――冗談じゃねえ。
足場の悪い森の中を駆けながら、男は内心で毒づいていた。
そもそも今朝からメンヌヴィルの様子はおかしかった。あれは戦場を前にして浮かべる顔だった。だから本当にただの「交渉」なのか疑問だったのだが、案の定、メンヌヴィルが私闘のために仕組んだことだった。
それでも、倒すのに雑作もないような相手だったのなら男も安心できたのだが――結果はあれだ。
今まで、どれだけ苛烈な戦場でさえも、見たことのないような炎の渦。
それを目にした瞬間、男は悟っていた。メンヌヴィルは死ぬ、と。
そして傭兵としての経験の賜物か、自分はどうするべきかを男は一瞬で判断した。
すなわち、逃走である。
男は人質に宛がっていた剣を納めると、即座に反転して逃げ出していた。さながら脱兎である。だが、男の判断は正しかった。少しでも早く逃げ出していなければ、メイジでもない男は容易くやつらに捕まってしまったことだろう。
――あと少しだ。
方向感覚には自信があった。進むべき道筋は間違っていない。しばらくすれば、仲間たちの野営地に辿り着くはずだ。
その後は迅速に状況を伝え、ここから離れるべきだろう。北に逃げるか、南に逃げるか――いずれにせよ、のんびりしている暇は一刻たりともない。
どれだけ走りつづけたか。息切れする寸前のところで、男はようやく見知ったものの形を見つけることができた。
「……着いたッ!」
森の裾。街道からやや離れた目立たない位置。男たちはそこを拠点にしていた。
そしていま、男の視界には馬車の一部が映っていた。それは紛うことなく傭兵団のものであり、男が野営地に辿り着いたことを示していた。
「おい! とっとと――」
ずらかるぞ。そう言おうとしたが、男は絶句するしかなかった。
眼前の光景に頭の処理が追いつかない。数秒、その場に立ちつくし、そしてようやく思い出したかのように男は口を開いた。
「…………なんだよ、こりゃ」
――倒れている。仲間たちが全員。
そのほとんどは手足に傷を負っていた。流血の程度は少ないようで、死んでいる者もいないようだ。だが、なぜか皆、うめき声を上げながら地に伏している。
……仲間にはメイジもいたはずだが、こうも簡単に全滅させられるとは。いったい誰の仕業だというのか。
男はこの惨状に戦慄しながらも、仲間の一人に近づいた。意識はあるようで、苦しそうな顔色を浮かべながらも、こちらのほうに視線を向けてくる。
「おい、どうなってる! 何が起きた!?」
「…………ぐ、か、体が痺れて……毒、だ。あの、人形ども、め」
毒。なるほど、どうやら毒塗りの武器で仲間たちは襲撃されたようだ。どうりで、この程度の傷でも立てなくなるはずである。
だが、人形とはなんだ。ゴーレムのことだろうか。ということは――敵はメイジか?
「……くそったれ」
男は呟き、体の向きを街道の方面へ向けた。逃げるためだ。メイジ含めて十人以上はいた仲間を全員無力化した敵など、まともに相手をしていられない。その下手人がこの場に戻ってこないうちに、逃走しようと男は考えていた。
一歩。
疲労した足を踏み出したところで、男はその声を聞いてしまった。
「――どこへ行くんですか?」
女の、あどけない感じの声。だが、男に冷や汗を流させるには十分な一言だった。
この場で男を静止させるような発言をする――それは相手が、絶対的な自信を持っているからだろう。
……ついてない。自分の不幸を嘆きながら、男はゆっくりと振り返った。
そこにいたのは、まだ少女と呼んでいい年頃の女性だった。肩口で揃えられた黒髪に、柔和そうなタレ気味の目。傭兵である男とは、対極に位置するような容姿だ。
だが、そんな彼女が立っているのは、仲間たちが倒れているこの場なのだ。用心してもしきれない少女だった。
「……あ、あんたがやったのか」
上擦った声で、男は尋ねた。もちろん、これは時間稼ぎだ。質問に少女が答えている間に、逃走の算段を考えるつもりだった。
「わたしが? ――違いますよ」
一瞬、男は混乱した。少女から返ってきたのが、予想外の言葉だったからだ。
てっきり、この少女が下手人だと思っていた。だが、本人は否定している。ここで嘘をつく理由もないことから、彼女の言葉は本当なのだろう。
と、いうことは。
仲間たちをやったのは――
かしゃ、と何か音が聞こえた。
一つ――ではない。いくつもだ。かしゃ、かしゃと音を立てて、集団で近づいてくる。
男は抜剣して振り向いた。恐怖に駆られての行動だった。
「な」
なんだこれは。
眼前に映ったものを信じられず、男は言葉を失った。
身長は三十サント程度。手には剣や槍を持ち、それを構えて戦闘態勢を取っている。数は――十、どころではない。二十……いや、三十近くはいるだろう。
それは“
武装したアルヴィーの群れ。
今になって、少女の返答の意味がわかった。仲間たちをやったのは、こいつらだ。
逃げろ。
本能がそう命令した時には、もう遅かった。足首から鋭い痛みが伝わってくる。
いつの間に近寄ったのだろうか。人形の一体が俊敏な動きで男に這いより、一太刀を浴びせていたのだ。
たかだか十数サント程度の刃物の攻撃。しかし男は、それだけで身動きが取れなくなった。仲間の言葉を思い出し、男はようやく理解した。
――毒。
剣に塗られていたのであろうそれは、男の身体に強力な痺れをもたらした。
身動きが取れない。男が絶望するなかで、さっきの少女の声が頭上から響いた。
「安心してください。命に別状はありませんから。さあ――監獄が待っていますよ、犯罪者さん」
◇
圧倒的だった。
業火の熱気に当てられながら、カリーヌは立ちつくしていた。
額からは汗が流れ落ちてくる。熱さのせいだけではない。尋常ならざる魔法を目の当たりにして、かつてないほどの戦慄を抱いているのだ。
「これが……」
魔法衛士隊だった騎士の実力。
いや、違う。彼女を「魔法衛士隊」という枠だけで収めることは不可能だ。彼女は……スクウェアの中でも、さらに頂点に位置する最高峰のメイジなのだろう。あの『烈風』や『微風』のような、伝説級の存在だ。
「最強」と呼ぶに足りるメイジの実力。自分は、それを目の当たりにしたのだ。
溜まった唾を飲みこむ。憧憬を通り越して、抱くのは畏敬だった。
ああ、自分はなんと恐ろしい人と出会ってしまったのか。あの酒場で気軽に話をしてしまった事実さえ、恥ずかしく感じてしまう。
そして、このあと、自分はどうあの人に言葉をかけてよいのか――
「ったく、疲れさせやがってよー」
なんだか緊張感のない声に、カリーヌは脱力させられてしまった。
呆れて隣を見ると、杖を手にしながら伸びをしているアベルがいた。
「……アベルさん? どうしたんですか?」
「どうしたもこうしたもないさ。あれだけ派手に燃やされたら、火事を防ぐこっちは苦労して仕方ない」
溜息をつくアベル。その言葉を聞いて――彼が何をしたのか、今更になって思い知った。
火が、消えている。
なまじ熱が残っていただけに、すぐには気づけなかった。だが、よくよく見ると、あれだけ燃え広がっていた木々は、ひとつ残らず消え去っていた。そう――文字どおりだ。
では、なぜ炎上していた木々はなくなったのか。簡単だ。――すべて土に変えられたからだ。
燃えるものが燃えないものに変わったら、それだけで炎は鎮火する。アベルはそれを実践したのだ。錬金――それも遠距離から、あれだけの範囲を、一瞬で。
――本職は“土”。
今になってカリーヌは、あの宿でアベルが口にした言葉の意味がわかった。
……なんだか、感覚が麻痺しそうだ。こんなにとんでもないメイジが、すぐそばに二人もいるだなんて。
自分と比べると悲惨なことにしかならないので、カリーヌはもう考えないことにした。
「あ、そういえば……」
人質の女性――アニエスさんは? そう思って向こうを見遣ると、レティシアがアニエスの縄を解いているところだった。
とくに怪我などは負っていないかったようで、拘束から解放されたアニエスはすぐに立ち上がり、レティシアと一緒にこちらへ歩み寄ってきた。
「よう、体は大丈夫か?」
軽い調子で声をかけるアベル。誘拐から救助されたばかりの女性に対して、よくそんなに事もなげに言えるものである。アニエスも呆れたような顔で、アベルに返答する。
「まあ、とくに怪我もありませんが……。ええと……とりあえず――」
アベル、レティシア、そして――カリーヌ。
アニエスはそれぞれの顔を見回してから、深々とお辞儀をした。
「ありがとうございます。助けに来ていただいて」
……もしかして、この感謝は自分にも向けられているのだろうか。だとしたら、すごく申し訳ない。自分は何もせず、ただ付いてきただけなのに。
内心で困っているカリーヌをよそに、アベルが頭を掻きながら口を開く。
「あー……そう言われると、こっちも頭を下げなきゃならん。お前が攫われたのも、こちら側が原因だからな」
「メンヌヴィルの目的は私だった。そのために、アニエス……きみが巻き込まれてしまった。すまない」
謝罪する二人に対して、アニエスは「いえ、気にしないでください!」と慌てたように言った。
それから彼女の視線は、思い出したかのように――カリーヌのほうへと向いた。
「あなたは……」
「あ……その、初めまして。カリーヌと言います」
「カリーヌさん、ですね。わたしはアニエスです。ありがとうございます、わたしのために……」
「いえ、あたしは何も――」
首を振るカリーヌに対して、アニエスは「そんなことありません」と微笑を浮かべた。
「その髪の色――わたしが意識を失う前に、たしかに目にしました。わたしを助けようとしてくれたんですよね?」
どうやらあの時、カリーヌがメンヌヴィルの前に躍り出たところをわずかに見ていたようだ。
……だが結局、助けるどころか逆に返り討ちだったのだ。誇れるようなことでもない。
なんとも言えず、赤面していると、ふと遠方から声が聞こえてきた。そちらを見遣ると、森の外で待機していたはずのダルシニが、手を振りながら近づいているところだった。
「――誘拐犯のお仲間たち、みんな確保しましたよ」
合流するやいなや、そんなことを事もなげに報告するものだから、カリーヌは唖然としてしまった。だが話を聞いてみると、どうやらアベルが用意した人形がどうにかしたらしい。手駒をもう動かしている、と彼が口にしていた言葉を思い出し、用意周到さに半分呆れそうなほど感心してしまった。
――そうして事件はあっさりと幕が引かれ。
連絡を受けて駆け付けた衛士たちによって、犯人たち傭兵団は身柄を確保された。攫われた人たちにも怪我はなく、みんな無事であったようだ。
事件の主犯だったこともあり、メンヌヴィルの遺体も担架を使って運ばれることになった。烈風に切り刻まれ、業火によって炭のようになった彼の姿は、死の苦痛を顕現するかのようで恐ろしかった。カリーヌは、それを直視することができなかった。
目を横にそらした先には、レティシアが立っていた。普段どおりの平静な表情に見えたが、その瞳には哀れみのようなものが宿っている。メンヌヴィルが決闘を画策したくらいなのだから、おそらく二人にはなんらかの因縁があったのだろう。それに対する興味はあったが――軽々しく尋ねるべきではないことくらい、カリーヌにはわかっていた。
「――ひとが変わるというのは、難しいものだな」
ぽつりと、レティシアの呟きが耳に入った。
その言葉の真意は捉えられないが、それでもカリーヌ自身、ひとが変わるのに困難が伴うのは身をもって知っていた。
どうして、自分は騎士になりたいと思ったのだろうか。
それはきっと、変わりたかったのだろう。つまらない地方での暮らしに甘んじて、刺激のない生活に体をうずめている自分が嫌だったのだ。都に出て、華々しく活躍する自分を夢見たのだ。物語に出てくるような、強くて恰好いい騎士になりたかった。
――けれども、それは難しいことだった。
トリスタニアに着いただけでは、コネも実績もない自分が魔法衛士隊に入れるわけなどなかった。地方の貴族として生きてきた世間知らずな小娘は、仕事で生計を立てることすら知らず空腹で困り果て、一瞬ながらも良からぬ方法で糧を得ることを頭によぎらせてしまうほどだった。
そしてメンヌヴィルに襲われていたアニエスを助けようとして、あっさりと返り討ちにされる失態を晒した。アベルに助けられなかったら、今ごろどうなっていたか。
レティシアとメンヌヴィルの決闘の行く末まで見届けて、カリーヌは痛感せざるをえなかった。自分は、はてしなく小さくてちっぽけな存在だった。単純なメイジとしての腕前だけではない。精神的な面でも、ここにいる誰よりも弱いのがカリーヌという少女だった。
「…………っ」
気付けば、目尻から涙がこぼれていた。それが本当に情けなくて、いやになりながら袖で顔をぬぐった。
「どうした」
隣にいたレティシアが、声をかけてきた。どこか優しさを含んだ声色だった。
カリーヌは心中を吐露した。こんなつまらない弱音を喋っても仕方ないだろう、という思いはあったが、それでも言葉は口をついて出てしまった。
聞きおえたレティシアは、ふっと微笑を浮かべた。カリーヌにとっては、初めて見る彼女の笑みだった。
「いいや、きみは強いさ」
「そんなこと――」
「アニエスを助けようとしたのだろう? 誰かのために、敵に立ちはだかることを自分の意志で選択したのだ。それは強さにほかならない。――きみは十分に騎士としての素質がある」
「……ぁ、ありがとうございます」
もと魔法衛士隊の人間、それも凄まじい力量のメイジからそんなことを言われたものだから、カリーヌはひどく赤面してしまった。お世辞なのかはわからないが、それでも彼女から素質があるなんて言われると、嬉しさが込み上げてきた。
弱々しい気持ちと悩みは、至極あっさりと消し飛んでしまった。変わろう、と思った。自分の意志で選択するのだ。強い人間となるために。騎士となるために。
そう、今日、この日が――
――カリーヌにとって、物語の分岐点となるのだった。
◇
――話がある。
事件後、『魅惑の妖精』亭に一晩泊めてもらった明くる日、カリーヌはレティシアからそんなことを伝えられた。
単純な世間話ではなく、改まった用件のようだった。どうやらレティシアは誰かと会う約束をしていて、カリーヌにはそれに付き合ってほしいらしい。
その面会する人物とは――ヴィヴィアン・ド・ジェーヴル。
かつて魔法衛士隊の隊長を務めていた貴族の家柄であり、隊長代理に就いていたこともある女性。
それを教えられた時、カリーヌは胸が跳ね上がるような思いだった。魔法衛士隊の隊員であったレティシアと、隊長代理であったヴィヴィアン。その二人の席に同伴することの意味は、馬鹿な田舎娘でも察することができた。
「初めまして。ヴィヴィアン・ド・ジェーヴルよ」
そして高級そうな喫茶店のテーブル席で、カリーヌは彼女と対面することになった。正面にヴィヴィアン、隣にレティシアという畏れ多い存在に囲まれて、心臓はバクバク鼓動を鳴らしていた。
「は、はじめまして……。えぇと――」
一瞬、カリーヌは逡巡した。本名を名乗るべきかと迷ったからだ。しかし、レティシアからは好きな名前でよいと言われていたので、それを口にすることにした。
「――カリーヌです」
名を耳にして、ヴィヴィアンの目はわずかに細められた。すべてを見通すかのようなブルーの瞳が、カリーヌを見つめた。
緊張しすぎて気絶してしまうのではないか。カリーヌは平静ではない頭で、なんとか自分のことを話した。故郷では騎士に憧れ、いつも騎士試合に興じていたこと。そして親に猛反対されるなか、ついに家出するように都にやって来たこと。けれども魔法衛士隊への入隊は叶わず、途方に暮れていたこと。
カリーヌの言葉を聞きおえたヴィヴィアンは、ふふっと笑った。どこか遠い昔を懐かしむような、穏やかな笑みだった。
「似ているわね」
「え?」
「いえ、こちらの話よ」
誰と似ているのだろうか。彼女は隊長代理を務めていたので、もしかしたらその時に、カリーヌと同じような入隊希望者を見たことがあるのかもしれない。
気になりつつも、尋ねることはしなかった。今はそんな雑談をする心の余裕もなかったのだ。
少し考え込むような仕草をしてから、ヴィヴィアンは鞄から便箋を取り出した。そして筆を走らせる。何を執筆しているのか理解したカリーヌは、よくわからない感情に呑みこまれた。歓喜か、感謝か、あるいは突然すぎる展開への困惑か。
一筆した手紙を、ヴィヴィアンはカリーヌの手元に差し出した。
「――紹介状よ。これがあれば、問題ないでしょう。すぐに正騎士に採用されることはないけれど、見習いとして経験を積めば、いずれ衛士隊の騎士になれるわ」
「あ――」
感極まるとはこのことか。言葉がうまくでなかったカリーヌは、いちどごくりと唾を呑みこんでから、思わず泣きそうになりながら口を開いた。
「ありがとうございます……!」
「礼に及ぶほどのことではないわ。……あなたが本当の騎士になれるかどうかは、あなた次第。がんばってね」
「はい……! が、がんばります……!」
まさか、こんなふうに騎士の道を授けられるとは。つい先日、困り果てていた状況からは想像もできない好転だった。
あの時、アニエスを助けようとしたことで、アベルに救われて、レティシアと知り合った。その
そう――
ほんの少しのことで、ひとの人生は変わるのだ。
一つの変化が、いろんなことへと伝わり、いろんなものを変える。
この世界は、そうやって移ろっているのだろう。
願わくば、多くの人々に良い変化がありますように。
紹介状を大切に受け取りながら、カリーヌは心からそんなことを思うのだった。
あとがき:
中途半端すぎたので、とりあえず『微風の騎士』の部だけはなんとか終わらせようと思い、更新しました。
このSSを考えたのはもう7年以上前で、いくつかプロットはテキストに残しているものの、さすがに記憶が少々薄れてしまっている部分もあります。また文体も少し変化しているので、違和を感じるかもしれません。非常に申し訳ないです。
この部において登場した「カリーヌ」ですが、外伝を読んだ方は「長い銀髪/騎士試合」というキーワードで気づいたかもしれません。タバサの冒険に出てきた、例の女頭目ですね。原作での彼女は犯罪に手を染めており、騎士になりたいという夢を抱きながらも挫折し、歪んだ形で騎士の真似事にこだわっていることが読み取れます。でも根っからの悪人というようには見えず、おそらく騎士としての道を歩めたら転落することはなかったのではないか。そう考えて、ここでは救済対象となりました。
この作品のコンセプトは救済であり、このあとに続く『終結の湖』という部では、ジョゼフやカトレアといった原作キャラクターが登場する予定でした。すでに『エルフと吸血鬼』で語られていますが、最終的にジョゼフが虚無の担い手としてシェフィールドを召喚。彼女はミョズニトニルンとして、風石食らいのマジックアイテムをハルケギニア全土にばらまき、大隆起問題に終止符を打つ――というのが『終結の湖』のオチであり、その後に続く『エピローグ』で後日談などを語る予定でした。
そんな感じでプロット自体はちゃんとあるので、もし反響があれば続きも書いていくかもしれません。何年かかるかはわかりませんが……。
何はともあれ、ここまで読んでくださって本当にありがとうございました。
これからもゼロ魔の二次創作がたくさん見られることを、私自身も心から願っています。