とある製薬会社に務めていた研究員のヤケクソ日記   作:色々残念

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モイラのサバイバル能力は結構高い

 月 日

BSAA北米支部に恨みを持つものが北米支部コンサルタントのバリー・バートンの娘、モイラ・ バートンと北米支部アルファチーム隊長であるクリス君の妹、クレア・レッドフィールドを誘拐した。2人はテラセイブとしての活動中、武装した男達に拐われたらしい。私は世界中に潜む諜報員と数多の組織に潜入中の部下達から情報を聞き出して連れ去られた2人の行方を追い、とある孤島に辿り着いた。そこはかつてアレックス・ウェスカーが拠点としていたザインという孤島。ザインでは数多くの生物兵器が放たれているようだった。周囲の風景に擬態して透明化して襲いかかってくるノビスタドールの群れを「P.R.L.412」で蹴散らし、鋭い武器となった舌を伸ばしてくるリッカーB達の舌をナイフで切り落として順番に脳天へとナイフを突き立ててやる。島内の至るところに仕掛けられた監視カメラを破壊しながら進む。

 

恐らくは武装した男達は雇われただけの傭兵であり、監視カメラの向こう側にいる奴がBSAA北米支部に恨みを持った本人で、関係者の親族をBOWに殺させることで鬱憤を晴らすつもりなのだろう。思惑通りにいった場合は撮影した映像をBSAAに送り付けるぐらいはするんじゃあないかな。まあラクーンシティからの生存者でありクリス君の妹であるクレア・レッドフィールドがそう簡単に死ぬとは思えんがね。漁村に辿り着いた私は放置されたヘリを発見する。電圧が下がっていて燃料も無い上に起動した時に墜落する様な仕掛けが取り付けられていたのでそれを排除して漁村内で使えそうな物を探す。バッテリーを発見した後、民家の入り口の壁を殴り壊して中に入るとマシンピストルMP-AB50が落ちていたので拾っておく。今度は燃料倉庫の入り口の壁を殴り壊して燃料を見つけ出した。ヘリの元へ戻り燃料を注ぎ入れてバッテリーを交換し、ヘリが動くような状態にしてからとりあえずクレアとモイラを探すことにしよう。

 

透明化していた怪生物グラスプの羽音で近くに居ることを見抜き、L・ホークで撃ち落として透明化を解除させた。BOWの邪魔が入らないように、ヘリに乗り込んで空からクレアとモイラを探すことに決める。通信塔の丘に繋がる収容施設の出口のシャッターから出てくる2人の姿が見えた。ヘリを降下させて停められそうなところに停める。あくまでも偶然を装って「こんなところで何してるんだ」と問いかけるとモイラがバールを片手に「助けて下さい」と必死に呼びかけてきた。拳銃を持ったクレアが「私達は拐われてきたんです」と冷静に説明してきたので「とりあえずヘリに乗り込んでから話そうか」と言って2人をヘリに乗せてヘリを発進させる。燃料は満タンなので「結構遠くまでは飛べるから望んだ場所まで送ろうか、訳ありみたいだしな」と言って2人を安心させるとモイラが「ありがとう」と笑顔で言ってきた。クレアも笑って「助かるわ、ありがとう」と言ってくる。

 

2人の救出には成功したのでザインに向けて太陽光集積システム「レギア・ソリス」の転用による膨大な太陽光エネルギーを収束させた超高熱照射を行なうことにした。強い日光の光が空から降りてくる。ザイン島内全域を余すことなく超高熱の収束された太陽光が焼き払っていく。建物も草木も放たれたBOW達も区別なく日の光によって消え去っていった。島内にいた筈のBSAAに恨みを持つものも「レギア・ソリス」の膨大な太陽光エネルギーにより焼き尽くされる。降り注ぐ光に気付いたモイラとクレアが「あれは何」と驚いていたので「さあな、天罰だったりするんじゃないか」と答えてはぐらかしておく。2人を望む場所に送り届けて別れを告げるとモイラが「本当にありがとう、さようなら」と言って左右に大きく手を振っていた。クレアも片手を上げて微笑んで「本当に助かったわ、ありがとう、さようなら」と言って別れを告げる。

 

ヘリに乗り込み離陸させ2人から離れていくとクレアとモイラの2人の元に人々が集まっていく。どうやら彼女達を探していた人達だったらしい。その中にはバリー・バートンの姿もあり、娘のモイラを抱きしめていた。恥ずかしがりながらもそれを受け入れているモイラには拐われて危機的状況に追い込まれたことで心境に変化があったらしい。バリーとモイラは不仲だという情報があったが、それは今現在手に入った新たな情報に更新しておかなければな。微笑ましそうにそれを眺めるクレアの元にもスティーブが走り込んできて会話を交わしていた。そこは抱きしめるぐらいしても良かったんじゃあないかな。まあ、無事に2人を救出することが出来て良かった。

 

 月 日

東欧のとある酒場で美味いステーキを食べていると酔っ払い同士が喧嘩を始めたので被害が広まる前に鎮圧、酔っ払い同士の喧嘩は良くあるようで酒場の女主人に酒場の用心棒にならないかと熱心に勧誘されたが丁重にお断りした。残念そうな女主人には悪いとは思ったので酒場の用心棒になってくれそうな腕っぷしの強い人間を探し出してみることにする。とりあえず見つけた荒事には慣れている1人の男性を連れてきて酒場の女主人に紹介してみた。採用は決まったようで、早速酔っ払い同士が喧嘩する最中に入り込んで見事に鎮圧する男性に女主人も満足している様子。これで私の役目は終わったかと思えば酒場の女主人に引き止められて、何の用かと聞けば酒を奢ってあげるから少し話に付き合ってとのこと。ストレスがだいぶ溜まっていたようで愚痴が止まらない酒場の女主人。酒をおかわりしながら話を聞き続けていると女主人まで酒を飲み始めて、ボディタッチも行なうようになって執拗に絡んでくる女主人は酒が強いようで瞬く間に酒を飲み干していく。

 

酒場の客が勘定を済ませて1人また1人と帰っていき、最後に残った用心棒の男性も女主人に帰っていいと言われて帰っていく。店内には私と女主人の2人だけになったが、それでも話は終わらないようだ。彼女にとっての少しはかなり長いらしい。酒場の女主人の酒を飲むペースが少し早くなって絡みかたも更に激しくなる。主人と客の境に身体を乗り出して、此方に身体を抱きつく様に密着させながら愚痴を話す酒場の女主人。完全に酔っている女主人の話を聞いていると客に女として魅力が無いって言われたことに腹を立てているようで、そんなことはないと私が言うと「じゃあ抱きしめてみせろ」と言ってきたので抱きしめてみせると「お前は良い奴だ」と言いながら頬に熱烈なキスをしてくる女主人。完全なる酔っ払いと化している女主人が「熱い」と言って服を脱ごうとしたので手を押さえて止める。それから暫く同じ話を繰り返し繰り返し話し続けた女主人が漸く潰れたが私の服を掴んだまま寝てしまった。とりあえず急ぎの用があるわけではないので女主人が起きるまで待つことにする。

 

夜が明けて朝になり目が覚めた様子の女主人は昨日の記憶が鮮明に残っているようで顔を真っ赤にしながら「ごめんなさい 」と言って顔を覆い隠した。自分の酔った時の行動を思い出したのが余程恥ずかしかったらしい。此方も楽しかったから気にすることはないと言って何とか宥めて顔を上げさせたが、やはり赤いままだった。あんなに酔ったのは始めてだったようで、記憶が飛んでいれば恥ずかしく思うことも無かったんだろうが、それが無かったから恥ずかしがっているようだ。気にしても仕方がないんだから諦めるしかないと言ったら頭を抱えている女主人。愚痴を全て言い終えて少しはすっきりしたんじゃあないかなと問いかけると「それはそうだけど恥ずかしい」と答えが返ってくる。いつまでも酒場にいる訳にはいかないので席を立つと女主人にそろそろ帰らせてもらうと言ってから貴女は十分魅力的だから気にしなくていいとだけ言い残して酒場を立ち去った。とんだ朝帰りになってしまったが、用事が無くて助かったな。

 

 月 日

世界的に有名なレストランでエヴリンを連れたアレクシアと遭遇。完全に偶然の出会いだったが「家族なので席は一緒で構わない」とアレクシアが言った為に同じ席に案内されてしまう。いつから家族になったんだと既に帰りたい気持ちになっていたがアレクシアは此方に危害を加えるつもりはないようだ。単に食事をしに来ただけらしい。メニューを眺めていると「パパ、メニュー見せて」とエヴリンが言ってきたので誰がパパだと思いながらもメニューを渡す。注文した料理を食べているとアレクシアが此方をじっと楽しそうに眺めてくる。料理を呑み込み何か用かと聞けば「何でもないわ」と微笑むアレクシア。彼女達に注文した料理が届くと、とても上品に食事をするアレクシアとエヴリン。アレクシアはエヴリンに教育を確りとしているみたいだ。名ばかりの母親ではなかったことが良く解った。私もマナーは守っていたが気を引き締めて食事をすることに決める。アレクシアとエヴリンにマナーで負けるのは彼女達よりも野蛮だという気がするので、それは避けたい。

 

無関係な人々に私の元に大量のモールデッドを送り込んできたような奴等よりも野蛮だと思われるのは非常に困る。それほど周囲を気にする必要はないのかもしれないが、外見だけは美しい金髪の美女であるアレクシアに周囲の人々は釘付けだ。アレクシアと同席している私の方も必然的に周囲の視線に晒されることになる。マナーの方は問題ないが、これだけの視線を感じながら食べる食事が美味しいとはとても言えないな。味が悪くないのは解っているが気分の問題だ。アレクシアばかり見ていないで自分の食事に集中すればいいだろうに何をしているんだ彼等は本当に。綺麗なのは外見だけで此方を何度も殺そうとして、最終的には本当に一度殺された私から見れば最悪の相手としか言い様がない。見かけに騙されている奴等ばかりだ。彼等はアレクシアからすればどうでもいい有象無象としか思われていないのだろうな。もしくは実験対象か、その両方か。私がいることで牽制になっているようだが、そうでなければアレクシアに話しかけていた人間が何人かいそうだな。エヴリンがいたとしても歯止めにはならない。

 

全員の食事が同時に終わると席を立ち会計に向かう。とりあえず全員の代金を支払い足早に立ち去ろうとする私に腕を絡ませて「少し一緒に歩きましょう」と言ってくるアレクシア。tーVeronicaの力を一部解放しているのか常人なら腕が砕けている程の力で絡められた腕を強引に振りほどける力が私にはあるが振りほどくには周囲の目がある。恐らくはそれも計算してこの行為に及んだアレクシアの狙いが何であれ、周囲の視線が突き刺さるこの場からはすぐに立ち去りたい。アレクシアとエヴリンを連れてレストランの外へ出て人気のない路地へ進んでいく。完全に人気がなくなったところで腕を振りほどいて、目的は何だと問いかける。アレクシアは笑って「ちょっと腕を組んでみたかっただけよ」と答えた。それにしてはかなりの力業だったがと思いながらも深く追求することは止めておく。

 

用がないならこれで失礼させてもらうと言うと「楽しい食事だったわ、また会いましょうジョン」と微笑んでエヴリンと手を繋ぎ、無防備に背を向けてその場から立ち去るアレクシア。アレクシアとはいつも殺伐とした関係であったから何もないとしても警戒が先に出てしまうのは仕方がないが、今回は本当に腕を組みたかっただけで何もなかったようだ。いつもは楽しめていた食事を私だけは楽しめなかったという問題はあったがね。

 




ネタバレ注意
バイオハザードリベレーションズ2の登場人物
モイラ・バートン
バリー・バートンの娘
テラセイブの新人職員
初出勤となったパーティー会場で特殊部隊の襲撃を受けて、クレアや他の職員ともども、収容施設まで強制的に連行されてしまう
若者らしく感情をあらわにしがちで、理解が追いつかない状況下で弱音とも受け取れる悪態を常に口にするが、クリーチャー化した人間が襲いくる極限のサバイバル環境に置かれながらも決して心を折らない芯の強さを秘める
銃器への深いトラウマがあり、彼女がそれを克服できるかがリベレーションズ2の話の分岐点になる
克服できなかった場合は彼女は死亡する
克服できた場合は瓦礫からクレアを庇い瓦礫に埋もれた彼女は爆発に巻き込まれるもエフゲニーに救われ生き残る
それから2ヶ月が経過して身体が動く様になってからは自然の動物達を狩って過ごす
それから4ヶ月が経ちエフゲニーと別れて1人で行動するモイラ
アレックス・ウェスカーに掴まれたナタリアをモイラが拳銃で救う
バリーと合流しクレアが乗ってきたヘリにナタリアと乗り込んで脱出する

バイオハザード4に登場するBOW
ノビスタドール
プラーガの応用実験によって生み出された昆虫人間
外殻の色を自在に変化させる能力を持つ
名称がスペイン語で「見えざるもの」の意味さながら透明になり、周囲の風景に擬態して獲物を狙う

バイオハザード5に登場するBOW
リッカーB
突然変異で生まれたリッカーの発展型BOW
トライセルの研究員が始祖ウィルスを利用して再改良を加えようとしたが満足のいく結果には至らなかった
しかし、視覚は殆どないものの聴覚は敏感で、嗅覚も鋭くなっている

バイオハザードリベレーションズ2に登場するクリーチャー
グラスプ
島内に蔓延したウィルスによって生み出された怪生物
おそらくは有翅昆虫が変異し、短いサイクルで世代交代を続けていくうちに進化・繁殖したものと思われる
体内で生成される特殊なガスは生物の視神経に異常をもたらす化学成分を含み、さらには周囲の光を回析させてみずからの姿を景色に擬態化させることで捕食対象に視認されずに忍び寄る
動きは鈍いものの脚の力は非常に強く、接近を許して捕らえられた生物はなすすべもなく絞め殺されてしまう

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