IS -黄金の獣が歩く道-   作:屑霧島

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ちょこちょこ他のゲームからの小ネタが入っていますが、分からなくても心配いりません。ですが、小ネタが分かると面白いかもしれません。

屑霧島


ChapterⅩⅨ:

学園別トーナメントの参加者は過去最多数となり、一日かけて一年の試合が行われることとなり、二・三年の試合は後日となった。一年の学年別トーナメントには第三世代型ISを専用機としたイギリス・ドイツの代表候補生ならびに、篠ノ之束の妹である篠ノ之箒、世界で唯二人しかいない男性のIS操縦者である織斑一夏とシャルル・デュノアが出場しているということもあり、外部から見学に来るIS関連企業や著名人、報道関係者の数はこれまでにないほどの人数となった。

一夏に勝てば恋人になれるという噂を聞いた鈴は、負傷しながらも出場申請を提出したが、専用機の破損が著しいことから、担任によって却下された。だが、鈴はそれほど悔しくなかった。というのも、鈴は一夏が誰かに負けるなどと微塵も思っていない。一夏が敗北するなど、それこそ一夏から聞かされたツァラトゥストラぐらいしかありえないだろうと鈴は考えている。

 

「それで、アンタは誰と組んだのよ?」

「シャルロットだ」

「ふーん、まぁ、シャルロットの表の顔がシャルル・デュノアなんだから、それが自然でしょうね。下手に誰か女子と手を組んだら、噂の真偽性が疑われちゃうしね」

「僕としても一夏と組むことが出来たから、鈴やセシリア以外の女子に正体を知られる可能性を潰せたからすごく助かったよ」

「なるほど。アンタ達どっちも手を組んだ方が都合がよかったと。セシリアは誰と組むの」

「私は相川さんですわ」

「近距離戦闘を得意とした相川さんを前衛にして、セシリアが後衛で援護射撃。でも、相川さんはセシリアの戦い方に合わせられるの?」

「ご心配無用ですわ。シャルロットさん、此処数日ヴィルヘルムさんとの特訓を休ませてもらい、相川さんとの連携の練習に時間を割きましたの。専用機持ち以外のタッグに遅れを取るはずがありませんわ」

「ほう、随分と自信があるな。セシリア」

「えぇ、ですから、一夏さん!今日こそ貴方に土の味を教えて差し上げますわ!」

 

セシリアの宣言にその場の一同は反応に戸惑う。

一夏はその身にISと同等の力を宿しており、保有する魂の数が百万を超えているため、元の体でなくとも、生身でISを制圧するほど実力を持っている。そんな人間がISを持てば相乗効果により手におえない怪物と化しているのは黒円卓の関係者間では周知の事実である。一度、セシリア・シャルロット・鈴の三人が組んでヴェヴェルスブルグ城のアリーナで一夏に挑んだことがあったが、結果は惨敗であり、一夏の打鉄のシールドエネルギーは半分も減っていなかった。傍から見れば、代表候補生などこの程度かと三人を過小評価してしまいがちだが、ヴェヴェルスブルグ城で100年近く暇つぶしに戦い続け力をつけた男相手にしては善戦という他ない。故に、あの惨敗より訓練を重ねたセシリアであろうと、瞬殺されるのは自明の理であり、セシリアの目標は高過ぎる。

 

「フッハッハッハッハッハッハッハッハ!」

 

予期せぬセシリアの宣言に一夏は大爆笑する。

彼は純粋に嬉しかった。この世は総じて繊細すぎる。柔肌を撫でただけで壊れ、砕け散る。全力を出す前に破滅を恐れた万物は彼を恐れ、跪く。故に、彼にとって障害となりうる存在は少なかった。だが、セシリアはそんな一夏に勝ってみせると吠えた。

 

「やはり、卿は英雄の器に相違ない。英雄の望みとは遥かな高みへと誘うものでなくてはならん。低い志で妥協できるような望みであれば、その者は凡人である。あぁ、楽しみにしているぞ、セシリア・オルコット。卿の渇望、力、豪勇、全てを私に見せてくれ」

 

興奮のあまりラインハルトに姿を変えた一夏はセシリアの宣戦布告に返事を返す。

ラインハルトの圧倒的な存在感に気押されたセシリアだが、ラインハルト化した一夏を前にするのはこれまで何度もあり、少しずつ慣れてきたため、膝を付かず、闘志が消えることはなかった。

セシリアの反応に満足した一夏はラインハルトの姿から元の状態に戻り、満面の笑みを浮かべたままでシャルロットを連れてISスーツに着替えるために、更衣室へと向かった。

 

「セシリア、アンタ死んだね」

「一夏さんなら、死なない程度に何とか……」

「『我が愛とは破壊の慕情。愛でるために先ずは壊そう。壊れ果てるまで愛させてくれ。私は全てを愛している』なんていう破壊大好きの人格破綻者が手加減すると思う?」

「鈴さん、自分の好きな異性を人格破綻者とは言いますわね」

「ちょっと!今はそれ関係ないでしょ!ふざけたことばっか言ってると、一夏に頼んでシャルロットの特訓に参加させるわよ!」

「だったら、鈴さんの特訓中にヴィルヘルムさんを突貫させますわよ!」

 

それより数分間歩きながら口喧嘩をする二人の女学生が見られた。

 

 

 

「さて、私の初戦は誰となるか」

 

更衣室の長椅子に座り、足を組みトーナメント表を見ながら一夏は呟く。そんな対戦表を心待ちにしている一夏のもとにISスーツを着用したシャルロットが現れる。

 

「一夏はボーデヴィッヒさん以外に注目している選手は居るの?」

「ベイが直接特訓にあたったセシリアは言うまでもないだろう。それと箒。そして、ラウラ・ボーデヴィッヒだな」

「四組の専用機持ちは?」

「代表候補生の座に就くほどだ。実力はあるかもしれないが、遠目で見て思ったことだが、彼女は英雄の器を持つ人間が発す覇気を持っていない。彼女は私の臣下に相応しくない」

「えーっと、僕たちとどう違うの?」

「目は口よりも雄弁に感情を語る。卿とセシリアに初めて会った時、すでに何かに飢えていて、その飢えを満たしたいと卿等の目は語っていた。中学時代、自国の学校に転校する時の鈴の目も同じであった。だが、彼女は違った。飢えというものを認識しておきながら、その飢えが満たされないと断じ、己の障害から目を背けたのだ」

「一夏と最初に会った頃の、最後は殺されるって思っていた僕と同じじゃないの?」

「違うな、シャルロット。卿はそれでもなお心の奥底で嘆いていた。故に違う」

「そんなに、助かりたいって僕の目は言っていたの?」

「常人には察することが出来ぬ程度であったが、数百万人の飢えている人間を見てきた私の心の奥底に響くには充分であった」

「……ありがとう、一夏、僕の悲鳴に気付いてくれて」

 

シャルロットは一夏を後ろから抱きしめる。

 

「礼を言う必要はない。あの時は口に出さなかったが、黒円卓に席を置けば卿の身を保証すると、私は卿に黒円卓に下れと迫った。すべては黒円卓の再興、女神の座の維持のためだ。卿の事情など私の算段に含まれていなかった」

「それでも……ありがとう」

 

自分の気持ちを伝えるために、シャルロットは一夏を抱きしめる腕に力を込める。

貴方はこんなにも報われない呪われた人生を歩んできた僕に初めて手を差し伸べてくれた。貴方の言葉を悪魔の囁きだと断ずる人は居るかもしれないし、僕の立場から考えれば他に選択肢はなく此処に来ることを貴方は僕に強要したと断ずる人も居るかもしれない。

だが、貴方が僕に居場所をくれたから、僕を認めてくれたから、僕は貴方に導かれ、僕の渇きを満たせる場所へと辿り着けた。たとえ、その場所がヴァルハラという名の地獄の真ん中であり、戦い続けなければならない修羅道の世界だとしても、僕は後悔しない。

だから、僕は生きていると感じることができたのだ。

こうして今空気を吸うことが出来る。自分の体温が分かる。貴方の体温が分かる。

すべて貴方が僕に与えた賜物である。その賜物を貰って僕は初めてこの世界が輝いて見えた。だから、僕は初めての抱擁を貴方に送りたい。

僕が此処に居るのは貴方のおかげだという感謝の意を示すために。

 

「シャルロットよ、此処が男子更衣室故に今は私を抱きしめても構わんが、他でしては卿が男色家と勘違いされるぞ」

「抱きしめることぐらい、前世がヨーロッパ出身の一夏なら、同性間で抱擁することはおかしくないって知っているよね?」

「確かに、そうだが、あくまでその話は欧米にのみ通用する話である。此処は卿の国からみれば、遠く離れた極東の日本であり、日本にはそのような習慣が無い。精々握手程度だ」

「……」

「だが、落胆することはない。卿の抱擁、悪くはなかったぞ。次は異性を好きになった時の為に取っておくがよい」

「うん」

 

異性という言葉を耳にしたことで、自分の行為が異性を意識したものだとシャルロットは自覚し、羞恥のあまり顔が火照り、一夏を直視することが出来なくなってしまう。だが、一方の一夏はシャルロットのことよりもトーナメントの組み合わせが気になるのか、更衣室にあるモニターを見ている。抱きつかれたことを全く気にしていない一夏を見たシャルロットは一人気にしていることがあほらしくなる。

鈴には悪いけど、一夏の事を一人の異性として見ることができない。向こうが自分のことを一人の異性として気にしていない以上、たとえどんなに親しくなろうと、自分と一夏の関係は友達止まりであるとシャルロットは認識した。

 

「ほう、箒がラウラと組んだか。私を倒すという目的だけを考えれば、彼女らが利害の一致により手を組んだことは何もおかしくないと言えよう」

 

シャルロットは一夏の見ているトーナメント表を見る。

 

「初戦の相手がボーデヴィッヒさんと篠ノ之さん?」

「左様。こういった誰もが注目するような組み合わせは本来準決勝や決勝のために取っておくべきものであって、初戦で行うべきではないが、教師陣の決定なら従う他あるまい。彼らがこのIS学園の法である以上はな。では、ゆくぞ、シャルロット。これは我々新生した黒円卓の初陣である。心せよ」

「Jawohl」

 

一夏とシャルロットはアリーナへと向かった。

 

 

 

一方、ヴェヴェルスブルグ城。

黄金が率いる軍勢で編み上げられたヴァルハラという名の地獄の城。この黄金の城主には彼を警護する近衛が嘗て三人存在した。

白騎士、赤騎士、そして、黒円卓から離脱した黒騎士。

彼らはその渇望によりそれぞれ世界を持っていた。白騎士は轍という名の死体が積み上げられた世界の死世界を、黒騎士は人との決闘を願い作り上げた人世界を、そして、赤騎士は黄金によって身を焼かれてできる焼け野原の焦熱世界を。

そして、城主無きこのヴェヴェルスブルグ城は赤騎士によって、焼け野原になろうとしていた。というのも、赤騎士である彼女の渇望が溢れ出ようとしていたからだ。

 

「えぇーい!いい加減テレビは映らんのか!シュピーネ!」

 

赤騎士であるザミエルは嘗ての臣下であり、監督対象に対し怒鳴り散らす。

敬愛するハイドリヒが出場なされるIS学園内の公式のISの試合がテレビで放映される。ザミエル卿はこの試合を生で拝聴し、かつ録画することで、何度も見返すつもりなのだが、テレビが壊れてしまっているらしく、視聴どころか録画すらもできないため、臣下に命令し修理させていたのだが、思って以上に早く直らないため、怒り狂っていた。

本来なら、城の心臓であるイザークに頼めば、すぐに直せるのだが、イザークがここ最近創造を使い過ぎていたため、疲労が蓄積していた。というのも、ハイドリヒが新たに黒円卓に加えようとしている者たちの内の一人を訓練でこのヴェヴェルスブルグ城に来させるために、イザークがこの城の城門をよく開いていたためだ。

それにイザークという異端児を恐れぬものは黒円卓の双首領ぐらいであり、面と向かって話すことがザミエルは苦手であった。故に、彼女は臣下にテレビの修理をさせていた。

 

「ヒィ!お…お待ちください!ザミエル卿!」

 

彼は元・聖槍十三騎士団黒円卓第十位、ロート・シュピーネである。

シュピーネは現在このシアタールームの98インチの超大型薄型テレビの修理をしていた。

ドイツでのラウラ・ボーデヴィッヒの戦いで敗北した彼は、ヴェヴェルスブルグ城に連れ戻された。その後、尋問を受け、ザミエルの管理下になり、ここ数週間牢屋で過ごしていたのだが、数時間前に牢屋からザミエルに出されると、テレビの修理を命ぜられた。

自分は科学者であり、テレビの修理などやったことがないため、断りたかったのだが、それを言えば、瞬時に骨の髄まで焼き尽くされ、最後には従わされることになる。おまけに、試合が始まるまでに修理できなければ、根性を叩き直すと言って八つ当たりしてくるのだから、結局のところ最初から従っておいた方が身の為である。

シュピーネは頭をフル回転させ、テレビの修理に集中する。だが、シュピーネは焦っていた。テレビの故障の原因を突き止めることが出来ない。このままではIS学園の学年別トーナメントの試合の番組が始まる後五分で完全に修理が出来るはずがないと思っていた。そこで、配線が不具合を起こしていることがテレビの映らない原因であると賭け、液晶や基盤が故障したという可能性を捨て、配線の不具合を確かめていく。

番組放送まで後数分となった時だった。

シュピーネは一本のコードが接触不良を起こしていることに気が付いた。そのコードは液晶に電気を供給するコードらしく、これが切れていてはどうやってもテレビに電源が入らない。これが原因だと気付いたシュピーネは辺獄舎の絞殺縄を形成し、接触不良のコードがあった位置に設置する。これで、己の聖遺物が電気供給のコードの代わりになってくれれば、テレビに電気という名の命が吹き込まれるはずだ。

シュピーネはテレビの電源スウィッチを押す。

 

「点いた!」

『アイドルによるスペシャルドキュメント!「神室町の駆け込み寺」という異名を持つ謎多き消費者金融業「スカイファイナンス」社長であり、キャバクラ「エリーゼ」のオーナー、謎に包まれた男、秋山駿!彼の波乱万丈の人生に迫る!司会は私、天海春香と……』

 

テレビにカオスな番組が映し出された。

平日の真昼間に消費者金融業者のドキュメンタリー番組の放映をして誰が見るのだろう?

ゴールデンで放送しそうな番組の放送時間を間違えていないだろうか?

アイドルが司会の番組でテーマが消費者金融業者とはカオスすぎるのではないだろうか?

……など、様々な疑問がシュピーネの頭を過る。

 

「どけ!シュピーネ!貴様が邪魔でチャンネルが変えられん!」

 

ザミエルはリモコンを操作し、チャンネルを回そうと、チャンネルを変えるボタンを連打していく。だが、リモコンの電波がテレビに届かない所為か、それとも、リモコンが接触不良を起こしている所為なのか、テレビのチャンネルは彼女の思うように変わらない。

なかなかチャンネルが変わらないことに業を煮やし、ザミエルの怒りのボルテージが上がっていき、同時にリモコンを持つ手に力が籠っていく。だが、万物を破壊するために生まれた術であるエイヴィヒカイトが施されたザミエルの握力に耐えるだけの力をテレビのリモコンは持っていない。たとえ、この城の一部であるこのテレビのリモコンが髑髏でできていたとしてもだ。

テレビのリモコンはミシミシと悲鳴を上げる。その音はまるで、上官の冷静を取り戻させるための部下の魂の叫びだったのかもしれない。だが、懸命な彼らの叫びがザミエルの耳に届かぬほど、ザミエルは苛立ちに身を任せ右手に力を込めていた。結果、リモコンは無残にも断末魔のような砕け散る音を上げて、粉々となった。

リモコンが壊れても、テレビ本体にチャンネルを変えるためのボタンが普通のテレビにはある。それを思い出したザミエルは瞬時にテレビに近づき、チャンネルのボタンを連打する。だが、やはりこちらも同じだった。ザミエルの連打速度と指圧について行けないテレビのスウィッチは打ち砕かれ、スウィッチのあったところはクレーターとなった。

 

『現世の夜に、夢と幻想、陰謀と欲望が渦巻く魔の街、神室町、そこに女子高生アイドル天海春香が降り立った』

 

相変わらず、テレビの番組はアイドル司会の消費者金融のドキュメンタリー番組が流れており、ザミエルの求めている番組は映っていない。

テレビのチャンネルを変える手段を失ったザミエルは震えていた。

その震えは悲壮や絶望からくるものではない。彼女の中で膨らむ憤怒の業火によるものだ。

ザミエルは立ち上がり、笑い出した。負の感情が高ぶり過ぎた結果だ。シュピーネは笑うザミエルに恐怖し、体が動かなかった。ひとしきり笑い終えたザミエルは詩を詠い始めた。

 

「この世で狩に勝る楽しみなどない

 狩人にこそ 生命の杯はあわだちあふれん」

 

それと同時に、ヴェヴェルスブルグ城のシアタールームの室温が上がっていく。

温度が上がっていくのは室温だけではない。シアタールームにあったありとあらゆるものの温度が上がっていく。花瓶の花は発火し、グラスに入った飲み物は蒸発していく。

シュピーネの触っていたテレビも気が付けば、触っていられないほどの高熱になる。液晶が変色し、溶け始める。

 

「角笛の響きを聞いて緑に身を横たえ

 藪を抜け 池をこえ 鹿を追う」

 

テレビ内部に潜り込ませていた辺獄舎の絞殺縄を手元に戻し、逃走を試みる。

だが、溶け始めたテレビが絞殺縄に掛かり、なかなか引き抜けない。

シュピーネは死を覚悟した。

 

「王者の喜び」

 

思えばこの人生は常人とはかけ離れた波乱万丈であった。

約150年も前に、魔人の軍勢の円卓騎士団の末席に身を置き、紅蜘蛛…ロート・シュピーネなどという副首領から受けた魔名を名乗り、更に正体を隠すために、他にも様々な名を名乗った。偽名を150年近く名乗っていたため、気が付けば、自分の名を忘れていた。

今思い出せば、自分が本名を名乗っていたころは楽しかった。自分のしたい研究をしたいように、したい時にできた。あぁ、自分の自由を奪われたのは、この黒円卓の双首領に目を着けられてからだろう。あれが、自分の転落人生の始まりだった。

収容所で最高責任者だった自分は気が付けば、情報収集のためのパシリになってこき使われ、100年前のシャンバラでは聖餐杯にうまく利用されて、始末され、この地獄に来た。地獄に来てからも無論最悪の人生だった。基本無視されるのに、気が付けば、何かに巻き込まれている。逃げても逃げても、結局自分に災難が降りかかってくる。何もかも『いらないものまで手にいれてしまう』という自分の呪いによるものだ。

 

「若人のあこがれ」

 

瞳から光彩を失ったザミエルは淡々と詠唱を続ける。

あぁ、私は黄金という炎でこの身を焼かれ続けたい。貴方と幾千の戦場を共に駆け抜けたい。貴方への忠義を永劫貫き通したい。

故に、貴方に私の勝利を捧げる為に、私は全てを燃やし尽くす。

 

全て焼け野原となれ。

 

「燃え尽k」

「ザミエルー、テレビが壊れたって聞いたけど、僕のところで見るかい?」

 

ザミエルの前に黒円卓の白騎士が現れた。

黒円卓の多くの者から狂獣と恐れられた白騎士がザミエルには今は天使に見えた。

詠唱を止め、創造を中断し、速足でシュライバーを近づき、腕をつかむとシュライバーを引きずり、シュライバーの自室へと向かった。ザミエルのシアタールームに残ったシュピーネは泡を吹いて、白目を剥いて、失神していた。

 




小ネタが何なのか、分かったでしょうか?
「THE IDOLM@ASTER」と「龍が如く」です。

今回、「THE IDOLM@STER」をネタに入れた理由としてしまして、

『ヴィルヘルム「765プロだぁ?」シュピーネ「はい」』
http://animarusokuho.doorblog.jp/archives/17167136.html

という「Dies irae」と「THE IDOLM@STER」のクロスオーバーの二次創作作品を見つけ、読み気に入ったからです。


「龍が如く」をネタに入れたのも「THE IDOLM@STER」と「龍が如く」のクロスオーバーの二次創作作品

桐生「L・O・V・E・ラブリー伊織!」遥「」
http://morikinoko.com/archives/51831027.html

を見つけたからです。
良かったら、読んでみてください。

今回、このような小ネタを入れましたが、皆様の反応が悪ければ、こういった小ネタは止めるつもりですし、今構想を練っている「Dies irae」と「インフィニット・ストラトス」、「THE IDOLM@STER」の多重クロスオーバー作品を番外編として出すのも止めようかと考えています(誰得?)。ですので、今回の小ネタは良かったや、悪かったなどの意見があれば、感想に書いていただけると助かります。
よろしくお願いします。

屑霧島

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