【停止中:リニューアル版を再構成・連載中】英霊戦線クロスロード ― 異世界の少女勇者、未来戦争に転移しAIと共に人類を救う ―   作:美風慶伍

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【3:勇者カリナ――魔王との最後の戦い:魔王城決戦】
■1:勇者カリナ、魔王城に迫る


 カリナたち率いる魔法剣士騎士団アルカナヴァンガード本隊は魔王城ダークフォージ城本体へと突き進む。

 

【――魔王城本城ダークフォージ城――】

 

 戦いはいよいよ、大詰めを迎えていた。

 残るは〝魔王城ダークフォージ城〟

 最後の覇王と呼ばれた〝魔王ヴァルガリアス〟が鎮座する居城だ。

 

 美しき少女である聖剣の巫女にして勇者カリナ・ウイングスは、魔王城へと至る進軍路に毅然として立っていた。

 カリナは側近に尋ねた。

 

「目的地までの周囲状況をお願いいたします」

 

 カリナには3人の仲間にして側近がいた、戦士長エルリック、魔導士長ソフィア、技能士長ミリアの3人だ。まずはエルリック、

 

「魔王城の周囲は険峻な岩場に囲まれており通常の進軍ルートは極めて制限される」

 

 カリナは尋ねる。

 

「対策は何かありますか?」

 

 エルリックは答えた。

 

「リザードマン部隊に出撃を命じましょう。彼らの肉体特性であれば岩場など平坦な道と同じです」

 

 斥候兵や特殊技能兵を束ねるミリアも言葉を添えた。

 

「そうか、リザードマンは両足で物をつかめる。岩場も崖も自由自在だものね」

「そういうことだ、それにリザードマンたちの将、ケラブノス殿は魔族支配域の状況に明るい」

 

 そこに魔道士のトップであるソフィアが言葉を添えた。

 

「ならば、リザードマンの兵軍団の方々に対魔族戦闘用の支援魔法を与えておきましょう」

「抗魔魔法の加護も存分に与えてください」

「承知しました」

 

 そしてカリナは魔王城を望みながら2人の軍団長を呼び寄せた。2人とも姿を現すのと同時にカリナに対して片膝をついて敬意を表した。

 

「リザードマン戦闘兵団、総長ケラブノス・ストーンバック、参上いたしました」 

「狼獣人系戦闘騎士団・牙狼騎士団、総長ゲオルグ・ハーグマン、ここに」

 

 彼らを前にしてカリナは落ち着き払った声で語りかけた。

 

「両名に命じます。リザードマン部隊は魔王城周囲を囲む岩場地帯を踏破し、その向こう側で待ち構えであろう魔族兵精鋭部隊をうち倒してください」

 

 この命令を受けたのがリザードマンの戦闘軍団を束ねる猛将のケラブノスだ。

 

「はっ! ご命令、拝領いたしました」

「おそらくは魔王軍最強兵種〝死賜隊(シグナモルス)〟が控えている可能性があります。くれぐれも警戒を怠らないように」

「ご忠告、痛みいります」

 

 勇猛果敢にして、カリナに対して絶対の忠誠を誓う忠義の男だ。卓越した陸戦兵であり奇襲攻撃もやすやすとこなす槍の名手でもある。水魔法の達人でもあるため、あらゆる戦局に対応できる器用さもある。

 さらにその隣に控えるのが、獣人種族の中でも最強と謳われる狼獣人の軍団を束ねるゲオルクだ。有能な突撃兵で戦陣の先頭をきって戦場を駆け抜けて多大な戦果を上げ続けてきた。カリナからの信頼も厚かった。

 

「牙狼騎士団はドラゴン部隊と共に待機、リザードマン部隊の進軍状況を勘案しながら、ドラゴンの背中に乗り上空から適時奇襲をかけてください」

「はっ! おまかせあれ! 敵の守備部隊を壊滅に追い込んでご覧に入れます」

 

 2人の答えにうなずきながらカリナは告げる。

 

「両名両軍団とも奮起を期待いたします! ご武運を」

「はっ!」

 

 2人は声をそろえて返答すると、踵を返して即座に戦場に向かう。

 

「さて、我々も進軍の準備を、エルリックは各種歩兵部隊の進軍陣形を編成してください、ミリアとソフィアは先行するリザードマン兵団と牙狼騎士団、また、冗句制圧するドラゴン部隊との連携維持をお願いします」

「はっ」

「心得ました」

「承知いたしました」

 

 こうして、進軍は進む。岩塊のような岩場に囲まれるようにしてそそり立つ魔王城、そこへと至るルートは一つの道しかない、当然、魔王軍の守備部隊は路上ルートにて待ち構えていたが、これを岩場地帯を踏破したリザードマン兵団の側面攻撃による奇襲を受けて混乱を来すこととなる。

 勇者カリナ・ウィングスは聖剣レギオンブレイドを握り、漆黒の魔王城ダークフォージを睨む。側近のエルリック、ソフィア、ミリアが周囲を固め、進軍準備を整える。

 ドラゴン種族を束ねるマルセウスも分離霊体(ドラゴニュート)で報告に現れた。

 

「聖剣の巫女様、偵察技能に優れた翼竜ドラゴンによると、進軍路上にさらなる守備部隊の展開は皆無とのことです。このまま魔王城に一気に攻め込みましょう」

「重畳です! この流れを止める理由はありません。今こそ、魔王城に向けて一気に駒を進めます!」

 

 戦いは流れと勢いだ。総指揮官たるものは、その流れと勢いを読み取ってこそ役目が果たせる。

 

「ご武運を」

 

 そう、言葉を残して、マルセウスは再び大空のドラゴンの本体へと還っていった。

 カリナは覚悟を決めて自ら進み出ると抜剣する。そして、剣を魔王城へと突きつけながら高らかに叫んだ。

 

「進め! 残るは魔王城ダークフォージただ一つ! 今こそ、魔王の牙城を切り崩すのだ!」

「おおおおおっ!」

「進軍!」

 

 そして、カリナたち魔法剣士騎士団アルカナヴァンガードと、リザードマン及び牙狼騎士団の連携部隊、及びドラゴン眷属の一団は魔王城の領域へとなだれ込んだのだった。

 

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