サポート科、分倍河原灰斗   作:うめけ

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主人公は個性柄数の力を信じがち
数の力といえば某スタンド


雄英体育祭

 

 

「始まったなぁ……」

 

分倍河原家テレビ前、ソファに寝転がりながら分倍河原仁が呟く。

 

《雄英体育祭 開幕!!》

 

派手なテロップと歓声がスタジアムで響いている。日本中が注目する雄英最大級イベントだ。仁はポテチを食べながら笑った。

 

「灰斗ああいうの苦手そうだよなぁ」

 

 

 

 

 

スタジアムは熱狂していた。全国中継。プロヒーロー達も観覧席へ集まっている。

 

「始まるぞ!!」

「今年の一年やべぇらしい!」

 

 

 

サポート科控室

 

「ついに本番ですねぇ!!」

 

発目が朝から騒がしい。大量の試作品を抱えていて危ない。

 

背中には試作パック腰には用途不明カートリッジ腕には展開式補助アーム。完全に歩く展示会だった。

 

「発目さん、それ全部持ってくの」

「もちろんです!!宣伝チャンスですから!!」

 

目が完全に商売人だった。体育祭はヒーロー科だけの舞台じゃない。企業、事務所、スポンサー、開発部門、大量の関係者が見ている。サポート科にとっては“就職活動最大イベント”でもあった。

 

「私のベイビー達が世に羽ばたく瞬間ですよ!!」

 

発目がビシッとポーズを決めるその勢いで何か爆発した。

 

ボンッ!!

 

「危なっ」

「大丈夫です!!軽微な誘爆です!!」

「軽微じゃない」

「今年はプロヒーロー事務所だけじゃなく企業開発部も多いんですよ!!つまり!!売り込み放題です!!」

「体育祭ってそういうイベントだっけ」

「そういうイベントです!!」

 

灰斗の方はというと工具箱に設計端末。そして足元に並ぶ小型蜘蛛型ユニット。低重心で運搬特化だ。

 

《蜘蛛型運搬マシン 雛形》

 

まだ試作段階のそれを軽く調整していた。

 

「……関節まだ硬い」

「実戦投入ですか!!」

「テストしたい」

「体育祭で!?」

「データいっぱい取れる」

 

 

 

メインスタジアム

 

『第一種目!!障害物競走!!』

 

ミッドナイトの声が響く。ゲート前には気合い充分な大量の一年達。対して灰斗は

 

「……壊れないといいな」

 

マシンの心配をしていた。

 

スタート!!!

 

全員が一斉に飛び出した。

 

爆豪が爆破加速。

飯田が高速疾走。

轟が氷で道を制圧。

 

派手で速い。

 

「起動」

 

カチッ。ボコッ。

 

蜘蛛型マシン複製

 

ボコボコッ。

 

増殖させてると周囲がざわつきだす。

 

「うわ増えた!?」

「蜘蛛キモッ!?」

 

蜘蛛達が灰斗を持ち上げるとそのまま

 

カサカサカサ……

 

移動を開始させた。

 

“歩きよりちょっと速い”速度で絶妙に地味だった。

 

最初の難所は《ロボ集団地帯》

 

巨大ロボが暴れ回り大量の受験ロボ残骸も転がっている。多くの生徒が足止めする中蜘蛛型マシン達は

 

カサカサカサ……

 

残骸を登る。低重心で多脚。悪路特化だ。

 

「意外と安定してる!?」

「普通に便利だなあれ!」

 

実況席でもざわつく

 

『分倍河原、まさかの堅実戦法ゥ!!』

 

その頃ーーー別ルートを走っていた発目は

 

「見てください企業の皆さーーーん!!こちら最新式多用途推進ベイビーです!!」

 

競技中なのに観客席へアピールしていた。

 

「宣伝始めた!?」

「競技しろ!!」

 

だが発目は止まらない。背中の補助アーム展開

 

ボシュッ!!

 

小型ブースター噴射しそのまま障害物を無理やり飛び越える。

 

『サポート科発目!!競技中にも関わらず猛烈アピールだァ!!』

「性能保証はしませんが夢はありますよーーー!!」

「最低の営業文句だぞ!!」

 

観客席から笑いが起きる中、企業席では逆にメモを取る人間もいた。

 

「発想力は面白いな」

「危険だが将来性はある」

 

発目はそれを見てさらにテンションが上がる。

 

「見てますね!!見てますね企業の皆さーーーん!!」

 

一方巨大ロボが接近してきても灰斗は冷静に

 

ボコボコボコボコッ

 

蜘蛛を追加複製しロボ脚へ張り付かせると

 

ゴリゴリゴリ

 

押してズラす。

 

「動かした!?」

「力技だ!!」

 

ロボの重心が微妙に崩れたその隙に

 

カサカサカサ。

 

ちょっと速い歩行速度で通過。シュールだった。

 

第二エリアは《崖ロープ渡り》

 

巨大谷。細いロープに多くの生徒が苦戦している。

 

「うわ高っ!?」

「落ちる!!」

 

「ロープ……結構細いな」

 

ボコッ

 

蜘蛛型マシン達がロープへ接続し脚で挟み込む。

 

カサカサカサ……

 

蜘蛛たちの上を安定歩行。

 

「ずるくない!?」

「いや技術力!!」

 

揺れない落ちない速くはない。でも確実だった。

 

最終エリア《地雷地帯》

 

ドガァン!!

ボゴォ!!

 

多くの生徒が吹き飛ぶ中少し考える。

 

蜘蛛型一機を前へ

 

ドォン!!

 

吹き飛び泥化する蜘蛛。

 

「これは……安全ルートで」

 

そのまま蜘蛛達が安全地帯を選びながら進む。

 

カサカサカサ……

 

地味だが効率的。

 

そのままゴールした。トップ層には遠く及ばない順位である。

 

『分倍河原ゴール!!独特すぎるゥ!!』

 

歓声と笑いが混ざる中、灰斗は蜘蛛型マシンを見下ろすと一機脚部が歪んでいた。

 

「……関節補強必要だな」

 

体育祭の感想が完全に開発者だった。

 

一方その頃発目はーーーーゴール後すら企業席へ向かって叫んでいた。

 

「スポンサー募集中でーーーす!!」

「最後まで営業してやがる!!」

 

 




発目は質とロマンの一点物なイメージ
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