「あんた、生きとったんか!?」
「下忍にすら気付けるバレバレな罠なんて見抜けないわけないじゃないですか」
霧隠れの忍を捕縛した。斬られたと思っていたカカシ先生が何事も無かったかの様に出てきた。
生きていた事に関してタズナさんが物凄く驚くが、カカシ先生は何事も無かったかの様にしているが纏っている雰囲気は真剣な雰囲気だった。
「ならなんであんな事を」
「知る必要があったんですよ……見たところ霧隠れの忍で中忍と言ったところ。その程度の忍ならば私がその気になれば簡単に潰せます。ですが問題はそうではない。忍がなにを狙っているのか……私かナルトかサスケか赤羽かサクラか……タズナさんかを」
「…………」
「見てみた結果、狙いはタズナさん貴方だ……俺達は山賊レベルから貴方を護衛する任務を受けた。だが、忍が相手となるとCランクでなくBランク以上の任務になる…………どういう事か説明をしていただけますか?」
「…………超すまんかった!!」
霧隠れの忍の狙いが分かった。
僕達ではなく護衛のタズナさん、橋作りの名人で命を狙われていると言うがどういうわけなのか……普通はその辺りについて言及するものだが、サラリと依頼を引き受ける木の葉の里は馬鹿じゃないのかと思える。何でもかんでも依頼を引き受けて良いものではないのである。
タズナさんに問い質せばタズナさんは素直に頭を下げた……いや、隠していた事がバレてしまったのだと焦りを見せているのだろう。
「波の国は忍すらおらん超貧乏な国で大名すら金を持ってない……橋を作る為に忍から守ってくれと言えば高額な任務になる……ワシにはそれを払える能力は無い」
「フー……全く、どうせならばローンのシステムを導入しておけばいいと言うのに」
金を持っている奴は依頼を受けるけれども金を持っていない奴からは依頼を受けない。
万事屋の様な事をしているのは理解しているけれどももう少しマシにならないのか、一括千金払いなのも如何なものだよ。
「なにやら訳ありな事ですね……っと、その前にだナルト、大丈夫か?」
「え、あ……ああ、なんともないってばよ!!」
「いや、なんともなくはないよ。かすり傷をつけられた時点でアウトだ」
放心状態のナルトにカカシ先生が声をかけるとカカシ先生にかすり傷を見せる。
かすり傷程度ならばと思っているかもしれないけどと僕は襲ってきた鉤爪で攻撃してきた忍に蹴りを入れて気絶させて鉤爪を外す。
「毒を仕込まれている…………生憎、僕は医療忍術はちょっとね」
「っち……」
「わ、私達にはまだ早い任務よ!CランクならともかくBランク以上の任務でしょ?ナルトの毒を抜くためにも血清を射つためにも木の葉の里に帰りましょう!!」
ナルトが毒を仕込まれていたと言えば聞こえるレベルの舌打ちをしたサスケ。
サクラはレベルが違いすぎるのを実感したのかビビって直ぐにこの任務は無理だと判断した。今ならば里に帰る事が出来るのだとサクラは里に帰る事を勧めている。
「そうだな。血清を射つためにも木の葉の里に」
「その必要は、ねえってばよ!!」
血清を射つためにも木の葉の里に帰る事を検討するカカシ先生。ナルトはクナイを取り出して自らの腕に突き刺して大量の血を流した。
体の中に入った僅かな毒を抜き出す為なのは分かるけれどもそこまでしなくてもいいのに。
「タズナのおっちゃんは俺が守る!命を賭けても!さっきはヘマをやらかしちまったが、コレで大丈夫だってばよ」
「あのな……それで毒は抜けたけども、今度は出血多量で死ぬよお前」
「え!?」
「フー……解毒剤みたいなの、あったよ?」
「えええええええ!!」
霧隠れの忍で毒を扱うならば持っているんじゃないのかと確かめてみれば持っていた。
毒を扱う以上は解毒剤の1つや2つ用意していて当然のこと、それさえ塗ればよかったのにと後から知ったナルトは驚いておりカカシ先生もそりゃ解毒剤の1つや2つ持ってるだろうと頷きながら包帯を取り出した。
「だ、大丈夫なんだってばよ!?」
「ちゃんと治療をすれば大丈夫だ……………」
出血多量で死ぬと言われて顔を青くするナルト。
カカシ先生は包帯を巻きつつもナルトがクナイを突き刺した部分を見る。もう殆ど治りかけているという強靭な生命力騒ぎじゃないレベルの生命力を持っている……九尾並みのチャクラを持っている僕でもこの驚異的な回復能力は再現出来ないね。
「じゃあ、続行という事で……タズナさん、Bランク以上の任務だと判明した以上は嘘は無しでお願いします。相手が霧隠れの忍ならばヤバいの出てきたりします……タズナさんの暗殺はAランク以上の任務と言ったところか」
「…………ワシを狙っているのはガトーカンパニーのガトーじゃ」
ナルトの包帯巻きを終えて木の葉の里に帰らずに波の国に向かう方針になったのでタズナさんから詳しい事を聞く。
僕は原作知識で知っているから1から10まで理解する事が出来ているけれども、ナルト達は理解する事が出来ていない。タズナさんは重苦しい口で開いた。
「ガトーカンパニー?なんでそんなところから狙われてるんですか?」
「ガトーカンパニー……って、なんだってばよ?」
「世界的な大企業だと思えばいいよ」
ガトーカンパニーの名を聞いてもピンと来ていないナルト。
詳しい詳細は知っているけれども言ったとしても理解することは出来ないだろうからナルトには大きな会社だと伝えればナルトは首を傾げる。
「なんで会社が橋を作るタズナのおっちゃんを邪魔するんだってばよ?ライバル会社なのか?」
「ガトーカンパニーは表向きには大企業じゃが裏では色々と悪どい事をやっていての。数年前に資源に乏しい波の国に目をつけたんじゃ」
「フー……資源の独占とは面白い事をしているね」
「全然面白くないわい!!ガトーカンパニーは今や波の国の物流を支配しておる。大名ですらまともに口出しする事が出来んほどに力を付けておる……じゃが、ワシが今から作る予定の橋はガトーカンパニーの息が掛かっておらん橋じゃ……そこさえ作ればガトーカンパニーとは異なる物流を作ればガトーの影に怯えて生きなくて済むんじゃ」
その橋の利権を買収されるという展開は無いのだろうか?
確か先輩転生者である海馬瀬戸は並行世界のティル・ナ・ノーグを経済的な意味で支配下に置いて経済における世界征服を成し遂げた化け物だ。もし彼ならば海馬コーポレーションならばその橋の利権を買う……最も、海馬瀬戸は悪政はしない、子供が大好きでホワイト企業の社長として活躍しているからそういう事はあまりしないけれどね。
「タズナさん、報酬を誤魔化した件については大問題です……時と場合によっては国際問題に発展しかねない事だと僕は思う」
「分かっておる……じゃが、金は」
「金で解決しろと言ってるんじゃない……そうですね、橋作りの名人ならば木の葉の里に割の合わない仕事を依頼されても引き受けてくださいよ。それならば僕はなにも言わない」
金で解決することが出来ればそれで問題は無いんだけど、金で解決することが出来ないならは腕を見せるしかない。
それぐらいならば幾らでも引き受けるとタズナさんは頷いてくれるのでそれ以上はなにも言わない。僕は深く追求しないけれども、木の葉の里はどうするのか…………依頼料をケチられて任務を誤魔化された事は割と国際問題だよ。
「カカシ先生、増援と言う手は?」
「無理だね……木の葉の里もいっぱいいっぱいだから俺達だけで解決しないといけない」
「フー……水の上も木の上もまともに走ることが出来ないレベルの下忍、カカシ先生が如何に優れてても3人がかりは厳しいのでは?」
「大丈夫だって、上忍レベルが来ても捌き切れる……お前だってその気になればもっと出来るんだろう?」
「風遁しか出来ていないので期待しないでくださいよ」
「性質変化の忍術が使えるだけで充分だ……ま、大丈夫だ。山賊辺りはお前に託すけど、忍の相手は俺に任せておけ」
こういうのを人はフラグと言うのだろう。
火の国の国境を出ていって波の国に向かう為に小型のモーターボートに乗った……小型のモーターボート……コレがあるのにバイオ燃料とかあるのに車が無いのはホントに謎だよ。
「ここからは手で行かせてもらう」
「さぁ、どっからでもかかってこいってばよ!!」
「馬鹿野郎、大声を出すな!!」
「おじさんも充分デカいよ」
濃い霧に包まれている中でモーターボートのエンジンを切って手で漕ぐおじさん。
ナルトは汚名返上だと右を見て左を見るが周りは霧だらけ……こういうことを言うのはよくないけれども、何事も無かったかの様に何事も無ければそれでいいんだよ。
「俺が運べるのはここまでだ……早く降りてくれ。ガトーの奴等に目をつけられる」
「超助かったわい」
おじさんが近くの港に小舟をつけた。
ガトーカンパニーに目をつけられたくないからとおじさんは僕達に早く降りろと言うので降りればさっきまで使わなかったモーターボートのエンジンを躊躇いなく使って逃げ去っていった。
「任務中はワシの家を使ってくれい……ここから森を歩いて直ぐのところにあるんじゃよ」
「そうですか……山賊程度ならば僕達でもどうにかする事が出来るので安心してくださいよ……どうせカカシ先生も経験だと見守るつもりだし」
「あのね……一応は任務なんだから真面目にやるよ俺は……ま、経験を積ませる為にも見守るけども」
サラリと護衛の任務を修行扱いするカカシ先生。
タズナさんは大丈夫なのかと心配をするけれども藁にも縋る思いを持っているので文句は言わない。
「そこかぁ!!」
タズナさんの護衛をしつつも警戒心を大きくするナルトは手裏剣を投げた。
器用に手裏剣を投げたけれども、森の奥に消えていってしまったので行方が分からない。忍具は使い捨ての消耗品だけれども使い捨てとしては結構高めな商品なのでナルトは回収しに行けばそこには一匹のウサギがいた。
「惜しいな、ナルト」
「惜しいじゃないわよ!!もう少しでこのウサギに当たるところだったじゃない!!」
「なにを言ってるんだい?ウサギの肉は立派な食べ物じゃないか……今日はウサギの肉で栄養を蓄えよう」
「だ、ダメええええええ!!」
ウサギの肉を食べようとするとサクラはウサギを抱きかかえる。
ウサギの肉は猪や熊の様にクセが強くない蛙ともまた違う感じで結構美味しいんだよ……牛、豚、鳥しか肉を食べない日本人には最初は抵抗があったけれども食べてみれば割と美味しい物だ……昆虫食とかは絶対に食べたくないけどね。
「赤羽」
「フー……カカシ先生が隊長でしょう」
「俺が集中するにはお前の力が必要なんだよ」
「全く……上に言わないでくださいよ」
ウサギの正体に気付いているカカシ先生。このウサギは食用でなく忍術用、変わり身の術や毒を仕込む忍術で使われるウサギだ。
このウサギが近くに居るという事は近くに忍が居ることを示している。こりゃ腕自慢がやってきたなと判断したカカシ先生は僕に力を借りる。借りると言っても些細な事だ。
「ほぉ……忍が護衛についているとは聞いたがまさか写輪眼のカカシとは……霧隠れの中忍が失敗する筈だ」
「来たってばよ!!」
「待てナルト……またとんでもないのが出てきたな……赤羽を中心にタズナさんを卍の陣で護衛しろ!」
サクラがウサギを逃がしてタズナさんの家を目指す。
家を目指していると木の上に忍が現れたのでナルトは来たかと手裏剣を取り出そうとするけれども、カカシ先生が止める。直ぐにコレはマズイのだとカカシ先生は僕を中心にタズナさんを卍の陣で囲んだ。
「写輪眼のカカシがガキを引き連れているとはな」
「写輪眼?」
「……写輪眼とは忍術、幻術、体術等をコピーする事が出来る瞳術の事だ……だが……」
うちは一族しか写輪眼は開眼しない。うちは一族の血継限界である事をサスケは当然知っている。
カカシはうちは一族じゃないので何故に写輪眼のカカシと異名を持っているのかを気にする。
「フー……また随分と凄い刀を持っているね……」
「ああ、人間を斬るのに最も最適な首切り包丁だ…………くだらねえ仕事だが、高額な報酬と写輪眼のカカシが相手なら文句はねえ」
「桃地再不斬……ビンゴブックで読んだ、抜け忍がまさかこんなところでとは……」
カカシ先生は額当てに手を翳し、隠していた瞳を開く。写輪眼のカカシと謳われる理由、それはカカシ先生が写輪眼を持っているからだ。
カカシ先生は写輪眼を抜けばクナイを投擲し、再不斬はクナイを軽々と避けて地面に降りたかと思えば印を結ぶ。カカシ先生もそれと同時に印を結ぶ。
「「水遁 水龍弾の術!」」
「な、なにこれ!?忍術なの!?」
「フー……性質変化は中忍からだから習わないか……」
「……コレが写輪眼の、いや、コピー忍者のカカシか」
水龍弾の術をぶつけ合って相殺するカカシ先生。
再不斬はカカシ先生の異名に納得をしつつも印を結んで分身体を作り出してはカカシ先生に首切り包丁で斬り掛かった。
「水分身の術程度で俺を倒せると思うなよ」
斬られた分身は水分身だった。カカシ先生は写輪眼でそれが偽物なぐらいは簡単に見抜いていた。
やるならば本物がかかってこいとカカシ先生は軽く挑発をするのだけれども、割と余裕は無い……守る戦いと殺す戦いは守る戦いの方が圧倒的なまで不利だ。殺す戦いはターゲットを殺すだけで後は逃げても問題はないんだ。
「まさか……この水分身の術はお前を倒す為に使ったものじゃない」
「なっ──しまっ!?」
「遅い!水遁 水牢の術!」
「フー……またシンプルな手に引っかかりましたね」
最初に水龍弾の術を用いて周りに水を撒き散らす。
次に水分身の術を用いてカカシ先生に接近してカカシ先生に再不斬はカカシ先生を倒すと言う事に意識を向けさせる。カカシ先生から見れば再不斬は自分を倒さなければタズナさんを殺せない、そう認識しているから裏をかいてきた。
最初に撒き散らした水や水分身の術でカカシ先生の足元に落ちた水の塊を用いて再不斬はカカシ先生を水牢の術に閉じ込めた。
「わざわざ真正面から戦うと思ったか?悪いが、俺の仕事はそこのジジイを殺すことだ。写輪眼のカカシの首には魅力は感じるが、一応は殺しておかねえとな」
実に忍らしい事を言ってくれる再不斬。
カカシ先生はなんとかして水牢の術から脱出しようと試みるが、無理っぽいと判断したのか直ぐに叫んだ。
「ナルト、サスケ、サクラ、赤羽!タズナさんを連れてここから逃げろ!」
「カカシ先生を置いて逃げるなんて出来ないってばよ!!」
「馬鹿野郎!俺が捕まった時点でもう終わりなんだよ!!」
「…………それを言うなら、逃げれないのでは?」
水牢の術で閉じ込められているカカシ先生。
カカシ先生は再不斬と今の僕達が戦っても何度やってもなにをやっても確実に負ける相手、この世界では戦争でよくある数の利というのがあまり生かす事が出来ない……バトルものの世界は数の利を生かす事が出来ないのだから理不尽だよ。
話がズレたが今の僕達が戦っても確実に勝つことが出来ないと言える相手だ。
カカシ先生を閉じ込めるのに力を使っている再不斬は本体で右腕でカカシ先生を封じ込んでいる。隙だらけに見えると思えるが、再不斬は水分身の術で水分身を作り上げた。
「なに……死ぬ場所くらい選ばせてやるさ。心臓、脳、腎臓、その他色々……好きなのをなんでも選びな」
「「「っ!!!」」」
「フー……コレは厳しい」
殺すぞと水分身の術で生まれた水分身の再不斬は殺気を放つ。
水分身の術で生まれた水分身の再不斬は本体よりも遥かに弱いけれども、それでもナルト達の間に圧倒的なまでの実力差があると感じさせるレベルだと感じさせた……オリジナルである本体よりも弱い個体でこのレベルなのはホントに手厳しいよ。
「フー……タズナさん、申し訳無いんですが腹は括ってくださいね……サスケ、ナルト。今の君達じゃ水分身すら倒す事は出来ない……でも、倒すだけが全てじゃないよ」
「そ、そんなのやってみないと分からないってばよ!!影分身の術!」
「おい、勝手な行動はするな!」
「よく見なよ、向かっていったのは分身だけだ」
倒す事が出来ないと言えば認めようとしないナルト。
影分身の術で水分身の再不斬を殴りに四方八方の数に身を任せた戦法で襲いかかり再不斬の姿が見えなくなった。
「おいおい、最近の木の葉の下忍はこんなにも惰弱なのか?」
「「「っ!?」」」
「上には上が居るのと同時に下には下が居るんです、よ!!」
再不斬が見えなくなったかと思えば卍の陣で囲み背中を向け合っている僕達の背後を簡単に奪った。
暗殺のスペシャリスト、序盤に出てきて良いレベルの敵じゃないと秋水を取り出してタズナさんに向けられた首切り包丁を受け止める。
「ほぉ、いい刀だ……だが、刀と言うのは使い手によって変わるんだ……」
「……そんなゴツい刀を見せつけられてはそれはそれで困るんだけどね」