やはり俺のソロキャンプはまちがっている。   作:Grooki

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 【ちょっと比企ペディア】:キャンプ道具(ギア)…寝具関係

【眠るためのギア】

 

・シュラフ(寝袋)

 

 キャンプにおける寝具で一番に挙げるべきものといえば、やはりシュラフ(寝袋)だと思う。

 

 寒い思いをすることなく快適に眠れたかどうかは、キャンプの成否も左右する。

 

 シュラフには、形、中身、対応温度で、色々な種類に分かれる。

 

 

(形による種類分け)

 

 一般に、「マミー型」と「封筒型」がある。

 

 「マミー型」は、中に入った人間の形に沿うように密着度が高い、まるでマミー(ミイラ)の形に見えるタイプだ。各メーカーの高性能の寝袋ラインナップとしてはこちらが多数派。

 

 無駄な隙間のない形なので収納時のサイズが「封筒型」より格段に小さくなる。

 

 コンパクトとはいえ、各メーカーにより、伸びのいい生地、縫製によって、窮屈さを感じさせない工夫がなされている。

 

 

 「封筒型」は、その名の通り封筒のような長方形をしている寝袋。ほとんど布団のように使え、窮屈さは「マミー型」に比べて格段に少ない。

 

 ただし、収納時のサイズは大きい(大人が一抱えする程度)。オートキャンプ等に向く。

 

 なお、どちらのタイプも、ファスナー全開にすると、魚の開きのような状態に近くなり、上掛け布団として使うこともできるタイプが多い。

 

 

(中身による種類分け)

 

 「天然羽毛(ダウン)」、「化繊(かせん)(化学繊維)」に分かれる。

 

 天然羽毛は、量の割に暖かい。コンパクトに荷物をまとめる必要がある登山ではこちらがスタンダード。

 

 ただし、濡れると保温力が低下すること、価格が高いこと、手入れ(洗濯)が少し難しいことが難点。もっとも洗濯については専用洗剤が売られているし、リペア等は各メーカーが対応していることが多い。

 

 ちなみに、天然羽毛の品質を測る指標として、「フィルパワー」(FP)がある。

 

 細かい理屈は省略するが、ようするに「ふんわり度」とでもいうのか。FPの数値が高いほど、良質な羽毛(少なくても暖かい、でも高い)といえる。

 

 500FP以上は高級品。しかし普通に登山用品店では800FPとか900FPとか売られている…。

 

 …ま、冬山登山での睡眠は命に関わるからね…

 

 ちなみに、900FP(ダウンとしては最高級)のシュラフで価格は69,000円(税抜)というのがあった。

 

 化繊は、比較的安く、濡れても乾きがよく、天然羽毛より保温力低下が少ない。手入れも比較的簡単である。

 

 ただし、天然羽毛のものに比べ、内容量が多くなりがち。よって、コンパクトになりにくい。オートキャンプ(車を使ったキャンプ)などでは活躍する。

 

 

(対応温度による種類分け)

 

 「コンフォート温度」「リミット温度」などという呼ばれ方で種類分けされている。

 

 

 「コンフォート温度」等…使用者が普通の服装で使用して、寒さを感じずに眠れる外気温。

 

 「リミット温度」等…使用者が普通の服装で、眠ることはできないが寒さに一晩耐えることができる外気温。

 

 …というのがおおかたの意味だが、統一の定義があるわけではなく、各メーカーの独自の設定である。現実には、表示されている温度+10度前後を加味して考えるようである。

 

 …ただ、寒さを凌ぐためなら、保温性のある服(靴下、裏起毛のズボン、ダウンジャケットなど)を着込んで潜り込むことで、シュラフの性能を補う、という手もある。

 

 超蒸れるけど。

 

 安い買い物ではないので、買う際には、実際に店まで出向き、手触りを確かめ(コレ結構大事)、店員に想定する行き先や時期を伝え、選ぶのを手伝ってもらうのがいい。

 

 店によっては試着(というのだろうか?)もさせてくれる。

 

 

 

 …ちなみに書き手(初心者)の個人的な意見だが、夏の低地・低山でのキャンプでは、テントを張れば寝袋までは必要ないように思う。テント内は割と密閉されて暑いので。

 

 そういう時は、旅行用の薄手のブランケットを使うのもいいと思う。

 

 また、キャンプ用として毛布、布団一式を持ち込むキャンパーもいる。

 

 オートキャンプなら、それもアリだと思う。

 

 

・スリーピングマット

 

 寝袋の下に敷くクッション、兼、地面からの冷えを防止するための重要アイテム。

 

 大きく分けて、「クローズドセル」、「インフレータブル」、「エア」の3タイプ。

 

 「クローズドセル」は、いわゆる銀マットのような空気の入っていない断熱材でできたもの。保温性は一番だが、かさばる。

 

 「インフレータブル」は、クッション素材と空気による膨張で弾力、断熱性を持たせるタイプ。保温性はクローズドセルには劣る…が、最近の主流製品で、改良が加えられている。空気孔を開くと自動的に空気が入るタイプが多い。

 

 「エア」は、空気を注入してふくらませ、クッション性をもたせるタイプ。保温性は一番低い。

 

 「クローズドセル」、「インフレータブル」、「エア」の順にコンパクトに収納できる。

 

 

・コット、エアベッド

 

 コットとは、折りたたみ式ベンチのような形の、キャンプ用ベッド。寝心地は地面に横になるよりはずっと良い。が、保温性は別途、スリーピングマットと併用するなどの工夫が必要。

 

 一般的にかなりかさばるのだが、中には男性の片腕くらいまでの大きさに収納できるものもある。欲しい。

 

 エアベッドはその名のとおり、空気でふくらませるとベッド(マットレス)のようになるもの。寝心地は多分一番だろうが、超かさばる。オートキャンプでないと持ち運びは無理と思う。

 

 エアポンプ別売り式と、ポンプ内蔵式がある。電動ポンプがおすすめ。

 

 

・モスキートネット

 

 キャンプ用の蚊帳(かや)。テントのように自立するタイプや、寝袋と組み合わせて露出する顔だけを保護するタイプなどがある。

 

 夏にタープ泊(テントを使わず、タープのみで野営する)するときなどは必須かも知れない。

 

 

 

 

・余談

 

 テントを張る=寝床を定めるとき、必ず確認すべきことは、「地面が水平か」どうか。

 

 または、若干傾斜があっても「頭側→足側」になっているかどうかである。

 

 書き手は初めての泊まりキャンプの時、左側→右側にほんの少し(ほんの数度)傾斜しているのに気づかずテントを設営してしまい、傾斜感がものすごく気持ち悪くて寝心地最悪というか寝られず夜明けを迎えた。

 

 テントを張る前に、地面が水平かどうかは、絶対に確認すべきだ。


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