やはり俺のソロキャンプはまちがっている。   作:Grooki

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(6)奉仕部・女子キャンプ#2 (対:その40、41)

木更津(きさらづ)か、久しぶりだなぁ」

 

 運転席の平塚先生が、なぜかしみじみつぶやいた。

 

「先生、けっこう来てたんですか?」

 

 ドライブでアクアラインとか行ってたのかな?

 

「むかし大好きだったドラマの舞台さ。『木更津キャッツアイ』。リアルタイムで見てたよ。美礼先生、大好きでな……」

 

 あー、そのドラマ、なんか聞いたことあるかも。でもあたしたちはまだ小学生とかだったから、ちゃんとは見てないんだよね。

 

 なーんて……、平塚先生には……い、言わない方がいいよね……!

 

 わかってる、ちゃんと空気読める! 特技(とくぎ)

 

「このへんはいろいろ観光スポットがあるぞ。海ほたる、中の島大橋、最近はアウトレットパークもできたし、それに太田山公園の『きみさらずタワー』は夜景がキレイだ。覚えておくといい」

 

「デートスポットばっかりだ……」

 

 思わず、聞こえないくらい小さな声でツッコんじゃった。

 

 なんでだろ、平塚先生、たぶんそれ全部、ひとりで行ったんだろうなって気がする……。

 

證誠寺(しょうじょうじ)も有名ですね。『(たぬき)ばやし』の」

 

 ゆきのんが、ぴっ、と、ひとさし指を立てて言った。

 

「はは、文化的なのを()げてきたな。さすが雪ノ下(ゆきのした)

 

 平塚先生が感心したふうに答えた。

 

「しょーじょーじ? タヌキさんの『しょ、しょ、しょーじょーじー♪』って、アレ?」

 

 へぇ〜、なんとなくお寺が出てくる歌なんだろうとは思ってたけど、木更津にあったのかぁ。

 

「そうそう。そのたぬきの」

 

 ゆきのんはそう言うと、なぜか笑顔で、あたしの顔をじっと見た。

 

 な……なに?

 

「……そうだ。ちょっと寄り道してもいいかな? なに、大したタイムロスじゃない。せっかくなので行ってみたい所があるんだ」

 

 おおー、どんなところだろ?

 

 あたしとゆきのんに反対する理由はなかった。

 

「よし」

 

 平塚先生は国道がまじわる交差点で、右にハンドルを切った。

 

 先の方にある標識(ひょうしき)には、「富津岬 十四km」と書いてた。

 

 おおーっ。

 

 こういう予定外の寄り道も楽しいよね!

 

 

☆★★☆

 

 

 『ゆきのんパパ号(キャンピングカー)』は、木更津を通りすぎ、おとなりの富津(ふっつ)市に入って、南ではなく、ちょっと西方向に進んだ。

 

 十分ちょっとくらい、のんびりした雰囲気の街中の道を走っていると、その先に交差点があり、目の前に松の林がせまってきた。クルマはその林の中へつづく道に入っていった。

 

 道の途中にあった看板には、「南房総国定 富津公園」と書かれていた。へぇ〜。

 

 しばらくの間、クルマはいくつもの松の林を入ったり抜けたりしながら、道をまっすぐに進んだ。

 

 けっこうキレイな道だった。国定公園って書いてあったし、国が管理してるのかな?(※)

 

 ふと松の林から抜けたとき、目の前に何か、不思議な建物が見え始めた。

 

 

 

 

 ……なにあれ!?

 

 

 

 

 この先はもう海しかない、っていう、その場所に建っていたのは、ふしぎな形の、展望台みたいなものだった。

 

 コンクリートの太い柱が、長いのと短いのと、何本も立っていて、それぞれの柱のてっぺんに、コンクリートの正方形のお皿のような台がのっかっていた。

 

 そして、それぞれの台には階段がかかっていて、一番低い台からじゅんばんに上って、一番真ん中の、一番高い台に上れるようになっていた。

 

 全体を見れば、まるでピラミッドの骨組みっていうか、そんな感じ。

 

 ふしぎだけど、かっこいいデザインだった。なんか、ここが世界の果てだぜ! っていう目印みたいな。

 

「着いたぞ」

 

 平塚先生はクルマを止めて、外へおりた。あたしとゆきのんもそれにつづく。

 

 

 

 

 展望台のすぐ手前にある駐車スペースには何台か、他の車やバイクも止まってて、一人で来てる人、グループやカップルで来てる人がちらほらいた。

 

 展望台は、近づいてみるとけっこう大きかった。ちょっとしたビルくらいの高さがある。

 

「いちばん上まで行ってみよう」

 

 平塚先生は階段の上りはじめにずんずん進んでいった。

 

 先生のあとについて、手すりをたどりながら階段を上っていった。四角い台の部分は、それぞれが展望台になってて、手すりが設置されていた。

 

 階段をぜんぶ上り切ると、目の前には、ぶわぁーっと海が広がっていた。

 

 向こう岸がぼんやりと見える。

 

 あっちって、神奈川県だよね! けっこう近い! すごい!

 

 反対側へ振り向くと、そっちもいいけしき! さっき来た道が、ほんとに海につきだした(みさき)だったことがひと目でわかった。

 

 展望台の手前で、道路はくるっとローカリー(※ロータリー)みたいに回ってて、道なりに進むだけで岬を往復できるようになっていた。

 

「初めて来ましたが、ステキなところですね……」

 

 ゆきのんは階段でちょっと息が上がってたけど(体力なさすぎだよ……)、風に長い髪をなびかせながら、そう言って海の方を見て目を細めた。

 

 平塚先生は、海の方を見ながら説明してくれた。

 

明治百年記念展望塔(めいじひゃくねんきねんてんぼうとう)。神奈川県に一番近い千葉県の西端(せいたん)だ。

 

 対岸の天気がよければ、富士山も見える。夕暮れ時とかキレイだぞ。

 

 ちょっと前、夜にプロジェクションマッピング(建物に映像を映して飾る技法)のイベントもあったみたいだ。

 

 ここは私のお気に入りの場所でな。もう少し南の竹岡までラーメンを食べに行ったとき、帰りに立ち寄ったりする」

 

「あ、知ってる! 竹岡式ラーメンだ!」

 

 あたしの答えに平塚先生はウンウンとうなずく。

 

 千葉の三大ご当地ラーメンのひとつなんだって! ヤックスで売ってるインスタントのを食べたことある。けっこうおいしかった!

 

 ちなみにあとの二つはね、えっとね、わかんない!

 

「先生、ラーメン好きなんですねー。食べ歩きとかしてるんですか?」

 

「まぁな。とりあえず千葉市の有名な店はひととおり行ったな。時々こいうところへ遠征(えんせい)もする。

 

 近いうちにも、大遠征する予定だ」

 

「へー、どこですか?」

 

 あたしの質問に、先生は、んっふっふ〜、と笑い、

 

「まだヒミツ」

 

 と言って、いたずらっ子みたいに、ニヒっていう笑顔になった。

 

 そして、上ってきた階段の方に向かってちょっと右に見える岬を指さした。南の方角。

 

「あの岬の向こう側に枇杷ヶ浜(びわがはま)がある。あとちょっとだ。

 

 今ごろ比企谷(ひきがや)はすでに現地へ着いて、昼でも食べながらダラダラしてるはずだ。一気に追いついて、状況を確認する」

 

 

 

 

 ヒッキー?

 

 

 

 

 ……あっ。

 

 

 

 

「よ、よぉーし! 待ってろよーヒッキー!!」

 

 あたしは岬のむこうをずびしっ! と指さして、はるかかなたのヒッキーに言ってやった。

 

「……由比ヶ浜(ゆいがはま)さん、あなた今ちょっと目的を忘r」

 

「あ、先生そーだ! ヒッキー見たあと、どっかお風呂入りに行きません? 温泉みたいなとこあればなーって」

 

 ゆきのんのするどいツッコミから逃げるように、朝思いついたアイディアを先生に話した。

 

 平塚先生はニヤリと笑って、ビシィッと親指を立てた。

 

「安心しろ、万事ぬかりはない……! 来る前にちょっと調べておいたんだ。なかなか良さげな温泉施設があってな、景気よく行こう! おごってやる!」

 

「わーいやったー!」

 

「はぁ……まったく……」

 

 あたしと平塚先生の話を聞いて、ゆきのんはこまったように笑いながらため息をついていた。

 

 

☆★★☆

 

 

 展望台をあとにして、そこから一時間くらい、『ゆきのんパパ号(キャンピングカー)』は南へ南へとのんびり走った。

 

「そろそろ厚木(あつぎ)先生のご親戚(しんせき)のいる駐在所(ちゅうざいしょ)だ。あいさつに寄るから準備しておきたまえ」

 

 カーナビを見ながら、平塚先生が言った。あたしもゆきのんもちょっとうとうとしてたので、ささっと身だしなみをチェックした。

 

「駐在さんへの説明は私がする。適当に合わせてくれ」

 

 平塚先生がそういうのと同時に、クルマは線路の近くの、家と交番がくっついたような建物の(ちゅうざいしょ?)駐車場に止まった。

 

 

 

 

「こりゃー大したもんですなぁ」

 

 駐在さんは、『ゆきのんパパ号』をながめながら、うらやましそうにため息をついた。

 

 男の人ってやっぱ、みんなこういうの好きなんだなぁ。

 

 平塚先生は駐在さんに、

 

「最初は先生だけが見に来る予定だったけど、()()()()当日にキャンピングカーを借りれたので、ヒッキーに連絡できないまま、他の女子部員も集めて乗って来てしまった。

 

 こっそりヒッキーを見守りながら、別でキャンプをする。

 

 ヒッキーが知っちゃうと、きっとすねるので、このことはナイショにしておいてほしい」

 

 みたいな感じで説明をしてた。

 

 駐在さんはオッケーしてくれた。

 

「はっはっは、モテモテですなぁ彼は。男気のある、ええ目をしとるし、気持ちのええ子じゃったけぇのお」

 

 駐在さんはそういってウケてたけど、あたしとゆきのんはもっとウケてたよ!

 

 だってさ、駐在さん! 厚木先生に超そっくり!! 声も似てるし、なんか言葉も似てたし!!

 

 それにヒッキーのこと、いい目をしてて気持ちがいい子、だって……!! 

 

 ヒッキー、ここ来たとき、どんだけキラキラしてたのっていう……!!(笑)

 

 でも、駐在さん、いい人でよかった! 厚木先生もひょっとしたら、普段はなんかコワい感じだけど、ほんとは優しい人なのかもって思ったりした。

 

 

 

 

 駐在所を出て、キャンプ場まではすぐだった。

 

 大きな道から、海水浴場の看板のとこで枝分かれした細い道に入り、さらに曲がって細――い道へ曲がる。平塚先生はぶつけないように気をつけながら、クルマをゆっくりと進めた。

 

 

 

 

「ふたりとも、そろそろ後ろのカーテンをしめてくれ。比企谷はすぐ近くにいる。見つからないように(かく)れておいたほうがいい」

 

 そう言う先生は、ついさっきから、ぼうしをかぶってサングラスをかけ、マスクをしていた。

 

 う、う〜ん……なんかお忍びの芸能人みたい……?

 

 でもでも、たしかにキンチョーする。見つかったらアウトだもんね! ヒッキー、ゼッタイ怒っちゃう。

 

 あたしとゆきのんは、あわてて全部のカーテンをしめて、うす暗い中で息をひそめた。

 

 

 

 

「よし……到着(とうちゃく)だ」

 

 クルマは細い道を抜けてすぐ目の前の駐車場に入った。タイヤが砂利(じゃり)を、がりがりがりってふんづける音がして、クルマの動きもエンジンも止まった。

 

 着いた……!

 

 ふーっ、と、全員からため息がもれた。

 

 テーブル横のカーテンをちょっとだけ開けて、こっそりと外を見る。

 

 すぐ目の前は、コンクリートの堤防(ていぼう)みたいになってて、低いんだけど、駐車場からは、その向こうまではギリギリ見えなかった。

 

 平塚先生はクルマを止めてすぐ、運転席からするっと抜けだして、あたしたちの方へと避難してきた。

 

「この堤防の向こうが、すぐキャンプ場のはずだ……。

 

 とりあえず少し周りの様子を見て、外に―― ッ隠れろ! 比企谷だ!!」

 

 運転席の窓の方を見ながら話していた先生が、突然テーブルにふせて、あたしたちに手でサインを送ってきた。

 

 ゆきのんはすかさずテーブルの下にもぐった。あたしもあわててテーブルにふせようとして、あごをゴチって打った。いっ()ぁ……!!

 

 

 それでも必死に、テーブルにつっぷした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 誰も物音を立てない中……。

 

 

 

 

              ジャッ、

 

           ジャッ、

 

        ジャッ、

 

     ジャッ……、

 

 

 

 

 って、ちょっとひきずるような足音が、かすかにだけど、前の方からちょっとずつ聞こえてきた。

 

 

 

 

 わ・わ・わ・わ・わ…… !!

 

 

 

 

 ……ヒッキーの、いつもちょっとダルそうに歩いてる、あの足音だ……!!

 

 

 

 

 ジャッ……。

 

 

 

 

 クルマの真横で、ちょうどあたしのいるテーブル席の真横で、足音は止まった。 

 

 なんで止まるの――!!??

 

 めちゃめちゃコワくてめちゃめちゃ心臓がバクバクいってた。

 

 ヤバイ、ヤバイヤバイヤバイ……っ!!

 

 

 

 

『おおー……キャンピングカーか……すっげぇ……キャブコンってやつだ……』

 

 

 

 

 ぼそぼそと、聞き覚えのある声がした。

 

 わー、まちがいなくヒッキーだ……!

 

 うわー、エンリョなしにひとりごと言ってる……! まる聞こえだよ……!

 

 

 

 

 しばらく、へー、とか、ほー、とか聞こえたあと、また、ジャッ、ジャッ、っていう足音が聞こえた。遠ざかっていく。

 

 そーそーそー! 行って行って! 向こう行って!!

 

 

 

 

 ジャッ!

 

 

 

 

『うおー、これ室外機? エアコンついてんの、ひょっとして……!?

 

 すっげえな、究極だな。セレブ……! 養われてぇ……!』

 

 

 

 

 まだ見てたァ――――ッ! こんどは後ろから――ッッ!? 

 

 堤防からジャンプで飛びおりて来たぁ――――ッ!!

 

 っていうかまだ「養われたい」とかいってるし!

 

 

 

 

 そのままヒッキーは、後ろから、クルマの左側に回りこんで、じっくりクルマを見ているみたいだった。

 

 そーっと、ブラインドをしめたキッチンスペースの窓から、外を見てみた。目かくしのブラインドのおかげで、外から中は見えないはず……!

 

 

 

 

 目の前に、カーキ色の服のヒッキーがいた。クルマのタイヤの方とか見てた。

 

 

 

 

「――ッ!!」

 

 びっくりして声が出そうになるのを、必死に口をおさえてこらえた。目が合わないうちに、すぐ窓からはなれる。

 

(いた、いた、いた!! ヒッキー! ヒッキー!!)

 

 あたしはゆきのんと平塚先生に、うなずきながら目で合図した。ふたりの表情がこわばった。

 

 わー、わー!! どうしよう! さすがに中にまでは入ってこないと思うけど、このままじゃ身動き取れないよ……!!

 

 

 

 

 と、平塚先生が、ハッと何かひらめいたような顔をして、ささっと運転席に向かった。

 

 ええええ!? なにしてんのせんせえぇ――っ!?

 

 あたしとゆきのんは、わけわかんなくてアワアワした。

 

 つぎのしゅんかん、先生は、キーを回して、クルマのエンジンを動かした!

 

 ぎゃ――――!!??

 

 

 

 

 と、

 

 

 

 

 ジャッジャッ、

 

  ジャッジャッ、

 

   ジャッジャッ、

 

    ジャッジャッ……、

 

 

 

 

 早足で、足音が遠くなっていった。

 

 おそるおそる、ゆきのんと、うしろのカーテンをちょっと開けて見てみると……。

 

 ヒッキーが、まわりを興味ぶかそうにキョロキョロながめたり、『お、めずらしいなー……』とかつぶやいて地面でなにか見つけたようなフリをしたり、なんかキョドりながら、どんどん遠ざかっていってた。

 

「……っ、緊急離脱(きんきゅうりだつ)!!」

 

 平塚先生の声と同時に、クルマが走りだして、駐車場を脱出した。

 

 

 

 

 全員、クルマが走ってるあいだじゅう、体が固まったようにだれも口をきかなかった。

 

 もときた道を戻って、さっき枝分かれして来た大きな道を、今度は右に曲がって、ちょっと行ったところにある道の駅の駐車場に入って、平塚先生はクルマのエンジンを止めた。

 

 

 

 

 そのしゅんかん、全員が、ぷはぁっと、止めていた息をはいた。や、息はしてたんだけど、なんかそんな感じで力がぬけたの!

 

 あっっっっぶなかったあぁぁぁ……!! バレちゃう一歩手前だった――っ!!

 

 まだ心臓バクバクいってたし!

 

 それに……!

 

 

 

 

 うっ……ぷふっ……!

 

 

 

 

「……っ、くっくくく……!!」

 

 運転席で平塚先生がプルプルふるえていた。

 

「ぷ……っ、ふふふ……っ!!」

 

 ゆきのんは両手で顔をかくしてプルプルしてた。耳が真っ赤になってた。

 

「……ううっ、くく……っ!!」

 

 あたしもヤバかった。なんか、ホント、体がプルプルふるえて止まらない……!!

 

 三人とも、だんだんプルプルがはげしくなっていって、お腹の底から笑いがこみ上げてきた。

 

 そして、三人同時に大爆笑した。

 

「あ――っははははは!! み、見たか!? 見たかアイツ!! あ、あの、あのリアク――っっくくくはははは!!」

 

 平塚先生は運転席で転げまわって思いっきり笑ってた。

 

「だ、だめぁははははは! めっちゃキョドってぁはははははは!!」

 

 あたしはおなかをかかえてソファに倒れこんで笑った。

 

「や、やめ……!! た、助け……っ――!!!!」

 

 ゆきのんは床をバシバシたたきながら片うでで顔を必死にかくして声を立てずに笑っていた。

 

 ヒッキー、バカすぎ!! 超ウケる!!

 

 人が乗ってると思わなかったから、エンジンがかかったことにビビって、「ジロジロ見てないよ! 散歩してただけだよ!」みたいなフリしながら逃げていったんだ……!!

 

 やっばい、おかしすぎる……!! あたしこれ、一生忘れないと思う!!

 

 

 

 

 ひとしきり三人で笑った。

 

 笑いがおさまるまで、なんと三十分もかかった!

 

 で、このことは、ヒッキーには何があってもゼッタイに言わないことを三人で約束しあった。

 

 

 

 

 笑いすぎて、しばらくの間は三人ともぐったりボーッとしてたけど、平塚先生が腕時計を見ながら、ぼそっとつぶやいた。

 

「午後四時すぎか……、さて、風呂に行って、ちょっと長めに休んでから、夕食の買い物をしようか……?」

 

「さ、さんせー……!」

 

 おなかの筋肉が元にもどってなかったけど、あたしは手を上げてなんとか賛成した。

 

 ゆきのんもなんとか手を上げて賛成した。まだぐったりしてたけど。

 

 よっし、お風呂だお風呂だ! なんかすっごいつかれたし、大きなお風呂につかって、リフレッシュしよう!!

 





 「自然公園法」では、自然公園として、「国立公園」と「国定公園」、そして「都道府県立自然公園」の三つが定められています。

 その中では、

 「国立公園」:国(環境大臣)が定め、国が管理する公園

 「国定公園」:国(環境大臣)が定め、都道府県が管理する公園

 というように定義されています。

 「富津公園」は国定公園なので、管理は千葉県が行います。

 実際は、「一般財団法人 千葉県まちづくり公社」ほか が指定管理者として運営しているようです。

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