とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記 作：色々残念
カプセルシューターから連続して射出された白いカプセルは、ハンター達の体内へと深く撃ち込まれ効力を発揮する。ウィルスの活動を数分間抑制する改良型抗ウィルス薬剤。ウィルスへ抗う為に作られた薬がウィルスで造られた彼等の生命活動を停止させた。呻きながら倒れていくハンター達は、Ｔウィルスを投与した人間を素体として遺伝子改良を施されて造られたＢＯＷの完成品であり商品。ある程度武装はしているが、私はデスクワーク中心の運動不足な研究員。
「瞬発力と跳躍力は驚異だが、私に負けているようでは駄目だな。精々改良を行う事だ、この程度では武装した一般市民にも勝てんよ」
月 日
アンブレラ関連の研究所周辺で数体のハンターと遭遇。何故か襲いかかってきた彼等へ、二丁カプセルシューターで抗ウィルス剤を強制連続投与してやった。安らかに眠れ、君達が運んでいたサンプルは私が有効活用する事を約束しよう。投入されたアンブレラの特殊工作部隊には先を越されない様にしなければな。ハンク君は間違いなく生き残っているだろうし、必ず目的を達成する男でもある。今日書く事はこれで終りだ、明日から忙しくなるぞ。
少々派手に動き過ぎたか、サンプル回収用の「暴君」に狙われる事になってしまった。追いかけてくるグリーンのコートを着た大男、肥大化した心臓が剥き出しになっていた試作品やＴ－００２型に比べれば随分と人間らしい姿だ。しかし無機質な眼に血が通っていないかの様な白い肌は人間らしいとは言えんな。そういえば「暴君」はセルゲイ・ウラジミールのクローンを元に作成されているそうだが、やはり「暴君」も痛め付けられる事に興奮する質なのだろうか？ドＭの生物兵器、とりあえず私はそんなものとは戦いたくはない。攻撃を受ける度に息を荒げながらもっと痛みをくれと言わんばかりに積極的に接近して来るスキンヘッドの大男など嫌過ぎるぞ。何の感情も無い兵器である事を祈ろう、さて考えを切り替えるか。兵器に只のコートを着せる意味はない、恐らくは防弾性や耐爆性程度は備えているだろう。だとすればカプセルシューターでは、あのコートを貫通する事は不可能。ならば剥き出しの場所を狙わせてもらおうか。「暴君」の頭部へとカプセルシューターの照準を合わせ、装填した薬剤が切れるまで連射。再装填は行わず、直ぐ様もう一丁を脇のホルスターから取り出し構える。
「悪いが用法用量は守れんぞ、貴様の息の根が止まるまで撃ち込んでやるのでな」
と、決めたところまでは良かったのだがちょっとタフ過ぎるんじゃあないかね。おまけにダメージを与えれば与える程動きが速くなってゆくぞ！こいつやはりＭか！Ｍなのか！？いや違う落ち着け、今の「暴君」は制御不能の状態で暴走中だ。恐らくリミッターが度重なるダメージにより外れかけているのだろう。完全にリミッターが外れれば「暴君」の筋肉は更に発達し、着ているコートは弾け飛び爪も伸び。全裸のムキムキＢＯＷ(しかもさっきより強い)へと進化してしまうぞ。それは嫌だかなり嫌だ。
攻め方を変えてみるか。カプセルシューターをホルスターへ仕舞い、バックパックから強酸が入れられた黄色の薬瓶を取り出し投げつけると、割れた瓶から降り注いだ酸が肉の焼ける様な音を立てて「暴君」の顔を僅かに溶かした。少々仰け反り怯んだが、まだまだ元気そうだな全く。追加で爆発性の液体が詰まった瓶も数本纏めて投げつけておくとしよう。ダメージは少ないだろうが視界と音は遮られる筈だ、今の内に逃げるとするか。それにしてもさっきから考えが可笑しな方向へ突き抜けてしまうが、どうやら焦っているのかもしれんな私も。
月 日
大量のサンプルを手に入れてご機嫌な私へと、上空のヘリコプターから「暴君」が投下される。グリーンのコートを着用した色白な大男が眼前に降ってくるという貴重な体験をしたが、全く嬉しくはない。着地して直ぐ様殴りかかってきたからな「暴君」が。避けながらカプセルシューターと薬瓶で応戦し、怯ませた間に逃走は成功した。あの程度のダメージなら、まだまだ元気に追いかけてくるだろうな。次からは戦闘中にあんな事は考えるのは止めておこう。戦意が萎える。
ラクーンシティ滅菌作戦まで後数日、張り切っていこうか。
ネタバレ注意
セルゲイ・ウラジミール
アンブレラの幹部
ウェスカーの裏切りに気付いてアークレイ研究所から全てのデータを先に持っていったので、ウェスカーがキレた
有能だけどＭ
初登場の時に何か自分をナイフで切ってた
やっぱりＭ
最後の戦闘中に、もっと痛みをくれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇとか叫びながら近付いてくる。
最後までＭ
何かもう、凄い