とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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BSAA隊員視点

アンブレラ崩壊に起因する世界規模のバイオテロ。製薬企業連盟は同業企業が世間から責任を追及されることを危惧し、資金を拠出して対バイオテロ部隊BSAAを結成した。初期メンバーは私設対バイオハザード部隊でテロ対策の経験を持つクリス・レッドフィールドとジル・バレンタインを含めた11名で、現在も活躍する彼等のことを俺達は敬意を込めて「オリジナル・イレブン」と呼んでいる。BSAA結成当初は、あくまでも民間の組織として各国軍隊や警察の対バイオテロ作戦にオブザーバー的な役割で参加する程度だったらしいが、バイオテロの脅威が日増しに強くなるにつれて従来以上の即応性が求められ、やがて国連管轄の実働特殊部隊として再編された。BSAAは欧州本部を含む8つのブロックに分かれ、各支部が管轄地域を受け持つことで、世界のほぼ全域をカバーしている。俺が勤める北米支部は今日も忙しい。

 

北米支部アルファチーム隊長「オリジナル・イレブン」であるクリス・レッドフィールド隊長は俺達部下を「家族」と呼び鼓舞してくれる天性のリーダーと呼べる存在だ。公私において頼りがいのある隊長に心酔している隊員も少なくはない。そういえば現場調査の作業でテラセイブとの共同作業となった時にクリス隊長の妹さんが居ると解ってからBSAA内はざわついていたな。俺を含めて他の隊員もクリス隊長と遺伝子の半分が同じで細身はあり得ないと思っていたが面識があるスティーブとピアーズだけはそんなことはないと言っていた。ご挨拶に来てくれたクレアさんの姿には驚きの声が思わず口から出たもんだ。まあ、それはさておき今日も仕事がやってくる。

 

「ネオアンブレラ」を名乗る連中の拠点の詳細な情報が送られてきたので、世界各地の支部と連携して捕縛に向かう。大勢の「ネオアンブレラ」構成員達を捕らえることに成功。アンブレラの名を冠する不穏な組織の力を削ぐことが出来て良かった。

 

市街地でオグロマンとンデスが殴り合ってると連絡が来て急いで現場に向かうと倒れ込んだンデスの死体だけが残されていた。逃げながら一部始終を見ていた目撃者が言うには1人の男がメタリックブルーの銃の様な物をンデスに向けて光が放たれたかと思えばンデスが倒れ込んだそうだ。男が持っていたのは「P.R.L.412」だろう。もう一体のオグロマンが振り下ろした拳を躱した男はオグロマンの腕を瞬く間に登りきり、生命維持器官にオグロマンの体表の棘を引き摺りだして刺し込んで盛大に抉りトドメを刺していたらしい。その男のおかげで助かった人々が沢山居るようだが、手際が随分と良すぎる辺り生物兵器には詳しいみたいだな。何者なんだろうか。

 

BSAAに非常に有益な情報や最新のウィルスに対するワクチンの現物などを送り届けてくる謎の人物は「善意の協力者」と称されていて恐らくは面識があるルイス・セラが悪口以外は多くを語らない為、結局は謎に包まれた人物のままだが。彼がルイスと共に開発した「P.R.L.412」が基本装備として正式採用されたからこそ多発しているプラーガによる被害にも対応が出来ているので、感謝はしている。世界中に拡がるプラーガの脅威を食い止めることが出来ているのも「善意の協力者」とルイスのおかげだ。CウィルスのワクチンであるアンチCも、特異菌の血清も、猛毒の爪を持つハンターの毒の血清もみんな「善意の協力者」から送られてきたものであり、製法も添えられたそれらはBSAAの研究者達によって量産がされていく。

 

今日も今日とて仕事だ。支配種のプラーガで人間離れした身体能力を手にした元人間が巻き起こした事件を出向した俺達BSAAが「P.R.L.412」を用いて解決していく。巨大な生物兵器の死体が邪魔で仕方がないと連絡を受けて向かった先にはU-8の死体が残されていたので大型ヘリを5機も用意して吊り上げて撤去作業を行った。このU-8は誰が倒したんだろうか、周辺に人の住まえる場所はなさそうだ。連絡をしてきた奴が怪しいな。

 

ある豪華客船が生物災害状態で漂流していると情報が入り俺達が派遣される。ヘリで降り立ったヘリポートには焼け焦げた大男の死体が放置されていた。明らかに普通じゃない大きさの大男の死体が気になるが、気持ちを切り替えて先に進んだ。船内にはtウィルスに感染した船員が数えきれない程に存在している。それらをチームで打ち倒していき船内をくまなく探索していると部屋に閉じこもっていた男性を発見。tウィルスの感染は確認出来なかった為、男性を救助することになった。とは言っても救助した後に逮捕することになりそうだが。何故なら男性は生物兵器の売買を行なう闇の武器商人であったからだ。この場から生きて助かったなら知っている情報は全て話すと言った男の言葉が確かならば、他の生物兵器専門の武器商人の情報も手に入れることが出来るかもしれない。そうなれば武器商人を一網打尽にすることが可能となるかもな。

 

豪華客船内部のtウィルス感染者を全て掃討し、豪華客船を操作して港まで辿り着いた俺達アルファチームは救助した男性を逃げ出さないように確保して豪華客船から港へと降りていく。そして仲間達が用意してくれていた車に乗り込み北米支部へと向かう。豪華客船で保護した武器商人の男性から豪華客船内で何が起こったのかを聞き出したところ生物兵器の品評会を行なうとして豪華客船に呼び出されたらしく。最初は生物兵器の映像を見ているだけで済んでいたが、司会の男が指を鳴らすとハンターがプレゼンテーションルームに入り込んできて他の武器商人達に襲いかかり始めたので必死に逃げていたら、黒髪の美女と男性がハンターを拳銃で打ち倒してくれて助かったとのこと。その後はtウィルスに感染した船員から逃げ惑い部屋に閉じこもっていたところを俺達に救助されたようだ。

 

武器商人から聞き出した情報で他の武器商人達も捕らえることが出来た。これで生物兵器を商品として扱うものが世界から少しは減ったようだな。少しずつだとしても積み上げていけばより良い世界が待っている筈だ。世界からバイオテロが無くなることを願っている。俺達は「家族」だ。信頼出来る仲間達が沢山いる。1人1人が希望だと言ってくれたクリス隊長の言葉に報いる為にも、今日もBSAAの仕事をこなしていこう。

 

極東支部の管轄地域でウロボロス・ウィルスのバイオテロが引き起こされた。人口密集地にウロボロス・ウィルスが撒き散らされて大量の人間を取り込んだウロボロスが巨大化して携行兵器では歯が立たない状態になっていたらしく。戦闘機によるミサイル爆撃で何とか倒すことが出来たようだ。人的被害が凄まじいものとなったこの事件を重く受け止めた欧州本部と各地の支部は、ウロボロスへの対策を欠かさず行なうようになった。

 

9人の富豪からBSAAに巨額の資金提供があったらしい。おかげで潤沢な装備を用意することが出来る。これで隊員達の生存率も大幅に向上した。ありがたいことだが9人もの富豪が何故BSAAに資金を提供してくれたのだろうか。何か心境に変化があるような出来事に遭遇したのかもしれない。実際にバイオテロ紛いのことに巻き込まれたのだろうか。

 

Cウィルスを用いたバイオテロを引き起こした者を拘束してあるので引き取ってもらえないだろうかと連絡が入ったので現地に向かうと古びた培養ポッド内でサナギが浮かぶ研究施設内で縛られた白衣の男が重石を乗せられて放置されていた。重石の上には研究資料が置かれていて、白衣の男が研究していた内容が事細かに書き込まれているそれを回収。重石を退かして白衣の男を縛られたままの状態で担ぎ上げて連行していく。誰が白衣の男を拘束したのかは解らないが、白衣の男に聞けば特徴は掴めるだろう。

 

東欧のイドニア共和国の内戦に反政府組織がオグロマンなどの生物兵器を投入してきていることからBSAAも参戦することになった。派遣された俺達北米支部のアルファチームは現地であるイドニア共和国の市街地で傭兵達が変異したジュアヴォとの交戦に入り、進んだ先の橋でピアーズが援護狙撃要員として橋の横にある建物に移動する。ピアーズの狙撃によりタンクローリーの爆発に巻き込んで敵の戦車を排除したらピアーズと合流し、進路を塞ぐコンテナを押して橋から落とす。すると砲台列車と共に多数のジュアヴォが攻めてくる。土嚢や貨物列車でカバーしながら応戦し、パラシュートで降下してくるジュアヴォのパラシュートを撃ち抜いてやり落下させてやった。新入りのフィンが橋に爆弾を設置して爆破が完了するまで応戦し、橋の爆破が完了したら次の場所へ向かう。

 

旧市庁舎前市街広場に到着した俺達の作戦目的は敵の高射砲3基の破壊と巨大BOWオグロマンの撃破だ。高射砲周囲のジュアヴォを倒しつつ、オグロマンの注意を引き付けてフィンが高射砲に爆弾を設置するのを援護する。まず1基の爆破が完了すると同時にオグロマンの排除も完了。溶けていくオグロマンは酷い匂いで思わずむせた。フィンが鉄の扉を爆破して開通させた扉を抜けて階段を登り、2基目の高射砲にフィンが爆弾を設置する。高射砲を爆破して建物の1階から地下道へ降りて3基目の高射砲の元へ向かう。高射砲3基を全て破壊した為、現れた2体目のオグロマンに味方の戦闘機から空爆が行われてオグロマンは倒された。

 

辿り着いた旧市庁舎のホールはサナギで溢れていて異様な雰囲気だ。会議室の1階には3体のサナギがあり中央に近付くと1体が孵化してナパドゥが現れた。アサルトショットガンで殻を割ってやり背中の弱点を集中攻撃してやりナパドゥを倒す。残りのサナギ2体からもナパドゥが現れたので同様に同じ手順で始末する。フィンが爆破した扉から先に進んだが旧市庁舎の内部にはなにも無くサナギしか残されていなかった。全てのサナギを破壊して俺達の仕事は終わった。新入りにしては良い動きをしていたフィンに酒でも奢ってやるとしよう。

 




ネタバレ注意
バイオハザードコードベロニカ、ダークサイドクロニクルに登場する人物
スティーブ・バーンサイド
ロックフォート島の刑務所に囚われていた少年
彼が収監されたそもそもの原因は、元アンブレラ社員である父親が盗んだ機密情報を外部に売ろうとしたことが発覚し妻を殺され、息子ともども監獄行きとなった
ウェスカーによるロックフォート島の襲撃による混乱に乗じて監獄から逃げ出した彼はクレア・レッドフィールドと出会い行動を共にする中で淡い恋心を抱いていた
ロックフォート島から脱出した先の南極でアレクシアにtーVeronicaを投与され怪物と化し、クレアに襲いかかるがクレアの窮地に理性を取り戻し彼女を救うがアレクシアの操る触手の攻撃を受けて致命傷を負い、クレアに君が好きだったと言葉を残してこの世を去る

バイオハザード6に登場する人物
ピアーズ・ニヴァンス
クリスと共にBSAAを引っ張る若き世代のエース
優れた動体視力と集中力で標的は確実に外さないと称される天性の狙撃手
物語冒頭で記憶を喪失し、酒に溺れるクリス・レッドフィールドに立場を超えた厳しい叱責の言葉を投げかける、真っ直ぐな性格の持ち主
クリスを隊長として現場復帰させてバイオテロに戦いを挑む最中、記憶を取り戻し無茶をするクリスに再び叱責をしながらも着いていく
やがて以前の自分を取り戻していくクリスと共に戦いを続け、辿り着いた海底基地でハオスの手で深手を負い腕を失いながらも自らに強化型Cウィルスを投与して立ち上がりクリスと共にハオスを打ち倒した
その後は一緒に脱出しようとするクリスだけを脱出させて海底基地と運命を共にするが生きていたハオスがクリスの脱出ポッドを破壊しようとするのを強化型Cウィルスで生えた右腕から電撃を発射してハオスを狙撃し、完全に破壊する

フィン・マコーレー
BSAA北米支部のルーキー
イドニア共和国の内戦において、クリスの部下として初めて実戦に参加した
実直な性格で、少し気弱な面もある
バリケードや高射砲の爆破作戦において活躍を見せるが、エイダを名乗るカーラ・ラダメスの罠にはまり、Cウィルスを投与されて無残にもクリーチャーへと変異してしまう
BOWナパドゥとなって自我を失ったフィンは、その後、追加投入されたBSAAによって射殺された

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