われたくないってばよ!!」
内なるサクラがなにを言っているかは分からないけどもなにか言っている気がする。
それはさておきサクラもなにをすればいいのかがわからないと言う、頭良いサクラでも無理ならばと言えばサスケは呆れていた。
波の国で活躍しなかった事について指摘すればサスケは額に青筋を立てるけど、一応は中身を話してくれる。
「再不斬とカカシが戦っていた時を覚えているか?」
「ええ、覚えてるわよ」
「カカシと再不斬は当たり前の様に水の上に立っていた……木に立てるのならば水の上にも立てる」
「……それがベストだね」
なにか特別な忍術を習う云々ならともかく基礎を学ばないといけない。
そう考えるとボルト世代はインフレが進んでいるが……まぁ、長期連載漫画にはあるあるな事だから仕方がない。
「……赤羽、お前、既に」
「ああ、水面歩行は可能だよ」
「……っち……」
「聞こえるレベルの舌打ちは心外だね……」
「よーし!じゃあ、今度は水面歩行だってばよ!サスケ、サクラちゃん、手頃な川ならば俺知ってるってばよ!」
自分は次のステージに行くつもりだと言うつもりだったけども僕はその辺りの基礎はしっかりしている。
サスケは気に食わなさそうに舌打ちをするのでそこそこの精神的なダメージを受ける……酷いよ……まぁ、それはさておき真面目に修行しておかないといけない空気なので昼ごはんを食べてないサスケとサクラは一旦帰って昼ごはんを食べ、ナルトが最適だと教えてくれる誰にでも使えるフリーの演習場に連れてきてくれた。
「さて……水面歩行だけど木登りと同じ要領でやるんじゃないよ」
「そうなのか?」
「そうだよ……口で言っても仕方がないから……とりあえず全員でやってみようよ」
水面歩行はチャクラを水中に向けて放出し続けないといけない。
チャクラを纏わせてくっつけるんじゃなくて下に向かって放出し続けなければならない。
僕は原作知識と言う答えを知っているから何事も無かった様に水面歩行をする……けど、ナルト達はポチャリと川に足を沈めた。まぁ、予想通りの展開だね。
「ど、どうなってるってばよ!?俺ってばちゃんと木登り出来てたのに」
「このウスラトンカチが、赤羽がさっき木登りと同じ要領でやるんじゃないって言ったばっかだろ」
「赤羽、コレどうやるの?」
「そうだね……答えを教えてもいいけど……自力で3人で力を合わせて答えに至る、それがいいね」
一旦川辺に戻るナルト達。
木登りと同じ要領でやったらダメだと言ったばかりなのに木登りと同じ要領でやった……ナルトに対してサスケが呆れてサクラが答えを聞いてくる。
「3人でって……こんな足手まといに不要だ。答えをさっさと教えろ」
「嫌だね……君、上には上が居るのをしっかり知っているのにチームワーク無しなのはね……今回は純粋な殴り合いじゃない、問題の解き方を考える時間だよ」
焦りを感じているのは分からなくもないけども、波長が乱れるのはよくないことだ。
チームワーク無しで上とまともにやりあえないのは君が1番理解している。純粋にその上に行きたいのは分かるけど1人ではダメだと思うよ。
「サスケ、君は写輪眼は開眼してるだろ?」
「……知ってたのか……」
「まあね……ナルトの影分身で実験、サスケはなにが起きているのか写輪眼で観察、サクラが観察で得たデータからどういう風にすればいいのかを考える」
波の国で写輪眼が完全に自由自在にオン・オフ出来るようになったけどちゃんと開眼したのはイタチの一件でだ。
今の頃合いから使えるんじゃないか適当な事を言ってみれば驚かれる……とりあえず、これでいいか。
「っち……ナルト、影分身の術を使え。チャクラの流れを見る、なにがどうなっているのか……」
「じゃあ、僕は水面歩行をしないでおくよ。僕のコレが答えだからね」
目を通常の目から写輪眼に切り替えるサスケ。
答えを見られるのはまずいからと水の上から川辺に戻り、サスケは写輪眼でナルトを見る。ナルトにもう1回やれと言っている。
なにをすればいいのかわからないので失敗するのは目に見えて分かるからめんどくさそうにするナルトだが影分身の術で分身を生み出して水の上を立とうとするがポチャンと落ちた。
「……最初はくっついていた……だが、水は固形じゃない……直ぐに形を変える」
「水は液体だから凍らせて固体にする……は出来ないから……あ、そっか。チャクラを足に放出し続ければいいのね!」
「フー……もう少しトライ・アンド・エラーを繰り返すんだけど……君達大分反則だね」
ナルトの影分身のマンパワー、サスケの写輪眼、サクラの知性、この3つが上手く噛み合うことで秒で答えに至った。
今回はナルトの影分身のマンパワーは活躍していないけれどもサクラの知性は光っている……本当ならばトライ・アンド・エラー繰り返すけど即座に答えに至るのは良いことだけど反則的な性能をしているね。
「チャクラを常に出しっぱなしにする……そうすれば水の上は歩けるよ」
「成る程、確かに液体の水は形が変わるからそれに合わせてチャクラを……」
理論だけを言えばサクラは普通に納得し、印を結ぶ。
印を結ぶけど忍術は使わない、忍の基礎であるチャクラを練り込んだ後に一箇所に集中して放出する……サクラは何事も無かったかの様に普通に水の上を歩く。原理だけ分かれば何事も無く使えるとは、一般人の家系でこのレベルの忍が生まれるからバグっているね。
「ふん……コツは見た」
サスケはサクラのチャクラコントロールをコピーした……やっぱり写輪眼は卑怯だね。
何事も無いように水の上を歩く……ポチャンと落ちる音が聞こえたので向けばナルトが沈んでいた。
原理自体は分かってくれたみたいだがナルトはまだまだチャクラコントロールがヘタクソ……まぁ、僕も言える義理じゃない。
血縁にうずまき一族があるせいかスタミナが多くてチャクラが無駄に多い、尾獣並の量だけれど……ほんの少しの一定量を出すって言うのが凄くしんどい。感覚を掴むのに物凄く時間がかかってしまう。
「だぁあああ!クソッ……」
「慌てないで……僕だって会得するのに何日かかかったんだよ」
「でもサスケとサクラちゃん、一発で成功してるってばよ!」
「比較する対象が間違っているよ」
あの2人は才能が開花している稀代の天才、ナルトも天才の部類だけれどその能力は封じ込められている。
封印術で尾獣が封印されてチャクラコントロールが下手になっているけど、もしそれが無ければ……うずまきメンマルートだね。
「とにかく練習あるのみだよ」
「でもさ」
「なんだい?」
「コレってさ、基本的な技術だろ?なんかこう、ドバっとした必殺技って感じじゃないってばよ……俺ってばこう、ドバっとした必殺技を会得したいってばよ」
「それを会得しても水の上に立てなければなにも出来ないじゃないか」
カッコいい必殺技を会得したいと思っているナルトは水面歩行の修行に文句を言う。
だけど水の上に立つことが出来ないとその必殺技を使うことが出来ない……ここで螺旋丸を教えるのはなんか嫌だし……あ、アレがあったか。
「1つ、いい技があるよ。チャクラの多いナルト向けの必殺技が」
「え、マジ?」
「ああ、あるよ……まず答えを見せるよ」
ボルトには使えないナルト向けで多分だけども終盤になれば使われないであろう技がある。
この技、覚えたのはいいけども使い道は無いから全くと言って使っていない……
「パッと開かず、グッと握ってダン!ギューン!ドカーン!!」
「おぉ!スゲえってばよ!!」
巨大な拳骨を作り出して殴る。ナルトは如何にもな必殺技だと笑みを浮かべてくれる。
「この技の名前は正義の鉄拳、印を結ばなくても使える術の1つだけど純粋にチャクラが必要な忍術さ」
「……どういうことだってばよ?」
「なに、僕達はチャクラを使っているけどカカシ先生やサスケの様な写輪眼無しだとチャクラを目で見ることが出来ていないだろ?だけど今使った正義の鉄拳は見えていた。チャクラの塊が肉眼で見えているんだ。目に見えるレベルのチャクラ=とんでもない量のチャクラ、それで殴る」
「つまり、スゲえ量のチャクラで拳骨作って殴るってことか」
フー、君にしてはしっかりと分かってくれているね。
正義の鉄拳は形態変化のみを極めた技、巨大な拳骨を作り上げて殴り飛ばす技だ。
「そういうことさ……っと、水面歩行をしながら覚えるよ。水面歩行が出来ないとこの技をいざ使うとき使えないって状況になるからね……じゃあ、答えを教えたところで先ず基礎となりゴッドハンドの出し方を教えるよ……ゴッドハンド!」
「おぉ、今後はグーじゃなくてパーが出たってばよ……よし、俺も……ゴッドハンド!!」
正義の鉄拳を覚えるにはマジン・ザ・ハンドは覚えなくてもいいけど、ゴッドハンドは避けては通れない道だ。
「いい!いいよ!うずまきナルトとゴッドハンド、2つが最高のハーモニーを醸し出し調和する!メ、メモリー!!」
「そ、そうか……でも、ポンって出ないな」
「とりあえず最大出力を出してみればいいかな……ナルト、細かなコントロールばっかやったけど今回はデカく扱うから力任せでOKだよ」
この術、ホントにチャクラ消費激しいからあんまりオススメ出来る術じゃないけどね。
手のひらにありったけのパワー、そのパワーを指に集中する、それこそがゴッドハンドを使う極意。
チャクラを集中させている……フー……僕と違ってMyチャクラがそこそこで九尾チャクラの方がぶっ壊れて多いから……
「パッと開かずグッと握ってダン!ギューン!ドカーン!!……っ……」
「止めておいた方が良い。それはチャクラに物を言わせて使う必殺技だ」
サスケが写輪眼で正義の鉄拳をコピーした。
螺旋丸の様に乱回転と言うややこしい回転をしていないから覚えるのは簡単だ……でも、シンプルにチャクラが足りない。正義の鉄拳は色々とコスパが悪かったりするしね、脅威の侵略者編でもパンチング技で不遇な扱いで世界編で威力がガクンと下がったよ。ムゲン・ザ・ハンドは通じたのに……サスケは見事にチャクラが足りない、真似したのはいいけどチャクラが足りなすぎて未完成の一本の手の正義の鉄拳が出てきた……動きは完璧だけどチャクラが足りないから無理だ。
「……俺向けの術は無いのか?」
「君の場合、もっと基礎訓練……それと写輪眼なんて便利な物を持っているんだ。精々アドバイスを送るなら写輪眼を使い続けること、そうすればカカシ先生みたいな事にはならない。写輪眼での戦闘は僕には分からない、ちゃんとした修行時間を手に入れればカカシ先生に頼めばいいよ」
ナルトに忍術を教えたように自分にも教えてほしいと言うけどサスケ向けの術は無い。
と言うか写輪眼がチート過ぎて教えれる術が無いのが正しいかな……基本的な5つの属性の術、コピー可能だから……アニメやゲームとかが量産されてる昨今、魔眼系も増えたけども写輪眼は多分だけど上位に君臨する。
「サクラ向けの忍術はあるよ」
「……おい、サクラに出来るなら俺でも可能だろ」
「いや、コレ結構チャクラコントロールが大事なんだ……」
「……どんな術なの?」
「おや、珍しく乗り気だね」
「そりゃあ……ね……」
何時もならば要らないとか言いそうだけれど、珍しく乗り気だ。
ゴッドハンドの会得を頑張っているナルトや新しい忍術は会得出来ないが代わりに日常生活で写輪眼を使い続けることでチャクラの上限を伸ばそうとしているサスケ、それを見て焦るサクラ……
「ビートを段々と刻んでいく、広がる波紋は大きくなる……ん〜いいね……」
「音楽関係ないでしょ!?……で、なにをするの?」
「別に難しい術じゃないよ、影分身の術の派生だよ……手裏剣を影分身の術で増やす、以上」
「……え、それだけ?」
印を結んだ後に手裏剣を投げれば手裏剣が分身する。
手裏剣影分身の術、それを見たけどもあんまり……
「フー……ナルトの正義の鉄拳やサスケの常時写輪眼でチャクラ総量を上げるとかと違って地味かもしれないけど、コレ強いからね。ドンッと派手に叩くパフォーマンスな和太鼓やドラムは美しい音楽を奏でるが単体だけで生き抜くのは難しいけれど強いから……コレに起爆札や毒などを盛ればどうなるか」
あんまり使いたくない卑遁忍術になるから嫌なんだけど……起爆札付きクナイ+手裏剣影分身の術って恐ろしいぐらいに強いんだよね。普通の影分身の術と違って手裏剣影分身の術、チャクラを等分割しないから
「煙玉+手裏剣影分身+変化の術」
「……あ……」
「分かってくれたようでなによりだよ」
そしてコレはおそらく卑劣様の卑劣な忍術さ