とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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ドルーガの即死攻撃には気をつけよう

 月 日

銀髪の男が計画していたtウィルスを用いた世界規模のバイオテロは実行に移されることなく頓挫したようだ。首謀者の銀髪の男が死亡したので部下達は散り散りになって逃走したらしい。死した後まで尽くす忠誠心に満ち溢れた部下達じゃなくて良かったとしか言えないな。新世界を生きる住人として相応しいとエイダと私を呼び出しておきながら自らにウロボロス・ウィルスを投与して異形と化し、殺意に突き動かされて結局は殺しにかかってくる何とも矛盾した行動をしてくる元銀髪の男だったが、奴がどこでウロボロス・ウィルスを手に入れたのかは判明していない。元銀髪の男は既に死亡しているが、ウロボロスの入手経路を探る必要があるな。

 

現在ウロボロス・ウィルスを手にしている組織はいくつか存在しているが、研究以外の用途に用いる組織がいくつあるかだな。

 

 月 日

アレックス・ウェスカーが作製していた継ぎ接ぎの死体にウロボロス・ウィルスを投与して作り出される怪物、レヴェナントを作製している組織があるようだ。スプラッシャー、スリンガーなどの派生型から多腕の女神の名を冠する強化型のドルーガなどまで作り上げているらしい。ウロボロス・ウィルスは扱いを間違えると大変危険なウィルスだ。元になる有機物があれば際限無く無限に増殖を続けるウロボロス・ウィルスの嚢胞は崩壊と再生を繰り返し、周囲の生物を取り込むべく無差別に襲う。ウロボロス・ウィルスは熱が弱点である為、携行兵器で対処が可能な大きさであるなら火炎放射機かグレネードランチャーの焼夷弾が特に有効な攻撃手段となる筈だ。それらが手元にない場合は火炎瓶も効果的かもしれないな。

 

携行兵器で対処が不可能な大きさまでウロボロスウィルスの嚢胞が増殖してしまった場合は衛星軌道上に存在する攻撃衛星シャンゴを用いるか、太陽光集積システム「レギア・ソリス」を使わなければ処理しきれないだろう。そんな事態が来ないことを祈っておこうか。

 

 月 日

遠く離れた異国の地でウロボロス・ウィルスを用いたバイオテロが引き起こされたようだ。大量の人間を取り込み、多量の有機物を吸収しながら巨大化が進んだウロボロス・ウィルスには通常の武器では殆ど役に立たない。妖しい光を帯びた宝石の様な大きなコアを持ち、ウロボロス・ウィルスの触手状の分離生命体を無尽蔵に放ってくる巨大なウロボロス・ウィルスの集合体。BSAAの戦闘機による連続ミサイル爆撃により集合体は倒されたそうだが人的な被害は甚大なものとなった。ウロボロス・ウィルスの脅威を知りながらもこのようなバイオテロを引き起こした組織を探さなければいけない。探し出さなければ、また同じことが引き起こされるだろう。

 

 月 日

ウロボロス・ウィルスによるバイオテロを行ったであろう問題の組織の構成員を捕らえて素直になる薬で情報を全て吐かせたところ、組織の拠点は一見普通の家屋にしか見えないが地下へと続くエレベーターがあるらしく。地下に研究施設が存在するようだ。エレベーターを動かすカードキーを構成員は全員持っているそうで、これは構成員から手に入ったので問題はないが。研究施設内ではウロボロス・ウィルスの研究が日夜行われているらしい。実験体にウロボロス・ウィルスを投与して経過を観察した後に焼却処理を行う。継ぎ接ぎの死体にウロボロス・ウィルスを投与して生まれる怪物、動き出したレヴェナントに人を襲わせてその一部始終を記録した後に処分する。といったことを行って集められた実験結果を収集していた問題の組織は遂には実験と称してウロボロス・ウィルスを用いた大規模のバイオテロまで行ったようだ。

 

バイオテロによって失われた命の数は甚大で、取り返しがつくものではない。これ以上の被害を出さない為にも、この組織には消えてもらうとしよう。

 

 月 日

私は装備を整えて問題の組織の拠点へと向かった。構成員が持っていた鍵を使い普通の家屋の鍵を開けて中へと入り込む。入り込んだ家屋はまるで生活感がなくあくまでもカモフラージュの為に用意された家である事が良く解った。目当てのエレベーターの横に備え付けられたカードリーダーにカードキーを滑らせてエレベーターを呼び出す。地下から上がってきたエレベーターに乗り込んで、アンプルシューターを大腿部のホルスターから取り出しておく。地下に到着したエレベーターから飛び出すと研究施設に侵入する。発見した研究員を静かに取り押さえてアンプルシューターで素直になれる薬を投与して情報を絞り出す。毎週変更されるパスコードを入力しなければ進めない場所があることを知ることが出来た。今週のパスコードが4134であることを聞き出したので研究員は用済みだ。速やかに研究員を処理してロッカールームの研究員のロッカーにしまいこんでおく。

 

パスコードを入力し入り込んだ先で発見した研究員達にも同様に薬を投与して情報を引き出してから頚椎を捻り折って処理。彼等が持っていたレッドカードキーが無ければ入れない場所があるらしい。手に入れたレッドカードキーを用いて進んだ先で培養ポッドの中に浮かぶレヴェナント達の姿があった。更に奥へと進むと大量のウロボロス・ウィルスが存在していたので、処理を決行する。全ての処理が終わったところで組織の構成員達が重火器を持って襲いかかってくるので放たれる銃弾を全て躱して、懐のホルスターからL・ホークを取り出して構成員達の眉間を撃ち抜いてやる。構成員を全員始末し終えたところで、流れ弾で割れていた培養ポッドから飛び出してきたレヴェナント達が私に襲いかかってきた。直感で何となく解るコアの位置をL・ホークで狙い撃ちレヴェナントを処理していく。

 

続いて現れたスプラッシャーが盛大に撒き散らす毒性の強い膿を回避してコアを撃ち抜く、スリンガーの放り投げてくる肉塊を避けて露になったコアにL・ホークで弾丸を叩き込む。最後に現れたドルーガのぶら下がる死体のパーツで隠された中心に存在するコアを、パーツの隙間を抜けて銃弾を撃ち込み、伸ばされたウロボロス・ウィルスの嚢胞で形成された触手を躱して掬うような水面蹴りを繰り出してドルーガを転倒させて、よく見えるようになったコアに50口径の弾を撃ち込んでやる。

 

研究資料を入手して内容を記憶した後に処分する。数えきれない程の実験体にウロボロス・ウィルスを投与して経過を観察していたようだが適合するものは1人も居なかったようだ。バイオテロを行った理由は人口密集地におけるウロボロス・ウィルスの拡散性を知りたかったらしい。研究施設内の研究員と組織の構成員を1人残らず始末して研究施設を後にする。構成員と研究員を全て失い、大量のウロボロス・ウィルスも失われた、これでウロボロス・ウィルスを用いたバイオテロを行う事はもう出来ないだろう。

 

 月 日

ウロボロスを用いたバイオテロを引き起こしていた組織を壊滅させた。これでウロボロス・ウィルスを用いたバイオテロが引き起こされることはもうないと断言したいところだが、絶対に有り得ないとは言い切れないのが何とも言えんな。ウロボロス・ウィルスを持っている組織はまだいくつか存在している。それらがバイオテロを引き起こさないという保証はない。あくまでも研究用として少量を保持しているだけならば良いが、明らかに別の用途に用いるつもりで大量のウロボロス・ウィルスを用意している可能性も零ではないのだ。ウロボロスを持つ全ての組織の動向を把握する必要がある。妙な動きをするようであれば問答無用で「レギア・ソリス」の出番が来ることになるな。

 

後手に回れば被害が拡がる。常に先手を打って被害を抑えるように行動しよう。貴重な人的資源が失われる前に始末をつけなくてはならない。

 

 月 日

今のところはウロボロスを持つ何処の組織も妙な動きはしていないようだ。ウロボロス・ウィルスを持っていても流石にバイオテロまで引き起こすような組織は早々ないらしい。そうだとしても油断は禁物だ。過去がどうあれ何が起こるかは解らないものだからな。

 

 月 日

強化薬物P30を継続的に投与する装置を取り付けられていた時の傷が癒えたらしいレディから自身の身体を撮影した写真90枚とこんな電子メールが送られてきたという報告があった。写真はともかくメールの内容は「新世界を生きる住人としての資格を持つウィルス適合者である貴女と貴女の主をご招待したい。断るようであれば貴女達には関係のない話かもしれないが現生人類の諸君には残念ながら怠惰を極めた罰を支払ってもらうことになるでしょう。新生人類の君達を縛る鎖にはなり得ないでしょうが我等の目的の1つを果たさせてもらうまで。現生人類を哀れに思う慈悲深さをモーフィアス・D・デュバル、貴女の主が持っているのであればお待ちしています。資格ある者達の永劫を祈って」というもので住所と日時が添えられていたそうだ。

 

世界は危うい均衡の上に成り立っている。世界のバランスを崩そうと考える連中から送られてきた電子メールの住所に無策で向かうのは避けたいところだ。十分な装備を整えて何が起ころうと平常心を保ち冷静に対処して行けば道は切り開ける。一緒に連れていくレディにも何があろうとも冷静に努めるように言い含めておくとしよう。面倒なことを考えずに「レギア・ソリス」で全て焼き払ってしまいたいところだが、住所の位置的に他の家屋も巻き込んでしまう為それは出来ない。住所の位置にあるのは大豪邸のようだ。

 

ご招待したいと言っていたが招待した先で何をするのかは記されていなかったな。パーティーでも開くつもりか。しかし只の人間を現生人類と見下しておきながら現生人類が生み出した文明の利器に頼っているのは情けないとは思えないのだろうか。

 




ネタバレ注意
バイオハザードリベレーションズ2に登場するクリーチャー
スプラッシャー
レヴェナントのなかでも、ウロボロス・ウィルスの増殖がとくに活性化し、腕部を構成するパーツが極端に肥大した個体の呼称
まるでもうひとつの胴体が生えているかのように異常に膨張した腕の内部には腐敗して毒性を強めた膿が大量に詰まっており、これを撒き散らしながら襲いくるさまはまさしく飛散させるものの名にふさわしい
レヴェナントと同じく、新たな肉体の部品を得るために犠牲者を求めてさまよう

スリンガー
体内に大量の死体のパーツを蓄えたレヴェナントの特殊変異体
それらのパーツを材料に、ウロボロス・ウィルスの特性である超高速の細胞分裂・増殖作用により生み出した肉塊を腕部に集め、大質量の砲弾として遠距離の捕食対象めがけて投てきするという習性を持つ
このことからスリンガーはある程度離れていても相手を認識することができ、ほかのレヴェナントにはない知覚識別能力を有していると推測される

ドルーガ
醜悪な姿とは似ても似つかない多腕の女神から命名された、複数のレヴェナントをひとつに融合して作り上げられた強大な個体
いくつもの腕として垂れ下がった死体のパーツは、弱点の核を守る盾の役割も果たしている
ひときわ長大な触手は十分に発達したウロボロス・ウィルスの嚢胞で構成されており、標的を叩き潰す怪力の武器であると同時に、過剰な質量を備えた巨体に高い機動性を与える移動手段としても活用される

バイオハザード5に登場するクリーチャー
ウロボロス・アヘリ
暴走体が大量の人間の死体を取り込み、過剰な養分と複数の遺伝子を吸収することによって巨大化した姿
ウロボロス・ウィルスが人口密集地の都市部に拡散した場合、多くの感染者がこのような暴走体に変貌し、災害を拡大させることが予想される
アヘリとはスワヒリ語で終局と極限を意味するもので、人類に終わりをもたらす存在であると同時に、ウロボロス・ウィルスによる進化の袋小路の象徴でもある
この個体にふさわしい呼び名だと言えるだろう

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