真剣で猟犬に恋しなさい!!   作:勿忘草

7 / 59
今回は原作キャラが出てきます。


『決闘』

年は2001年。

俺も三年生となり一子がファミリーに入ってから早くも二年がたった。

昨年は何か夏にオリンピックとか言う、競技別に世界で一番強い人を決める大きな大会があった。

俺自身、八極拳にも磨きがかかっていき修練にも熱が入っている。

 

ただ……

 

今日は朝の内に学校の奴に絡まれた。

理由はキャップが女の子によく声をかけられているからである。

といってもキャップ自身が女の子に興味がないからどういうわけでもない。

ただ、相手はそれで納得するわけもなくキャップに勝負を挑んできた。

学校で勝負はよくないと思い、学校が終わったら原っぱに来るように言ってそこは問題なく終わった。

 

.

.

 

そして、学校が終わってから俺たちは原っぱに来て作戦会議をする。

といっても俺からすれば作戦は要らない、その理由は簡単だ。

 

「キャップ、頼みがある」

「何だよ、キョーヤ」

「あいつの相手を俺にさせてくれないか?」

 

そう、俺が出れば作戦なんて何一つ必要ない。

まだ四人しかいないけどこれでも風間ファミリー最強の男だからな、自信を持って戦えるよ。

 

「仮に戦ったとして……大丈夫なのか?」

「任せておけよ、負けないから」

 

力瘤を作って叩く。

自信があるのは普通の事だ。

 

「そこまで言うなら良いけどよ……」

「ん?」

「負けるんじゃねぇぞ!!」

「オウ!!」

 

まだ始まったわけじゃないがハイタッチ。

とりあえずここは任せてくれるようだ。

 

「キョウちゃんより体大きかったけど大丈夫なの?」

「大丈夫だ、一子。 俺は負けないよ」

 

一子の質問に笑顔で答える。

コイツに心配させたくないからな。

 

「なあ、香耶」

「ん、どうした?」

「落とし穴作ろうと思うがお前はどう思う?」

 

大和が聞いてきたが俺にとっては落とし穴なんて要らないから大和に声をかける。

 

「おい、大和」

「どうしたんだ、もっとえげつない方法でも取る気か?」

 

少し微笑んでこちらの意見を聞こうとする大和、俺からすればえげつない方法なんて要らないしこの落とし穴も邪魔だ。

 

「気持ちは嬉しいが落とし穴は要らない、面と向かってやるだけだ」

「そうか?」

「そうだ、理由としては落ちられたらこっちの一撃を当てられないからさ」

 

仮に落ちられるとこっちの攻撃が当てられない、わざわざ当てる為に待つなんて事はしたくない。

顔面を蹴る事ぐらいはできるがそれで勝っても多分後々で面倒になりそうだろうから諦めておこう。

 

「本当に俺がやらなくて大丈夫か?」

「任せろよ、キャップ。 俺はどいつが相手でも負けないからな」

 

そう言って柔軟体操を始める俺。

 

それから少し時間が経って綺麗な夕焼けの光が煌々(こうこう)と原っぱを照らしていた。

そして、丁度その時に朝の時に土手で会った奴らが来た。

よしよし、良いタイミングだな。

 

そう思って俺は笑顔になる。

分かられないように抑えておきたかったが、やはり喧嘩になると抑えられない。

歯が覗いてしまいそうな程の大きな笑みを浮かべていた。

 

後ろにもう一人居るけどそいつもまた今日の朝に会った奴だ。

そいつはそいつで喧嘩はやめたほうが良いって感じの顔してをしている。

しかし残念な事にここまで来たら仕方ないだろうな。

 

そして、そいつらが近づいてきた時に俺は言葉を発する。

一応名前を間違えたら相手に悪いからな、名前は聞いておこう。

 

「お前の名前は?」

「俺様の名前は島津(しまづ)岳人(がくと)!!」

「そうか、俺の名前は澄漉香耶だ、あのバンダナの男の代わりだけど別に良いだろう?」

 

俺はそう言って親指でキャップを指す。

 

「別に良いぜ、じゃあ本気で行くからな」

 

島津の奴が腕を振り回してそんな言葉を言ってきた。

なるほど、やる気は満々なわけか。

それにしても太い腕だな、鍛えている俺以上に太いとは……こいつも鍛えているのだろうか?

 

「そりゃあこっちの台詞だ、行くぜ」

 

俺もそう言ってお互いに構える。

島津は拳を握り大きく振りかぶっていく。

俺はいつもの八極拳の構えをして呼吸を整えていた。

 

次の瞬間夕焼けの光が原っぱを照らす。

それが闘いの合図だった。

 

俺は踏み込んで『猛虎(もうこ)』による一撃を。

島津の奴は全力まで振りかぶった一撃を。

 

お互いがお互いを倒すつもりで放っていた。

 

「フンッ!!」

「オラッ!!」

 

互いが勢いのある言葉を叫ぶと同時に攻撃が放たれる、島津の拳と俺の『猛虎』

 

が同じ軌道でぶち当たる。

 

お互いの攻撃がぶつかってお互いが少し後ろに下がらされた、島津の奴はどうや

 

ら驚いているみたいだな。

 

体の大きさ自体が違うのに同じぐらいの威力なんだから。

あいつは分かって居ないだろうけれど、こっちもかなりの鍛錬を積んでいて筋肉が

 

ついている。

普段は服が大きめで、皆にもあまり見えていないだけだ。

まして、今日が初対面の島津にそんな事が分かるわけもない。

 

でも威力が同じというのは厄介だな。

こっちとしてはもう少し深く踏み込んだり、勢いをつけないと引き分けそうだ。

 

「カァ!!」

「オラア!!!」

 

島津が真っ直ぐな蹴りを繰り出し、俺が『鉄山靠(てつざんこう)』を放つ。

 

今回も同じタイミングで攻撃がぶつかる。

しかし今回はお互いが同じ威力ではなかった、俺の攻撃が島津の蹴りを押し返し

 

て後退させる。

しかし、今の感触で感じ取ったがこいつの体かなり頑丈だな……。

あまりこういうのは好まないんだけど、一子やキャップに『勝てる』といった手前、恥

 

ずかしい所を見せるのは嫌だな。

 

踏み込んで狙うのは島津の顔。

 

「ラアア!!!」

「そんな顔に来る技なんて見え見えだぜ、俺様にそんなの通用しねぇ!!!!」

 

俺が放った顔への『裡門(りもん)頂肘(ちょうちゅう)』は、島津が手を前に出して受け止めていた。

俺はそれを見て不適に笑みを浮かべて島津に言ってやった。

 

「今放った『裡門頂肘』は後ろに下がったほうが良かったぜ、島津!!」

「何!?」

 

「下がったらな、俺がこうするからだよ!!」

 

そう言って大きく踏み込んで島津に近づく。

流石に顔に一撃を叩き込む気はなかったからな。

 

「なっ、コイツ速いじゃねえか!?」

「流石にこの速度で近づかれて、腹に思いっきりやられたらお前がいくら頑丈でも無理だろう!!、『猛虎』!!」

 

島津の腹めがけて俺は一撃を放つ、そして勢いを緩めずそのまま一気に倒すつもりで攻撃する。

 

「がっ!!?」

「はぁああああああああああああ!!!!」

 

振りぬいた後に島津が飛んだ方向を見たが、どうやら思ったより威力が出なかったみたいだ。

だってそれほどの距離を吹っ飛んでないからな、地面が足に付いたのもあったのだろうかせいぜい一メートルか二メートル下がっただけだった。

腕を交差して威力を弱めたからか、意識はギリギリ留めたようだ。

しかし足をガクガクさせている所を見ると立つ事が難しいのが見て取れる。

まあ、一気に後ろに下がったらもう少し勝負は続いてたかもな。

 

「流石に立てなきゃこれ以上できないだろ?」

 

俺は近づいて島津に言う。

島津の奴が睨んでいる、しかし流石に俺もバカじゃないからお前の腕の範囲にはノコノコといかないぞ。

 

「チッ、ここで俺様が負けを言わなかったらどうするんだ?」

「当然俺はお前を蹴るかどうにかして気絶させるよ、とりあえず戦えないようにする」

 

島津の質問に即座に答える。

足を掴んでもあまり力が出ないだろうけど危険だからな。

 

「そうかよ、立てなきゃ俺様も流石に戦えねえから負けだ」

 

そう言って完全に座り込む島津。

俺もそれに向かい合うようにして座る。

 

「なかなか楽しかったぜ、島津」

「そうかよ、なんでそんなヒョロヒョロのくせに強いんだ?」

「いや、そこまでひょろくないぞ」

 

島津の疑問に対して袖を捲(まく)って腕を見せる。

島津ほどではないが結構筋肉はついているからヒョロヒョロではない。

 

「何だ、ひょろく見えるのは服のせいかよ」

「そうだな、それはそうとお前達どうせなら今度から俺達と遊ばないか?」

「俺様と一緒ならモロも入れてやれねえか?」

 

「当然良いに決まってるだろ、良いよな、キャップ」

「そうだな、キョーヤと同じぐらい強いなら大歓迎だし、モロってやつも大和と気が合

うみたいだ」

 

そう言っておれは大和の方を見てみた。

確かに島津と一緒に来ていたやつと意気投合している。

名前は後で聞いたが師岡(もろおか)卓也(たくや)

なるほど、上の二文字を取ってモロなわけね。

なんか別の意味かと思ってたわ、モロ見せとかそういうものみたいなもんかと。

 

とりあえず俺達はこれで人数は合わせて六人。

誰にも負けないほどに強い、そう思えるほどにメンバーが揃った日だった。




今回は原作から島津岳人と師岡卓也が出てきました。
次回も原作キャラを出そうかと思います。
何かしらご指摘がありましたらお願いします。

 ▲ページの一番上に飛ぶ
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。