とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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バイオハザード5編開始


バイオ1と比べると体重が18キロも増えているけど、それって全部筋肉ですかクリスさん

 月 日

 

トライセル内部へ研究員として潜入中である人物から情報が送られてきた。

始祖ウィルスを元に研究開発中だった新型ウィルスが遂に完成を迎えたらしい。

彼からの情報では、職場の上司の愛人の様な側近であるグラサンが何処からか連れてきた女性。その女性が持っていた強力なウィルス抗体を抽出して新型ウィルスの毒性を抑える事に成功した為、ウィルスの完成が早まったそうだ。

研究にとても役立った女性はグラサンによって実験施設から連れ出されて、現在は始祖ウィルス研究の副産物である薬物実験が行われているとのこと。

報告に添えられた女性の写真を見ると、髪の色が黒髪から金髪に変わっていたのは薬物の影響と考えられるが。グラサンの趣味じゃあないだろうか、とも若干思ってしまうな。

やはり生きていたか、ジル・バレンタイン。

 

 月 日

 

完成したウィルスの機密保持の為に休暇で出国させると偽って、ウィルス研究開発スタッフ全員をバスに乗せて一辺に纏めて処理しようとしたらしいが。それは失敗に終わったようだ。

私が潜り込ませた研究員は手頃な研究員数名に隠し持っていたG細胞を植え付け、肉体を依り代に生まれた成体数体が暴れている隙に顔と衣服を変えて逃げ延びたらしい。

逃走方法が少々過激だが「何をしても構わん、絶対に情報を手に入れて帰ってきてくれたまえ」と潜入前の彼に言った私が悪いのかもしれんな。

 

しかしGウィルスを直接投与した個体に比べれば大したことは無いだろうが、Gは総じて生命力の強い生物だ。面倒な相手だったんじゃあないかな、グラサンの部下に同情なんてしてはやらないがね。

 

 月 日

 

詳細な情報が届いた。

トライセルの研究者達に造り出されたウィルスの名はウロボロス、尾を咬む蛇の名を付けられたウィルス。

投与された被験者はウロボロスによって遺伝子の選別が行なわれ、適合者以外は黒い蛭状のウィルス嚢胞に覆われた化物となる。そしてウィルス嚢胞の集合体となった被験者は原始的な知能に支配され、周囲の有機物質を感知すると捕獲を行い捕食して更に増殖。つまりウロボロス・ウィルスの適合者以外の生物を餌として際限無く増え続けるということだろう。確かに無限を意味する蛇の名に相応しい性質を持った厄介なウィルスだな。

しかもそんなウィルスを世界中に蔓延させて強制的に選別を行う計画まで存在するとは、世界でも滅ぼすつもりかグラサンめ。

世界中に20歳年下の女性のヘソだし写真を隠し持っていたことを拡散してやろうか貴様。

 

おまけに子供が居るのに認知もしないで養育費すらも全く払っていない駄目親父だということも拡散してやるぞ。

 

心当たりが無いとは言わせんし、以前多額の金を支払って貴様の息子らしき少年に細胞を提供してもらったのでな。遺伝子鑑定の結果、確かにグラサンの息子だと証明された。

 

この情報を公開すれば、誰もが認める駄目親父として世間に白い目で見られることは間違いない。 いや、見られたところで何とも思わんかグラサンはな。

 

それに面倒な連中にあの親子が狙われるかもしれん、此方の情報は私の胸にしまっておくとしようか。少年の母親は病弱で身体がそれほど強くないからな、余計な心労で体調を崩されては困るだろう。

となると拡散出来ることは写真だけになるが、よくよく考えてみると写真の女性にも迷惑がかかるんじゃあないだろうか。

正直残念だが、嫌がらせの情報拡散は止めておいた方が良さそうだな。

 

口惜しい冗談はさておき。

ウロボロスの弱点は炎、焼夷弾と火炎放射器を備えた対ウロボロス用の腕でも作っておくとしよう。

備えが有れば憂いもない。

 

 

 月 日

 

アンブレラの総帥であったオズウェル・E・スペンサーが夢想した新世界。始祖ウィルスによる新人類創世の前段階に一つの計画が有った。

プロジェクト・ウェスカー。

将来有望な子供達へウェスカーの名を与えて世界中に送り出し、新人類となる人材を育成。そして時期がくれば全てのウェスカーへとウィルスを投与し、生き残った者のみが真のウェスカーとして新世界を導く者となる。スペンサーが望んだ、ウィルスによって進化した新人類による新たな世界の創造。それをなんとも傍迷惑に歪んだ形で叶えようとするグラサンは野放しには出来んな。

誰も彼もが黒い蛭の集合体の様な物体に変わってしまって話せる相手が誰も何も居ない世界なんか頼んじゃあいないし、襲ってくる化物しか居ない世界なんて望んでもいないんだよ。

 

私はそんな世界は嫌だ。

物凄く嫌だ、絶対に嫌だ。

 

嫌で嫌で堪えられない。

 

だから貴様の邪魔をしよう。

 

という訳でグラサンの息子である少年の細胞を使ってプロジェクト・ウェスカーでグラサンに投与された試作段階のウィルスがどのような結果をもたらしたかの実験を行った。実験を重ねて判明した事柄は、ウィルスに適合して進化はするだろうが投与されたウィルスを安定させる為に特殊な薬剤が必要だということだ。

おそらくグラサンのウィルス安定剤は「PG67 A/W」だろう。

許容量以上を投与すれば、どんな薬も毒と変わらない。後はどうやって過剰注入してやるかだが。

避けられんように工夫が要るな。

目眩ましは悪くないが、年がら年中サングラスかけてるグラサンに閃光は効かない。

となると煙幕か。

一面が煙に覆われたとしても遠赤外線を使用した暗視ゴーグルを使えば此方は対象の居場所が判別出来る。

音も少ない方が良いなら使う武器はボウガンにして、突き刺さると同時に薬剤を注入する矢を作成すればいい。

煙幕に紛れて矢を放ち、濃縮した薬剤を撃ち込む。私一人で戦うとするなら、そんなところだろうか。

 

一人で戦う必要は、無さそうだがね。

 




ネタバレ注意

肉体を依り代に生まれた成体 G変異体

アウトブレイクに登場するボスの一体

G細胞が人間に寄生して、細胞と融合しながら変異を繰り返して成体となった生物
G細胞を持ち去ろうとした研究員の女性に寄生、その女性の肉体を突き破り、ターンテーブルの鉄板も突き破り
幼体の状態から一気に成体へと成長して襲いかかってくる

アウトブレイクのボスの中で一番体力が多いボス

グラサンの息子 ジェイク・ミューラー
あんな父親から何でこんな子が
よほど母親が良い人だったんでしょう

ヘソだし写真の女性 レベッカ・チェンバース

バイオハザード0の主人公の一人
バイオハザード1クリス編にも登場

STARS新人隊員で薬品の精製と調合に関するエキスパート

隠しコスチュームはヘソだしウェスタン
バイオ0だとレザーコスチュームも着れたりする
ヒルにまとわりつかれたり
デカイムカデに抱っこされながら連れ回されたり
0で色々と頑張った後、1の洋館でまた頑張る事に

それでも元気な彼女は
きっと若いから体力が違うんだろう

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