とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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アウトブレイクファイル2に登場するアクスマンの本名はアルバート・レスター

 月 日

数多に存在する組織の内の一つ、私の元へジュアヴォやマジニ達を送り込んできていた組織を特定する事に成功した。どうやら新興の組織のようで規模はそれほど大きくはないらしく、拠点も一つしか用意出来ていないようだ。その拠点の場所は既に判明している。私は衛星軌道上に存在する太陽光集積システム「レギア・ソリス」の転用により、膨大な太陽光エネルギーを収束させた超高熱照射を行い、組織の拠点を壊滅させた。これで敵が少しは減ったが、問題はアレクシアとセルゲイだ。奴等の居場所が未だ掴めていない。此方が見付け出される前に奴等の拠点の位置を特定する事が出来れば先制攻撃が可能だ。

 

何の狙いもなく襲撃をしてくる奴等ではない。セルゲイは私の肉体を手に入れる為に、そしてアレクシアは私を殺す為に行動しているようだ。どちらの目的も達成させる訳にはいかない。奴等のこれからの行動を把握する必要がある。

 

 月 日

私は世界中に潜ませている子飼いの諜報員と数多の組織に潜入させている部下達と連携して情報を集めた。その中でも部下が潜入しているとある組織の「再現実験体」を購入したいとセルゲイの組織から要請があったらしく。提示された破格の値段に要請を受け入れたその組織は複数体の「再現実験体」を提供したそうだ。アークレイ山地北西部の山奥に存在したT-JCCCにより変異していた植物に覆われた廃病院で捕獲した、高い生命力を持ち知能の低下も無いアルバート・レスターを再現した実験体が特に気に入られたとの報告が入っている。

 

ウィルスに強い耐性を持つ「再現実験体」達をスペンサーの新たな肉体とするつもりなのは間違いない。どうやらスペンサーの復活の時は近いらしいな。

 

 月 日

失脚した元FBC長官モルガン・ランズディールの腹心でありNGO団体テラセイブの幹部職員でもあるニール・フィッシャーがウロボロス・ウィルスを求めて動き出した。しかしテラセイブを隠れ蓑としてウロボロス・ウィルスによるバイオテロを引き起こそうと奔走するニール・フィッシャーにウロボロス・ウィルスを提供しようとする者は誰もいないようだ。扱いを誤れば取り返しがつかなくなるウロボロス・ウィルスを取り扱うものは全くおらず、いたとしても積極的にバイオテロを引き起こそうとはせず研究用として扱うものが殆どだ。

 

それだけウロボロス・ウィルスは慎重に扱わなければいけない代物だという事だな。ニール・フィッシャーはウロボロス・ウィルスの危険性を全く理解していない。そんな奴にウロボロス・ウィルスを提供するような奴は余程の馬鹿か破滅主義者くらいだろう。無節操にウロボロス・ウィルスを世界中にばら蒔こうと考えているニール・フィッシャーにウロボロス・ウィルスを渡すような奴が現れない事を願おう。

 

 月 日

巧妙に隠されたセルゲイの拠点の位置情報を探しあてる事に成功した。上層部は「レギア・ソリス」の超高熱照射で破壊できるが、またしても地下に本拠地があるらしい。完全に破壊するには直接出向いて破壊するしかないようだ。私は装備を整えてセルゲイの拠点へ向かう事にした。アンチマテリアルライフルと十分に充電した荷電粒子ライフルにL・ホークとアンプルシューターに各種ワクチンと戦闘用義手3種に爆薬を収めた改造アタッシュケース。

 

とりあえずはこんなところだろうか。

 

 月 日

セルゲイの拠点の上層部を「レギア・ソリス」で焼き払い。地下の本拠地へと侵入を開始する。エレベーターで地下へ降りていき、到着した研究施設内で研究員達を始末しながら施設内の出入りに必要なパスコードを吐かせて重要な場所に入る為に必要なカードキーを入手する。カードキーにはアンブレラのロゴマークが入っていた。施設内へ爆薬を設置し、研究資料を回収していく。回収した研究資料の内容は精神と記憶の転移システムについての詳細が書き込まれていた。資料には、この研究所に送り込まれた「再現実験体」にスペンサー卿の記憶と人格の転写を余すことなく行い輸送したと書かれている。こんな資料があるという事はスペンサーの復活を行っていた研究所が此処であったという事になるな。

 

施設内を探索していくとスーパーコンピューターを発見した。恐らくはスペンサーの記憶と人格が収められているのがこのスーパーコンピューターだろう。スーパーコンピューターにも、もちろん爆薬を設置した。私にとっての最優先破壊対象だからな。スペンサーの復活は既に成功しているのかもしれないがこれ以上スペンサーが増やされる事がないように元を断たなくてはいけない。

 

探索中にセルゲイの手記を手に入れた。内容は「残された我が写し身の数は、この身を入れて僅か2体、スペンサー卿は複数の肉体で復活を遂げたが望ましい身体とはいえぬ。より優れた肉体を手に入れなければならない。ジョンが手に入っていればこのような悩みは無かった筈だが。ジョンという毒蛇に喰らいつかれた者は全て残らず死んでいる。あのウェスカーでさえもだ。ジョンは容易い相手ではない。毒蛇を避けて手に入れた「再現実験体」の肉体は適合者達に比べればどうしても劣る。スペンサー卿も満足はしていないようだった。次こそは必ず適合者の肉体をスペンサー卿に捧げるのだ。それこそが我が宿願」と書かれている。どうやらスペンサーは既に復活しているようだ。そして「再現実験体」達の肉体はウィルス適合者ほど優れたものではないらしい。

 

辿り着いた研究所の最深部で遂に遭遇したセルゲイの身体は特殊合金装甲で覆われていたがアンチマテリアルライフルで一点を集中して狙い撃ち特殊合金装甲唯一の弱所に孔を穿ち、跳躍から振り下ろされた拳を後方に跳び退いて避けて疾走からの薙ぎ払う様な左右の豪腕の振り払いをしゃがんで回避し振るわれた拳の数々を全て躱し、孔からアンプルシューターに装填したtウィルスへの特効薬であるデイライトを投与して「暴君」の肉体を持つセルゲイ・ウラジミールを処理した。

 

施設内全てに爆薬を仕掛けて退避した後に起爆して研究所を完全に破壊した。これで残るセルゲイは後1体となった。終わりが近付いてきたようだな。

 

 月 日

最後のセルゲイの拠点を研究所に残されていた情報を元に割り出す事に成功した。恐らくはそこにスペンサー達も居る筈だ。アンブレラを完全に終わらせる為に、その拠点に向かうとしよう。これがセルゲイとの最後の戦いとなる。手入れをした装備は万全、当然ではあるが体調も問題なし、気力も充実しているな。このまま突撃してもいい気分だが、焦りは禁物だ。一先ずは落ち着いて逸る気持ちを抑えるとしよう。平常心を保つ事が必要だ。冷静に行動しなければならない。スペンサーの居る拠点の守りは当然これまで以上に堅いだろう。そう簡単に落とせるとは限らない。今までのやり方が通用しない可能性がある。とりあえず一眠りでもして気分を落ち着かせるのも悪くない。

 

今日の日記はこれまでにしようか。

 

日記を閉じてペンを置く。座り心地の良い椅子に寄りかかり深く息を吐く。瞼を閉じて緩やかに眠りに入ろうとした私を高らかに鳴り響く電子音が邪魔をする。

 

「音量の設定が高過ぎたかもしれんな」

 

呼び出しの電子音を止めて、備え付けられたモニターの画面に表示されたのは傷だらけで焦った様子な商人の姿だった。

 

「何があった」

 

問いかける私に商人は慌ただしく答えた。

 

「俺の元で働かせてた金髪がタイラントの群れに連れ去られた!アンタなら何か知ってるんじゃないかと思って連絡したんだ!何か知らないか?知ってたら教えてくれ!」

 

「恐らくはセルゲイ・ウラジミールの手によるものだな。奴はウィルス適合者を探していた。Gウィルスに後天的に適合した金髪君はシェリー・バーキンの「再現実験体」として顔が知られている。それをセルゲイに嗅ぎ付けられたのだろう。オズウェル・E・スペンサーの新たな肉体とする為に連れ去られたのは間違いない」

 

落ち着きのない傷だらけの商人に私が知る限りの詳細な情報を教えた。

 

「やっぱり詳しいなアンタ!セルゲイって生きてたのかよアイツ。スペンサーの新たな肉体ってそんな事出来んのか本当にって思うがアンタが言うなら事実なんだろうな。金髪の負債はまだ残ってんのに諦めるしかねぇのか畜生!」

 

諦めを見せる商人に私は切り出した。

 

「諦めるにはまだ早いぞ」

 

「まだ早いってどういう事だよ!」

 

「セルゲイの拠点の場所は既に掴んでいる。今から超特急で向かえば金髪君の救助も不可能では無い筈だ。まあ、きみが望むならの話だがね」

 

どうするんだと問いかける私に商人は直ぐ様こう答えた。

 

「頼む、あの金髪を助けてやってくれ!助けてくれたら商品を幾らか値引きすっからお願いだ!」

 

「承った。任せておけ」

私は装備を整えて拠点から飛び出した。

 




ネタバレ注意
アルバート・レスター
バイオハザードアウトブレイクファイル2に登場
「記憶」に登場するNPC
アンブレラ系列の病院の院長を務めていて不治の病に侵された妻を救う為に非合法な投薬実験を繰り返していたが、彼の妻ドロシー・レスターは死亡する
生き甲斐を失っていたがかつて務めていたが廃墟となった病院で奇妙な植物と出会い、妻の生まれ変わりだと思うようにした
その植物は意思を持ち彼の捕らえた野犬や鳥を栄養源として食べていたが
じきにエスカレートした食欲に答える為に彼は人間を餌とするようになった
人を廃病院に誘き寄せ覆面を被り斧を装備した彼が襲いかかる
彼の身体は怪植物の影響を受けて痛みを感じず暑さも寒さも食欲も感じない身体となっていた
最後は植物と融合していたドロシー・レスターを抱きしめ崩れ落ちる廃病院と運命をともにした

アクスマン
バイオハザードアウトブレイクファイル2に登場
「記憶」に登場するクリーチャー
「記憶」の閉鎖された病院に出現する怪人
ゾンビのように緩慢ではなく、獲物に向かって突進し、斧を振り下ろす
一見すると普通の人間のようだが、異常なまでに高い生命力がクリーチャーであることを物語る

上半身裸で覆面を被り斧を持っているクリーチャー
あとはパンツ一丁になりマントを羽織ればドラクエのエリミネーターが完成する

モルガン・ランズディール
バイオハザードリベレーションズに登場
FBC長官
過激派組織ヴェルトロにウィルスを提供してテラグリジアパニックを引き起こし自ら被害を治める事で権力を高めた
自作自演を証明する証拠をヴェルトロのリーダーが握っていた為に、それを手に入れたクリスとジルにより失脚した

ニール・フィッシャー
バイオハザードリベレーションズ2に登場
テラセイブ幹部職員にしてその実体はモルガン・ランズディールの腹心

リベレーションズ2の事件が起こった元凶の1人
テラセイブのメンバーを選定しバイオテロに巻き込まれても恐怖に耐性がある面々を選び
その見返りとしてアレックス・ウェスカーからウロボロス・ウィルスを受け取りテラグリジアパニックと同様の自作自演のバイオテロを引き起こそうと画策するが
アレックスにウロボロス・ウィルスを投与されてしまい変異して怪物と化してしまう
最後はクレアとモイラによって倒される

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