とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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ナパドゥの死に際に振り回す腕には注意

 月 日

乗ってきたヘリは撃墜されたが海上プラントから「ネオアンブレラ」の海底基地に潜入成功。配置されているジュアヴォの背面から忍び寄り首を180度回転させて捻じ折って静かに始末していく。ジュアヴォの持っていた銃器やロケットランチャーを奪い取り基地内の監視カメラを消音器付きの拳銃で狙い撃ち破壊しながら進み、異常を感知して現れた新たなジュアヴォ達をナイフで一人残らず処理してジュアヴォが持っていた装備で使えそうな物を物色する。そんな事を繰り返しながら辿り着いた海底基地下層部の中央の上部に鎮座する巨大なサナギ。恐らくはアレがハオスだろう。

 

ハオスに近付く為、エレベーターに乗り込み。上昇するエレベーター上で襲い来る腕が鎌の様になったジュアヴォ達を先程奪い取った銃器を活用して返り討ちにする。エレベーターが頂上に到着し海底基地上層部に移動。中央のサナギへとロケットランチャーを発射してサナギを破壊してやるとハオスがその姿を現す。人間の頭蓋骨とおぼしき骨格が透けて見える巨大なハオスの頭部へと強化型アンチCを装填したアンプルシューターを発射する。ジュアヴォであれば即死していたが巨体故に一度の投与では効力を発揮しない。ならば効くまで撃ち込んでやれば良い。

 

ハオスの攻撃を受けて破壊されていく施設内を駆けながら、アンプルシューターでの強制投与を続ける。荒々しく振るわれた巨大な拳を避け、此方を捕まえようとする巨大な両手の動きをフックショットを用いて躱し、空いている片手で狙いを定めて撃つ。ハオスの頭部へと射出されるアンチC。此方を先に進ませないと進路を塞ぐ巨大な腕にジュアヴォから奪った銃器を全弾発射し怯ませて退かし、立ち止まらず進みアンチCを撃ち込んでいく。振りかぶった腕を振り抜いて薙ぎ払おうとしてくるハオスの腕をフックショットを使い大幅に飛び退いて回避し、盛大に撒き散らされる毒性の巨大な臓物を避けてアンプルシューターを構えて撃つ。20を超える回数にも及んだ強化型アンチCの投与は遂に効力を発揮した。崩れ落ちるハオスの身体は跡形も無く消えていく。完全に消滅したハオスを見届けた私は海底基地内の各所に爆薬を仕掛けてから脱出を試みた。脱出を阻害する道中のサナギから現れた殻で覆われたゴリラの様なナパドゥを大口径の拳銃で排除して緊急脱出路を突き進み。緊急脱出用のポッドで海底基地から脱出した。

 

その後は海上に投げ出されて海上を漂いながら脱出ポッド内で部下からの救助を待つ私の元へ近付く大型ヘリが一機。垂らされた梯子を登りヘリに乗り込むとそこには数人の部下達の姿があった。久しぶりに対面した部下達はとても元気そうで何よりだ。部下達と軽い談笑を続けながら日記を書く。カーラ・ラダメスの狙いが何であれ世界が滅びるような代物を用意していた「ネオアンブレラ」には早急に対処しなくてはいけないな。今後も世界規模のバイオテロを目論むようであれば、組織自体を潰す必要が有る。

 

「ファミリー」の造り上げた秩序が気に入らないとしても世界を滅ぼすのはどう考えてもやり過ぎだ。

 

 月 日

海底基地を破壊されハオスも失った「ネオアンブレラ」の次なる動きは人間をゾンビ化するガスを詰め込んだミサイルの作製だった。そしてそれを世界中に向けて発射するという計画を企てているようだ。その計画を知った私は直ぐ様装備を整えてから「ネオアンブレラ」がミサイルを作製している基地へと向かい車を走らせた。警備のジュアヴォ達を纏めて散弾銃で吹き飛ばして強行突破し、サナギから羽化し襲い来る多様な完全変異種達を強化型アンチCを装填したアンプルシューターで迎え撃ちながら、障害となるもの達を残らず処理して進み。辿り着いた格納庫に存在した人間をゾンビ化させるガスが詰まったミサイルは作製を始めたばかりなのか数は然程でも無かったが一つ一つを慎重に解体し、発射が出来ないような状態に変えてからBSAAに詳細な情報を報告してその場から立ち去った。

 

後の処理はBSAAに任せておこう個人で出来る事には限界がある。可能で有ればミサイルを爆破して完全に破壊しておきたかったが、人間をゾンビ化させるガスが詰められたミサイルを爆破したとして内容物の濃縮ガスがどの範囲にまで拡がるか判別が出来なかった為に解体だけで済ませておく事にした。

 

「ネオアンブレラ」はどうしても世界を滅ぼしたいらしいな。しかしそれを認める訳にはいかない。やはり「ネオアンブレラ」には消えてもらうしかないな。

 

 月 日

現在カーラ・ラダメスの傍には常にウスタナクが護衛として控えていて彼女を守っているらしく。現状の装備では損害無しで暗殺をするのは難しいそうだ。私は部下の元へ強化型アンチCを装填したアンプルシューターを送り届けた。それを使えばCウイルスを用いて作製されたBOWであるウスタナクを始末する事が出来るだろう。しかし部下に無理強いはしない。念の為の対抗手段を持たせておいただけだ。ウスタナクは私が直接出向いて排除しよう。世界を滅ぼす為の新たな計画を実行に移す前に「ネオアンブレラ」を率いるカーラ・ラダメスを始末する必要が有る。

 

カーラを送り出した私が責任を持って「ネオアンブレラ」を壊滅させなければいけない。シモンズと「ファミリー」を消し去っても彼女が止まらないんじゃあないかと予想はしていたが、世界を滅ぼす為に動き出したカーラを止めるにはもう命を奪うしかないだろう。言葉では彼女を止められ無かった。それだけは残念だ。

 

全ての元凶のシモンズが死んだとしても彼女の憎悪が治まる事は無かったという事になる。ならば憎悪を煽った私が決着をつけなければいけないな。

 

 月 日

部下の手引きで「ネオアンブレラ」本拠地に潜入成功。爆薬を各所に設置しながら密かに進み。出くわした「ネオアンブレラ」の構成員を口元を押さえ上を向かせて露となる喉笛をナイフで掻き切り静かに始末する。死体を目立たない場所まで引き摺り隠して更に奥へと向かう。私と身長体型髪型が近いジュアヴォから衣服と被っていた面を奪い取りナイフで処理。服を着替え面を被り変装して施設内を進んでいく。辿り着いた一室の扉にノックをして入室を許可されてから入り込む。そこにはウスタナクを後ろに控えさせたカーラ・ラダメスの姿があった。

 

「何の用かしら」と問いかけてくるカーラの背後のウスタナクが異常を察知し、動き出してカーラの前に立ち塞がり盾となった。しかし最初から狙いはウスタナクなので寧ろ狙いやすくなって此方は大助かりだ。私は懐のホルスターからアンプルシューターを瞬時に抜き取り構えてウスタナクへ強化型アンチCを発射した。たった一度の投与でウスタナクは地に倒れ込んだが念を入れてもう一度投与を行い完璧にトドメを刺しておく。優秀な護衛を失ったとしても狼狽えず冷静なカーラ・ラダメスは「ウスタナクが一瞬で始末されるなんて驚きね」と言いながら椅子に座り始めた。

 

眼前に敵がいるにも関わらず落ち着いた様子で逃げも隠れもせずに堂々としているカーラ・ラダメスに問いかける。逃げ出そうとは思わないのかと、その答えは「ウスタナクを始末した手際から見て貴方から逃げられるとは思えないし、シモンズの様に無様な姿は見せたくないの」との事だ。「わたしが死んだ時に解き放たれるようにしておいた海の底のハオスも貴方が処理したのかしら」と問われたのでその通りだと頷く私に微笑みながら「想定外の事態ばかりが起こるのは貴方のせいだったようね」と呟いた。

 

「最期に望みが有るのだけれど、聞いてくれるかしら」としおらしいカーラに話してみるといいと促すと「貴方の本当の顔を見せてほしいのジョン」と言われた。どうやら気付いていたらしい。被っていた面を外し特殊メイクも剥がして久しぶりに本来の素顔を晒した私に「こんなに素晴らしい顔を隠していたなんて悪い人ね」とからかう様な声を上げるカーラ。実年齢と釣り合っていないこんな顔を見たがるのはアレクシア位だと思っていたがそうでもないらしい。

 

「貴方と過ごした日々はとても楽しかったわジョン」と穏やかな顔でそう言ったカーラに確かに私も楽しかったと告げる。「こうしていつまでも話している訳にはいかないわね。そろそろ終わりにしましょう」話を切り上げた彼女に向けて懐から取り出した消音器付きの拳銃を構えて狙う。「シモンズに復讐を果たして「ファミリー」を消し去っても止まる事が出来なかったけれど、これでようやく終わりに出来る。ありがとう。さようなら、ジョン」そう言って瞼を閉じたカーラ・ラダメスの眉間を撃ち抜いた。

 

カーラの死亡を確認した後に室内へ爆薬を仕掛けて特殊メイクと面を被って退室。そのまま「ネオアンブレラ」本拠地から脱出した。私の部下は既に退避しているので本拠地の各所に仕掛けた爆薬を一斉に起爆してやり壊滅させてやる。盛大に吹き飛んだ「ネオアンブレラ」の本拠地。総統のカーラが死んだとしても「ネオアンブレラ」の全てが止まる訳では無いが「ネオアンブレラ」崩壊への先ずは第一歩という事にはなるな。

 

これからも「ネオアンブレラ」とは戦いになるが負けてやるつもりはない。必ず「ネオアンブレラ」を根絶やしにしてやろう。

 




ネタバレ注意
腕が鎌の様になったジュアヴォ
バイオハザード6に登場
ルウカ・スルプ
東欧の言葉でルウカは腕を意味し、スルプは鎌を指す
鋭く腕を振り回す事で敵対する個体を切り裂こうとする
また硬質な腕部を盾代わりとして使う事も
左腕が変異したタイプが多いが、両腕が鎌状に変異したタイプも登場する
ナパドゥ
バイオハザード6に登場
サナギ化したジュアヴォが、変異の果てに硬い外皮に覆われた強靭な肉体を手に入れた姿
名称は東欧の言葉で突撃を意味しており、凄まじい怪力を武器に暴れまわる
全身から常に蒸気を噴出させ、体温を一定に保っている
弱点は背中の人間の顔に似た白い中枢神経

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