血に濡れた土の上に、倒れ伏す空からやって来た兵士たちの影。
その光景を、荒い呼吸と共に棍を杖代わりにしながら立つレイアが、ぼんやりと見下ろしていた。
勝った――そう言えるはずだった。
だが勝利の代償はあまりにも大きく、全身はボロボロで、口からは血が滴り落ちている。
「ざ、ざまぁ……みろ……」
強がるように口にしたその声は震え、力はほとんど残されていなかった。
それでも彼女は足を引きずり、咄嗟に隠したジュードのもとへと歩み寄る。
「へへっ……わ、わたし……勝ったよ? ジュード。わたしね、勝てたんだよ……?」
だが、茂みに横たわるジュードは反応しない。
彼の視線はただ一つ――胸に抱き締める小さなペンダントに注がれていた。
今は亡き彼女の名を何度も呟きながら。
レイアは唇を噛み、笑うしかなかった。
「本当、酷いよね? せっかく怪我、治したのに……また傷、できちゃった、よ……。しかも、また黒匣のせい、って……。乙女の柔肌、何だと思ってるん、だろう……ね?」
掠れた声は空へ消えていく。
木の幹に背を預け、膝が崩れるのを必死に堪えながら、彼女はジュードを見つめ続けた。
「……ねぇ? ジュード……。私、役に立てた……かな? ジュードの……役に……」
「……ミラ……」
答えは返らない。
それでもレイアは必死に言葉を繋ぐ。
「役に……立ててたら、いい、な……。そしたら、ね。ジュードに、褒めて……ううん。私のこと……もっと、見てもらえる……かな……なんて……」
自嘲するように微笑むが、その瞳はもう霞み、景色は輪郭を失いつつあった。
「……ごめんね、ミラ……。約束……守れそうに、ないや……。だから、や、やっぱり……自分で言って、ね……その方が、きっと……エリーゼも、喜ぶ……だろう、し……」
震える手をジュードへ伸ばす。
その顔には不思議なほど安らかな微笑が浮かんでいた。
「それに……ジュードも、よろこ……ぶ、から……。だよ、ね? ジュー……ド……」
指先が空を切り、やがて力なく地面に落ちた。
閉じられた瞳からは、もう何の光も感じられない。
「……ミラ……ミ……ラ……」
ジュードはただ壊れたように名を呼び続ける。
目の前の少女が消えかけていることすら気づかない。
その時――。
ガサリ、と草を踏み分ける音が響いた。
暗い森の影から近付いてくる人影。
敵か、味方か。
その姿はまだ判然としない。
ただ一つ、確かなことがあるとすれば――
この影の存在が、ジュードたちの未来を大きく揺るがすということだった。
こうして、リーゼ・マクシアを巡る戦いは、新たな局面へと進もうとしていた。
という訳で、小説での配信は以上となります。
後はゲーム化をお待ちください。
お聞きしたいのですが、1話何文字ぐらいが読みやすいでしょうか?
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1000文字以内
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1~2000文字以内
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2~3000文字以内
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3~4000文字以内
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4~5000文字以内
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5000文字以上