忍界とか言う割とハズレな世界に関して   作:アルピ交通事務局

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忍界とか言う割とハズレな世界に関して4

 

 完璧に原作通りとは言わないけれども、一先ずは第七班はうずまきナルト達は忍になれた。

 下忍からのスタート、才能ある奴ほど飛び級出来る制度だけれども僕は飛び級にはそこまで興味を抱いていない。期待してくれている親が居るというわけでもないからね。

 

「フー……こちらE、対象を発見。目的地にいる」

 

『こちらB、目的地についたわ』

 

『こちらA、逃げ道を封鎖した』

 

『こちらC、誘導の罠を用意した……ナルト、準備は出来たか?』

 

『……こちらD、出来たってばよ……』

 

 下忍になったので任務に挑む。

 一番下のDランクの任務でお給金は安いが、1人で食っていくには申し分の無い給料を貰える。固定制じゃなくて歩合制、どうせならば固定+歩合制にしてほしいものだ。体力仕事で歩合制は割に合わないパターンが多い。

 

『いけ、ナルト』

 

 カカシ先生の指示の元、ターゲットを捕獲にナルトは向かった。

 相手が相手だけに傷つけるわけにはいかない、更にはカカシ先生を持ってしても読み切る事が出来ない思考の持ち主である。

 

「捕まえたってばよ!!」

 

「ニャアアアアア!!」

 

「……この猫で間違いないみたいだな」

 

「そうみたい」

 

「おーし、連れて帰るぞ」

 

「……っだぁああああああああ!!」

 

 僕達の捕獲対象は猫だった。ただの猫じゃない、木の葉でも有数の金持ちのペットである。下手に傷つければ任務は失敗に終わる。

 ナルトが素早い動きで見事に捕獲する。サスケは写真を見て猫違いかどうかを確認し、サクラと一緒に間違いないと頷いた。カカシ先生は無事に任務を終える事が出来たのだがナルトは物凄くイライラしていた。

 

「俺ってば、こんな事をする為に忍になったんじゃないってばよ!!もっと忍らしい仕事をしたいってばよ」

 

「……はぁ……」

 

 Dランクの任務は里の何処かに行った富豪の猫探しを始めとする別に忍じゃなくても熟せる依頼だ。

 猫一匹捕まえるのに子供4人、大人が1人で無線を使ってまで頑張っているという非常に情けない絵面だ。コレが果たして忍と言えるのかどうかと聞かれれば僕にはよく分からない。

 

「トラちゃん、もうダメじゃない勝手に家出したら」

 

「フシャアアアアア!!」

 

 ただ言えるのはペットの猫はご主人に全くと言って懐いていない。

 勝手に逃げ出した事に関して大して怒っておらず帰ってきた事を喜ぶマダム。頬擦りを猫にするのだが物凄く威嚇している。

 それを見た僕達はあれは逃げ出しても仕方がない事だと心の何処かで納得してしまう。

 

「流石は忍ね、依頼は確実にこなしてくれるわ!」

 

「ええ、勿論です」

 

「じゃあ依頼料を……色を付けておくわ」

 

 0が沢山ある札束を躊躇いなく出したマダムはご機嫌よく任務の依頼や報告する部屋を出ていった。

 アレだけの報酬なのに僕達に貰える実質的なお金はほんの僅かな十数両……割に合わない気もするね。マージンとか末端に渡す給料を出し渋れば縁を切られるのが商売の世界だよ。ボランティアは僕は好きじゃないんだ。

 

「さて、カカシ隊第七班の次の任務は芋掘り、隣町までの買い物、老中の坊っちゃんの子守りか」

 

「ダメー!!そんなのノーセンキューだってばよ!!忍が居なくても問題無い依頼よりももっと忍らしい依頼をくれってばよ!」

 

 無事に任務を終えたので任務達成となり次の任務を託そうとする三代目のクソジジイ。

 ナルトはここ最近の任務が忍らしくない任務ばかりだったので忍らしい任務をくれという。当然の如く一緒に依頼を説明したりしているイルカ先生は怒っていた。しかしナルトだけでなくサスケやサクラも若干だがストレスを溜めている。別に忍じゃなくても問題無く行える事が出来る任務なのだ。

 

「三代目のクソジジイ、ナルトの意見に賛同するわけではありませんがもう少しまともな任務をください。山に出た熊や猪の群れを退治するレベルの任務で構いません……忍じゃなくても出来る雑用が大事なのは分かりますが僕達下忍のモチベーションやフラストレーションも考えてください」

 

 僕は我慢出来るけども、ナルトは我慢する事が出来ていない。

 塵も積もれば山となると言うが流石にストレスを感じなくもない。金を貰っているからと割り切る事が出来ているが。一応はそれっぽい正論を並べてみる。それっぽい正論なのでカカシ先生もイルカ先生も三代目のクソジジイも言い返しにくい顔をする。サスケもそれぐらいの任務を寄越せやと僅かだが頷いた。

 

「ふむ……そうじゃの……Dランク任務ばかりではつまらんのも分からなくはない。だが、AやBランク任務は幾らお前でも早すぎる」

 

「僕はそこまでとは言ってない……モチベーションの為にCランクの任務をくださいよ」

 

「おい、赤羽お前なぁ!」

 

「落ち着けイルカ。赤羽の意見にも一理ある……ならばお前達にCランクの任務を与えよう……出来次第ではDランク任務漬けは覚悟しておくんじゃぞ」

 

「やった!で、なにをするんだってばよ?」

 

「ある人物を依頼が完了するまで護衛してもらう」

 

「それってお姫様?それとも大名!?」

 

 やっとCランクの任務を貰えると喜びを見せるナルト。

 サスケも前よりマシな任務だったらそれで構わないと納得しておりサクラは……なにを思っているんだろう?任務の内容は護衛任務だと言われるが果たして忍が護衛任務でいいのだろうか?そういうのは侍の仕事だと戦国時代から決まっているが……ホントに謎だな。

 

「え、こんなおっちゃんを護衛?」

 

「こんなんで悪かったの、チビ」

 

 網笠を被った初老のおじさんが入ってきた。大名レベルの重役の護衛なんかを下忍に任せる事なんて出来るわけがないだろう。

 酒瓶を持ってグイッと飲んでいるおじさん……一応は自己紹介の場なのだから、もうちょっと考えて行動をしてほしいな。

 

「ワシはタズナ、波の国の出身で橋作りの名人じゃ……波の国で橋を作るから完成まで護衛をしろ」

 

「フー……護衛任務とは言え外国に行けと……結構ハードル高いですね」

 

 こう、忍じゃないと倒せないレベルの猪や熊の討伐をイメージしていた。

 原作通りで原作知識で分かっている事だけれども、Cランクの任務でいきなり外国に行けとはハードルが高い。

 

「馬鹿野郎、むしろ逆だ……安全な木の葉の里で護衛任務をするって事は木の葉の里に侵入する事が出来るレベルの忍が相手だって事だ」

 

「でも、言い方や考え方を変えれば外国という未知の地で護衛する……相手の領土ですよ?」

 

 イルカ先生はそれは逆だと言うが、考えようによっては違う。

 相手の領土の上で戦うのは危険だ。相手の得意な盤面や戦術で戦うという事は基本的には自分達が不利になる。

 

「なに、大丈夫じゃ。波の国には忍はおらん襲ってくるのは山賊程度……波の国は治安が悪いそうじゃからの」

 

「……」

 

 山賊が居る時点で治安が悪いと言うレベルではないと思えるが忍界は基本的には狂っている、スマートじゃないね。

 とはいえ護衛任務である事には変わりはなく、ナルトはモチベーションを上げる。ナルトだけでなくサスケもモチベーションを上げる。そんな中でタズナさんは気まずそうな顔をしているがカカシ先生や三代目のクソジジイは気付かない。

 

「爺ちゃん、俺がタズナのおっちゃんをカッコよくビシッと守ってみせるから期待しててくれよ!」

 

「うむ、期待しておるぞ」

 

「出来りゃ守るって状況にならないでほしいって超思っとるんじゃが……」

 

「ハハハ、ま、大丈夫ですよ。外国に行くとはいえCランクの任務、その気になれば私一人でも解決出来る……下忍の育成の為なのでそこは我慢してください……というわけでお前等、初のCランク任務で初の外国だから準備してこい」

 

 やっと来た忍らしい任務だとナルトは喜ぶ。

 カカシ先生が今日は解散の9時までに準備をしてこいと言ってくるので今日はそのまま解散の流れになった。

 

「ニッシッシ!やっと俺がカッコよく活躍出来る任務がやってきたってばよ!」

 

「ナルト、喜ぶのはいいが具体的に何時任務が終わるか分からないんだよ」

 

「え、タズナのおっちゃんが橋を作り終えたら任務完了だろ?」

 

「そうだけど、具体的に何日後に終わるか分からないじゃないか。なにかを成し遂げれば任務終了なDランクの任務ばかりで感覚が狂ったのか?」

 

「あ〜……そう言えばそうだってばよ……」

 

「まぁ、C級の任務だから現場に到着したとしてもほんの僅かな時間……長くても一ヶ月程度かな」

 

「そんなにかかるのか……よぉし!じゃあ、暫く里を離れるんだったら一楽のラーメンを食ってくってばよ!」

 

「なら僕は雷バーガーに行こうかな」

 

 この時代にもまだチェーン展開されていないが雷バーガーは存在している。

 マクドナルドの値段でロッテリアレベルの味のハンバーガーショップだから割と当たりな店でボルト達ネクストジェネレーション達がたまり場として使うのも頷ける。僕はハンバーガーチェーンで1番好きなのはロッテリア……と言ってもとうの昔に買収されてロッテリアじゃなくなってるけれども。

 

 ナルトは一楽のラーメンを食べに行った。僕は雷バーガーのダブルチーズバーガーを食べに行った。

 忍界なのにラーメンとダブルチーズバーガーと似合わない物だがNARUTOの世界観に関しては基本的にはツッコミを入れてはいけない。ギャグ外伝であるロック・リーの青春フルパワー忍伝ではヘリコプターやショットガンなんかが登場する……ドライフリーズ製法やエンジン付きのモーターボート、テレビがあるのに車が無いのは謎だけどね。そういえば自転車も見ないな

 

「出来たってばよ!」

 

「それじゃあダメだ、と言うかどうやって詰め込んだんだい?」

 

 僕が雷バーガーを、ナルトは一楽のラーメンを食べ終えて家に帰った。

 ナルトは任務とは言え初の海外で護衛なんだと張り切り荷物を詰めたのだがリュックが玄関のドアよりも大きくなっている。明らかに質量保存の法則等を無視しているギャグ描写だと分かり取り敢えずはと荷物を分ける。

 

「巻物があるんだから、無駄な荷物は省け……着替えと忍具だけで充分だ」

 

「赤羽は荷物は?」

 

「僕は異空間に荷物を閉まっているから嵩張らなくてすむ」

 

「えー!ズルいってばよ!」

 

「過去に何度それを言った?僕が何度かこの術を教えただろう?」

 

 異空間に荷物を出し入れするだけの忍術だが、カカシ先生曰くAランク以上の高難易度な忍術らしい。

 独自の異空間その物を作り出しそこに入れるだけだが、NARUTO世界ではぶっ壊れている忍術の1つらしく今のところは危険性は無く猛威を振るっているわけではないので禁術指定はされていない。三代目のクソジジイはこの術を知っていない。知っているのは第七班の面々ぐらいでカカシ先生も上に報告すればロクな未来が待ち構えていないのが分かっているので言っていない。

 

 仮に上に報告すれば……巻物を届けるタイプの任務で悪用されるところかな。

 基本的には入れた忍にしか異空間に干渉する事は出来ない。命あるものの出し入れも出来ないけれども普通に便利……アイテムボックスは存在そのものがチートとはよく言ったものだ。

 

「いやー待たせたな」

 

「カカシ先生、護衛任務なんですから遅刻は勘弁してくださいよ」

 

 翌日、例の如く遅刻してくるカカシ先生。外国に護衛の任務で行くのだから遅刻するのは……いや、この人になにを言っても無駄か。

 あんの門にいる忍にCランクの任務で波の国に行くことを伝えればあんの門は開いた……数年住んでいるが初の外国、浮かれるわけにはいかないね。

 

「ちょっとナルト、浮かれるんじゃないわよ。田舎臭いわよ」

 

「だって俺ってば里の外に1度も出たことがないんだってばよ?」

 

「それを言ったら私だって無いわよ……バカンスじゃなくて任務なんだから浮かれるんじゃないの!」

 

「初の外国に浮かれるなとは言わないがもうちょい緊張感は持っとけよ。山賊が相手なんだから」

 

 そんなナルトの態度に呆れるサクラとカカシ先生。

 ナルトは任務であることは分かっているのだと言うのだが敵が出てこないのかと考えている……出来れば最初から最後まで何事も無ければいいことなんだけど、世の中はそんなに甘くはない。

 

「ナルト、ちゃんと前を見るんだ。水たまりがあるぞ」

 

「んなの言われなくても分かってるってばよ!赤羽、俺のことを馬鹿にし過ぎだってばよ!」

 

「……はぁ……」

 

 僕の言いたいことを理解していないナルト。

 カカシ先生とサスケは違和感を感じているがなにも言わずサクラは波の国がどんな国なのかをタズナに聞いた。

 

「波の国は忍はおらんから、木の葉に依頼したんじゃ……じゃなきゃ最初から波の国に依頼しとるじゃろう」

 

「忍がいない国もあるんですね」

 

「まぁ……今じゃ何処の国も忍の里を持ってるのが当たり前で波の国は忍の里を持っていない非常に珍しい里だ」

 

「フー……忍が居ないならやりたい放題出来そうですね」

 

 この世界で忍は兵器である。意思を持った兵器とは恐ろしい。私利私欲に走る馬鹿もいる。

 忍は自国の自衛の手段であり他の里と比べて抑止力の様なものが存在しない……軍隊を持っていない=平和ではない、戦争が起こりまくっている世界でならば尚更だろう。

 

「ま、今回は橋作りの護衛なんだ。国の経営を邪魔するなんざ戦争のキッカケになりかねないんだから俺達には関係無い、はな───」

 

「え!?」

 

 それは突如だった。呑気に語っているカカシ先生は水たまりの中から現れた2人の忍が刀でカカシ先生を突き刺した。

 あまりにも突然の出来事にナルトは驚き固まるのだが直ぐにカカシ先生が刺された事を理解して動揺して顔を青くする。

 

「っちぃ、出てきやがったか!赤羽、1人やれ!」

 

「フー……それは無理な話だね」

 

 サスケは水たまりの事に気付いていた。

 忍が2人と数の上では分が悪いと判断したサスケは僕に助けを求めるのだが、僕は戦わない。一応はクナイを出しているけれどもタズナさんの元を離れない。

 

「お前にゃ悪いがここで終わりだ。くたばれ、ジジイ!!」

 

「さ、させるかぁ!!」

 

 ナルトはなんとか冷静になった結果、襲いかかってくる忍に攻撃しようとする。

 厳つい爪を装備していた忍の攻撃を少しだけくらうが敵の忍はナルトに対して興味を抱いていない。目的はサスケでもなくサクラでもなくカカシ先生でもなくナルトでもなく僕でもなくタズナさんだ。

 

「手裏剣分身の術」

 

 こちらに向かってくるのが分かれば僕はクナイを投げて印を結ぶ。

 投げたクナイは無数に増える。忍はマズいと思ったのか避けようとする。

 

「よくやった、赤羽」

 

「先生、もうちょっと早くに出てきてくださいよ」

 

「知らなくちゃいけない事があるからそこはな」

 

 避けた先にカカシ先生がいた。

 視線を斬られた筈のカカシ先生を見れば変わり身の術で木に変わっていた。カカシ先生は目にも止まらぬ早さで2人の忍を倒して気絶させた。

 

「フー………………前途多難だね……………」

 

 この任務、ホントに大変だよ。

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