真剣で猟犬に恋しなさい!!   作:勿忘草

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今回も原作キャラが出てきます。


『軍師との出会い』

俺とキャップが出会ってから一週間が経った。

最初の頃は原っぱに寝転がったりして空を見ていた。

今日は偶然にもボールが落ちていたからキャッチボールをしたりしていた。

しかし、それも最初だけ。

何か面白い事は無いだろうかと俺たちは探していた。

 

キャップは何か良い案はないのだろうか?

とりあえず、キャップにダメもとで何か無いかを聞いてみた。

 

「キャップ、何か面白い事ある?」

「無い、有ったらとっくに言ってるぜ」

 

きっぱりと答えるキャップ。

俺はそれを聞いて『それもそうか』と思っていた。

そして、俺は思いついた事をキャップに聞いてみる事にした。

 

「そうか、なら探検でもするか?」

「探検?」

「そうだよ、俺たちでいろいろな川神の場所を知ろうって訳だよ」

 

そう言うとキャップはめちゃくちゃ楽しそうな顔を浮かべて起き上がった。

 

「で何処に行くんだ?」

「川神新町っていうところに行こうぜ!!」

「聞いたこと無い所だ……面白そうだな!!」

 

そう言って意気揚々と走り出す俺達。

川神新町は川神駅から二駅か、三駅程の距離を歩いたらいける場所だ。

堀の外町より少し遠い所だった。

でも、俺たちにとっては冒険で喉がカラカラになる様な興奮だった。

 

.

.

 

「おおおー!!」

 

到着したあとキャップが見渡して大きな声を出す。

誘った俺自身も驚きを隠せない。

見れば辺り全体が煙をもうもうと出している工場なのだ。

なんだか戦隊物に出てくる悪の組織の秘密のアジトみたいな感じがする。

大人の人たちもゴーグルやマスクをしている、本当にコレでカッコいいヘルメットを被ってしまったらヒーローのショーに出れそうだ。

 

「ここは凄いな、キャップ!!」

「おぉ、こんなの初めてだぜ!!」

 

見渡す限りの全ての場所や雰囲気が凄いから興奮していた。

だが……少しここの空気は慣れなかった。

俺は気づけばいつの間にか咳をしていた。

 

「ゴホゴホッ!!」

「流石に帰るか、キョーヤ?」

 

キャップも心配して声をかけてくる。

よく見たらキャップもなんだか嫌な顔をしている。

ここはせっかく言ってくれてるんだから戻ろう。

 

「そうだな、ちょっとここは辛い」

「俺は大丈夫だけどな…… あと、キョーヤ言っておくぜ」

「何だよ?」

「今回みたいに知りたい所があったら自分の足を使ったり体を使うのが一番だぜ」

 

来てすぐだけど、俺たちは歩いて原っぱまで戻っていった。

今回俺たちの冒険で新しい場所が発見された、ただあの場所を使う機会は無いだろう。

 

戻った後いつも通り俺たちは城で遊んでいた。

すると男が近寄ってきた。

見た感じは少し釣り目だが、俺のように目つきが悪いわけではない。

ただキャップの様にカッコいいと言う感じでもない。

まあ、とりあえずそいつを見た俺はキャップに言った。

 

「キャップ、誰か来ているぞ」

「そうか、一旦ここから出るぜ、キョーヤ!!」

 

そう言って俺たちは風間城から出て男が近寄ってくるのを待った。

 

「やい、お前誰だ?」

 

キャップが近づいて男に声をかける。

まるで俺の時と同じ感じだな。

キャップが言った後、その男は俺たちを見て話し始めた。

 

「お前ら誰だ?」

 

こう言ってくるか。

まあ、気になっているから俺も声をかけるか。

 

「お前、なんでこんな所に来たんだ?」

「家出してきたんだ」

「そうか、理由はなんだ?」

「さあな、俺は今言葉なき抵抗をしているんだ」

 

なんか難しい言葉知っているな、コイツ。

家出した理由がいまいちつかめないけど。

 

「おお、なんかカッコいいなそれ」

 

キャップがこいつの言葉に頭を振る。

なんか俺の時みたいな感じだな。

 

「そして近い所ですぐに捕まっても馬鹿にされる、だから此処に来たんだ」

「ん、ちょっとかっこ悪いかな?」

 

やっぱりこう見たらキャップってあんまりものを考えないなー。

とりあえずこいつは面白そうな奴ではあるな。

 

「まあ、ここは俺の所だけどな」

「違う、俺の所だ」

 

変な事を男が言い出す。

キャップが言い返すとなんか男の方が言い返す。

 

「いや、俺の所だね」

「じゃあ、なんか証拠あるのかよ?」

 

偉い生意気な事言うなぁ、コイツ。

まあ、証拠はあるんだけどな。

 

「有るぞ、これ!! 『風間城』!!」

 

そう、これが証拠だ。

 

「これを作っていた時、お前いなかったぞ」

 

キャップがこう言ったら本当にいなかったんだろう。

なんだか話題が変わっていったしな。

 

「たった二人の城か……」

「なんだよ、お前、話題を変えたと思ったら風間城の悪口か?」

 

俺がキャップの代わりに言葉を返す。

証拠とか言ってていきなり話を変えて悪口とはな、中々良い根性してやがる。

 

「だって見た感じ廊下なんか広いだろ、あんなの敵が沢山入ってきたらどうする気だ?」

「そんなの俺とキャップで倒す気だったから気にしてなかったんだよ」

「武力による押さえつけか、お前は王に向いていないな……」

 

廊下の話から変わってなんか馬鹿にされる。

正直廊下の広い狭いはどうもな……。

俺達は楽しむ為の基地としてここを使っていたわけだし。

 

「よし、そこまで言うなら今日は風間城の改造だ!!」

 

キャップはこいつの言葉を聞いて風間城へ何かしようとしていた。

 

「でもダンボールは近くに無いぞ、キャップ」

 

俺はダンボールが近くにないことを知っているからそう言う。

 

「明日から始めるんだよ、まずはアイデアだ、アイデア」

「なるほどな」

 

キャップもダンボールをすぐにどうにかできないのを知っている。

だから先にアイデアだけ出していくのか、分かりやすいな。

 

「だからキョーヤ、アイデア頼むぜ。 で……えーと、お前の名前は?」

「俺の名前は『直江(なおえ)大和(やまと)』だ、お前らは?」

「俺の名前は『風間翔一』、あだ名はキャップだ!!」

「俺は『香耶』、そのまま呼んでくれ」

 

お互いにアイデアを出し合う事になる。

自己紹介しあったが俺はアイデアはでそうに無い。

 

「まず廊下は直角にして入りにくくすれば良い」

「階段があるから戦術としてはもう一つあるけど……これはちょっと嫌だろうな」

「なんだ、キョーヤ、言ってみろ」

 

「分かった、言わせて貰うけどキャップ、敵が侵入してきたらわざと階段を壊すってのはどうだ?」

「コストがかかる、ダンボールが戦いのたびに無駄だな」

 

俺の意見に大和がだめだしをする、この案は元々それほど良いものではないというのが分かっていたので問題は無い。

 

「大和、嫌がられると思っていたけど言ったんだよ」

「いや、工夫すれば良い。 それは採用だ、キョーヤ」

 

キャップが手を叩いてその様な事を言ってくる、一体どういった形でこの意見を実用化させるのだろうか?、少し気になる所だ。

 

「キャップ、どうやって工夫する気なんだ?」

「大和、それはな……ロープを使って階段をあげて登れなくするんだ。 これなら何回も壊さなくて良いだろうからな」

 

こうしてアイデアを出し合って俺達は風間城の改造をすることにしていった。

 

「それにしてもお前良いアイデアを出すな、キョーヤ。 稼動階段のきっかけといい、画鋲式のつり天井とか敵への嫌がらせ満載だ」

 

相手に入られないアイデアを重点的に提案しておいた

 

「そっちだって侵入部分に用意周到すぎだろ、まあこれもキャップが器用だからいけるんだけどな」

「何言ってんだ、俺だけじゃここまで良い城に出来なかったぜ」

 

大和のアイデアとしては廊下の幅の縮小、ドアをつける事、頑丈な格子型の窓の設置であった。

 

全員が風間城の改造をきっかけに意気投合していた。

 

「また明日もここに来いよ、大和」

「良いのか、キョーヤ?」

「良いも何も俺達はもう友達だろうが!!」

「キャップ……有難うな、そう言ってくれて、じゃあまたな」

 

そう言って大和が帰っていく。

そういえばもう夕方だもんな、俺も帰るか。

 

「今日も楽しかったな、キョーヤ」

「まあ、そうだな」

「まさか、十日経たない間に友達が二人も出来るとは思わなかったぜ」

 

キャップが原っぱに寝転んでそんな事を言ってくる。

一応今は十二月なんだからそんな所で寝転がったりしてたら風邪引くぞ。

 

「そうだな、俺も驚きだよ」

「お前は明日も来るんだろ、キョーヤ?」

「来るさ、また遊ぼうぜ」

「おお!!、俺も帰るし逆方向ってのが残念だがじゃあな!!」

 

キャップは起き上がる。

そして手を振りながら走っていった。

全く本当に『風』のような男だな。

キャップが見えなくなるまで待ってから俺も帰る事にした。

 

今日、のちの『風間ファミリー』最強の軍師が加入した瞬間だった。




今回は原作主人公である直江大和が出てきました。
次回は香耶の上の名前をつけます。
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